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審決分類 審判 全部申し立て   A61F
管理番号 1005291
異議申立番号 異議1999-70108  
総通号数
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 実用新案決定公報 
発行日 2000-05-26 
種別 異議の決定 
異議申立日 1999-01-08 
確定日 1999-06-23 
異議申立件数
事件の表示 実用新案登録第2576149号「生理用ナプキン」の請求項1ないし4に係る実用新案に対する実用新案登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。   
結論 実用新案登録第2576149号の請求項1ないし4に係る実用新案登録を維持する。
理由 (I)本件考案
本件登録第2576149号実用新案の請求項1乃至請求項4に係る考案(平成4年4月23日出願、平成10年4月17日設定登録。)は、その明細書及び図面の記載からみて、その実用新案登録請求の範囲の請求項1乃至請求項4に記載された次のとおりのものと認める。
【請求項1】
透水性の表面シートと非透水性の防漏シートとの間に、表面シートおよび防漏シートよりも幅狭な体液吸収性の吸収層を介装してナプキン本体を形成し、このナプキン本体の長さ方向の両側に位置させる熱可塑性弾性帯を、ナプキン本体に位置する前に、伸張率1.2?2.0倍の状態で長さ方向の両端部を加熱して塑性変形し、非弾性部とするとともに熱可塑性弾性帯の長さ方向の中間部を形成目的のナプキン本体の全長の30%?90%の長さで弾性部として形成し、この熱可塑性弾性帯を、長さ方向の両端部および外側をナプキン本体の両側に熱溶着して固定し、弾性部を収縮方向に付勢して吸収層の両側に熱可塑性弾性帯を立ち上げた事を特徴とする生理用ナプキン。
【請求項2】
透水性の表面シートと非透水性の防漏シートとの間に、表面シートおよび防漏シートよりも幅狭な体液吸収性の吸収層を介装してナプキン本体を形成し、このナプキン本体の長さ方向の両側に、伸張率を1.2?2.0倍とした熱可塑性弾性帯を長さ方向に位置し、この熱可塑性弾性帯を、長さ方向の両端部に於て熱溶着して塑性変形した非弾性部をナプキン本体に固定し、長さ方向の中間部に於て、形成目的のナプキン本体の全長の30%?90%の長さで弾性部を設け、この弾性部の外側を熱溶着してナプキン本体に固定し、熱可塑性弾性帯の弾性部を収縮方向に付勢して吸収層の両側に立ち上げた事を特徴とする生理用ナプキン。
【請求項3】
熱可塑性弾性帯は、熱可塑性エラストマーフィルムにより形成した事を特徴とする請求項1、2の生理用ナプキン。
【請求項4】
熱可塑性弾性帯は、外面を不織布で被覆固定した事を特徴とする請求項1、2の生理用ナプキン。
(II)異議申立て理由の概要
異議申立人,花王株式会社は、証拠として甲第1号証を提出し、請求項1乃至請求項4に係る考案は、甲第1号証の記載に基づいてきわめて容易に考案をすることができたもので、実用新案法第3条第2項の規定に違反して登録されたものであるから、登録を取り消すべき旨主張している。
(III)甲第1号証の記載事項
甲第1号証[特開昭64-62158号公報]は、生理用ナプキン(外部で使用する使い捨て衛生吸収体)に関するもので、図面と共に次の記載がある。
a.「使用者の体から離れて存在するように設計された流体不透過性層と、使用者の周辺区域と表面接触する流体透過性層との間に挟まれた吸収性基体を含んでなり、前記層は少なくとも細長い解剖学的吸収体の端において互いに結合されており、そして前記吸収体の側面は解剖学的湾曲プロフィルを前記吸収体に与える弾性手段を有する、細長い解剖学的吸収体であって、前記弾性手段の各々は、前記吸収性体の側面が水平に関して上昇したフラップ(4,5)の形を取るように、収縮した状態の熱収縮性材料のストリップ(6)からなり、前記層(1,2)は前記ストリップの長さに沿って介存する複数の領域で前記ストリップへ結合されており、そして前記層の間の結合は、側面のフラップ(4,5)の、前記ストリップが設けられている部分において連続していないことを特徴とする細長い解剖学的吸収体。」(特許請求の範囲、1項),
b.「製作は熱クリンブ機により8?100℃、好ましくは90℃の 温度において完結することができ、これは第3図において 破線7によって示される区域に熱および圧力を加える。この作業の効果は、各ストリップ6および層1および2の間に線7に沿って結合をつくり、そしてさらに、ストリップ6の熱収縮を誘発して、製品の側面のへりを収縮しかつしわを発生させてフラップ4および5を形成することである。」(3頁右下欄3?12行),
c.「ストリップ6は、適当な熱収縮性材料、例えば、PVC(ポリ塩化ビニル)、5EPDM(エチレンープロピレンージエンモノマー)または任意の他の同様な材料から作ることができる。」(3頁右下欄16?19行)
d.「本発明の吸収体は側面のフラップを有し、前記側面のフラップは、熱収縮性ストリップ6のために、上昇し、そして、使用者の体の自然の動きを可能とする。すなわち、製品が解剖学的な動的作用を有することができるようにする、固有の弾性を有する。」(4頁右上欄13?18行)
e.「透過性層1の中央部分を通して直ちに吸収されず、かつ一方において、フラップ4および5の内側へり、および、他方において、製品の本体の間に形成された流路12(channels)(第1a図参照)中に蓄積する傾向のある、過剰の流体は、なお透過性領域に接触したままでありこの領域における連続的結合の不存在のために、吸収性基体3と連絡する。」(4頁右上欄19行?左下欄7行)
(IV)請求項1及び請求項2に係る考案と甲第1号
証記載の事項との対比・判断
請求項1及び請求項2に係る考案(それぞれ本件考案1,2という)と甲第1号証に記載のものとを対比すると、甲第1号証記載の「流体不透過性層」,「流体透過性層」,「吸収性基体」,「解剖学的吸収体」,「熱収縮性材料のストリップ」は、それぞれ本件考案1,2の「非透水性の防漏シート」,「透水性の表面シート」,「吸収層」,「生理用ナプキン」,「熱可塑性弾性帯」に相当するものであるから、両者は、「ナプキン本体を形成し、この本体の長さ方向両側に弾性帯を固定し、弾性部を収縮方向に付勢して立体的に形成した生理用ナプキン」である点で共通する。
しかし、甲第1号証の吸収体におけるストリップ6の固定についてみると、前記摘記事項(b)及び第3図から明らかなように、ストリップ6は、その長さ方向に沿って間隔を置いてその全域で複数の結合線7により結合されている。すなわち、ストリップは、その両端および外側のみを固定されるものではなく、その全域が固定されており、ストリップの一部分が立ち上がる余地はない。
してみると、本件考案1,2の構成要件である「弾性帯の長さ方向の両端部および外側をナプキン本体の両側に固定し、吸収層の両側に弾性部を立ち上げる」点については甲第1号証には記載もなく示唆するものもない。
そして、本件考案は上記の構成を具備することにより「弾性部は吸収層の両側で高く立ち上がり、ポケット状に形成され、体液の横漏れを確実に防止できる」効果を奏するものである。
なお、異議申立人は、弔第1号証に記載のストリップ6は複数の結合線7で結合され、その結合線7が形成されている位置はストリップ6の両端部および外側も含まれているものであるから、前記の構成要件は甲第1号証に記載されたものである旨主張している。
しかし、前記構成要件と甲第1号証のものは、その結合部位に一部共通する部分が在るのみで、その結合の目的・効果が相違する点を考えると、前記異議申立人の主張は受け入れることができない。
したがって、本件考案1,2は、当業者が甲1号証の記載に基づいてきわめて容易に考案をすることができたものとは言えない。
(V)請求項3及び4に係る考案について
請求項3及び4に係る考案は、いずれも請求項1,2を引用するものであるから、考案1,2と同様に甲第1号証の記載から、きわめて容易に考案をすることができたものとは言えない。
(VI)むすび
以上のとおりであるから、異議申し立ての理由及びその証拠によっては、本件請求項1乃至請求項4に係る考案の登録を取り消すことはできない。
また、他に本件登録を取り消すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり決定する。
異議決定日 1999-06-14 
出願番号 実願平4-34001 
審決分類 U 1 651・ 121- Y (A61F)
最終処分 維持  
前審関与審査官 内田 淳子  
特許庁審判長 高瀬 浩一
特許庁審判官 柏木 悠三
島田 信一
登録日 1998-04-17 
登録番号 実用登録第2576149号(U2576149) 
権利者 株式会社資生堂
東京都中央区銀座7丁目5番5号
考案の名称 生理用ナプキン  
代理人 羽鳥 修  
代理人 清水 修  
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