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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 H04Q
管理番号 1001277
審判番号 審判1998-15690  
総通号数
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 実用新案審決公報 
発行日 2000-02-25 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 1998-10-01 
確定日 1999-08-06 
事件の表示 平成2年実用新案登録願第10785号「空気調和機のワイヤレスリモートコントローラ」拒絶査定に対する審判事件(平成7年10月25日出願公告、実公平7-47025)について、次のとおり審決する。   
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 I.手続きの経緯、本願考案の要旨
本願は、平成2年2月6日の出願であって、その考案の要旨は、出願公告後の平成10年10月22日付け手続補正書により補正された明細書及び図面の記載からみて、実用新案登録請求の範囲の請求項1及び請求項2に記載された「空気調和機のワイヤレスリモートコントローラ」にあると認められるところ、その請求項1に記載された考案(以下、「本願考案」という。)は、次のとおりのものである。
「赤外線などを利用した遠隔操作により空気調和機に運転制御のためのデータを送信するワイヤレスリモートコントローラにおいて、設定温度等の変数の表示を行う液晶表示部を備え、設定スイッチの用途や運転モードなどの世界各国に依る文字表示は液晶外に表示し、文字表示と対応する各モードを液晶による移動記号で指し示し、移動記号を切換えるスイッチにより表示し、液晶外の文字表示の変更によって世界各国に依る文字表示に対応可能な構造としたことを特徴とする空気調和機のワイヤレスリモートコントローラ。」
II.引用例
これに対して原査定の拒絶理由である実用新案登録異議の決定に引用された実願昭60ー154583号のマイクロフイルム(実開昭62ー62149号公報参照、昭和62年4月17日公開、以下、「引用例1」と言う。)には、
「第1図は本考案の1実施例を示す図であり、1はリモートコントローラ、2は液晶表示部、3、4、5、は液晶表示部2中に表示される矢印を示す。6は運転一停止ボタン、7、8、9は各々リモートコントローラ1に表示される機能を有する押ボタンスイッチである。10A、10Bは時間セットボタン、11A,11Bは温度セットボタンである。運転切換ボタン7を押すと運転モードは冷房から順次除湿→送風→換気→冷房→と変化し、それに従い矢印3は対応する位置へ移動する同様に強弱切換、タイマ切換ボタンでも矢印4、5はボタンを押すこにより移動しそのモードを示す。」(第4頁第19行?第5頁12行)、
「温度セットボタン11A,11Bにより設定温度を変更する。第1図では20℃にセットされている。」(第5頁第18?20行)、
「本考案によれば、液晶表示部の表示に運転切換、強弱切換、タイマ切換の各モードの文字を入れず矢印のみをもちいているので、モード名称を変更していても同じ液晶が使用できる。また全モードがリモートコントロールスイッチに表示されているので、ボタンを押した場合の次のモードが判りやすくなり」(第6頁第11?17行)、との記載があり、
同じく引用された実公昭63ー27489号公報(昭和63年7月25日出願公告、以下、「引用例2」と言う。)には、
「操作パネル2上のレイアウトを第2図に詳細に示す。符号5乃至7は押しボタンスイッチであり、符号8乃至12は発光ダイオード(LED)による表示灯であり、受信側と会話しようとするときに行なう操作を指示する絵文字による操作表示、符号14乃至18は送信時に操作すべき内容を操作者に指示するための文字又は絵文字によるガイダンス表示である。このガイダンス表示は、前記の表示灯の説明及び前記スイッチ5、6、7の名称の表示等と共に、操作パネルに貼り付けられた金属又はプラスチック等のシート19に印刷されている。」(第2頁右欄11?22行)、
「又、文字及び絵文字表示による表示はすべて操作パネルに貼り付けた金属又はプラスッチク等のシートに印刷され、室内の光で見えるようになっているので、液晶表示や発光ダイオード(LED)による表示に比較して格段に安くなり、さらにこの器機を輸出する場合は、輸出先の国語で文字印刷したシートを貼り付けるだけで対処することが出来る。」(第3頁右欄第21?28行)、
との記載がある。
III.本願考案と引用例との比較
本願考案(以下前者という。)と引用例1のもの(以下後者という。)とを比較してみると、後者は、設定温度と運転切換ボタンで移動する矢印を液晶表示部に表示し、液晶表示部外にボタンの機能と矢印で示されるモードを表示し、モード名称が変更になっても同じ液晶表示器を使用可能にしたエアコンディショナのリモートコントローラであるから、両者は、赤外線などを利用した遠隔操作により空気調和機に運転制御のだめのデータを送信するワイヤレスリモートコントローラにおいて、設定温度等の変数の表示を行う液晶表示部を備え、設定スイッチの用途や運転モードなどの文字表示は液晶外に表示し、文字表示と対応する各モードを液晶による移動記号で指し示し、移動記号を切換えるスイッチにより表示し、液晶外の文字表示の変更を行なう構造としたことを特徴とする空気調和機のワイヤレスリモートコントローラである点で一致し、前者は世界各国の文字表示の相違に対応するため液晶外の文字表示の変更を行なうのに対し、後者は器機のモードの変更に対応するために液晶外の文字の変更を行う点で相違する。
IV.当審の判断
そこで相異点について検討すると、引用例2のものは、器機の操作パネルにおいて、押しボタンスイッチの名称及び表示部の表示の説明を印刷ししたシートを貼ることによって輸出の際輸出先の国語に対処するようにしたものであるから、後者においても、引用例2のように文字表示の変更を各国の文字の相違の対応のため行って前者のようにすることに格別の推考力を要するものとは認められない。
V.結論
従って、本願考案は、引用例1及び2に基づいて当業者がきわめて容易に考案をすることができたものと認められるので、実用新案法第3条第2項の規定により実用新案登録を受けることができない。
したがって、請求項2について判断するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 1999-06-03 
結審通知日 1999-06-15 
審決日 1999-06-23 
出願番号 実願平2-10785 
審決分類 U 1 8・ 121- Z (H04Q)
最終処分 不成立    
前審関与審査官 田口 英雄東森 秀明  
特許庁審判長 松野 高尚
特許庁審判官 廣瀬 文雄
谷川 洋
考案の名称 空気調和機のワイヤレスリモートコントローラ  
代理人 高瀬 彌平  
代理人 家入 健  
代理人 宮田 金雄  

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