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審決分類 審判 全部申し立て   A47J
管理番号 1004118
異議申立番号 異議1999-71163  
総通号数
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 実用新案決定公報 
発行日 2000-04-28 
種別 異議の決定 
異議申立日 1999-03-23 
確定日 1999-07-15 
異議申立件数
事件の表示 実用新案登録第2581656号「煮物調理用の灰汁取り材」の請求項1ないし6に係る実用新案に対する実用新案登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。   
結論 実用新案登録第2581656号の請求項1ないし6に係る実用新案登録を維持する。
理由 (1)手続きの経緯
本件登録実用新案第2581656号は、平成5年10月27日に出願されたもので、平成10年7月10日に設定登録がなされ、その後、実用新案登録異議の申立てがなされたものである。
(2)本件登録実用新案各請求項に係る考案
本件各請求項に係る考案は、願書に添付した明細書及び図面の記載からみて、実用新案登録請求の範囲請求項1乃至請求項6に記載されたとおりの次のものである。
【請求項1】鍋内の煮物の上に敷くポリプロピレン又はポリエチレンの親油性繊維よりなる不織布シートであって、当該不織布シートの中央部に大きな孔を形成し、中央部全体を開口させてなる煮物調理用の灰汁取り材。
【請求項2】親油性繊維は連続長繊維法によって得られる請求項1記載の煮物調理用の灰汁取り材。
【請求項3】親油性繊維の繊維径は3?6デニールである請求項1記載の煮物調理用の灰汁取り材。
【請求項4】不織布シートの目付は、30?50g/m^(2)である請求項1記載の煮物調理用の灰汁取り材。
【請求項5】不織布シートの見掛け密度は、0、1?0、2g/cm^(3)である請求項1記載の煮物調理用の灰汁取り材。
【請求項6】孔は円形である請求項1記載の煮物調理用の灰汁取り材。
(3)登録異議の申立てについて
ア)登録異議申立人竹内淳二の申立の理由
i)甲第1号証として、実願昭62-156610号(実開平1-59551号)のマイクロフィルム(以下引用例1という)を
甲第2号証として、特開昭51-74762号公報(以下引用例2という)を
甲第3号証として、実願平2-117841号(実開平4-77835号)のマイクロフィルム(以下引用例3という)を提示して、
請求項1及び請求項6に係る考案が、これら引用例に記載された事項に基いてきわめて容易に考案ができた旨、
ii)甲第4号証として特公昭46-21687号公報(以下引用例4という)を提示して、
請求項2乃至請求項5に係る考案が、引用例1乃至引用例4に記載された事項に基いてきわめて容易に考案をすることができた旨、
iii)本件実用新案登録請求の範囲請求項1に係る考案が考案の詳細な説明に記載されたものを広い概念で記載されており、明細書が記載不備である旨、
主張している。
イ)登録異議申立人福田清治の申立の理由主張i)甲第1号証として、実願平2ー117841号(実開平4-77835号)のマイクロフィルム(引用例3)を、
甲第2号証として、実願昭62-156610号(実開平1-59551号)のマイクロフィルム(引用例1)を提示して、
請求項1に係る考案が、これら引用例に記載された事項に基いてきわめて容易に考案ができた旨
ii)甲第3号証として、特公昭46-21687号公報(引用例4)を提示して、
請求項2、請求項3及び請求項5に係る考案が、引用例4に記載された事項と同一であるか又はきわめて容易に考案ができた旨
iii)参考資料1として「合成長繊維不織布ハンドブック」日本化学繊維協会、合繊長繊維不織布専門委員会発刊(以下引用例5という)を提示して、
請求項4に係る考案が、引用例5に記載された事項と同一であるか、又はきわめて容易に考案をすることができた旨、
iv)請求項6に係る考案が、引用例3と同一であるか、又はきわめて容易に考案できた旨、
主張している。
ウ)各引用例記載内容
引用例1には、「合成繊維のポリプロピレンで出来た不織布を、薄い円盤の形状にしたアク取り具」(1頁4行?5行)、「アクがでる前に鍋の中に浮かしておけば、自然にアクは円盤にふっつき、のこりのアクも箸等で鍋の中をなぞればよい」(2頁2行?4行)、「アクが多いときは裏返しして」(手続き補正書下2行?末行)と記載されている。
引用例2には、「落し蓋(1)に孔(2)を数個あけ、その適宜の孔に目の細かい網(3)を張り、これを鍋(7)に入れ沸騰する水流(10)を鍋上面(4)に導き、網孔(3)を通過させ循環水流(13)を起こさせるようにした鍋の落とし蓋の構造」(1頁左下欄4行?8行)、「本落とし蓋(1)を鍋(7)に入れて沸騰する水流(10)を吹き上げ孔(2)及び蓋の周囲(12)から蓋上面(4)に吹き上げさせる。その際、網の張ってある濾し網孔(3)は網の抵抗により吹き上げる力が著しく弱いため、おのづから水流(10)はその網孔(3)に流入することになる。従ってこの循環水流(13)によりアク(6)が濾し取れるという作用である」(1頁右下欄8行?15行)、「煮物の材料が多く煮汁が非常に少ない場合は沸騰した水流の全てが蓋の周囲まで届かず、アクが蓋の裏にへばりついたままになることがあり所期の効果が得られない場合があるため、蓋に幾つかの吹き上げ孔を設け、この孔からも沸騰水を蓋上に導くことによりアクも同時に吹き上げさせるようにしたものである」(2頁左上欄7行?13行)と記載されている。
引用例3には、「本考案は特に極小の鍋用に最適な落としぶたを提供するもので、落としぶたの形状は、円形状、又は方形状、或は巻き芯に巻き可能のようにロール状等をした被覆シートであり該被覆シートに通汁孔を複数設けて成る落としぶたで、素材としては、紙製、又は不織布等からなっている。被覆シート、並びに通汁孔のサイズは任意のサイズを選べばよい」(3頁10行?末行)と記載されている。
引用例4には、「この発明は、タンカーの座礁や沈没あるいは化学工場からの廃油その他の原因により海面上または河川等の水面上に流出した重油、原油、廃油その他の油を捕集するために海苔養殖場、かき養殖場や港湾入口の海面部分あるいは河川等の排水口附近の水面部分等に浮上させて使用する繊維集合体からなるオイル捕集材に関するもので、水中において吸油性を有する単繊維繊度2?25デニールの繊維集合体を、7?28%の繊維充実度にしたことを特徴とする繊維集合体からなるオイル捕集材に係るものである」(1頁左欄22行?32行)、「第3図に斜線で示す範即ち短繊維繊度2?25デニール、繊維充実度7?28%の範囲であれば、良好な吸油性及び抱油性が得られることを確認した。なお上記繊維塊を構成する繊維としてはポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル等を使用することができるが、特に細繊度のものをカードにより開繊して綿体とする場合は、比重の小さいポリエチレンおよびポリプロピレン繊維が好ましく、また上記繊維塊を構成する繊維の形態は、短繊維、長繊維またはトウの何れであってもよい」(1頁右欄20行?30行)と記載されている。
引用例5には、合成長繊維不織布について一般的なことが記載されており、「繊維が連続したフィラメント(長繊維)からなり、強力が高く、リントフリーである」、「繊維径は0、1?50μの繊維が用いられ、繊維単独にシートを形成しているため、大きさの異なる空孔を有するシート(面状体)である」、スパンボンド法で熱接着法のポリプロピレン不織布が「目付範囲が10?300g/m^(2)である」こと等が記載されている。
ウ)両異議申立人の主張に対する判断
i)上記引用例には、いずれにも「鍋内の煮物の上に敷くポリプロピレン又はポリエリレンの親油性繊維よりなる不織布シートであって、当該不織布シートの中央部に大きな孔を形成し、中央部全体を開口させてなる煮物調理用の灰汁取り材」に関しては記載されていないし、示唆もされていない。
そして、本件各請求項に係る考案は、この点により願書に添付した明細書【0006】段に記載されている「しかも煮汁は灰汁と共に対流により中央の孔より不織布シート上に溢れ出るが、不織布シートのフィルター効果により灰汁のみが不織布シート上に残って吸着除去され、煮汁は不織布シートを通って戻される」という効果を奏するものである。
したがって、本件登録実用新案の請求項1乃至請求項6に係る考案が各異議申立人の引用例に
載された考案と同一であるか、引用例に記載された考案に基いてきわめて容易に考案をすることができたものであるという、主張は理由がない。
ii)登録異議申立人は、請求項1に係る考案の「シートの中央部に大きな孔を形成し」と「中央部全体を開口させてなる」がどの程度の孔の大きさなのか明確な記載がなく、その外延が不明である旨主張している。しかしながら、願書に添付した明細書【0006】段の効果を奏するための中央部の大きな孔であるから、自ずからその大きさが定まるものと認められ、登録異議申立人の主張は理由がない。
(エ)したがって、各登録異議申立人の登録異議の申立ての理由及び証拠方法によっては、各請求項に係る考案についての本件実用新案登録を取消すべきものとすることができない。
また、他に本件実用新案登録を取り消すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり決定する。
異議決定日 1999-06-30 
出願番号 実願平5-58023 
審決分類 U 1 651・ 121- Y (A47J)
最終処分 維持  
前審関与審査官 吉田 一朗  
特許庁審判長 米田 昭
特許庁審判官 歌門 恵
岡田 和加子
登録日 1998-07-10 
登録番号 実用登録第2581656号(U2581656) 
権利者 三井化学株式会社
東京都千代田区霞が関三丁目2番5号
考案の名称 煮物調理用の灰汁取り材  
代理人 須山 佐一  
代理人 佐藤 晃一  
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