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審決分類 審判 全部申し立て   G07F
審判 全部申し立て   G07F
管理番号 1009189
異議申立番号 異議1998-72576  
総通号数
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 実用新案決定公報 
発行日 2000-08-25 
種別 異議の決定 
異議申立日 1998-05-21 
確定日 1999-12-15 
異議申立件数
事件の表示 実用新案登録第2556541号「自動販売機の商品払い出しステーション」の請求項1ないし2に係る実用新案に対する実用新案登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。   
結論 実用新案登録第2556541号の請求項1ないし2に係る実用新案登録を取り消す。
理由 本件実用新案登録の請求項1乃至2に係る考案は、本件実用新案登録明細書の、実用新案登録請求の範囲の請求項1乃至2に記載された次のとおりのものである。
「[請求項1]商品取出口に臨む位置に取り付けられ、払い出された商品を受ける形状の商品払い出しステ-ションにおいて、底面に孔または光が通過する透光部を形成し、前記孔または透過窓から導かれた光で内部を照明するように構成した自動販売機の商品払い出しステ-ション。
[請求項2]商品取出口に臨む位置に取り付けられ、払い出された商品を受ける形状の商品払い出しステ-ションにおいて、内側の底面に平板状の光源を取り付け、内部を照明するように構成した自動販売機の商品払い出しステ-ション。」
4.刊行物記載の考案
刊行物1 特開昭55-61890号公報
刊行物2 特開平4-267496号公報
上記刊行物1には、次の点が記載されている。
(1)「第1図に於いて、自動販売機は、外箱1の前面上部に商品陳列棚2が設けられ、・・・・・。そして、陳列棚2の陳列商品に対応するよう商品の選択ボタン4が設けられており、下方に商品取出部5が形成されている。」(第2頁左上欄第13行?第18行)
(2)「第2図に於いて、外箱1の内部は上部に商品を収納するコラム7が設けられており、図示されない搬出機構によって商品受皿8へ商品が落下搬出されるよう構成されている。そして、商品受皿8は、外箱1の前面に設けられた商品取出口9に取り付けられており、透明なプラスチック材で形成されている。さらに、外箱1の下部前面には透明部6が設けられており、この透明部6と商品受皿8との中間に照明灯10が配設されている。照明灯10から点線11で示されるものは照明灯10の発光する光の伝達を示しているものである。」(第2頁右上欄第4行?第16行)
上記(1)、(2)の記載事項及び第2図とともに、刊行物1には、
「商品取出口9に臨む位置に取り付けられ、落下搬出された商品を受ける形状の商品受皿8において、透明なプラスチック材で形成された商品受皿8の底面を通過した光で内部を照明するように構成した自動販売機の商品受皿」(「刊行物1の考案」という。)が記載されているといえる。
一方、刊行物2には、次の点が記載されている。
(1)「自動販売機の品物の取り出し口内部と釣銭取り出し口の内部にエレクトロルミネセンス素子(以下、EL素子と記す)を設け、」(段落0005)
(2)「(1)EL素子が平板であることから狭隘な場所への取付けが容易で省スペースが実現できる。」(段落0006)
(3)「例えば缶ジュースが取り出し口に落下したとき」(段落0008)
(4)「図1において、1は自動販売機の本体、2は後述の釣銭取り出し口用のEL素子、3は後述の品物取り出し口用のEL素子である。本実施例ではEL素子2および3を弾力性透光シートと重ね合わせた構造にしている。・・・・・・・9は品物の取り出し口、・・・・・・・。」(段落0011)
(5)品物選択釦11を押すことによって押し信号13が点灯回路5に入力されて駆動部7が作動し、EL素子2および3が発光する。これによって、品物取り出し口9と特に小型の釣銭取り出し口8の位置が分かりやすくなり、また品物取り出し口9内と釣銭取り出し口8内が照明されるので品物や釣銭の視認性が高まり取り出しが容易になる。」(段落0012)
(6)「本実施例では、EL素子2および3はそれぞれ品物および釣銭取り出し口の奥壁に設けているが、これを両壁または底部に設けてもよい。また、EL素子2および3の基板を強化ガラスにすることにより品物の落下による損傷を防止してもよい。」(段落0013)
上記(1)乃至(6)の記載事項及び図1の記載より、刊行物2には、
「品物取出口9に臨む位置に取り付けられ、取り出し口に落下した品物を受ける形状の品物取り出し口底部において、内側の底部に平板状のEL素子3を取り付け、内部を照明するように構成した自動販売機の品物取り出し口底部。」(「刊行物2の考案」という。)が記載されている。
5.対比・判断
1)本件実用新案登録の請求項1の考案について
本件実用新案登録の請求項1の考案(前者)と刊行物1の考案(後者)を対比すると、後者の商品受皿が前者の商品払い出しステーションに相当しており、前者と後者は、前者が「(商品払い出しステーションの)底面に孔または光が通過する透光部を形成し、前記孔または透過窓から導かれた光で内部を照明する」のに対し後者が「透明なプラスチック材で形成された商品受皿8の底面を通過した光で内部を照明する」点で相違しているが、その余の点では格別相違したものが認められない。
そこで、この相違点を検討すると、刊行物1の第5図に関して、照明する際に透孔を設けて照明する点(第3頁右下欄第15行乃至第4頁左上欄第6行)が記載されており、しかも、該第5図には、透明部材で形成された商品受皿35及び透孔33をそれぞれ透過して照明する光が点線で示されているので、この点を後者の透明なプラスチック材による照明に適用して、前記相違点における前者の如く構成することは、当業者であれば、きわめて容易になし得る程度のものである。
2)本件実用新案登録の請求項2の考案について
本件実用新案登録の請求項2の考案(前者)と刊行物2の考案(後者)を対比すると、後者の品物取出口、品物取り出し口底部、EL素子が前者の商品取出口、商品払い出しステーション、光源にそれぞれ相当しており、構成上両者に格別相違する点が認められない。そして、後者のものは、その効果においても、刊行物2の上記(5)の記載事項に記載の如く、前者とほぼ同様の効果を奏するものである。
したがって、本件実用新案登録の請求項2の考案は、刊行物2に記載されている。
6.まとめ
以上の如く、本件実用新案登録の請求項1の考案は、刊行物1に記載の考案に基づいて当業者がきわめて容易に考案をすることができたものと認められ、実用新案法第3条第2項の規定により、実用新案登録を受けることができない。
また、本件実用新案登録の請求項2の考案は、刊行物2に記載の考案と認められ実用新案法第3条第1項第3号の規定により、実用新案登録を受けることができない。
したがって、本件請求項1乃至2に係る考案の実用新案登録は、取り消すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
異議決定日 1999-10-29 
出願番号 実願平4-71171 
審決分類 U 1 651・ 113- ZB (G07F)
U 1 651・ 121- ZB (G07F)
最終処分 取消    
前審関与審査官 伏見 隆夫  
特許庁審判長 佐藤 久容
特許庁審判官 三原 彰英
高木 彰
登録日 1997-08-15 
登録番号 実用登録第2556541号(U2556541) 
権利者 株式会社クボタ
大阪府大阪市浪速区敷津東一丁目2番47号
考案の名称 自動販売機の商品払い出しステーション  
代理人 樺沢 聡  
代理人 森本 義弘  
代理人 樺沢 襄  
代理人 島宗 正見  

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