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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 B08B
管理番号 1002372
審判番号 審判1998-7564  
総通号数
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 実用新案審決公報 
発行日 2000-03-31 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 1998-05-07 
確定日 1999-09-24 
事件の表示 平成4年実用新案登録願第18555号「壁面処理機」拒絶査定に対する審判事件(平成5年10月19日出願公開、実開平5-76582)について、次のとおり審決する。   
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1.手続きの経緯および本願考案
本願は、平成4年3月31日の出願であって、その考案は、平成10年5月21日付けで補正された明細書および図面の記載からみて、その実用新案登録請求の範囲の請求項1乃至請求項3に記載されたとおりの
「【請求項1】 走行系と、
この走行系に対して旋回可能に設けられた旋回部と、
この旋回部に設けられた作業機系と、
この作業機系の先端部に脱着自在に取付けられた長尺な壁面処理用アタッチメントとを備え、
壁面処理用アタッチメントは、
この壁面処理用アタッチメントの全長を伸縮する伸縮機構部と、
この壁面処理用アタッチメントの先端部にて高圧水を噴射する高圧水噴射ノズルとを有し、
伸縮機構部は、
第1アーム、この第1アームの内部に摺動自在に嵌合された第2アーム、この第2アームの内部に摺動自在に嵌合された第3アームと、
第1アームとこの第1アームより突出された第2アームの先部との間に設けられたアームスライドシリンダと、
第1アームに一端を連結された第2アームの先部に巻掛けられて折返され第3アームに他端を連結された第3アーム突出用のワイヤと、
第1アームに一端を連結され第2アームの後部に巻掛けられて折返され第3アームに他端を連結された第3アーム収納用のワイヤとを有し、
一体化された走行系、旋回部および作業機系に対し分離されて設置された高圧水供給源の高圧水ポンプユニットと、
この高圧水ポンプユニットより高圧水噴射ノズルに高圧水を供給する給水ホースと
を具備したことを特徴とする壁面処理機。
【請求項2】走行系と、
この走行系に対して旋回可能に設けられた旋回部と、
この旋回部に設けられた作業機系と、
この作業機系の先端部に脱着自在に取付けられた長尺な壁面処理用アタッチメントとを備え、
壁面処理用アタッチメントは、
この壁面処理用アタッチメントの全長を伸縮する伸縮機構部と、
この壁面処理用アタッチメントの先端部に並設され高圧水を集束状態で噴出する直噴用ノズルおよび高圧水を拡散状態で噴出する拡噴用ノズルとを有し、
これらの直噴用ノズルおよび拡噴用のノズルの一方に対する給水を選択する切換弁と、
一体化された走行系、旋回部および作業機系に対し分離されて設置された高圧水供給源の高圧水ポンプユニットと、
この高圧水ポンプユニットより切換弁を経て直噴用ノズルおよび拡噴用ノズルの一方に高圧水を供給する給水ホースと
を具備したことを特徴とする壁面処理機。
【請求項3】高圧水ポンプユニットは、トルクリミッタを介してホース巻取方向へ回転されるホースリールを備えていることを特徴とする請求項1または2記載の壁面処理機。」
と認められる。
2.これに対し、原査定の拒絶の理由において引用した
特開昭63-294978号公報(以下、「刊行物1」という)には、「本発明は水噴射装置付フロントエンドローダに関し、より詳細には船内などの粉粒体貯倉内において鉄鉱石または石炭などの粉粒体をクライムシェルまたはアンローダ等で排出作業をした後に船壁面(リブ、コルゲート、ラダー、配管群)に付着した残鉱または残炭などを効率よく除去させる船倉内粉粒体等の付着物除去用の水噴射装置付きフロントエンドローダーに関するものである。」(2頁右上欄3?10行)こと、従来技術として、「第13図および第14図において、103は前部にツーウエイブレード105を有する船内荷役用ドーザ(自走式車両)であり、該ドーザ103には後部にアーム装置150を有しアーム装置150の固定支持台の下にプランジャポンプ130と、ヘッドガード107上に後述の貯水タンクへ水を補給するための横置型のホース巻取巻戻しリール装置108と、運転室106の側方に貯水タンク120と、走行駆動用エンジン140とプランジャーポンプ130とを連結するクラッチ143と、アーム装置150の先端で水を噴射するノズル155と、運転室106に表示スイッチボックス170と、遠隔操作用コントロールボックス160を夫々設けてある。アーム装置150は市販の油圧クレーンユニットをベースにその先端部に水噴射ノズルを装着すべく改造を加えたもので、装置内に油圧タンクおよびバルブセットを内蔵しており、圧油を外部から供給してやることにより作動可能とされるタイプであって、旋回駆動装置151と、油圧シリンダ157aによって旋回起伏動作可能にしたアーム154と、油圧シリンダ157bによって起伏動作可能にしかつ油圧シリンダ157cにより伸縮動作可能にしたエクステンションアーム152と該エクステンションアーム152の先部に揺動自在に取付けられた端部アタッチメント156を設け、該アタッチメント156には改造によりプランジャポンプ130からホース135を介して水を噴射するための水噴射ノズル155を設けてある。」(2頁上右欄15行?同下右欄4行)こと、「アーム装置150を運転室106のリモートコントロールボックス160のアーム起伏操作用スイッチを操作するとともに該コントロールボックス160のアーム旋回操作用スイッチ、アタッチメント起伏操作用スイッチおよびアタッチメント旋回操作用スイッチにより各アームおよびノズルを支持したアタッチメントを任意の方向に操作させる。次に壁面に付着した残鉱または残炭等の高さに応じエクステンションアーム152を伸長させ該アームの先端部のノズル155を壁面から所要の距離(5m内外)にて任意の位置に対向させる。この状態でノズル155から高圧水を噴射して壁面の付着物を除去する。」(3頁上左欄5?18行)ことが、また、従来技術の欠点として、「水噴射ノズル付きアーム装置は車両後部に固定的に搭載されており、またツーウェイブレードも車両前部に容易に取り外せないように装着されている。したがって当該車両は専用作業機として使用され・・・他の作業には使用できない。」(3頁上右欄2?7行)こと、その解決手段として「該油圧作動水ポンプ、アーム装置および水噴射ノズルを本体車両の作業機油圧回路からクイックチャック方式のホースにより接続された回路からの油圧で作動するようにした水噴射装置をリフトアーム先端に装着したクイックカプラを介して着脱可能とし・・・」た(3頁下右欄16行?4頁上右欄1行)ことが記載されている。
同じく特開昭58-126284号公報(以下、「刊行物2」という)には、被洗浄面の沿って移動自在な移動体と、該移動体に配設された高圧水配管と、該配管の被洗浄面対向箇所にこの配管の長手方向に沿って適当間隔ごとに設けられた多数の高圧水噴射ノズルとを有する高圧水洗浄装置において、上記配管を被洗浄面に対して接近離間させる接近離間装置を設けたことを特徴とする高圧水洗浄装置。」(特許請求の範囲)が記載されている。
同じく実願昭60-183396号(実開昭62-169966号)のマイクロフィルム(以下、「刊行物3」という)には、「本案は高圧水ポンプに高圧水ホースの基端部を接続し、同ホースの先端部を床面自走車に設けた高圧水下向噴出ノズルに接続してなる漁網洗浄装置によって構成される。」(明細書2頁4?7行)ことが記載されている。
3.対比・判断
刊行物1記載の発明は、アーム装置は市販の油圧クレーンユニットをベースにその先端部に水噴射ノズルを装着すべく改造を加えたものであり、旋回駆動装置151と油圧シリンダ157aによって旋回起伏動作可能にし、油圧シリンダ157bによって起伏動作可能にしかつ油圧シリンダ157dにより伸縮動作可能にしたエクステンションアーム152を備えたものであるから、船内荷役用ドーザに旋回可能な作業機系を備えていることは明らかである。
そこで、本願の請求項2に係る考案(以下、「本願考案」という。)と刊行物1記載の考案を対比すると、刊行物1記載の考案の「船内荷役用ドーザ」、「アーム装置とノズル」、「エクステンションアーム」および「水噴射装置付きフロントエンドローダー」はそれぞれ本願考案の「走行系」、「アタッチメント」、「伸縮機構部」および「壁面処理機」に相当するから、
両者は、「走行系と、この走行系に対して旋回可能に設けられた旋回部と、この旋回部に設けられた作業機系と、
この作業機系の先端部に脱着自在に取付けられた長尺な壁面処理用アタッチメントとを備え、
壁面処理用アタッチメントは、
この壁面処理用アタッチメントの全長を伸縮する伸縮機構部と、
この壁面処理用アタッチメントの先端部に高圧水を噴出するノズルを有し、
このノズルに給水する高圧水供給源の高圧水ポンプユニットと、
高圧水ポンプユニットよりノズルに高圧水を供給する給水ホースと
を具備したことを特徴とする壁面処理機。」の点で一致し、
(1)本願考案では、「高圧水を集束状態で噴出する直噴用ノズルおよび高圧水を拡散状態で噴出する拡噴用ノズルとを有し、これらの直噴用ノズルおよび拡噴用ノズルの一方に対する給水を選択する切換弁と、高圧水ポンプユニットより切換弁を経て直噴用ノズルおよび拡噴用ノズルの一方に高圧水を供給する供給ホースを備え」ているのに対し、刊行物1記載の考案ではそのようになっていない点、(相違点1)
(2)高圧ポンプユニットが、本願考案では「一体化された走行系、旋回部および作業機系に対し分離して設置され」ているのに対し、刊行物1記載の考案ではそのようになっていない点(相違点2)
で両者は相違しているものと認められる。
そこで上記相違点について検討する。
相違点(1)
洗浄水を高圧で噴射する洗浄機は洗浄の状況に応じて噴射状体を直射(直噴用)或いは扇型(拡噴用)とするのが望ましくそれらを使い分けることは、従来より本願考案の属する洗浄技術の分野において普通に行われていること(必要なら、実願昭60-20037号(実開昭62-109747号)のマイクロフィルム参照のこと。特に明細書2頁7?15行の記載)であり、この従来技術を刊行物1の高圧ノズルに採用し本願発明のようにすることは、当業者が容易に想到し得たことであると認められる。
相違点(2)
刊行物2および刊行物3には、この種の自走式洗浄装置において、高圧水ポンプユニットを一体化された走行系、作業機系とは分離して配置する技術が記載されており、この刊行物2および刊行物3に記載された技術を刊行物1記載の考案に採用し、本願考案のように、一体化された走行系、旋回部および作業機系と高圧水ポンプユニットを分離し、走行系、旋回部および作業機系を小型軽量とすることは、当業者にとって格別困難性は認められない。
したがって、本願考案は、上記刊行物に記載されたものおよび周知技術に基づいて当業者がきわめて容易に考案することができたものと認められるから、実用新案法第3条第2項の規定により登録を受けることができない。
よって結論のとおり審決する。
審理終結日 1999-07-19 
結審通知日 1999-08-03 
審決日 1999-08-10 
出願番号 実願平4-18555 
審決分類 U 1 8・ 121- Z (B08B)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 石田 宏之  
特許庁審判長 岡田 幸夫
特許庁審判官 和泉 等
長崎 洋一
考案の名称 壁面処理機  
代理人 樺澤 聡  
代理人 樺澤 襄  
代理人 島宗 正見  
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