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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 B60M
管理番号 1005261
審判番号 審判1997-9964  
総通号数
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 実用新案審決公報 
発行日 2000-05-26 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 1997-06-13 
確定日 1999-12-22 
事件の表示 平成4年実用新案登録願第30758号「電鉄用可動ブラケット」拒絶査定に対する審判事件(平成5年11月9日出願公開、実開平5-82644)について、次のとおり審決する。   
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1.手続の経緯・本願考案
本願は、平成4年4月10日の出願であって、その考案(以下、「本願考案」という。)は、平成8年4月1日付け及び平成9年6月16日付けの手続補正書によって補正された明細書及び図面の記載からみて、実用新案登録請求の範囲に記載された次のとおりのものと認める。
「支え材及び主パイプからなるトラス状の可動ブラケット本体と、一端側を前記支え材の先端側開口部に挿入して固定するとともに、他端側を前記主パイプの所定位置に固定するようにした、前記支え材より小径の1本のパイプ材を曲げ加工して形成した振止パイプとからなることを特徴とする電鉄用可動ブラケット。」
2.引用例
これに対して、原査定の拒絶理由で引用された実公昭49-17850号公報(以下、「刊行物1」という。)には、次のとおりの記載が認められる。
▲1▼刊行物1
「本考案はパイプ式の電鉄用可動ブラケットを夫々の杆をチーズ、エルボを介して嵌合して組み立てる可動ブラケットに関するものである。
従来の可動ブラケットは主杆と水平杆、振止杆等を夫々その結合部を特殊な形状に加工し、あるいは結合金具を溶着等にて一体とし、各杆間を結合している。
従ってこの方法では部品数が多くしかも組立に手数を要し、しかも現場で調整装置がなければ容易に各杆の長さを調整することが困難である。
本考案はこれに鑑みて各杆を市販のパイプを用い、これをエルボチーズを介して一体にしかもピンの嵌合のみで簡易に組立ができるようにし、且現場での長さ及び取付位置の調整も各杆の所望位置にピン嵌合孔を穿孔するのみで簡易且迅速に行なわんとするものである。」(第1頁左欄第20?35行目)
「図に於て1は主杆、2は水平杆で、この主杆1及び水平杆2の端部に夫々碍子G,G、固定バンドB,Bを介して電柱Pに固定する。又この主杆1の先端と水平杵2との交点にY字形に変形したるチーズ6を介して三角形に一体とすると共にこのチーズ6の三開放端に夫々ピン孔6aを穿孔しこのチーズ6のピン孔と主杵1、水平杆2に穿孔したピン孔間にピンP1を挿通し主杆1、水平杆2チーズ6の三者を所要の取付角即ちチーズの形状にて決る角度にて一体とする。この場合水平杆2の先端はチーズ6より突出せしめる。又主杆1の所要位置には前記チーズ6と同形状のY字形のチーズ7を反対方向に設け、このチーズ7の一端に振止杆3を嵌合し一体に係合する。この場合も上記チーズ6と同様にチーズ7の開口部に穿孔したる係合孔7a,7aにピンP2,P2を挿通し一体となす。又水平杆2の先端にはへ字形に変形したるエルボ8を嵌合し、このエルボ8と上記チーズ6間にメッセンジャー線を支持するメッセンジャー支持金具Mを設け、さらにこのエルボ8の他端にドロッパーアーム4を嵌合し、水平杆とエルボ及びドロッパーアームとエルボ間に夫々ピンP3,P3を貫通して一体に係合する。又このドロッパーアーム4の下端にはく字形に変形したるエルボ9を嵌合し、又このエルボの他端に前記振止杆3の一端を嵌合し、この両者間にピンP4,P4を貫通して係合し一体とする。又この振止杆3の一部にはY字形に変形したるチーズ10を嵌合し、ピンP5にて所要位置に固定し、このチーズ10の一端の先端にイーヤ片Eを有する振止金具5を嵌合し係合するものである。
なお上記主杆1、水平杆2、振止杆3、ドロッパーアーム4の各杆の長さ並びにチーズ、エルボの角度を変えることにより、又主杆1、水平杆2に設けるピン孔を所要間隔をおいて多数設けることにより可動ブラケットの大きさ、形状を自由に変更することができる。
本考案による時はパイプ式の各杆をチーズ、エルボに嵌合して係合するようなしているため組立が簡易でしかも現場に於て組立解体ができ、所要の大きさに変更することができる等の利点を有する考案である。」(第1頁左欄第37行目?第2頁左欄第2行目)
上記の記載及び図面を参酌すれば、刊行物1には、パイプ状の水平杆2及び主杆1からなるトラス状の可動ブラケット本体と、一端側を前記水平杆2の先端側開口部にエルボ8,パイプ状のドロッパーアーム4,エルボ9を介して固定するとともに、他端側を前記主杆1の所定位置に固定するようにした振止杆3とからなる電鉄用可動ブラケットが記載されているものと認められる。
3.対比
そこで、本願考案と刊行物1に記載されたものとを対比する。
ここにおいて、刊行物1における「主杆1」、「水平杆2」及び「振止杆3」は、本願考案の「主パイプ」、「支え材」及び「振止パイプ」に相当するものと認められる。
したがって、両者は「支え材及び主パイプからなるトラス状の可動ブラケット本体と、他端側を前記主パイプの所定位置に固定するようにした振止パイプとからなる電鉄用可動ブラケット」である点で一致しており、次の点で相違している。
相違点
本願考案は、支え材より小径の1本のパイプ材を曲げ加工して形成した振止パイプの一端側を支え材の先端側開口部に挿入して固定するのに対し、刊行物1に記載されたものでは、振止パイプの一端側を支え材の先端側開口部にエルボ8,パイプ状のドロッパーアーム4,エルボ9を介して固定する点。
4.判断
そこで、上記相違点について検討する。
一般に、曲線部分を含む棒状体を形成する場合、それを複数の部材を連結して形成するか(例えば、刊行物1のエルボ8,ドロッパーアーム4,エルボ9、振止杆3)、1本の部材に曲げ加工を施して形成するか(例えば、原査定の拒絶理由で引用された実公昭47-32325号公報(なお、上記拒絶理由では特公昭47-32325号公報と引用しているが、原審における審査の経過及び該拒絶理由に対する請求人の対応からみて、実公昭47-32325号公報の誤記として扱う。)の主杆1(斜杆部1a、水平部1b、垂直部1c))は、設計上の選択的技術事項に過ぎないものである。
よって、刊行物1の振止パイプの一端側を支え材の先端側開口部にエルボ8,パイプ状のドロッパーアーム4,エルボ9を介して固定することに換えて、1本のパイプ材を曲げ加工して振止パイプとし、その一端側を支え材の先端側開口部に挿入して固定することを採用することは、当業者ならばきわめて容易に想到し得るものと認められる。
また、支え材の先端側開口部に挿入するために振止パイプを支え材より小径とすることは当業者が必要に応じて適宜なし得る技術的事項であり、格別の顕著性はないものと認められる。
したがって、刊行物1に記載されたものにおいて、本願考案のように構成する程度のことは、当業者ならばきわめて容易になし得たことと認められる。そして、本願考案は、上記構成を採ることにより格別の効果を奏しているものとも認められない。
5.むすび
したがって、本願考案は、刊行物1に基いて、当業者がきわめて容易に考案をすることができたものであるから、実用新案法第3条第2項の規定により特許を受けることができない。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 1999-09-28 
結審通知日 1999-10-19 
審決日 1999-10-29 
出願番号 実願平4-30758 
審決分類 U 1 8・ 121- Z (B60M)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 立川 功清田 健一  
特許庁審判長 大森 蔵人
特許庁審判官 石川 好文
岩本 正義
考案の名称 電鉄用可動ブラケット  
代理人 林 清明  
復代理人 森 治  
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