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審決分類 審判 全部申し立て   A61C
管理番号 1004038
異議申立番号 異議1998-73225  
総通号数
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 実用新案決定公報 
発行日 2000-04-28 
種別 異議の決定 
異議申立日 1998-06-24 
確定日 1999-05-14 
異議申立件数
事件の表示 実用新案登録第2558546号「歯科治療におけるうがい水供給装置」の実用新案に対する実用新案登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。   
結論 実用新案登録第2558546号の実用新案登録を取り消す。
理由 1.手続きの経緯
本件実用新案登録第2558546号考案は、平成3年8月8日に出願され、平成9年9月5日にその設定登録がなされ、その後、西尾務より実用新案登録異議の申し立てがなされ、取消理由通知がなされ、その指定期間内である平成10年11月5日に登録異議意見書が提出されたものである。
2.本件考案
本件の請求項1に係る考案は、実用新案登録明細書及び図面の記載からみて、その実用新案登録請求の範囲の請求項1に記載された下記の事項により特定されるとおりのものと認める。
「うがい水噴水口と、該うがい水を受け入れるコップを載置する載置部と、前記コップの重量を計量する計量装置を有し、該計量装置は、該計量装置にコップを置いた時に操作して該計量装置の計測重量を0に設定する0重量設定手段と、該計量装置に置かれたコップにうがい水を所定量供給した時に該うがい水の供給を停止するうがい水供給量設定手段とを有し、以降、該コップ内のうがい水が前記所定量供給された時の重量になると自動的にうがい水の供給が自動的に停止されるようにしたことを特徴とする歯科治療におけるうがい水供給装置。」(以下「本件考案」という。)
3.引用刊行物記載の発明
先の取消理由通知において引用した刊行物1には、次の事項が記載されている。
(ア)「本発明歯科用自動コップ給水制御方式および装置のストレインゲージ22を取り付ける支持装置およびコップの受け皿の構成を以下に示す。第2図および第3図に示すように、」(第3頁右上欄2行目乃至5行目)(イ)「ストレインゲージ又は差動トランス等検出部材の変位量(又はひずみ量)を連続検出し、歯科治療用コップの給水量を自動的に制御するに当たり、前記検出した給水による前記検出部材の変位量をA/D変換し、このA/D変換した情報を書込み命令によってメモリに記憶させるともに前記メモリに与えられる読出命令によってこのメモリから読出された前記給水による検出部材の変位量データと、順次に検出してA/D変換される現在の給水による検出部材の変位量のデータとを比較して、その結果によって給水駆動回路を制御するようにしたことを特徴とする自動コップ給水制御方式」(特許請求の範囲第1項)
(ウ)「コップの有無を自動的に判断するためにあらかじめコップ重量による検出部材の変位量データを設定し、これと現在の検出部材の変位量データと比較することによって自動的にコップの有無を判断するようにしたことを特徴とする請求項1に記載の自動コップ給水制御方式」(特許請求の範囲第2項)
(エ)「本発明によれば、コップの給水量データおよびコップの重量データをメモリ6(RAMまたはROM)に書込むことによって容易に給水量の設定を行うことができる。あらかじめ給水スイッチ9を押してコップに記憶したい水量をセットし、メモリスイッチ10を押しながら給水スイッチ9を押すことによって給水データは記憶され、その後コップを載せることによって記憶された給水データが読出され、これによりセットされた水量を給水することができる。」(第3頁左上欄第11行目乃至同頁右上欄第1行目)
(オ)「1)コップの給水量の設定およびコップの重量の設定が容易にできる。・・・
3)メモリスイッチ10を備えることによって、給水スイッチ9で給水し、コップの給水量を視認しながらメモリスイッチ10をONするため、水量の確定が簡単に遂行できる。」(第3頁右下欄第10行目乃至13行目)上記記載事項(ア)乃至(オ)より、刊行物1には、「コップを載置する受け皿と、コップへの給水量及びコップの重量を計量するストレインゲージを有し、コップの重量は、あらかじめメモリに保存し、コップ給水量については、給水スイッチ9を押してコップに記憶したい水量をセットし、メモリスイッチ10を押しながら給水スイッチ9を押すことによって、給水によるストレインゲージの変位量をA/D変換してメモリに記憶させて給水量を設定し、その後、設定した水量をコップに給水する装置」が記載されている。
先の取消理由通知において引用した刊行物2は、次の事項が記載されている。
(カ)「本発明は、金属製コップはもとより紙製コップでも簡単に使用することが出来、またコップ内の水量を検知する装置に機械的可動部分がなくて故障の起こり難い歯科用自動コップ給水装置に関するものである。」
(キ)「コップ置台(1)上に載置されたコップ(11)内の水量を検知して給水配管(2)に設置された電磁弁(3)を開閉して自動的にコップ(11)内に給水する歯科用自動コップ給水装置において、コップ置台(1)の下部に設置されていてコップ置台(1)の重量とコップ(11)の重量とコップ(11)内の水重量との合計重量に応じた電圧信号を得るための歪ゲージ(4)と、該電圧信号から得られる信号と比較する基準信号値を設定変更できる信号発生機を主要部とする水量設定器(5)と、コップ置台(1)上のコップ存在の有無を検出して信号を発する光センサー検出器(6)と、前記歪ゲージ(4)から得られた信号と上記水量設定器(5)から発信される基準信号値とを入力され両者を比較して前者が後者よりも低く且つ光センサー検出器(6)からのコップ存在信号の入力あるときにのみ電磁弁(3)を開栓状態にさせる制御器(7)とが設置されることを特徴とする歯科用自動コップ給水装置。」
(特許請求の範囲)
(ク)「後記説明のようにゼロ点調整によりコップ内に給水される水の重量のみを測定することが可能である。」
(第3頁左上欄第8行目乃至10行目)
(ケ)「次に、コップ11を重量がw1とは異なるw1‘のものに取り換えて使用するときについて説明すると・・・この操作は具体的には予め水量設定器5の水量設定ダイヤル5aをコップ11内の水量がゼロか僅かなときに給水停止するように見当を付けた位置にしておき、コップ11をコップ置台1に置いてから徐々に給水量を増加させるように水量設定ダイヤル5aを回して適当量に達したところで調整操作を止めれば良く、極めて簡単でどのような重さのコップ11についても即座に設定することが可能である。」(第4頁左下欄第8行目乃至16行目)
上記記載事項(力)乃至(ケ)により刊行物2には、「歪ゲージによりコップ置台の重量とコップの重量と該コップ内の水重量との全体重量を検出してコップへの給水量を制御する歯科用自動コップ給水装置において、ゼロ点調整によりコップ内に給水される水の重量のみを測定することが可能である。」点、その具体的な手段として「予め水量設定器の水量設定ダイヤルをコップ内の水量がゼロか僅かなときに給水停止するように見当を付けた位置にしておき、コップをコップ置台に置いてから徐々に給水量を増加させるように水量設定ダイヤルを回して適当量に達したところで調整操作を止める」により行う点が記載されている。
先の取消理由通知において引用した刊行物3は、次の事項が記載されている。
「このような電子秤において、風袋引きをした正味の重量を計る場合について説明すると次の通りである。まず、秤台1に何も乗っていない状態では重量表示は当然0である。次に風袋を乗せると、・・・そして風袋の中に計量したい物を乗せると、重量表示装置6はその正味の重量を表示することになる。」
4.対比
刊行物1記載の考案の「受け皿」、「コップへの給水量及びコップの重量を計量するストレインゲージ」、「給水量を設定するための給水スイッチ9・メモリスイッチ10,給水設定入力回路8、さらに給水量データとコップの重量データとを記憶するメモリ6とを用いて給水量を設定し、その後、設定した水量をコップに給水する」の構成は、本件考案の「載置部」、「コップの重量を計量する計量装置」、「計量装置に置かれたコップにうがい水を所定量供給した時に該うがい水の供給を停止するうがい水供給量設定手段とを有し、以降、該コップ内のうがい水が前記所定量供給されたの重量になると自動的にうがい水の供給が自動的に停止されるようにした」に相当し、また、コップに給水する際には「うがい水噴水口」を設けることは自明なものであるから、本件考案と刊行物1記載の考案とを対比すると、「うがい水噴水口と、該うがい水を受け入れるコップを載置する載置部と、前記コップの重量を計量する計量装置を有し、該計量装置に置かれたコップにうがい水を所定量供給した時に該うがい水の供給を停止するうがい水供給量設定手段とを有し、以降、該コップ内のうがい水が前記所定量供給された時の重量になると自動的にうがい水の供給が自動的に停止されるようにした歯科治療におけるうがい水供給装置。」である点で一致し、以下の点で相違する。
相違点
本件考案は、コップへの給水量を設定する際に「計量装置にコップを置いた時に操作して該計量装置の計測重量を0に設定する0重量設定手段」によりコップの重量を風袋引きしてから行うのに対して、刊行物1記載のものでは、コップの重量はあらかじめメモリに保存し、コップ給水量については、「給水スイッチ9を押してコップに記憶したい水量をセットし、メモリスイッチ10を押しながら給水スイッチ9を押すことによって、給水によるストレインゲージの変位量をA/D変換し、このA/D変換した情報を書込み命令によってメモリに記憶させる」旨の記載のみで、「計量装置にコップを置いた時に操作して該計量装置の計測重量を0に設定する0重量設定手段」を有していない点。
5.判断
上記相違点について検討すると、刊行物1記載のものも記載事項(オ)に示されているようにコップの重量とコップの給水量の設定ができる点では本件考案と一致しており、これにより刊行物1記載のものでもコップの種類に合わせてコップの給水量を設定できることは自明である。また、同じく歯科用コップ給水装置である刊行物2記載のものでは、記載事項(ク)及び(ケ)に示されているように、「異なるコップを使用するときには、予め水量設定器の水量設定ダイヤルをコップ内の水量がゼロか僅かなときに給水停止するように見当を付けた位置にする」という「ゼロ点調整」をした後にコップ内に給水される水の重量を設定する技術的事項が開示されており、また、記載事項(カ)のようにコップの種類を変えたときでも、コップ内の水が所定量となるように給水量を制御する歯科用のコップの給水装置である点で刊行物1記載のものと刊行物2記載のものとは共通しているので、刊行物1記載のものにおける「コップの重量をあらかじめメモリに保存する」構成に代えて、刊行物2記載の「ゼロ点調整」する構成を採用し、その後にコップ内に給水される水の重量のみを設定することは当業者であればきわめて容易に想到し得る程度のものにすぎない。また、本件考案の「0重量設定」とはコップの重量を風袋引きすることを意味するものと認められるが、一般的な計量装置において、風袋が乗せられているときに風袋引きを行って0点調整を行うことは刊行物3に記載されているように周知慣用の技術手段に過ぎないので、ゼロ点調整の手段として風袋引きを採用することは当業者であれば適宜なし得る設計的事項にすぎない。
そして、本件考案の奏する作用効果は、刊行物1乃至刊行物3記載のものから当業者が予測しうる程度のものであるから、本件考案は刊行物1乃至刊行物3記載のものにより当業者であればきわめて容易に想到し得る程度のものにすぎない。
6.むすび
以上のとおりであるから、本件実用新案登録第2558546号は実用新案法第3条第2項の規定に違反してなされたものであり、特許法等の一部を改正する法律(平成6年法律第116号)附則第9条第2項の規定に基づき準用する特許法第113条第1項第2号に該当するので、取り消すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
異議決定日 1999-03-08 
出願番号 実願平3-71035 
審決分類 U 1 651・ 121- Z (A61C)
最終処分 取消  
前審関与審査官 鈴木 寛治  
特許庁審判長 高瀬 浩一
特許庁審判官 島田 信一
柏木 悠三
登録日 1997-09-05 
登録番号 実用登録第2558546号(U2558546) 
権利者 株式会社長田中央研究所
東京都品川区西五反田5丁目17番5号
考案の名称 歯科治療におけるうがい水供給装置  
代理人 高野 明近  
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