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審決分類 審判 全部申し立て   B65B
管理番号 1004069
異議申立番号 異議1999-71424  
総通号数
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 実用新案決定公報 
発行日 2000-04-28 
種別 異議の決定 
異議申立日 1999-04-14 
確定日 1999-09-30 
異議申立件数
事件の表示 実用新案登録第2584713号「カップ状容器の口部密封装置」の請求項1ないし2に係る実用新案に対する実用新案登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。   
結論 実用新案登録第2584713号の請求項1ないし2に係る実用新案登録を維持する。
理由 I.本件考案
実用新案登録第2584713号(平成4年7月9日出願、平成10年9月4日設定登録)の請求項1および2に係る考案は、それぞれ、その実用新案登録請求の範囲第1および2項に記載された事項により特定されるとおりのものである。
II.異議申立理由の概要
異議申立人、北隅康彦は、平成11年4月14日付異議申立書により、証拠として甲第1号証(米国特許第3744210号明細書)、甲第2号証(実開昭53-35766号公報)を提出して、請求項1に係る考案は実用新案法第3条第2項の規定に違反してなされたものであるから、請求項1に係る考案の登録を取り消すべき旨主張している。
また、異議申立人、北隅康彦は、平成11年4月21日付異議申立書により、証拠として甲第1号証(特公昭50-8391号公報)、甲第2号証(米国特許第3744210号明細書)、甲第3号証(実開昭53-35766号公報)を提出して、請求項2に係る考案は実用新案法第3条第2項の規定に違反してなされたものであるから、請求項2に係る考案の登録を取り消すべき旨主張している。
III.申立人が提出した甲各号証記載の考案
ア.異議申立人、北隅康彦が、平成11年4月14日付異議申立書により提出した甲第1号証(米国特許第3744210号明細書)には、搬送コンベアに加圧加熱ステーション、蓋材の切断ステーションを配設した密封装置において、蓋材の切断ステーションは押さえヘッドの側方にカッターが配置され、カッターが昇降体に固定状に吊り下げられるとともに押さえヘッドが昇降体に昇降自在に吊り下げられ、押さえヘッドと昇降体間に圧縮コイルばねが介在させられ、カッターの刃先より押さえヘッドの下面を下方に突出した状態で押さえヘッドの下降がストッパによって規制されるようになされているものが記載されている。
イ.異議申立人、北隅康彦が、平成11年4月14日付異議申立書により提出した甲第2号証(実開昭53-35766号公報)には、加熱ヘッド、冷却ヘッドおよびカッタが3つのステーションにそれぞれ別々に配置されている密封装置が記載されている。
ウ.異議申立人、北隅康彦が、平成11年4月21日付異議申立書により提出した甲第1号証(特公昭50-8391号公報)には、上下2枚のシート間にカードを挟持すると共に、前記カードの周囲を加熱ヘッドによってシールする装置において、加熱ヘッドの周囲にカッタを配置してシートをシールと同時にカットするものが記載されている。
なお、異議申立人、北隅康彦が、平成11年4月21日付異議申立書により提出した甲第2号証および甲第3号証は、それぞれ、異議申立人、北隅康彦が、平成11年4月14日付異議申立書により提出した甲第1号証および甲第2号証と同じ刊行物である。
III.対比・判断
(請求項1に係る考案について)
本件請求項1に係る考案と、異議申立人が提出した甲各号証記載の考案を比較すると、甲各号証記載の考案はいずれも、請求項1に係る考案の構成要件である「カッタが冷却ヘッドを取り囲むように配置されて」いる構成を備えていない。
なお、異議申立人は甲第1号証考案の「押さえヘッド」が本件請求項1に係る考案の「冷却ヘッド」と同様の作用をするから、上記「押さえヘッド」が上記「冷却ヘッド」に相当する旨主張しているが、
(1)押さえヘッドが容器溶着部より低温である必然性は認められず、該作用は技術的に必然性のあるものではない点、
(2)仮に、そのような作用が認められたとしても、「押さえヘッド」と「冷却ヘッド」では本来の機能を異にするから、両者を機能的に同等の部材とすることはできない点に鑑みれば、異議申立人の主張は採用できない。
そして、本件請求項1に係る考案は上記「カッタが冷却ヘッドを取り囲むように配置さえて」いる構成を有することにより、1つのステーションを省くことができ、装置の据え付けスペースを小さくできるという、本件考案が課題とした事項に係わる作用効果を有するものであるから、本件請求項1に係る考案は、上記甲各号証に記載の考案から当業者がきわめて容易になしえた考案ではない。
(請求項2に係る考案について)
本件請求項2に係る考案と、異議申立人が提出した甲各号証記載の考案を比較すると、甲各号証記載の考案はいずれも、請求項2に係る考案の構成要件である「カッタが加熱ヘッドを取り囲むように配置されており、カッタが昇降体に固定状に吊り下げられるとともに、加熱ヘッドが昇降体に昇降自在に吊り下げられ、カッターの刃先より加熱ヘッドの下面を下方に突出した状態で加熱ヘッドの下降がストッパによって規制されるようになされている」構成を備えていない。
ここで、押さえヘッドは切断ステーションの構成の一部でありカッターと共に配設されることは当然のものであるのに対し、加熱ヘッドは通常はカッターと共に配置されるものではなく、また、両者は装置内での機能、役割を全くことにするものであるから、押さえヘッドとカッターの関連構成を加熱ヘッドとカッターの関連構成に適用することは、通常想定することではないから、当業者といえども上記のような押さえヘッドとカッターの関連構成の加熱ヘッドとカッターの関連構成への適用をきわめて容易に想到し得るものとも認められない。すなわち、当業者が異議申立人、北隅康彦が、平成11年4月21日付異議申立書により提出した甲第1号証に記載の考案とともに、同甲第2号証に記載の考案を知り得たとしても、上記の「カッタが加熱ヘッドを取り囲むように配置されており、カッタが昇降体に固定状に吊り下げられるとともに、加熱ヘッドが昇降体に昇降自在に吊り下げられ、カッターの刃先より加熱ヘッドの下面を下方に突出した状態で加熱ヘッドの下降がストッパによって規制されるようになされている」構成をきわめて容易に想到しうるものではない。
そして、本件請求項2に係る考案は上記構成を有することにより、1つのステーションを省くことができ、装置の据え付けスペースを小さくできるという、本件考案が課題とした事項に係わる作用効果とともに、加熱ヘッドで熱溶着した後該加熱ヘッドで押さえた状態で蓋材を打ち抜くことができるという顕著な効果を有するものであるから、本件請求項2に係る考案は、上記甲各号証に記載の考案から当業者がきわめて容易になしえた考案ではない。
IV.むすび
したがって、実用新案登録異議申立の理由および証拠によっては、請求項1および請求項2に係る考案の実用新案登録を取り消すことはできない。また、他に請求項1及び請求項2に係る考案の実用新案登録を取り消す理由も発見できない。
よって、結論のとおり決定する。
異議決定日 1999-09-10 
出願番号 実願平4-48077 
審決分類 U 1 651・ 121- Y (B65B)
最終処分 維持    
前審関与審査官 池田 貴俊  
特許庁審判長 佐藤 雪枝
特許庁審判官 鈴木 美知子
森林 克郎
登録日 1998-09-04 
登録番号 実用登録第2584713号(U2584713) 
権利者 四国化工機株式会社
徳島県板野郡北島町太郎八須字西の川10-1
考案の名称 カップ状容器の口部密封装置  

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