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審決分類 審判 査定不服 発明同一 特許、登録しない。 E04F
管理番号 1006237
審判番号 審判1998-10475  
総通号数
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 実用新案審決公報 
発行日 2000-06-30 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 1998-07-06 
確定日 1999-11-24 
事件の表示 平成1年実用新案登録願第139207号「配線用床材」拒絶査定に対する審判事件(平成7年11月8日出願公告、実公平7-48857)について、次のとおり審決する。   
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1.手続の経緯
本願は、平成1年11月29日に出願されたもので、原審において、平成7年11月8日に出願公告されたところ、平成8年2月6日に安川勤から実用新案登録異議の申立がなされ、平成10年4月17日にその実用新案登録異議申立は理由があるものと決定され、同日にその理由によって拒絶査定されたものである。
2.本願請求項1に係る考案
本願請求項1に係る考案は、出願公告後の平成8年9月19日付けで補正された明細書及び図面の記載からみて、その実用新案登録請求の範囲に記載された次のとおりのものである。
「一定の高さのある金属製パネル本体と、該パネル本体間またはパネル本体内側に形成された配線溝が組み合わされたパネルにおいて、パネル本体の配線溝側に段差が形成され、金属製蓋の裏面に加圧により連続気泡が圧壊される軟質樹脂連続発泡層が密着積層され、この段差上は金属製蓋で覆われていることを特徴とする配線用床材。」
3.原査定の拒絶理由の概要
原査定の拒絶理由となった実用新案登録異議の決定の理由の概要は、本願請求項1に係る考案は、その出願前の昭和63年12月22日に出願された実願昭63-165877号であって、本願の出願後の平成2年7月5日に(前記実用新案登録異議申立人が甲第1号証として提出した)実開平2-85736号公報として出願公開されたものの願書に最初に添付した明細書又は図面(以下、「先願明細書」という。)に記載された考案と実質的に同一と認められ、実用新案法第3条の2第1項の規定により実用新案登録を受けることができない、というものである。
4.先願明細書に記載された考案
先願明細書には、
「フリーアクセスフロア一材本体間に形成される溝内に電線ケーブルを這回させた後、この溝に別に準備された蓋体が覆設されるが、該蓋体は溝開口部に単に載せ置かれるだけであるから、その上を人が歩行したりする時にガタ付き、この時本体との当り部で異音を発し、これが耳障りになることが多々あった。
本考案は、上記に鑑みなされたもので、前記先行出願の特性をそのまま活かし、蓋体のガタ付きを防止せんとしたものである。」(明細書第4頁第3?13行)、
「本考案のフリーアクセスフロア一材は、上面が多角形で且つ少なくとも一側面下部に水平外向鍔11を有する中空若しくは中実のブロック状フロア一材本体1と、該本体1を被施工床面Fに敷き並べたときに上記鍔11により形成される一連の溝2の開口部に緩衝材4を介して覆設される蓋体3とより成ることを特徴とするものである。」(明細書第5頁第1?8行及び第1図)、
「ガタ付防止部材4としては、蓋体3と本体1との当り部分、具体的には蓋体3の裏面側周部(側面部を含むこと可)……に、……発泡シートを貼付したもの、……等が採用される。」(明細書第5頁第3行?第6頁2行及び第3図)、
「フロアー材本体1の斜辺を除く二側辺上縁部には段部13が形成され、該段部13により隣接本体1との間に形成される溝2を覆うよう蓋体3が跨架担持される。」(明細書第9頁第15?18行及び第2図)及び
「本考案のフリーアクセスフロアー材に於いては、フロアー材本体間に形成される電線ケーブル這い回用溝に、上記ガタ付防止部材を介して蓋体が覆設されるから、フリーアクセスフロアー床の施工後歩行時の衝撃が加わっても、該ガタ付防止部材の衝撃吸収作用或いは定着作用により蓋体がガタ付かず、従って異音を発することがない。」(明細書第13頁第5?12行)と記載されている。
以上の明細書及び図面の記載からみて、先願明細書には、以下の考案が記載されていると認められる。
「一定の高さのあるブロック状フロア一材本体1と、ブロック状フロア一材本体1間に形成された溝2が組み合わされたブロック状フロア一材において、ブロック状フロア一材本体1の溝2側に段部13が形成され、蓋体3の裏面に発泡体シートからなるガタ付防止材4が密着積層され、この段部13上は蓋体3で覆われているフリーアクセスフロアー材。」
5.対比・判断
そこで、本願請求項1に係る考案と上記先願明細書に記載された考案とを比較すると、
上記先願明細書に記載された考案の「ブロック状フロア一材」、「溝」、「段部」、「蓋体」及び「フリーアクセスフロアー材」は、本願請求項1に係る考案の「パネル」、「配線溝」、「段差」、「蓋」及び「配線用床材」に相当しているから、
本願請求項1に係る考案と上記先願明細書に記載された考案とは、
「一定の高さのあるパネル本体と、パネル本体間に形成された配線溝が組み合わされたパネルにおいて、パネル本体の配線溝側に段差が形成され、蓋の裏面に発泡層が密着積層され、この段差上は蓋で覆われている配線用床材。」
である点で一致し、以下の点で相違している。
(1)パネル本体および蓋の材質が、本願請求項1に係る考案は、金属製であるのに対し、上記先願明細書に記載された考案は、そのようなものでない点及び
(2)発泡層として、本願請求項1に係る考案は、連続気泡が圧壊される軟質樹脂連続発泡層を選択しているのに対して、上記先願明細書に記載された考案は、発泡体シートにて形成されているものの、発泡体シートとしてどのようなものを選択したかの具体的な記載がない点。
そこで、上記相違点について検討すると、
(1)の相違点について
上記先願明細書には、上記「4.先願明細書に記載された考案」において、摘示したように、考案が解決しようとする課題として「フリーアクセスフロア一材本体間に形成される溝に覆設される蓋体は、溝開口部に単に載せ置かれるだけであるから、その上を人が歩行したりする時にガタ付き、この時本体との当り部で異音を発し、これが耳障りになることが多々あった。本考案は上記に鑑みなされたもので、蓋体のガタ付きを防止せんとしたものである」と記載され、課題を解決するための手段として「フリーアクセスフロア一材本体間に形成される溝開口部に、緩衝材を介して蓋体を覆設した」と記載され、歩行時のガタ付きと異音の問題は硬質材料により生ずるものであり、又、フリーアクセスフロアーパネルや蓋体を金属材料により成形することが従来より周知慣用技術であり、(1)の相違点における本願請求項1に係る考案のように、上記先願明細書に記載された考案の蓋と同様の課題を有する金属製のものに代えることは、単なる材料の変更にすぎないというべきである。
(2)の相違点について
本願請求項1に係る考案と上記先願明細書に記載された考案は、共に、歩行時の異音、ガタ付きの問題を解決するためにパネル本体の段差部ととの間に発泡層を覆設しており、本願の出願前、家具、建築物に使用されるパッキング材、緩衝材等として、軟質樹脂である連続発泡体からなる発泡樹脂を選択することは、周知、慣用のことであり(必要なら、特開昭58-28055号公報、実願昭54-78802号(実開昭55-178596号)のマイクロフィルム及び実願昭58-143535号(実開昭60-50845号)のマイクロフィルムを参照されたい。)、そして、これらパッキング材又は緩衝材は、二部材の間に配設され、圧締されるものである点で、(2)の相違点における本願請求項1に係る考案の発泡層と共通しているから、本願請求項1に係る考案における明細書記載の作用を奏するものということができる。
よって、上記先願明細書に記載された考案の発泡層として、本願請求項1に係る考案の軟質樹脂連続発泡体を選択することは、実施に際して、当業者であれば、何ら考案力を要せず、普通に選択できることにすぎないから、(2)の相違点に、実質上の差異を認めることができない。
6.むすび
したがって、本願請求項1に係る考案と上記先願明細書に記載された考案とは、実質上同一の考案であり、しかも、本願請求項1に係る考案の考案者が上記先願明細書に記載された考案の考案者と同一であるとも、また本願の出願の時に、その出願人が上記先願の出願人と同一であるとも認められないから、本願請求項1に係る考案は、実用新案法第3条の2第1項の規定により実用新案登録を受けることができない。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 1999-09-08 
結審通知日 1999-09-24 
審決日 1999-10-05 
出願番号 実願平1-139207 
審決分類 U 1 8・ 161- Z (E04F)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 山田 忠夫山口 由木  
特許庁審判長 樋口 靖志
特許庁審判官 藤枝 洋
鈴木 憲子
考案の名称 配線用床材  
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