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審決分類 審判 補正却下不服   A44B
管理番号 1003981
審判番号 審判1997-50196  
総通号数
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 実用新案審決公報 
発行日 2000-04-28 
種別 補正却下不服の審決 
審判請求日 1997-12-24 
確定日 1999-10-29 
事件の表示 平成3年実用新案登録願第114385号「ミゾのついた鳩目」において、平成7年12月24日付け及び平成8年8月1日付けでした手続補正に対してされた補正の却下の決定に対する審判事件について、次のとおり審決する。   
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1.手続の経緯
本願は、平成3年12月24日の出願であって、その後、平成7年12月12日付けの明細書を補正する手続補正書が平成7年12月24日付けで提出され、当該手続補正書に対して補正指令がなされたところ、それに対応して平成8年8月1日付けで手続補正書が提出されたが、上記の平成7年12月24日付けで提出された手続補正書および平成8年8月1日付けで提出された手続補正書に基づく明細書の補正は、平成9年11月14日付けで決定をもって却下された。
2.原決定の理由の概要
上記補正の却下の決定(以下、「原決定」という。)の理由は次のとおりのものである。
a.『平成7年12月12日付手続補正書の請求項3には「穴の内側部分につけたミゾ」が記載されているが、この「穴の内側部分につけたミゾ」は、願書に最初に添付した明細書または図面に記載されておらず、しかも同明細書または図面の記載からみて自明のこととも認められないので、この補正は、明細書の要旨を変更するものと認められる。
したがって、この補正は実用新案法第13条で準用する特許法第53条第1項の規定により却下すべきものである。』
b.『平成7年12月12日付手続補正書に対する中間指令に基づき当該手続補正書を変更した平成8年8月1日付手続補正書の請求項3には「穴の内側部分につけたミゾ」が記載されているが、この「穴の内側部分につけたミゾ」は、願書に最初に添付した明細書または図面に記載されておらず、しかも同明細書または図面の記載からみて自明のこととも認められないので、この補正は、明細書の要旨を変更するものと認められる。
したがって、この補正は実用新案法第13条で準用する特許法第53条第1項の規定により却下すべきものである。』
3.当審の判断
旧実用新案法第55条第2項で準用する特許法第17条の2第1項によれば、出願の日から1年3月を経過した後出願公告をすべき旨の決定の謄本の送達前においては、出願人が出願審査の請求をする場合において、その出願審査の請求と同時に「願書に添付した明細書又は図面について補正することができる」とされている。
そして、本件の平成7年12月24日付の手続補正書は、出願人が出願の審査の請求と同時に提出したものであるが、方式上の不備があり、その不備を是正すべくなされた補正指令に応じて、平成8年8月1日に提出された手続補正書によってさらに補正されたものである。
したがって、平成7年12月24日付けで提出された手続補正書による補正の実体は上記平成8年8月1日付けで提出された補正書によるものとなるので、その適否についての判断を、上記の平成8年8月1日付けで提出された手続補正書に基づく補正が、「願書に添付した明細書又は図面について補正する」ものであるか否かについての検討によってする。
そこで、検討すると、平成8年8月1日付けで提出された手続補正書の、【実用新案登録請求の範囲】の【請求項3】には「穴の内側部分につけたミゾ」が記載されているが、願書に添付した(出願当初の)明細書には、(鳩目の)「周囲にミゾをつける」ことが記載されているのみで、(鳩目の)穴の内側部分にミゾをつけることは何も記載されておらず、同じく願書に添付した図面の図1、2、及び4には周囲にミゾをつけた鳩目の中央に断面円形の穴が示されているが、その内側部分は平滑でミゾをつけたものは示されておらず、さらに、上記明細書又は図面を精査しても、「穴の内側部分につけたミゾ」が、記載されているに等しい自明の事項であるとする根拠も見いだせない。
すなわち、「穴の内側につけたミゾ」を請求項3として加えることは、「願書に添付した明細書又は図面についての補正」ということはできず、明細書の要旨を変更するものといわざるを得ない。
請求人は、審判請求書の請求の理由において、『10年位前……と思い……「穴の内側部分にミゾ」をつけたが明細書の要旨を変更するものとは思えない』と主張しているが、上述のように、明細書の要旨を変更するものかどうかの判断は、その補正が、「願書に添付した明細書又は図面についての補正」であるかどうかによってなされるものであるので、上記の請求人の主張は妥当でない。
なお、平成8年8月1日付けで提出された手続補正書により補正される前の、平成7年12月24日付けでに提出された手続補正書自体の内容について検討しても、「穴の内側部分につけたミゾ」の記載が明細書の要旨を変更するものであるとする上記の判断は変わらない。
4.むすび
以上のとおりであるので、上記手続補正書による補正を却下すべきものとした原決定は妥当であって、取り消す必要は認められない。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 1999-04-09 
結審通知日 1999-06-29 
審決日 1999-06-22 
出願番号 実願平3-114385 
審決分類 U 1 7・ 11- Z (A44B)
最終処分 不成立    
前審関与審査官 塩澤 克利  
特許庁審判長 佐藤 雪枝
特許庁審判官 船越 巧子
森林 克郎
考案の名称 ミゾのついた鳩目  

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