• ポートフォリオ機能


ポートフォリオを新規に作成して保存
既存のポートフォリオに追加保存

  • この表をプリントする
PDF PDFをダウンロード
審決分類 審判 全部申し立て   B01D
管理番号 1002404
異議申立番号 異議1998-74860  
総通号数
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 実用新案決定公報 
発行日 2000-03-31 
種別 異議の決定 
異議申立日 1998-09-24 
確定日 1999-09-29 
異議申立件数
事件の表示 実用新案登録第2566430号「ドライヤー内蔵型気体フィルタ」の請求項1ないし2に係る実用新案に対する実用新案登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。   
結論 実用新案登録第2566430号の請求項1ないし2に係る実用新案登録を維持する。
理由 1.手続の経緯
実用新案登録第2566430号は、平成3年2月13日に出願され、平成9年12月19日に設定登録がなされ、その後、実用新案登録異議申立てが、社団法人日本油空圧工業会よりされたものである。
そして、当審において、平成11年3月2日付けで取消理由を通知したところ、平成11年5月11日で実用新案登録異議意見書が提出されている。
2.本件考案
本件実用新案登録請求の範囲の請求項1、2に係る考案(以下、「本件考案1,2」という)は、実用新案登録明細書及び図面の記載からみて、その実用新案登録請求の範囲の請求項1、2に記載された次のとおりのものである。
「【請求項1】原気体の流入口と浄化気体の流出口を有する容器の下部に凝縮液体を排出する排出口を設け、この容器の内部には、外筒と内筒を同心円状に設けて外周室と内周室を区画形成し、外周室には、流入口と連通する一次側に冷却媒体を収納して気体に混在する蒸気を凝縮分離すると共に、内周室には、流出口と連通する二次側に疎水性高分子多孔質薄膜である中空糸膜を収納したことを特徴とするドライヤー内蔵型気体フィルタ。
【請求項2】冷却媒体は無機繊維または、無機粉焼結体等の実質的に多孔質または網目構造体であることを特徴とする請求項1に記載のドライヤー内蔵型気体フィルタ。」
3.取消理由について
(1)取消理由の概要
平成11年3月2日付けで当審で通知した取消理由の概要は、刊行物1(実願昭61-133311号(実開昭63-39414号)のマイクロフイルム)、刊行物2(特開昭60-68027号公報)及び刊行物3(特開昭64-22322号公報)を提示して、本件考案1,2は、刊行物1?3に記載の考案に基づいて当業者がきわめて容易に考案をすることができたものであるから、本件考案1,2の実用新案登録は実用新案法第3条第2項の規定に違反してされたものである、というものである。
(2)刊行物1?3の記載
刊行物1:
コンパクトで且つ圧縮空気管路内における水分や油分などの液状の粒子に対する優れた除去効率を有する圧縮空気用フイルタ装置に関するものであって、特に図面を参照として、
a.圧縮空気流入用の入口ポート42と圧縮空気流出用の出口ポート44を有する二重筒型複合フイルタ部材22と、当該フィルタ部材22の軸方向両端開口部に取り付けられる上部蓋部材26,下部蓋部材30とから容器が形成され、その下部蓋部材30の下部半割体60に、ドレインバルブ74を取り付ける取付孔73が設けられ;
b.二重筒型複合フイルタ部材22の内部には、円筒形状の内筒10とその外側に該内筒よりも所定寸法大径で且つ略同一の長さを有する円筒形状の外筒16とが同心的に配設され(第10?11頁)、第一フイルタ14と第二フイルタ20が構成され;
c.第一フィルタ14内部には、ステンレス繊維からなる網状体の巻回成形塊などの詰物12が充填されて、圧縮空気中に含まれる水や油の蒸気乃至は液状微粒子が小滴に合体され下部蓋部材30が分離されドレインバルブ74を介して排出され;
d.(内筒10と外筒16との間の間隙内に構成される)第二フィルタ20内には、綿繊維からなる布材料巻回塊などの詰物18が充填されて、下部蓋部材30で小滴を分離され乾燥された圧縮空気中に液状の粒子として残存する水分や油分が完全に気化される;
ようになった圧縮空気用フイルタ装置が記載されている。
e.23頁11?15行には、「それとは逆に、内筒10内において第二フイルタを、また内筒10と外筒16との間隙内において第一フイルタを、それぞれ構成するようにすることも勿論可能であり、」と記載されている。
刊行物2;
[発明の技術的背景とその問題点]の項には、ろ布等を用いる従来のエアフイルタ装置では粒子の捕集率が高くないこと、[発明の目的]の項には、エアフイルタの寿命を延ばし、かつ二次廃棄物量を低減化した浄化性能のすぐれたエアフイルタ装置を提供する、と記載され、疎水性中空糸膜をエア浄化系に適用したエアフイルタ装置が記載されている。
刊行物3;
空気冷却器に組み込まれたフイルタのろ過部材として多孔性のセラミックスや焼結金属等が記載されている(3頁右上欄17?18行)。
(3)対比・判断
[本件考案1について]
本件考案1と上記刊行物1、2に記載の各考案とを比較検討する。
本件考案1と刊行物1に記載の考案とを対比すると、後者の「ステンレス繊維からなる網状体の巻回成形塊などの詰物12」は、前者の「冷却媒体」に相当するから、両者は、原気体の流入口と浄化気体の流出口を有する容器の下部に凝縮液体を排出する排出口を設け、この容器の内部には、外筒と内筒を同心円状に設けて外周室と内周室とに区画形成された、冷却媒体を内蔵するドライヤー内蔵型気体フィルタ、である点で一致するが、次の(1)、(2)の点で相違するものである。
(1)冷却媒体が流入口と連通する一次側に収納される室は、前者が外周室であるのに対して、後者は内周室である点、
(2)流出口と連通する二次側に収納されるものが、前者は「疎水性高分子多孔質薄膜である中空糸膜」であり、かつ内周室に収納されるのに対して、後者は「綿繊維からなる布材料巻回塊などの詰物18」であり、かつ外周室に収納される点。
先ず、相違点(1)について検討する。
平成11年5月11日付け意見書に記載されるように、刊行物1のものは、内周室が一次側となっている冷却媒体で、外周室が二次側となっている綿繊維などの詰物から成るもので、この構造によると、一次側の冷却媒体が流入空気により暖まり、この放熱により外周室である外側を温めてしまうので、折角捕捉した水滴、油滴を外側の詰物で再度加温し、蒸散させてしまうため、清浄効率が悪い結果となる。これに対して、本件考案は、冷却媒体が流入口と連通する一次側に収納される室を外周室としたので、刊行物1のような清浄上の不都合がない。
また、刊行物1の上記e.23頁11?15行には、「それとは逆に、内筒10内において第二フイルタを、また内筒10と外筒16との間隙内において第一フイルタを、それぞれ構成するようにすることも勿論可能であり、」と記載される。したがって、刊行物1には、冷却媒体を外周室に収納することが開示されているといえるが、この場合には、冷却媒体は「流出口と連通する二次側に収納される」こととなり、本件考案1の「流入口と連通する一次側に収納される」ものと相違するものとなる。
よって、相違点(2)について検討するまでもなく、本件考案1は、刊行物1、2に記載の各考案に基づいて当業者がきわめて容易に考案をすることができたものであるとはいえない。
[本件考案2について]
刊行物3に記載されるように、空気冷却器に組み込まれたフイルタのろ過部材として多孔性のセラミックスや焼結金属は知られたものではあるが、本件考案2は本件考案1を更に限定したものであるから、本件考案1についての判断と同様の理由により、刊行物1、2に記載の各考案に基づいて、或いは刊行物1?3に記載の各考案に基づいて当業者がきわめて容易に考案をすることができたものであるとはいえない。
4.異議の申立てについて
(1)申立て理由の概要
申立人は、証拠として甲第1号証(上記刊行物1)、甲第2号証(上記刊行物2)及び甲第3号証(上記刊行物3)を提出して、本件考案1,2の実用新案登録は、実用新案法第3条第2項の規定に違反してなされたものであるから、本件考案1,2の実用新案登録を取り消すべきと主張する。
(2)申立てに対する判断
上記項目3(3)で記載した理由により、申立人の提出した甲第1?3号証の記載を基に、本件考案1,2がきわめて容易になし得たものであるとはいえない。
5.むすび
以上のとおり、実用新案登録異議申立ての理由及び証拠によっては、本件考案1,2の実用新案登録を取り消すことはできない。
また、他に本件考案1,2の実用新案登録を取り消すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり決定する。
異議決定日 1999-09-13 
出願番号 実願平3-11948 
審決分類 U 1 651・ 121- Y (B01D)
最終処分 維持  
前審関与審査官 斉藤 信人  
特許庁審判長 石井 勝徳
特許庁審判官 新居田 知生
野田 直人
登録日 1997-12-19 
登録番号 実用登録第2566430号(U2566430) 
権利者 株式会社キッツ
千葉県千葉市美浜区中瀬1丁目10番1
考案の名称 ドライヤー内蔵型気体フィルタ  
代理人 小林 哲男  
代理人 藤田 アキラ  
代理人 伊藤 武久  
  • この表をプリントする

プライバシーポリシー   セキュリティーポリシー   運営会社   サービスに関しての問い合わせ