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審決分類 審判 一部申し立て   E06B
審判 一部申し立て   E06B
管理番号 1004113
異議申立番号 異議1998-73394  
総通号数
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 実用新案決定公報 
発行日 2000-04-28 
種別 異議の決定 
異議申立日 1998-07-14 
確定日 1999-07-26 
異議申立件数
訂正明細書 有 
事件の表示 実用新案登録第2560103号「合成樹脂製サッシ」の請求項1ないし2に係る実用新案に対する実用新案登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。   
結論 訂正を認める。 実用新案登録第2560103号の請求項1に係る実用新案登録を維持する。
理由 【1】 手続きの経緯
登録実用新案第2560103号の請求項1?4に係る考案は、平成3年10月1日に実用新案登録出願されたものであって、平成9年10月3日に実用新案登録の設定登録がなされ、その後、実用新案登録異議申立人ワイ ケイ ケイ アーキテクチュラル プロダクツ株式会社、大谷治朗により実用新案登録異議の申立てがなされ、取消理由通知がなされ、その指定期間内である平成11年1月4日に訂正請求がなされた後、訂正拒絶理由に対して平成11年5月11日に訂正請求に対する手続補正書が提出されたものである。
【2】 訂正の適否についての判断
[2-1] 訂正請求に対する補正の適否
ア、 補正の内容
a.訂正請求書に添付した明細書又は図面における実用新案登録請求の範囲の請求項1及び2の記載、
「【請求項1】 合成樹脂材上りなる中空構造部材の両端面を接合して、連通する中空室が四周方向に連続するように組立られた窓枠および障子枠を用いて構成される合成樹脂製サッシにおいて、
前記窓枠の上粋には直接外気と連通する通気孔を設けずに、この上枠の中空室は、他の中空室を介して当該他の中空室に形成した通気孔を通して外部と連通する構成としたことを特徴とする合成樹脂製サッシ。
【請求項2】 前記上枠には直接外気と連通する通気孔を設けずに、中空室間を仕切る隔壁に連通させるための通気孔を形成し、下枠に中空室と外気とが直接または間接に連通する通気孔を形成した請求項1記載の合成樹脂製サッシ。」
を、
「【請求項1】合成樹脂材よりなる中空構造部材の両端面を接合して、連通する中空室が四周方向に連続するように組立てられた窓枠および障子枠を用いて構成される合成樹脂製サッシにおいて、
前記窓枠の上粋の室外面には外気と連通する通気孔を形成せず他の部位にその通気孔を形成し、前記上枠は複数の中空室を有し、この上枠の少なくとも室外面に隣接する中空室が、外気と直接または間接に通気孔を介して連通する構成としたことを特徴とする合成樹脂製サッシ。
【請求項2】」前記窓枠の下粋に中空室と外気とが直接または間接に連通する通気孔を形成し、前記室外面に隣接する中空室が、前記下枠の中空室に連通している請求項1記載の合成樹脂製サッシ。」
と補正する。
b.全文訂正明細書の段落【0006】の記載、
「【課題を解決するための手段】
前記課題を解決した本発明は、合成樹脂材よりなる中空構造部材の両端面を接合して、連通する中空室が四周方向に連続するように組立られた窓枠および障子枠を用いて構成される合成樹脂製サッシにおいて、
前記窓枠または/および障子枠の枠材に、前記中空室と外気とが直接または間接に連通する通気孔を形成したことを基本思想としている。」
を、
「【課題を解決するための手段】
前記課題を解決した本発明は、合成樹脂材よりなる中空構造部材の両端面を接合して、連通する中空室が四周方向に連続するように組立てられた窓枠および障子枠を用いて構成される合成樹脂製サッシにおいて、
前記窓枠の上粋の室外面には外気と連通する通気孔を形成せず上粋の他の部位にその通気孔を形成し、前記上枠は複数の中空室を有し、この上枠の少なくとも室外面に隣接する中空室が、外気と直接または間接に通気孔を介して連通する構成としたことを基本思想としている。」
と補正する。
c.全文訂正明細書の段落【0007】の記載、「通気孔の形成に当たっては、必ずしも枠材内の形成される中空室の全てを直接または間接に外気と連通させる必要はなく、たとえば、特に温度上昇・圧力上昇が起こり易い部分、すなわち外気と直接接する枠材部分に隣接する中空室について、直接または間接に外部と連通する通気孔を形成することでもよい。また、中空室の断面寸法が小さい場合などは、充分な強度を有するため、通気孔を形成しなくてもよい場合がある。
また、前記通気孔からの侵入水の対策から、上粋には直接外気と連通する通気孔を設けずに各中空室間を仕切る隔壁に連通させるための通気孔を形成し、下枠に中空室と外気とが直接または間接に連通する通気孔を形成することもできる。この場合、前記下枠の通気孔は、結露水および侵入水の排出孔をも兼ねている。」
を、
「通気孔の形成に当たっては、必ずしも枠材内の形成される中空室の全てを直接または間接に外気と連通させる必要はなく、たとえば、特に温度上昇・圧力上昇が起こり易い部分、すなわち外気と直接接する枠材部分に隣接する中空室について、直接または間接に外気と連通する通気孔を形成することでもよい。また、中空室の断面寸法が小さい場合などは、十分な強度を有するため、通気孔を形成しなくてもよい場合がある。
また、前記通気孔からの侵入水の対策から、上枠には直接外気と連通する通気孔を設けずに各中空室間を仕切る隔壁に連通させるための通気孔を形成し、下枠に中空室と外気とが直接または間接に連通する通気孔を形成することもできる。この場合、前記下枠の通気孔は、結露水および侵入水の排出孔をも兼ねている。」
と補正するものである。
イ、 補正の適否についての検討・判断
実用新案登録権者が行った訂正請求に対する補正aは、訂正請求書に添付した明細書又は図面における実用新案登録請求の範囲の請求項1及び2の記載事項、即ち、合成樹脂製サッシにおける上枠、下枠の各中空室間、外気と各中空室との置、構成等の相関関係を限定するための補正であるから、実用新案登録請求の範囲の減縮に該当し、又、
上記訂正事項b、cは、上記訂正事項aによる実用新案登録請求の範囲の減縮に伴い生じる実用新案登録請求の範囲の記載と考案の詳細な説明の記載との不整合を回避するために行う、明りょうでない記載の釈明に該当する。
ウ、 補正の適否についての結論
以上のことから、実用新案登録権者が行った訂正請求に対する補正は、訂正請求書に添付した明細書又は図面における実用新案登録請求の範囲を減縮するものであり、また、訂正請求書に添付した明細書又は図面に記載された範囲内の補正であり、訂正請求書に添付した明細書又は図面における実用新案登録請求の範囲を実質的に拡張又は変更するものではないから、訂正請求に対する当該補正は訂正請求書の要旨を変更するものではなく、実用新案法附則(平成6年12月14日法律第116号)第9条第2項の規定により準用する特許法第120条の4第3項においてさらに準用する同法第131条第2項の規定に適合するものである。
[2-2] 訂正(補正後)の適否
ア、 訂正(補正後)の概要
補正後の訂正請求の概要は、登録実用新案第2560103号の明細書及び図面(願書に最初に添付した明細書及び図面)を下記A?Cのように訂正することを求めるものである。
A.実用新案登録請求の範囲の記載
「【請求項1】合成樹脂材よりなる中空構造部材の両端面を接合して、連通する中空室が四周方向に連続するように組立られた窓枠および障子枠を用いて構成される合成樹脂製サッシにおいて、
前記窓枠または/および障子枠の枠材に、前記中空室と外気と直接または間接に連通する通気孔を形成したことを特徴とする合成樹脂製サッシ。
【請求項2】少なくとも、外気と直接接する枠材部分に隣接した中空室については、直接または間接に外部と連通する通気孔を形成する請求項1記載の合成樹脂製サッシ。
【請求項3】上粋には直接外部と連通する通気孔を設けずに各中空室間を仕切る隔壁に連通させるための通気孔を形成し、下枠に中空室と外気とが直接または間接に連通する通気孔を形成した請求項1記載の合成樹脂製サッシ。」
を、
「【請求項1】合成樹脂材よりなる中空構造部材の両端面を接合して、連通する中空室が四周方向に連続するように組立てられた窓枠および障子枠を用いて構成される合成樹脂製サッシにおいて、
前記窓枠の上粋の室外面には外気と連通する通気孔を形成せず上粋の他の部位にその通気孔を形成し、前記上枠は複数の中空室を有し、この上枠の少なくとも室外面に隣接する中空室が、外気と直接または間接に通気孔を介して連通する構成としたことを特徴とする合成樹脂製サッシ。
【請求項2】前記窓枠の下粋に中空室と外気とが直接または間接に連通する通気孔を形成し、前記室外面に隣接する中空室が、前記下枠の中空室に連通している請求項1記載の合成樹脂製サッシ。」
と訂正する。
B.全文訂正明細書の段落【0006】の記載、
「【課題を解決するための手段】
前記課題は、合成樹脂材よりなる中空構造部材の両端面を接合して、連通する中空室が四周方向に連続するように組立られた窓枠および障子枠を用いて構成される合成樹脂製サッシにおいて、
前記窓枠または/および障子枠の枠材に、前記中空室と外気とが直接または間接に連通する通気孔を形成したことで解決できる。」
を、
「【課題を解決するための手段】
前記課題を解決した本発明は、合成樹脂材よりなる中空構造部材の両端面を接合して、連通する中空室が四周方向に連続するように組立てられた窓枠および障子枠を用いて構成される合成樹脂製サッシにおいて、
前記窓枠の上粋の室外面には外気と連通する通気孔を形成せず上粋の他の部位にその通気孔を形成し、前記上枠は複数の中空室を有し、この上枠の少なくとも室外面に隣接する中空室が、外気と直接または間接に通気孔を介して連通する構成としたことを基本思想としている。」
と訂正する。
C.全文訂正明細書の段落【0007】の記載、「通気孔の形成に当たっては、必ずしも枠材内の形成される中空室の全てを直接または間接に外気と連通する必要はなく、たとえば、特に温度上昇・圧力上昇が起こり易い部分、すなわち外気と直接接する枠材部分に隣接する中空室について、直接または間接に外部と連通する通気孔を形成することでもよい。また、中空室の断面寸法が小さい場合などは、充分な強度を有するため、通気孔を形成しなくてもよい場合がある。
また、前記通気孔からの侵入水の対策から、上粋には直接外気と連通する通気孔を設けずに各中空室間を仕切る隔壁に連通させるための通気孔を形成し、下枠に中空室と外気とが直接または間接に連通する通気孔を形成することもできる。この場合、前記下枠の通気孔は、結露水および侵入水の排出孔をも兼ねている。」
を、
「通気孔の形成に当たっては、必ずしも枠材内の形成される中空室の全てを直接または間接に外気と連通する必要はなく、たとえば、特に温度上昇・圧力上昇が起こり易い部分、すなわち外気と直接接する枠材部分に隣接する中空室について、直接または間接に外気と連通する通気孔を形成することでもよい。また、中空室の断面寸法が小さい場合などは、充分な強度を有するため、通気孔を形成しなくてもよい場合がある。また、前記通気孔からの侵入水の対策から、上粋には直接外気と連通する通気孔を設けずに各中空室間を仕切る隔壁に連通させるための通気孔を形成し、下枠に中空室と外気とが直接または間接に連通する通気孔を形成することもできる。この場合、前記下枠の通気孔は、結露水および侵入水の排出孔をも兼ねている。」
と訂正するものである。
イ、 訂正(補正後)の目的の適否、新規事項の有無、及び拡張・変更の存否
上記訂正事項Aは、登録明細書又は図面における実用新案登録請求の範囲の請求項2を削除し、請求項3を繰り上げて請求項2としたもので、訂正前の請求項1及び3の記載事項、即ち、合成樹脂製サッシにおける上枠、下枠の各中空室間、外気と各中空室との位置、構成等についての相関関係を限定するための訂正であるから、実用新案登録請求の範囲の減縮に該当し、
上記訂正事項B、Cは、上記訂正事項Aによる実用新案登録請求の範囲の減縮に伴い生じる、実用新案登録請求の範囲の記載と考案の詳細な説明の記載との不整合を回避するために行う、明りょうでない記載の釈明に該当する。
これら訂正事項A?Cは、願書に添付された明細書又は図面に記載された事項の範囲内の訂正と認められる。
また、訂正事項A?Cは、従来、断熱性に優れ、結露しにくい合成樹脂製サッシにおいて、夏期の温度上昇に伴う枠材の膨れや変形を生じ易いという欠点を、中空室の適所に通気孔を設けることによりより解消を図るという登録査定時の考案の目的の範囲内のものであり、実質的に実用新案登録請求の範囲を拡張又は変更するものではない。
ウ、 独立登録要件の判断
1.請求項1に係る考案
当審が通知した取消理由で引用した
刊行物1:西独国実用新案登録第G8706,972.5号には、
塩化ビニール樹脂を押出成形し、それぞれ中空部を有する4個の形材を溶接して一体に形成しためくら窓フレーム12と開き窓フレーム14からなる窓10の構成、
めくら窓フレーム12の上側のフレームの壁部には、換気孔46、50、56が水平方向に設けられており、そのうち、窓の最外側の換気孔46には雨天用ウエブ44が設けられている構成、及び、
窓10を構成するめくら窓フレーム12と開き窓フレーム14の下側フレームには、排水口30、32、34が下方に向けて設けられている構成、
が図面と共に記載されている。
(対 比)
刊行物1に記載の考案の「換気孔46」「排水口30、32、34」は、本件の請求項1に係る考案の
「通気孔」に相当し、
刊行物1に記載の考案では、めくら窓フレーム12と開き窓フレーム14とから窓枠を構成しているから、
刊行物1に記載の考案の「めくら窓フレーム12と開き窓フレーム14からなる窓10」は、本件の請求項1に係る考案の「障子枠」に相当し、
本件の請求項1に係る考案と刊行物1に記載の考案とは、
合成樹脂材よりなる中空構造部材の両端面を接合して、連通する中空室が四周方向に連続するように組立てられた障子枠を用いて構成される合成樹脂製サッシにおいて、上枠は複数の中空室を有し、この上枠の中空室が通気孔を介して直接外気と連通する構成とした合成樹脂製サッシである点で一致し、
本件の請求項1に係る考案では、窓枠の上粋の室外面には通気孔を設けていないのに対して、
刊行物1に記載の考案では、窓枠の上粋の室外面に換気孔46を設け、雨天用ウエブ44を換気孔46を覆うようにしている点で相違する。
(検 討)
本件の請求項1に係る考案と刊行物1に記載の考案とは、枠材に外気と連通する通気孔を設ける構成とすることにより、枠材内の圧力を外気圧に均しくして合成樹脂製サッシの枠材の膨れや変形防止をしているが、このような構成を採用したために、両者は、外気と直接接する通気孔からの侵入水を防止する構成を必要としている。
そのための構成として、
刊行物1に記載の考案では、枠材の室外面に設けた換気孔46を雨天用ウエブ44で覆う構成とした結果、家屋の窓部の構造や気象条件によっては、室外側からの侵入水を完全に防止することは不可能であると認められるが、
本件の請求項1に係る考案では、窓枠の上枠の室外面には通気孔が設けない構成としているから、家屋の窓部の構造や気象条件によっても、室外面からの侵入水を考慮する必要のないという刊行物1に記載の考案とは相違する顕著な効果を奏するものと認める。
以上のことから、本件請求項1に係る考案は、刊行物1に記載された考案と同一であるとは認めらない。
2.請求項2に係る考案
本件訂正明細書の請求項2に係る考案は、請求項1に係る考案を引用する形式で記載されているから、上記[2-2]ウ と同じ理由により、刊行物1に記載された考案と同一であるとは認めらない。
エ、 訂正請求についての結論
以上のことから、本件訂正明細書の請求項1及び2に係る考案は、刊行物1に記載された考案と同一の考案であるとは認められないものであって、実用新案法第3条第1項第3号の規定に該当しないから、同条第1項柱書の規定に違反するものではなく、又他に独立して実用新案登録を受けることができない理由も発見できないから、独立して実用新案登録を受けることができるものと認める。
[2-3] むすび
従って、上記訂正請求は、特許法の一部を改正する法律(平成6年法律第116号)附則第9条第2項の規定により準用し、同附則第10条第1項の規定によりなお従前の例によるとされる、特許法第120条の4第2項の規定及び同条第3項においてさらに準用する同法第126条第2?4項の規定に適合するものである。
【3】 実用新案登録異議の申立について
[3-1] 実用新案登録異議申立ての理由の概要
1.異議申立人ワイ ケイ ケイ アーキテクチュラル プロダクツ株式会社は、
甲第1号証(西独国実用新案登録第G8706,972.5号)、
甲第2号証(特開昭48-33647号公報)及び
参考資料(米国特許第2560103号明細書)を提示し、
登録実用新案第2560103号の請求項1及び2に係る考案は、甲第1号証、甲第2号証にそれぞれ記載された考案と同一の考案であり、実用新案法第3条第1項第3号の規定に該当し、同条第1項柱書の規定に違反するものであるから、実用新案登録を受けることができない旨の主張(以下、異議理由1という。)をしている。
2.実用新案登録異議申立人大谷治朗は、
甲第1号証(実公昭62-12065号公報)を提示し、
本件請求項1及び2に係る考案は、甲第1号証に記載された考案に基づいて当業者がきわめて容易に考案できたものであるから、実用新案法第3条第2項の規定により実用新案登録を受けることができない旨の主張(以下、異議理由2という。)をしている。
(なお、前記のように登録実用新案第2560103号の請求項1?4に係る考案は、平成11年1月4日の訂正請求により、請求項2が削減され、請求項3、4が繰り上げられ請求項2、3となり、請求項1?3に係る考案となっている。従って、上記両異議申立人の異議申立は本件請求項1に係る考案に対してのみなされたこととなった。)
[3-2]対比・判断
ア、 異議理由1について
甲第1号証は、当審が通知した取消理由で引用した刊行物1であるから、甲第1号証に基づく主張については、上記[2-2]ウ において検討済みである。
甲第2号証に基づく主張について検討すると、
甲第2号証(特開昭48-33647号公報)には、
熱可塑性プラスチック製押出成形型材よりなる合成樹脂製サッシにおいて、サッシの下側の枠材に設けられたの空洞部にスリットを設ける構成とすることにより、侵入水を排出するようにした考案が記載されているが、
本件請求項1に係る考案に欠くことのできない事項である、サッシの上側の枠材に外気との通気孔を設け、該通気孔が室外面には設けられていない構成についての記載、及びそれを示唆する記載はないから、本件請求項1に係る考案が甲第2号証に記載された考案と同一の考案であるとすることはできない。
又、本件訂正明細書の請求項1に係る考案が、甲第1、2号証に記載された考案に基づき当業者がきわめて容易になし得た考案とすることもできない。
なお、参考資料(米国特許第2560103号明細書)にも、プラスチック製サッシにおいて、サッシ内に開口部を設けてサッシ内の気圧と外気圧とを均一化し、サッシ内への侵入水を阻止し、換気孔及び排水孔を形成するものが記載されているが、サッシの下側の枠材についてのものであり、サッシの上側の枠材に設けた通気孔についての記載はない。
イ、異議理由2について
甲第1号証(実公昭62-12065号公報)には、
窓枠内への流入水によって劣化し、漏水の原因となっていた屋外張出部のコーナ接合部のシール材を使用しない張出し窓の水密構造の開発を目的とするものであって、
四周方向に連通するように窓用サッシの枠材を組立て、水抜き孔31を下枠に設けることにより、窓枠内に流入し下枠に集まった流入水を、水抜き孔31よりを排出する構造としたものが記載されている。
しかし、本件の請求項1に係る考案に欠くことのできない事項である、サッシの上側の枠材に外気との通気孔を設け、該通気孔が室外面には設けられていない構成についての記載、及びそれを示唆する記載はなく、しかも上記したように、考案の目的も、本件の請求項1に係る考案のように、枠材内の温度上昇・圧力上昇によって、枠材の膨れ、変形を防止するものではないから、本件の請求項1に係る考案が、甲第1号証に記載された考案に基づいて当業者がきわめて容易に考案できたものであるとすることはできない。
そして、本件訂正明細書の請求項1に係る考案は、これらの構成により、
訂正明細書の段落【0017】記載の格別な作用効果を奏するものである。
【4】 むすび
従って、実用新案登録異議の申立ての理由および証拠方法によっては、本件請求項1に係る考案の実用新案登録を取り消すことはできない。
また、他に本件請求項1に係る考案の実用新案登録を取り消すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり決定する。
発明の名称 (54)【考案の名称】
合成樹脂製サッシ
(57)【実用新案登録請求の範囲】
【請求項1】合成樹脂材よりなる中空構造部材の両端面を接合して、連通する中空室が四周方向に連続するように組立られた窓枠および障子枠を用いて構成される合成樹脂製サッシにおいて、
前記窓枠の上枠の室外面には外気と連通する通気孔を形成せず上枠の他の部位にその通気孔を形成し、前記上枠は複数の中空室を有し、この上枠の少なくとも室外面に隣接する中空室が、外気と直接または間接に通気孔を介して連通する構成としたことを特徴とする合成樹脂製サッシ。
【請求項2】前記窓枠の下枠に中空室と外気とが直接または間接に連通する通気孔を形成し、前記室外面に隣接する中空室が、前記下枠の中空室に連通している請求項1記載の合成樹脂製サッシ。
【請求項3】合成樹脂材よりなる中空構造部材の両端面を斜めにカットし、これらの部材の端面同士を突き合わせ状態に熱溶着して組立られた窓枠および障子枠を用いて構成される合成樹脂製サッシにおいて、
前記枠材の接合前に、予め、各中空室を仕切る隔壁または/および外周壁の接合部分に切欠きを設けておき、これらの部材の接合によって、前記窓枠または/および障子枠の枠材に、前記中空室と外気とが直接または間接に連通する通気孔を形成したことを特徴とする合成樹脂製サッシ。
【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は、特に断熱性および防露性を高め、寒冷地仕様として製造される合成樹脂製サッシに関する。
【0002】
【従来の技術】
たとえば、北海道や東北地方などの寒冷地において使用されるサッシは、特に冬期における室内暖房を外部に逃がさないように、高い断熱性が要求されるとともに、好ましくは室内外の温度差による結露を防止し得る構造が要求される。
【0003】
近年、これらの要求に答えるものとして、サッシの窓枠および障子枠を構成する素材を、一般的なアルミ合金等から硬質塩化ビニルなどの合成樹脂とし、さらに、ガラスを複層ガラスとしたものが提供されている。
【0004】
【考案が解決しようとする課題】
前記合成樹脂製サッシの障子枠または窓枠は、通常、押出し成形により中空構造の単材として製造され、組立によって枠体に構成される。その際、隅部(コーナー部)の連結は、各単材の両端部を45゜にカットし、熱溶着により圧着して連結されるため、枠材内部に密閉された空間が形成される。
そのため、特に日差しの厳しい夏期に、サッシ外面が直接日射を受けた場合、密閉された枠材内の温度の上昇とともに、内圧が上がるため、前記枠材の肉厚が薄い部分、または構造的に弱い部分に膨れや変形を起こす場合があった。枠材の膨れや変形により、障子の締りが悪くなったり、見栄えが悪くなったりするなどの問題が発生する場合があった。近年、変色防止および装飾性からの要求により、茶色や黒色などにカラー仕上した場合には、熱の吸収度が高くなり、さらに枠材の膨れや変形を誘発し易いものとなっている。
【0005】
そこで、本考案の主たる目的は、日射熱に影響による枠材の膨れや変形を防止した合成樹脂製サッシを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決した本発明は、合成樹脂材よりなる中空構造部材の両端面を接合して、連通する中空室が四周方向に連続するように組立られた窓枠および障子枠を用いて構成される合成樹脂製サッシにおいて、
前記窓枠の上枠の室外面には外気と連通する通気孔を形成せず上枠の他の部位にその通気孔を形成し、前記上枠は複数の中空室を有し、この上枠の少なくとも室外面に隣接する中空室が、外気と直接または間接に通気孔を介して連通する構成としたことを基本思想としている。
【0007】
通気孔の形成に当たっては、必ずしも枠材内の形成される中空室の全てを直接または間接に外気と連通させる必要はなく、たとえば、特に温度上昇・圧力上昇が起こり易い部分、すなわち外気と直接接する枠材部分に隣接する中空室について、直接または間接に外気と連通する通気孔を形成することでもよい。また、中空室の断面寸法が小さい場合などは、充分な強度を有するため、通気孔を形成しなくてもよい場合がある。
また、前記通気孔からの侵入水の対策から、上枠には直接外気と連通する通気孔を設けずに各中空室間を仕切る隔壁に連通させるための通気孔を形成し、下枠に中空室と外気とが直接または間接に連通する通気孔を形成することもできる。この場合、前記下枠の通気孔は、結露水および侵入水の排出孔をも兼ねている。
【0008】
なお、本考案における前記「間接に」とは、一つの中空室が他の中空室を介して外気と連通することを意味する。
【0009】
【作用】
本考案においては、合成樹脂製の枠材に、枠材内部の中空室と外気とが連通する通気孔を形成するため、日射熱により中空室内の膨張した空気が前記通気孔を鴻じて外部に逃げるため、中空室の圧力が上昇せず枠材の膨れや変形を防止することができる。
【0010】
【実施例】
以下、本発明を図面に示す実施例に基づき詳説する。
図1は外開き窓の縦断面図、図2は横断面図、図3および図4は要部拡大図である。
硬質塩化ビニル樹脂材などの合成樹脂を素材として、押出し形成等により製造された窓枠1に対して、同じく硬質塩化ビニル樹脂材などの合成樹脂を素材とする外開きの障子2が取付けられている。前記障子2は、丁番4により回転自在に支持されるとともに、上框2Aには、窓上梓1Aと連結されたアオリ止め3が設けられている。
前記窓枠1を構成する枠材1A?1Dは、中空構造に押出し成形され、熱溶着により端部同士が接合されることにより、枠体として構成される。したがって、当初の構造としては、中空室は四周方向に連続し、かつ密閉された空間となっている。なお、前記枠材1A?1Dは、押出し形成および強度上の理由により、隔壁を有する多室構造となっているのが普通である。
前記窓枠1が、建物の開口部等に据え付けられた後に、直接日射熱を受けて、中空室の圧力が上がるのを防止するため、据え付けられる以前に、詳細には図3に示されるように、枠材1内の中空室が外気と直接または間接に連通ずる通気孔が形成されている。本第1具体例では、たとえばφ2?φ5mm程度の削孔ドリルを用い、孔1aと孔1bを突き通すようにして一回の穿孔により穿設し、さらに孔1cと孔1dとを一回の穿孔により穿設している。枠材1の中空室群の内、室内寄りの中空室P1およびP2については、日射熱の影響が比較的少ないため、通気孔を省略することができる。なお、11は通気孔1a?1dの形成にかかわらず設けられる溝カバーである。
【0011】
上梓1Aの穿孔箇所は、侵入水対策より一箇所とするのがよく、また、これで中空室内の膨張圧を逃がすには充分である。取付けに際し、孔1aについては、好ましくは壁からの侵入水等が流入しないように、穿孔後にコーキング材やシールテープにより封鎖するようにするのがよい。
【0012】
一方、下枠1Bについては、詳細には図4に示されるように、孔1eと孔1fとを穿設し、中空室と外気とを連通させている。下枠1Bへの穿設箇所については、中空室内の結露水および侵入水の排出を考慮して、適宜の間隔を空けて複数箇所設けるのがよい。具体的には、一つの窓で2?5箇所、美観等を考慮するならば、2?3箇所程度設けるのがよい。
【0013】
障子2は、高い断熱性能を確保するために、ガラスG1とガラスG2とが嵌め込まれた複層ガラス構造として構成されるとともに、ガラスG1、G2の四周面には、複数の当接片を有するタイト材23、23…により、高い気・水密性が確保されている。なお、21はガラスG1、G2を取付けるための押縁である。また、障子2と窓枠1との隙間を封止し、気・水密性を確保するために、タイト材12、22…が配設されている。
障子2の框2A?2Dに対しては、中空室内の結露水および侵入水等を排出するために、下框2Bにのみ、孔2a?2eを穿設する。穿孔に際しては、たとえばφ2?φ5mm程度の削孔ドリルにより、孔2a?2cを突き通すようにして一回の穿孔に形成し、さらに孔2d、孔2eを一回の穿孔により形成する。なお、穿設箇所は窓枠1と同様に複数箇所とするのがよい。なお、中空室P3については、ハンドル5部に形成された外部と連通する隙間により、膨張圧を逃がすことができるため、通気孔を省略することができる。また、中空室P4については、室内側に面し、温度および内圧の上昇が小さいため、外気との連通孔を形成していない。
【0014】
一方、前述した連通孔を形成する他の方法として、図7および図8に示されるように、たとえば、予め枠材1A、1D同士の接合前に、45°に斜め切りされた枠材端部において、各中空室を仕切る隔壁に切欠き1g、1hを設け、しかる後に熱溶着して前記切欠き部分1g、1hを連通孔とすることができる。前記切欠きは、好ましくは両枠材1A、1Dに形成するが、一方の側の枠材のみに形成することでもよい。また、前述のように各中空室を連通させるために隔壁に形成される連通孔のみならず、連通孔1fのように外周壁に形成される連通孔についても同様の方法により孔を形成することができる。前記切欠きの大きさは、熱溶着によっても塞がれず確実に連通孔が形成される程度とする必要がある。なお、障子枠に対しても同様の方法により連通孔を形成することも可能である。
【0015】
次に、第2の具体例として、引違い障子の場合について図5および図6に基づき説明する。
硬質塩化ビニル樹脂材などの合成樹脂を素材として、押出し形成等により製造された窓枠6に対して、同じく硬質塩化ビニル樹脂材などの合成樹脂を素材として製造された引違いの障子7、8が嵌め込まれている。
先ず、窓枠6に関し、上枠6Aに対して、φ2?5mmの削孔ドリルを用い背面側より、突き通すように一回の穿孔により、孔6a、6b、6cを形成し、前記孔6aについてはコーキング材などにより封鎖する。
下枠6Bに対しては、雨水等の排出のために、各レールの立ち上がり片に孔6d、6eおよび6f、6g、6hを形成している。さらに、枠材6の中空室を外気と連通させ膨張圧を逃がすとともに、結露水および侵入水の排出のために、通気孔6i、6jを形成している。穿設箇所については、第1の具体例と同様、上枠6Aについては一箇所とし、下枠6Bについては複数箇所とするのがよい。
【0016】
一方、障子7、8に関しては、下框7B、8Bに取付けられる戸車71、72部に形成される隙間7a、8aによって外気との連通がなされているため、特に通気孔を形成する必要はない。
【0017】
【考案の効果】
以上詳説のとおり、本考案によれば、合成樹脂製の枠材に、中空室と外気とが連通する通気孔を形成するため、日射熱により中空室内の膨張した空気が前記通気孔を通じて外部に逃げるため、枠材に膨れや変形が発生することが無くなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】
外開き窓の縦断面図である。
【図2】
外開き窓の水平断面図である。
【図3】
図1の要部拡大図である。
【図4】
図1の要部拡大図である。
【図5】
引違い窓の縦断面図である。
【図6】
引違い窓の水平断面図である。
【図7】
枠材端部の隔壁に切欠きを設け連通孔を形成する場合の斜視図である。
【図8】
図7に示される枠材同士の接合図である。
【符号の説明】
1…窓枠、1a?1f…通気孔、2…外開き戸、2a?2e…通気孔、3…アオリ止め、4…丁番、5…ハンドル、G1、G2…ガラス
訂正の要旨 本件訂正は、実用新案登録請求の範囲の減縮及び、明りょうでない記載の釈明を目的として願書に添付した明細書及び図面を下記A?Cのように訂正するものである。
A.実用新案登録請求の範囲の記載
「【請求項1】合成樹脂材よりなる中空構造部材の両端面を接合して、連通する中空室が四周方向に連続するように組立られた窓枠および障子枠を用いて構成される合成樹脂製サッシにおいて、
前記窓枠または/および障子枠の枠材に、前記中空室と外気と直接または間接に連通する通気孔を形成したことを特徴とする合成樹脂製サッシ。
【請求項2】少なくとも、外気と直接接する枠材部分に隣接した中空室については、直接または間接に外部と連通する通気孔を形成する請求項1記載の合成樹脂製サッシ。
【請求項3】上粋には直接外部と連通する通気孔を設けずに各中空室間を仕切る隔壁に連通させるための通気孔を形成し、下枠に中空室と外気とが直接または間接に連通する通気孔を形成した請求項1記載の合成樹脂製サッシ。」
を、
「【請求項1】合成樹脂材よりなる中空構造部材の両端面を接合して、連通する中空室が四周方向に連続するように組立てられた窓枠および障子枠を用いて構成される合成樹脂製サッシにおいて、前記窓枠の上粋の室外側には外気と連通する通気孔を形成せず上粋の他の部位にその通気孔を形成し、前記上枠は複数の中空室を有し、この上枠の少なくとも室外面に隣接する中空室が、外気と直接または間接に通気孔を介して連通する構成としたことを特徴とする合成樹脂製サッシ。
【請求項2】」前記窓枠の下枠に中空室と外気とが直接または間接に連通する通気孔を形成し、前記室外面に隣接する中空室が、前記下枠の中空室に連通している請求項1記載の合成樹脂製サッシ。」
と訂正する。
B.全文訂正明細書の段落【0006】の記載、
「【課題を解決するための手段】
前記課題は、合成樹脂材よりなる中空構造部材の両端面を接合して、連通する中空室が四周方向に連続するように組立られた窓枠および障子枠を用いて構成される合成樹脂製サッシにおいて、
前記窓枠または/および障子枠の枠材に、前記中空室と外気とが直接または間接に連通する通気孔を形成したことで解決できる。」
を、
「【課題を解決するための手段】
前記課題を解決した本発明は、合成樹脂材よりなる中空構造部材の両端面を接合して、連通する中空室が四周方向に連続するように組立てられた窓枠および障子枠を用いて構成される合成樹脂製サッシにおいて、
前記窓枠の上粋の室外側には外気と連通する通気孔を形成せず上粋の他の部位にその通気孔を形成し、前記上枠は複数の中空室を有し、この上枠の少なくとも室外面に隣接する中空室が、外気と直接または間接に通気孔を介して連通する構成としたことを基本思想としている。」
と訂正する。
C.全文訂正明細書の段落【0007】の記載、
「通気孔の形成に当たっては、必ずしも枠材内の形成される中空室の全てを直接または間接に外気と連通する必要はなく、たとえば、特に温度上昇・圧力上昇が起こり易い部分、すなわち外気と直接接する枠材部分に隣接する中空室について、直接または間接に外部と連通する通気孔を形成することでもよい。また、中空室の断面寸法が小さい場合などは、充分な強度を有するため、通気孔を形成しなくてもよい場合がある。
また、前記通気孔からの侵入水の対策から、上粋には直接外気と連通する通気孔を設けずに各中空室間を仕切る隔壁に連通させるための通気孔を形成し、下枠に中空室と外気とが直接または間接に連通する通気孔を形成することもできる。この場合、前記下枠の通気孔は、結露水および侵入水の排出孔をも兼ねている。」
を、
「通気孔の形成に当たっては、必ずしも枠材内の形成される中空室の全てを直接または間接に外気と連通する必要はなく、たとえば、特に温度上昇・圧力上昇が起こり易い部分、すなわち外気と直接接する枠材部分に隣接する中空室について、直接または間接に外気と連通する通気孔を形成することでもよい。また、中空室の断面寸法が小さい場合などは、充分な強度を有するため、通気孔を形成しなくてもよい場合がある。また、前記通気孔からの侵入水の対策から、上粋には直接外気と連通する通気孔を設けずに各中空室間を仕切る隔壁に連通させるための通気孔を形成し、下枠に中空室と外気とが直接または間接に連通する通気孔を形成することもできる。この場合、前記下枠の通気孔は、結露水および侵入水の排出孔をも兼ねている。」
と訂正する。
異議決定日 1999-06-18 
出願番号 実願平3-79620 
審決分類 U 1 652・ 121- YA (E06B)
U 1 652・ 113- YA (E06B)
最終処分 維持    
前審関与審査官 南澤 弘明  
特許庁審判長 樋口 靖志
特許庁審判官 鈴木 公子
外山 邦昭
登録日 1997-10-03 
登録番号 実用登録第2560103号(U2560103) 
権利者 新日軽株式会社
東京都品川区大崎1丁目11番1号
考案の名称 合成樹脂製サッシ  
代理人 永井 義久  
代理人 永井 義久  
代理人 根本 恵司  

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