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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 B42D
管理番号 1006244
審判番号 審判1999-4836  
総通号数
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 実用新案審決公報 
発行日 2000-06-30 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 1999-03-25 
確定日 1999-12-22 
事件の表示 平成3年実用新案登録願第86353号「控紙付き重ね合わせ用シート」拒絶査定に対する審判事件(平成5年4月20日出願公開、実開平5-29781)について、次のとおり審決する。   
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1.手続の経緯・本願考案
本願は平成3年9月26日の出願であって、その請求項1に係る考案(以下、「本願考案」という。)は、平成9年7月14日付の手続補正書により補正された明細書及び図面の記載からみて、その実用新案登録請求の範囲の請求項1に記載された次の事項により特定されるとおりのものと認める。
「重ね合わせ用紙と控紙とが切り用ミシン目を介して連接されてなり、前記重ね合わせ用紙と前記控紙にわたって前記切り用ミシン目とは直角方向に伸びる折り部または切り部を設けた重ね合わせ用シートにおいて、前記控え紙の重ね合わせ面は接着しないようにして、少なくとも前記重ね合わせ用紙の重ね合わせ面に、非剥離性接着剤基剤に、この非剥離性接着剤基剤に対して非親和性を示す微粒状充てん剤を配合してなる、剥離可能で、かつ通常では接着せず、一定条件が付与されると剥離可能に接着する剥離可能な接着剤を塗布したことを特徴とする控紙付き重ね合わせ用シート。」
2.引用例
これに対して、原査定の拒絶の理由に引用した実願昭58-127695号(実開昭60-36273号)のマイクロフィルム(以下、「引用例1」という。)には、
「両側に送り孔縁部を有し、上下縁の切離用ミシン線を介して連接し連続帳票を構成する帳票であって、用紙の流れ方向に対して直角方向に控紙葉と封書紙葉とが連接され、前記封書紙葉は上下縁に平行する二つの折り線により流れ方向に連接する上紙、中紙、下紙の三部分に仕切られて上記折り線で扇折りすることができ、前記扇折りで当接する表裏各2面の折り線縁を除く3辺縁沿いに通常の状態では接着しない接着剤条線が塗布され、側縁接着剤条線の内側並びに上紙と中紙間の折り線の両側及び下紙下縁に沿って該辺縁部を切除できる開封用ミシン線が刻設された控紙葉付三折封書帳票。」(実用新案登録請求の範囲第1項、第1、2図)、
「控を作成するために通知内容と同一又はこれに追加、削除した内容の情報を別の帳票に印字することが必要であり、作業の複雑化や誤りの発生等の問題があった。実公昭58-28867号には用紙の流れ方向に三ツ折封筒と控紙を連接した控紙付封筒用帳票が開示されているが、その帳票では封筒と控紙の分離作業や三折された控紙の保管、検索の煩雑化に問題がある。本考案は上記問題点の解消された非衝撃式プリンタに使用できる控紙葉付三折封書帳票の提供を目的とする。」(第2頁下から2行?第3頁9行)、
「控紙2と封書紙葉3との連接縁部14、並びに封書紙葉と送り孔縁部15、4との連接部16、17はスリット位置の指示線であるが、該部に切離案内線又はミシン線を設けることができる。」(第6頁7行?10行)、
と記載されている。
したがって、引用例1には、封書紙葉と控紙葉とが切離案内線又はミシン線を介して連接され、前記封書紙葉に前記切離案内線又はミシン線とは直角方向に伸びる折り線を設けた控紙葉付三折封書帳票において、封書紙葉の扇折りで当接する表裏各2面の折り線縁を除く3辺縁沿いの開封用ミシン目の外側に通常の状態では接着しない接着剤条線が塗布された控紙葉付三折封書帳票、
が記載されているものと認められる。
同じく原査定の拒絶の理由に引用した特開平3-10895号公報(以下、「引用例2」という。)には、
「支持体に、(A)ポリオレフィン系樹脂微粒子、(B)白色顔料、(C)バインダーの三成分を基本成分として含有する熱可塑性樹脂層を設けたことを特徴とする再剥離性感熱接着シート。」(特許請求の範囲第1項)、
「請求項(1)又は(2)の記載の再剥離性感熱接着シートの熱可塑性樹脂層上に情報を印刷した後、該層同士を対向させて加熱圧着した葉書。」(特許請求の範囲第3項、第1、2図)
「本発明に用いられるポリオレフィン系樹脂微粒子としては、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテンー1、ポリイソブチレン、ポリペンテンー1、ポリヘキセンー1、ポリー3ーメチルブテンー1、ポリー4ーメチルペンテンー1、ポリー5ーメチルヘキセンー1等及びこれらの共重合体等からなる平均粒径0.1?100μmの粒子が挙げられる。白色顔料としてはシリカ、コロイダルシリカ、ゼオライト、ベントナイト、カオリン、焼成カオリン、リン酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸カルシウム、水酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化チタン、メラミン樹脂粒子、尿素樹脂粒子、ポリスチレン樹脂粒子等の無機、有機顔料が挙げられる。」(第2頁左上欄14?同右上欄8行)
「水分散系塗液に用いられるバインダーとしては水溶性バインダー、ラテックス系バインダーが挙げられる。水溶性バインダーとしては、・・プロテイン類、・・澱粉類、・・セルロース類、・・多糖類の如き水溶性天然高分子化合物があり、・・一方ラテックス系バインダーとしては、スチレン・ブタジエンラテックス、アクリロニトリル・ブタジエンラテックス、アクリル酸エステル系ラテックス、酢酸ビニル系ラテックス、メチルメタクリレート・ブタジエンラテックス及びこれらのカルボキシ変性(例えばアクリル酸)ラテックス等が挙げられる。」(第2頁右上欄10行?同左下欄9行)
「本発明の熱可塑性樹脂層における配合量は、ポリオレフィン系樹脂微粒子が10?60重量%、白色顔料が20?70重量%、バインダーが5?50重量%であり、中でも接着性と剥離性のバランス及び印刷適性が最も好ましい範囲は、ポリオレフィン系樹脂微粒子が20?50重量%、白色顔料が20?60重量%、バインダーが10?40重量%である。」(第2頁左下欄10?17行)と記載されている。
3.対比・判断
本願考案と引用例1に記載されたものとを対比すると、引用例1の「封書紙葉」、「控紙葉」、「切離案内線又はミシン線」、「折り線」、「控紙葉付三折封書帳票」は、本願考案の「重ね合わせ用紙」、「控紙」、「切り用ミシン目」、「折り部または切り部」、「控紙付き重ね合わせ用シート」に相当するから、両者は、「重ね合わせ用紙と控紙とが切り用ミシン目を介して連接されてなり、前記重ね合わせ用紙に前記切り用ミシン目とは直角方向に伸びる折り部または切り部を設けた重ね合わせ用シートにおいて、前記控え紙の重ね合わせ面は接着しないようにして、少なくとも前記重ね合わせ用紙の重ね合わせ面に、接着剤を塗布した控紙付き重ね合わせ用シート。」で一致し、
下記の点で相違している。
▲1▼切り用ミシン目とは直角方向に伸びる折り部または切り部を、本願考案のものは、重ね合わせ用紙と控紙双方にわたって設けているのに対し、引用例1のものは、重ね合わせ用紙のみに設けている点、
▲2▼重ね合わせ用紙の重ね合わせ面に設ける接着剤を、本願考案のものは、非剥離性接着剤基剤に、この非剥離性接着剤基剤に対して非親和性を示す微粒状充てん剤を配合してなる、剥離可能で、かつ通常では接着せず、一定条件が付与されると剥離可能に接着する剥離可能な接着剤を塗布したものであるのに対し、引用例1のものは、重ね合わせ用紙の折り部を除く3辺縁の開封用ミシン目の外側に通常の状態では接着しない接着剤条線が塗布されている点、
で相違している。
上記相違点を検討する。
▲1▼の点については、切り用ミシン目とは直角方向に伸びる折り部または切り部を、本願考案のように、重ね合わせ用紙と控紙双方にわたって設けるか、引用例1のもののように、重ね合わせ用紙のみに設けるかは、重ね合わせ用紙と控え紙をどの時点で切り離すか、すなわち折り重ね面を接着してから切り離すか、切り離してから折り重ねるかという作業手順によるものであり、その作業手順に格別な意義が見出せない以上、上記相違点は、単に作業手順の相違にもとずく設計変更程度のことであるので、当業者がきわめて容易に想到し得ることというべきである。
▲2▼の点については、引用例2の再剥離性接着剤もバインダーポリオレフィン系微粒子及び微粒子である白色顔料と、水溶性又はラテックス系バインダーを配合することにより、接着性と剥離性のバランスを保つものであるから、非剥離性接着剤基剤に、この非剥離性接着剤基剤に対して非親和性を示す微粒状充てん剤を配合してなる、剥離可能で、かつ通常では接着せず、一定条件が付与されると剥離可能に接着する剥離可能な接着剤であり、しかも引用例2には、上記接着剤を隠蔽葉書や封書として使用可能な重ね合わせ用シートの重ね合わせ面の塗布に用いることが記載されているので、引用例1のような接着剤条線に代えて上記公知の接着剤を重ね合わせ面に塗布することは、当業者がきわめて容易に想到し得る程度のことというべきである。
また、本願考案の効果も、上記引用例1、2に記載されたものから当業者であれば当然に予測し得る程度のことである。
4.むすび
したがって、本願考案は、引用例1、2に記載されたものに基づいて、当業者がきわめて容易に考案することができたものであるので、実用新案法第3条第2項の規定により実用新案登録を受けることができない。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 1999-09-01 
結審通知日 1999-09-28 
審決日 1999-10-07 
出願番号 実願平3-86353 
審決分類 U 1 8・ 121- Z (B42D)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 藤井 靖子  
特許庁審判長 村山 隆
特許庁審判官 日高 賢治
平瀬 博通
考案の名称 控紙付き重ね合わせ用シート  
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