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審決分類 審判    H01Q
審判    H01Q
管理番号 1002394
審判番号 審判1998-40016  
総通号数
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 実用新案審決公報 
発行日 2000-03-31 
種別 無効の審決 
審判請求日 1998-08-27 
確定日 1999-09-29 
事件の表示 上記当事者間の登録第3049188号実用新案「携帯型情報機器、携帯型情報機器用のアンテナ」の登録無効審判事件について、次のとおり審決する。   
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。
理由 (手続の経緯・本件考案)
本件実用新案登録3049188号の請求項1および請求項2に係る考案(平成9年11月25日出願、平成10年3月18日設定登録。)は、実用新案登録明細書及び図面の記載からみて、その実用新案登録請求の範囲の請求項1および請求項2に記載された次のとおりのものである。
「1.携帯型情報機器本体と、この携帯型情報機器本体の外周部の一部に装着されたアンテナとを有する携帯型情報機器において、
前記アンテナは、伸縮可能なロッドアンテナ状に構成されると共に、携帯型情報機器本体の外周部の近傍位置において複数段に折り曲げ可能で、前記携帯型情報機器本体に沿ったクリップ部を形成する折曲部を備えたことを特徴とする携帯型情報機器」
「2.携帯型情報機器本体の外周部の一部に装着された携帯型情報機器用のアンテナにおいて、
前記アンテナは、伸縮可能なロットアンテナ状に構成されると共に、携帯型情報機器本体の外周部近傍において二段に折り曲げ可能で、折り曲げ状態で前記携帯型情報機器本体に沿ったクリップ部を形成する折曲部を備えたことを特徴とする携帯型情報機器用のアンテナ。」
(請求人の主張)
これに対して、請求人は、株式会社ソシエテアペックスが本件実用新案登録の請求項1および2に係るアンテナをその出願前からすでに日本国内において公然と実施しており、本件実用新案登録は実用新案法第3条第1項第1号および第2号の規定に違反してされたものと主張し、甲第2号証(警告文)、甲第3号証(見解書)を提出している。
一方、被請求人からの平成11年2月3日付け審判事件答弁書を請求人に送付し、期間を定め請求人に意見を求めたが応答はなかった。(なお、甲第1号証は、実用新案登録第3049188号として登録された本件考案の願書に最初に添付された明細書および図面の写しである。そして、本件考案は補正することなく登録されたので上記明細書の実用新案登録請求の範囲は実用新案登録されたものと同一である。)
(甲第2号証および甲第3号証)
甲第2号証は、平成9年12月8日付けの株式会社ソシエテアペックスから株式会社フジモトヘの警告文であり、次のような記載がある。
「当社は本年携帯電話用交換アンテナSA-20を開発し、本年9月より製造販売して参りました。・・・・・・ところで、貴社は最近アンテナ「ナイン」の交換アンテナを製造販売されております。しかし、貴社アンテナは、当社の本件アンテナの周知形状「二段折り収納形状」をそっくり採用したものであります。さらに貴社アンテナの包装に記載された商品説明の文章の内容、改行の仕方並びに説明用ポンチ絵及びその配置も本件アンテナの包装のそれと全く同一であります。」
甲第3号証は、その表題が見解書とされたもので、その内には次のような記載がある。
「(2)一方、株式会社ソシエテアペックスの製造販売に係る携帯電話用交換アンテナ(商品番号SA-20)の構造を本件の構造にあわせて分説すると、
(G)携帯電話器本体に搭載している既存のアンテナと交換して使用するためのアンテナであって、
(H)該アンテナは、5段に伸縮可能なロッドアンテナ状に構成され、
(I)またこのアンテナは、携帯電話器本体の上端コーナー部位において2段に折り曲げ可能な一対のヒンジ(折曲部)を備え、
(J)このヒンジでの2段折り曲げにより、携帯電話器本体に沿ったクリップ部を形成可能とする構成用件を備えたものであって、
このアンテナは、本件の請求項2記載の発明と同一構成のものであり、またこのアンテナを、携帯電話器本体に搭載している既存のアンテナと交換して使用することにより、本件の請求項1に記載の考案と同一構成となる。
(3)次に、本件は平成9年11月25日2出願されたものであるが、株式会社ソシエテアペックスの製造販売にかかる携帯電話用交換アンテナは、本件の出願前である少なくとも平成9年9月より日本国内において販売されている。」
(当審の判断)
甲第2号証には、上記のように携帯電話用交換アンテナの「SA-20」という型番が示され、そのアンテナの構造の概略および該アンテナを本年(平成9年)9月より製造販売していたという記載はあるが、この記載だけでは型番「SA-20」というアンテナが平成9年9月より製造販売されていたという事実、型番「SA-20」というアンテナが警告文にいう概略構造を持っていたという事実を示す証拠として採用することはできない。また、甲第3号証にも、上記と同様に、携帯電話用交換アンテナの「SA-20」という型番が示され、そのアンテナの構造および該アンテナを平成9年9月より製造販売していたという記載はあるが、この記載だけでは型番「SA-20」というアンテナが平成9年9月より製造販売されていたという事実、型番「SA-20」というアンテナが見解書にいう構造をもっていたという事実を示す証拠として採用することはできない。してみれば、請求人の提出した甲第2号証、甲第3号証から本件請求項1、2に係る考案が実用新案登録出願前に日本国内において公然知られた考案あるいは公然実施された考案とすることはできない。
(むすび)
したがって、審判請求人が主張する理由及び証拠方法によっては、本件請求項1、2に係る実用新案登録を無効にすることはできない。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 1999-06-23 
結審通知日 1999-07-06 
審決日 1999-07-22 
出願番号 実願平9-10895 
審決分類 U 1 121・ 112- Y (H01Q)
U 1 121・ 111- Y (H01Q)
最終処分 不成立    
特許庁審判長 木南 仁
特許庁審判官 清水 稔
吉見 信明
登録日 1998-03-18 
登録番号 実用登録第3049188号(U3049188) 
考案の名称 携帯型情報機器、携帯型情報機器用のアンテナ  
代理人 下山 冨士男  

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