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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 G07G
管理番号 1009132
審判番号 審判1998-16966  
総通号数
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 実用新案審決公報 
発行日 2000-08-25 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 1998-10-28 
確定日 2000-01-24 
事件の表示 昭和62年実用新案登録願第166265号「売上データ処理装置」拒絶査定に対する審判事件(平成7年11月13日出願公告、実公平7-49593)について、次のとおり審決する。   
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1.手続の経緯・本願考案の要旨
本願は、昭和62年10月30日の出願であって、その考案の要旨は、出願公告後の平成8年9月20日付け及び平成10年10月28日付け手続補正書により補正された明細書及び図面の記載からみて、その実用新案登録請求の範囲に記載された次のとおりのものである。
「売上データを入力する入力手段と、
複数の商品分類の各々に対応して商品分類別の売上累計データと取引数とを記憶する記憶手段と、
前記売上累計データを前記入力手段から入力された商品分類別の売上データに基づいて累計更新すると共に、前記取引数を累計更新する更新手段と、
前記記憶手段に記憶された商品分類別の前記売上累計データと取引数とに基づいて、前記各商品分類における分類別売上平均データを算出する算出手段と、
長尺状の所定のレシート用紙、あるいはジャーナル用紙上にデータを印字する印字手段と、
登録モード、精算モード等の各種モードの内の何れかのモードをオペレータによって任意に選択する選択手段と、
前記選択手段にて登録モードが選択されている状態において、前記入力手段により商品分類別の売上データの入力が行なわれて1取引分の売上登録操作が行なわれた際に、その1取引において入力された売上データによる売上レシートを前記印字手段にて印字発行すると共に、前記更新手段により前記商品分類別の売上累計データと前記取引数とを更新するよう制御する売上取引制御手段と、
前記選択手段にて精算モードが任意に選択されることにより前記記憶手段に記憶された内容の精算レポート出力を指示する精算指示手段と、
前記精算指示手段により精算レポート出力が指示された際に、前記記憶手段内において商品分類別に記憶された前記売上累計データと取引数とを、その対応する商品分類名と共に出力した精算レポートを前記印字手段にて印字発行し、且つその印字発行される前記精算レポート上には前記算出手段で算出された商品分類別の各売上平均データを、その対応する商品分類の商品分類名と対応づけて印字出力する精算出力制御手段と、
を備えたことを特徴とする売上データ処理装置。」
2.引用例の記載事項
これに対して、原査定の拒絶理由である登録異議の決定の理由に引用された特開昭56-35264号公報(以下、引用例1という。)には、商品を買上げた顧客一人当りの平均の売上データを知ることができるようにした電子レジスタの客平均売上データ算出方式に関して、下記の事項が図面とともに記載されている。
「その目的とするところは、点検および精算時に、売上データ記憶手段に記憶された各種売上データと、総客数記憶手段に記憶された総客数データとから客平均売上データを自動的に算出し、この客平均売上データを前記各種売上データと共に印字することにより、客平均売上データを同時に知ることができ、以つて営業活動に役だたせることができるようにした電子レジスタの客平均売上データ算出方式を提供することである。」(第1頁右下欄11行?19行)
「第1図において符号1はキー入力部を示したもので、この操作パネル上には、金額の登録などに使用する金額キー2、商品のグループ別、売場別など部門別登録に使用する部門別キー3、・・・中略・・・コントロールロック9が備えられている。このコントロールロック9は、「OFF」、「REG(登録)」、「PR(設定)」、「X(点検)」、「Z(精算)」の各モードを指定するもので、「OFF」は電子レジスタを使用しない場合、「REG」は通常の金銭収受操作を行う場合、「PR」は日付、単価などを予め設定する場合、「X」は記憶データをクリアせずに集計データを出力する場合、「Z」は集計データを出力した後、その集計データをクリアする場合に使用される。」(第2頁左上欄1行?右上欄4行)
「また、前記印字部12は、これに備えられている印字ドラム(図示せず)の印字位置信号TPをI/Oポート10に送り、・・・中略・・・印字動作を行なって金額データ、集計データなどをジャーナル用紙およびレシート用紙に印字出力するものである。」(第2頁左下欄1行?11行)
「前記CPU13は、各種マイクロ命令が格納されている制御部、演算部などのほか、表示、転送、演算などに用いられる各種レジスタが備えられている。このCPU13には、データバスラインDB、アドレスバスラインABおよびコントロールバスラインCBを介して集計用メモリ14が接続されている。この集計用メモリ14は、CPU13からコントロールバスCBを介して供給される読み出し/書き込み信号に従ってデータの授受を行なうようになっている。
第2図は、前記集計用メモリ14を構成する各記憶領域を示したもので、このうち売上データ記憶領域群15は、売上合計のデータと売上げた商品の個数のデータが部門ごとに分類されて記憶されている。また、売上データ記憶領域16には、現金売り、信用売り、貸売りなど売り上げられた商品の総個数および総売上合計のデータが記憶される。・・・中略・・・また、総客数記憶領域18には、取引が行なわれた総件数、換言すれば各責任者が扱った客数の合計データが記憶され、・・・中略・・・また、売上データ記憶領域群20は、取引別の売上データ及び件数が記憶されている。」(第2頁右下欄2行?第3頁左上欄11行)
「第3図のフローチャートを参照して説明する。まず、コントロールロック9を「X」の点検モードに設定し、次いで現金/預かり金キー5を操作すると、ステップS1が実行される。・・・中略・・・
次いで、ステップS7が実行され、集計用メモリ14の売上データ記憶領域19に記憶されている総売上合計のデータがCPU13に読み出され、CPU13において、総売上合計のデータを前記総件数で除す除算が実行され、この演算結果は客平均買上合計のデータとしていったんBレジスタに記憶される。次いでステップS8が実行され、Bレジスタに記憶された客平均買上合計のデータは印字用バッファPBに与えられ、前記記録用紙に客平均買上合計の数値および「平計」の文字が印字される。
・・・中略・・・
なお、前記実施例においては点検動作について説明したが、精算動作の場合はコントロールロックを「Z」の精算モードに設定し、次いで現金/預かり金キー5を操作することにより、前記点検動作と全く同様の各ステップが実行された後、集計用メモリ14内の各記憶領域のデータはすぼて消去される。」(第3頁13行?第4頁左上欄8行)
「このため従来のように記録用紙に印字された売上合計データと、対応した件数データとから客平均売上データを算出する手作業は必要ないから作業の煩らわしさから解放され、即時に以後の営業活動に役だたせる利点がある。」(第4頁左上欄14行?18行)
同じく引用された、「スーパー・食品雑貨店のPOSデータ活用法」(著者:桑原里恵、発行日:昭和62年3月1日、出版社:株式会社商業界、58頁?66頁)(以下、引用例2という。)には、「POS活用の第一歩 部門別売上データの活用法」に関して、下記の事項が記載されている。
「一般にPOSシステムを導入して部門別客数がとれるようになると部門、客単価=部門売上÷部門客数の方を利用するのだが、前者の部門客単価の方も平均単価との比較から支持度合がわかり、利用しやすい。」(第60頁末行?第61頁5行)
「そのためには帳票▲4▼のように各数値をあわせて一覧としてみていく必要がある。帳票▲3▼に比べて数字の種類が多いため全体としては見づらくなるが、特定部門を見る場合は便利である。帳票▲4▼にある部門客単価は先に説明した前者の客単価(客単価=部門売上÷全体客数)、又、買上客単価は後者の客単価(買上客単価=部門売上÷部門客数)にあたる。」(第66頁11行?14行)
そして、第65頁の帳票▲4▼には、部門名に対応して買上客数、売上高及び買上客単価が印字出力されていることがみてとれる。
また、登録異議の申立の証拠(甲第3号証)として提出された特開昭51-104235号公報(以下、引用例3という。)には、点検精算業務時に販売登録した総客数のみならず各商品分類別の客数をも集計することのできる電子キャッシュレジスタに関して、下記の事項が図面とともに記載されている。
「合計キーが操作された回数をカウントして総客数をカウントするとともに、各商品の販売登録が行われたときに各商品の分類別に設けた一時記憶器にマークを立て、上記総客数のカウントを行うごとに上記一時記憶器に立てたマークを各商品分類別に設けたカウンタでカウントするようにしたことを特徴とする電子キャッシュレジスタ。」(特許請求の範囲)
「合計キー1から出力される合計信号をカウントする総客数カウンタ2の他に商品大分類キーすなわち部門キーたとえばA,B,C,Dの4つの部門キー3A,3B,3C,3Dから出力される部門別信号をそれぞれカウントする部門別信号カウンタ4A,4B,4C,4Dを設け、この部門別信号カウンタ4A,4B,4C,4Dのカウント出力を、上記合計キー1から出力される合計信号を入力したときにそのカウント出力が零か零でないかを判別し、そのカウント出力が零の場合には信号を出力せず、零でないすなわち1以上の場合に判別信号を出力する判別器5A,5B,5C,5Dにそれぞれ入力し、その各判別器5A,5B,5C,5Dの判別出力を部門別客数カウンタ6A,6B,6C,6Dにそれぞれ入力してカウントするようにしている。・・・中略・・・そして、その部門別客数カウンタ6A,6B,6C,6Dのカウント内容を点検精算業務時に前記総客数カウンタ2のカウント内容とともにプリンタ7に転送し、レシート8の各部門別客数印字位置および総客数印字位置にプリントアウトするようにしている。」(第1頁右下欄15行?第2頁右上欄6行)
「したがって、総客数Aのみならず各商品部門別の客数Bを集計することができ、詳細な販売分析を行うためのより詳細な販売状況のデータを得ることができる。」(第3頁右上欄9行?12行)
3.本願考案と引用例1に記載された考案との対比
上記引用例1に記載された技術事項からみて、引用例1に記載された考案の「キー入力部1」、「集計用メモリ14」、「印字部12」、「コントロールロック9」、「コントロールロック9の「Z」モード」及び「電子レジスタ」は、各々本願考案の「入力手段」、「記憶手段」、「印字手段」、「選択手段」、「精算指示手段」及び「売上データ処理装置」に相当するものであり、引用例1に記載された考案のCPU13、集計メモリ14及びI/Oポート10は、売上累計データと取引数を更新する更新手段、売上平均データを算出する算出手段、売上取引制御手段及び精算出力制御手段としての機能を有することは明らかであるから、本願考案と引用例1に記載された考案とを対比すると、両者は、「売上データを入力する入力手段と、複数の商品分類の各々に対応して商品分類別の売上累計データと取引数(引用例1では総件数)を記憶する記憶手段と、前記売上累計データを前記入力手段から入力された商品分類別の売上データに基づいて累計更新すると共に、前記取引数を累計更新する更新手段と、前記記憶手段に記憶された商品分類別の前記売上累計データと取引数とに基づいて、売上平均データを算出する算出手段と、長尺状の所定のレシート用紙、あるいはジャーナル用紙上にデータを印字する印字手段と、登録モード、精算モード等の各種モードの内の何れかのモードをオペレータによって任意に選択する選択手段と、前記選択手段にて登録モードが選択されている状態において、前記入力手段により商品分類別の売上データの入力が行なわれて1取引分の売上登録操作が行なわれた際に、その1取引において入力された売上データによる売上レシートを前記印字手段にて印字発行すると共に、前記更新手段により前記商品分類別の売上累計データと取引数とを更新するよう制御する売上取引制御手段と、前記選択手段にて精算モードが任意に選択されることにより前記記憶手段に記憶された内容の精算レポート出力を指示する精算指示手段と、前記精算指示手段により精算レポート出力が指示された際に、前記記憶手段内において記憶された売上累計データと取引数とを出力した精算レポートを前記印字手段にて印字発行し、且つその印字発行される前記精算レポート上には前記算出手段で算出された売上平均データを印字出力する精算出力制御手段とを備えたことを特徴とする売上データ処理装置。」で一致しており、下記の点で相違している。
相違点;本願考案では、記憶手段は、商品分類別に取引数を記憶するものであって、更新手段は、入力手段から入力された商品別の売上データに基づいて商品分類別に取引数を累計更新し、算出手段は、各商品分類における分類別売上平均データを算出し、売上取引制御手段は、商品分類別に取引数を更新するように更新手段を制御し、精算出力制御手段は、記憶手段内において商品分類別に記憶された売上累計データと取引数とを、その対応する商品分類名と共に出力した精算レポートを印字手段にて印字発行し、且つその印字発行される前記精算レポート上には算出手段で算出された商品分類別の各売上平均データを、その対応する商品分類の商品分類名と対応づけて印字出力するものであるのに対して、引用例1に記載された考案の集計用メモリ14は、商品分類別には、売上累計と個数を記憶しているが、件数(取引数)については記憶しておらず、総件数(総取引数)のみを記憶するものであって、件数を1取引毎に累計更新し、CPU13により客平均売上データを算出し、精算モード時に印字発行される記録用紙には、所望の各種データと共に客平均売上データを印字出力するものである点。
4.上記相違点に対する当審の判断
上記相違点について検討するに、引用例1に記載された考案の電子レジスタは、件数(取引数に相当)については部門別には記憶しておらず、総件数のみを累計更新して記憶し、精算モード時には総売上と総件数のデータから客平均売上データを算出してレシート用紙に客平均売上データを印字出力するものであるが、部門(商品分類に相当)別に売上と客数(取引数に相当)を累計更新して記憶しておき、販売分析データとして部門別の売上累計と客数を印字出力することは、引用例2及び3にも記載されているように本願出願前周知の技術事項にすぎないものである。
そして、引用例2には、販売分析データとして活用するために、記憶手段に記憶した部門別売上データと部門別客数データから客単価(部門別売上平均データに相当)を算出して部門別の売上と客数に加えて客単価についても部門名と対応づけて印字出力することが記載されている。
そうすると、引用例1に記載された考案の電子レジスタに、上記周知の技術事項を採用して部門(商品分類)別に件数(取引数)を記憶手段に記憶しておけば算出手段により客平均売上データに加えて部門別に売上平均データが算出でき、より詳細な販売分析データとして部門別の売上累計データと取引数に対応づけて部門別の売上平均データを印字出力できることは当業者であればきわめて容易に理解できる程度のことであるから、本願考案の上記相違点のように構成することは、当業者が必要に応じてきわめて容易に想到することができる程度の技術事項と認める。
また、本願考案の効果も、引用例1乃至3に記載されたものから当業者であれば予測することができる程度のものであって、格別のものとはいえない。
5.むすび
したがって、本願考案は、引用例1乃至3に記載された考案に基づいて当業者がきわめて容易に考案をすることができたものであるから、実用新案法第3条第2項の規定により実用新案登録を受けることができない。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 1999-11-15 
結審通知日 1999-11-30 
審決日 1999-12-13 
出願番号 実願昭62-166265 
審決分類 U 1 8・ 121- Z (G07G)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 大久保 好二粟津 憲一渡邊 真  
特許庁審判長 村本 佳史
特許庁審判官 小林 武
船越 巧子
考案の名称 売上データ処理装置  
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