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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 H02K
管理番号 1009166
審判番号 審判1997-21674  
総通号数
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 実用新案審決公報 
発行日 2000-08-25 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 1997-12-25 
確定日 2000-01-04 
事件の表示 平成3年実用新案登録願第49371号「電動モータのロータ支持構造」拒絶査定に対する審判事件(平成5年1月22日出願公開、実開平5-4751)について、次のとおり審決する。   
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 I.手続の経緯・本願考案
本願は、平成3年6月27日の出願であって、請求項1に係る考案(以下、本願考案という。)は明細書の実用新案登録請求の範囲に記載された次のとおりのものである。
「ハウジング外筒とこれと同軸のハウジング内筒とを有するハウジング内に固定されたモータステータに対して周面対向にモータロータ配設し、このモータロータに出力軸を一体的に連結するとともに該出力軸を軸受を介してハウジング内筒に軸回転自在に連結するとともに該出力軸を軸受を介してハウジング内筒に軸回転自在に取付け、さらにハウジングと出力軸との間に回転検出器を設けてなる電動モータのロータ支持構造において、前記軸受を、前記出力軸の内側であって前記モータロータの軸方向長さのほぼ中間位置に装着し、かつ、回転検出器としてレゾルバを用いて、これを前記ハウジング内筒及び出力軸の開口端側に配置したことを特徴とする電動モータのロータ支持構造。」
II.引用例
原査定の拒絶の理由に引用された特開平2-97248号公報(以下、引用例という。)の「第8図に示すように、円筒形ハウジング1の端面に設けた端板2の内面に支持筒3を設け、その支持筒3の外側に軸受4を介して回転軸5を支持し、上記ハウジング1の内径面にモータステータ6を取付け、回転軸5の外側にはモータロータ7を取付け、上記モータステータ6に通電して回転軸5を回転せしめ、その回転軸5の回転角を検出部9とターゲット部10とから成る角度検出器8によって検出するようにした回転角検出機能を有するDDモータは従来から存在する。」(2欄6行乃至15行)との記載、「第1図に示すように、回転軸5を支持する軸受4は、一対の外輪13´、13゛と内輪14との間にローラ15を組込んだクロスローラ軸受から成り、一対の外輪13´、13゛は、回転軸5の内径面端部に設けたフランジ16と回転軸5の内側に嵌合してスリーブ17によって両側から挟持される。そして、スリーブ17は、回転軸5の端面にねじ止めしたカバー18によって抜け止めされる。一方、内輪14は、支持筒3の外径面中途に設けたフランジ19と、支持筒3の端面にねじ止めした内輪押え20によって両側から挟持される。・・・一対の外輪13´、13゛のうち、一方外輪13゛の外側面には回転軸5の内径面に形成された外輪嵌合面22に対して圧入される筒体23が設けられている。一方、内輪14の一側面には、支持筒3の外径面に形成された内輪嵌合面24に対して圧入される筒体25が設けられ、その内輪筒体25と上記外輪筒体23の対向面間に回転軸の回転角を検出する角度検出器8が組込まれている」(5欄2行乃至6欄7行)との記載、「第5図に示す角度検出器8は、可変リラクタンス型角度検出器であって、リング状ロータコア28の内径面に歯29を等間隔に形成したターゲット部10の内側に、多数の歯30を外径部に有するリング状のステータコア31にコイル32を巻付けた検出部9を配置し、そのターゲット部10の歯29と検出部9の歯30間の磁気回路のレラクタンス変化を電気信号として取り出すようにしている。」(6欄16行乃至7欄4行)との記載によれば、引用例には
「円筒形ハウジングとこれと同軸の支持筒とを有するハウジング内に固定されたモータステータに対し周面対向にモータロータを配設し、このモータロータに回転軸を一体的に連結するとともに該回転軸をスリーブ、カバー、軸受を介して支持筒に軸回転自在に取付け、さらにハウジングと回転軸との間に回転検出器を設けてなる電動モータのロータ支持構造において、前記軸受を、前記回転軸の内側であって前記モータロータの軸方向長さのほぼ中間位置に装着し、回転検出器を前記支持筒及び回転軸の開口端他側に配置した電動モータのロータ支持構造。」
が記載されていると認められる。なお、引用例には第1図に付された符号1について説明するところはないが、引用例は第8図に示された従来例の角度検出器の取付けの容易化を図ることをその技術的課題とするものであるから電動モータのその他の構造については該第8図に示されたものを採用していることは明らかであり、従って、第1図の符号1は円筒形ハウジングを意味するものといえる。
III.対比・判断
本願考案と引用例とを対比するに、まず、両者に使用されている用語につきそれらの技術的意味ないし機能の観点から考えると、引用例の「円筒形ハウジング」、「支持筒」は本願考案の「ハウジング外筒」、「ハウジング内筒」にそれぞれ相当し、また、引用例のスリーブは回転軸とともに軸受外輪を支持し、カバーで連結され、これら3部材がモータロータの出力を伝えるのであるから引用例の「回転軸、スリーブ、カバー」が本願考案の「出力軸」に相当することは明らかである。
そうすると、両者は
「ハウジング外筒とこれと同軸のハウジング内筒とを有するハウジング内に固定されたモータステータに対し周面対向にモータロータを配設し、このモータロータに出力軸を一体的に連結するとともに該出力軸を軸受を介してハウジング内筒に軸回転自在に取付け、さらにハウジングと出力軸との間に回転検出器を設けてなる電動モータのロータ支持構造において、前記軸受を、前記回転軸の内側であって前記モータロータの軸方向長さのほぼ中間位置に装着し、回転検出器を前記ハウジング内筒及び出力軸を介在して配置した電動モータのロータ支持構造。」である点で一致し、(1)本願考案が回転検出器としてレゾルバを採用しているに対し、引用例の回転検出器(第5図に示されたもの)がレゾルバであるのか明らかでない点、(2)本願考案の回転検出器がハウジング内筒及び出力軸の開口端側に配置されているのに対し、引用例の回転検出器がハウジング内筒及び出力軸の開口端他側に設けらている点で相違する。
そこで、前記各相違点について検討する。
イ.相違点(1)について
本願明細書において本願考案の従来例を説明するものとして援用されている実開平1-116549号公報(実願昭63-10560号のマイクロフィルム以下、周知例1という。)、原査定の拒絶の理由で引用した実願昭60-53530号(実開昭61-171465号)のマイクロフィルム(以下、周知例2という。)、実願平1-35079号(実開平2-125569号)のマイクロフィルム)の各記載によれば電動モータの回転検出器としてレゾルバを使用することが周知の技術と認めることができ、そして、該レゾルバはその構成要素であるステータを電動モータの固定側に、ロータを回転側に設けて回転角度を検出するものであって、これを引用例に適用するのにステータを支持筒(ハウジング内筒)側に、ロータを出力軸側に設けて足り、したがって、前記レゾルバを引用例の回転検出器に代えて採用すること、すなわち、本願考案の相違点(1)の構成は当業者がきわめて容易に想到できたことである。
ロ.相違点(2)について
引用例は、前示のとおり、第8図に示されている従来の電動モータが有する「回転軸5の軸方向一側に角度検出器8を取付けるための空間を確保する必要があり、DDモータが大型化する不都合がある。」(2頁左上欄3行乃至5行)との問題点、「検出部9とターゲット部10相互の芯出しが困難であって、調整に非常に手間がかかる不都合がある。」(2頁左上欄11行乃至13行)との問題点を解決することを技術的課題として一対の筒体間に角度検出器を組込んだもので、その実施例として軸受の内輪、外輪の下方(電動モータの端板2側)に筒体設けることを記載するものであるが、一対の筒体を軸受の内輪、外輪の上方(電動モータの開口側)に設けても前記問題点を解決できることは明らかであり、そして、引用例にはこのような解決手段が排除されるとする記載乃至事情が存在するものでもなく、また、前示周知例1、2からはレゾルバを電動モータの開口側(上方側)に配置する点においてこのことが周知の技術として認められるから引用例において一対の筒体を軸受の内輪、外輪の上方(電動モータの開口側)に設けることは当業者が容易に想到できることである。
ところで、相違点(2)の本願考案の構成はレゾルバを「ハウジング内筒及び出力軸の開口端側」に配置するとするものであるが、この点について本願明細書の「このようにしてハウジング内筒11と出力軸30との間に介装された軸受34の上方の、軸受固定部材16と出力軸30の内面とにより囲まれ上方が開口した空間Sには、高分解能の回転検出器であるレゾルバが内臓されている。コイルCLを有するレゾルバ40のステータ41は、ハウジング内筒11の上部に取り付けた軸受固定部材16にボルトB6で取付けられている。これに対してレゾルバ40のロータ42は、前記ステータ41に対向させてモータ出力軸30の裏面のフランジ32にボルトB7で取付けられている。」(【0012段落】)との記載によれば実施例は、レゾルバは軸受上方に位置するモータ出力軸30の裏面のフランジ32と軸受固定部材16に取付けられるものであるが、本願考案がこの出力軸の形状を限定するものではなく、また、軸受固定部材を構成要件とするものでないことは請求項1の記載に照らして明らかであり、したがって、「ハウジング内筒及び出力軸の開口端側」は出力軸内周面によって形成される開口の軸受より上方位置と解することができ(出力軸の開口端側を端面であるとするとそこには被駆動物体が位置するからレゾルバを取付けることはできなことは明らかであり、これによれば、ハウジング内筒の開口端側が開口端面を意味するものともいえない。)、レゾルバはその位置に配置されるものというべきである。
そうすると、前示のとおり、引用例からは一対の筒体を軸受の内輪、外輪の上方(電動モータの開口側)に設ける構成が導き出され、この構成は本願考案の相違点(2)の構成と同じといえ、したがって、本願考案の相違点(2)の構成は当業者が容易に想到できたものである。
そして、本願考案が奏する作用効果(本願明細書の【0018】【0019】)は引用例及び周知技術から当業者がきわめて容易に予測できる範囲のものである。
したがって、本願考案は引用例及び周知技術に基づいて当業者がきわめて容易に考案をすることができたものである。
IV.むすび
以上のとおり、本願考案は実用新案法3条2項の規定により実用新案登録を受けることができないものである。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 1999-05-27 
結審通知日 1999-06-15 
審決日 1999-11-09 
出願番号 実願平3-49371 
審決分類 U 1 8・ 121- Z (H02K)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 岩崎 晋仁科 雅弘  
特許庁審判長 大森 蔵人
特許庁審判官 西川 一
岩本 正義
考案の名称 電動モータのロータ支持構造  
代理人 内藤 嘉昭  
代理人 清水 正  
代理人 森 哲也  
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