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審決分類 |
審判 全部申し立て A01C 審判 全部申し立て A01C |
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管理番号 | 1009217 |
異議申立番号 | 異議1998-73391 |
総通号数 | 8 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 実用新案決定公報 |
発行日 | 2000-08-25 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 1888-07-14 |
確定日 | 1999-12-06 |
異議申立件数 | 1 |
訂正明細書 | 有 |
事件の表示 | 実用新案登録第2559150号「移植機の苗補給装置」の実用新案に対する実用新案登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 |
結論 | 訂正を認める。 実用新案登録第2559150号の実用新案登録を維持する。 |
理由 |
1.手続の経緯 本件実用新案登録2559150号考案は、平成3年2月20日に実願平3-14588号として実用新案登録出願され、平成9年9月19日にその実用新案登録の設定登録がされ、その後、山本進より実用新案登録異議の申立てがなされ、取消理由通知がされ、その指定期間内に訂正請求がされ、訂正拒絶理由通知がされ、その指定期間内に手続補正書が提出されたものである。 2.訂正の適否について (2-1)手続補正の適否 上記手続補正は、訂正明細書中の「実用新案登録請求の範囲」の欄の下1?2行の「シャッタ(15)を設けた」とあるのを、『シャッタ(15)を苗載台(1)に取外し自在に設けた』と補正すると共に、それに伴い、考案の詳細な説明の記載を補正するものである。 そして、上記手続補正は、訂正明細書の特許請求の範囲を減縮、及び、不明りょうな記載の釈明を目的とするものであって、新規事項を追加するものではなく、訂正請求の要旨を変更するものではないから、この手続補正は、適法なものと認められる。 (2-2)訂正の内容 本件訂正請求は、本件実用新案登録明細書(以下、登録明細書という。)を前記手続補正された訂正明細書及び図面のとおりに訂正することを求めるものであり、具体的には下記のとおりに訂正しようとするものである。 記 ▲1▼登録明細書の実用新案登録請求の範囲の請求項1の下1行「該レバー(11)操作部を設けた」を『該レバー(11)操作部を設け、カセット(5)の一側壁に沿わせるように前記レバー(11)中間を延設させ、またカセット(5)を苗載台(1)から引出すときにカセット(5)の背面側内部に立設させるシャッタ(15)を苗載台(1)に取外し自在に設けた』と訂正する。 ▲2▼登録明細書の【0004】第7?8行「該レバー操作部を設けたもので、」を『該レバー操作部を設け、カセットの一側壁に沿わせるように前記レバー中間を延設させ、またカセットを苗載台から引出すときにカセットの背面側内部に立設させるシャッタを苗載台に取外し自在に設けたもので、』と訂正する。 ▲3▼登録明細書の【0013】第9?10行「該レバー操作部を設けたもので、」を『該レバー(11)操作部を設け、カセット(5)の一側壁に沿わせるように前記レバー(11)中間を延設させ、またカセット(5)を苗載台(1)から引出すときにカセット(5)の背面側内部に立設させるシャッタ(15)を苗載台(1)に取外し自在に設けたもので、』と訂正する。 (2-3)訂正の目的の適否及び拡張・変更の存否 上記▲1▼の訂正は、登録明細書【0008】第5?8行「長孔(13)を介して側蓋(9)に膨頭を係止させているとき、図1のように、移植苗(4)の地下茎よりも高い位置で、カセット本体(6)の一側壁内面に沿わせるように前記レバー(11)中間を延設させ、」、及び、登録明細書【0010】第6?10行「苗載台(1)の苗載部(3)にカセット(5)を嵌入させたとき、カセット(5)の背面側内部にシャッタ(15)を立設させ、取手(8)を介してカセット(5)を苗載台(1)傾斜上端側に引出すことにより、シャッタ(15)の仕切によってカセット(5)内の移植苗(4)だけが苗載部(3)に残るように構成している。」の記載に基づくもので、操作レバー(11)の構成を限定し、苗補給装置を限定してシャッタ(15)の構成を付加するものであるから、実用新案登録請求の範囲の減縮を目的とするものと認められる。 また、上記▲2▼、▲3▼の訂正は上記▲1▼の訂正に伴って、実用新案登録請求の範囲の記載と考案の詳細な説明の記載とを整合させるものであるから、明りょうでない記載の釈明を目的とするものである。 さらに、上記▲1▼?▲3▼の訂正は、願書に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、実質上実用新案登録請求の範囲を拡張又は変更するものでもない。 (2-4)独立実用新案登録要件の判断 (2-4-1)訂正明細書の考案 訂正明細書の請求項1に係る考案(以下、「訂正明細書の考案」という。)は、補正された訂正明細書の実用新案登録請求の範囲に記載された次の事項により特定されるとおりのものである。 「移植苗(4)を苗載台(1)に供給する苗補給用カセット(5)を設ける移植機の苗補給装置において、前記カセット(5)前面の移植苗(4)排出開口部の底面端部に開閉支点(10)を介して側蓋(9)下端部を連結させ、移植苗(4)排出方向に倒伏自在に起立させる前記側蓋(9)をカセット(5)前面に取付けると共に、起立位置の側蓋(9)に係脱自在に係止させる側蓋(9)開放用操作レバー(11)を前記カセット(5)に取付け、側蓋(9)を配設させるカセット(5)前面と反対側のカセット(5)後側に前記操作レバー(11)を延設させて該レバー(11)操作部を設け、カセット(5)の一側壁に沿わせるように前記レバー(11)中間を延設させ、またカセット(5)を苗載台(1)から引出すときにカセット(5)の背面側内部に立設させるシャッタ(15)を苗載台(1)に取外し自在に設けたことを特徴とする移植機の苗補給装置。」 (2-4-2)取消理由通知の概要 取消理由通知の概要は、「訂正前の本件考案がその出願前に頒布された下記刊行物1記載の考案であるから、本件実用新案登録は、実用新案法第3条第1項第3項の規定に違反してなされたものである」というものである。 記 刊行物1:実公昭55-9063号公報(甲第1号証) (2-4-3)刊行物1記載の考案の内容 上記刊行物1には、「移植苗を苗載台(苗載せ台42)に供給する苗補給用カセット(苗受板24)を設ける移植機の苗補給装置において、前記カセット前面の移植苗排出部の底面(底板241)端部に開閉支点(ヒンジ部243a)を介して側蓋(開閉板243)下端部を連結させ、移植苗排出方向に倒伏自在に起立させる前記側蓋(243)をカセット前面に取付けると共に、起立位置の側蓋に係脱自在に係止させる側蓋開放用操作レバー(ロックバー35)を前記カセットに取付け、側蓋を配設させるカセット前面と反対側のカセット後側に前記操作レバーを延設させて該レバー操作部(ハンドル31b)を設けた移植機の苗補給装置」が記載されている。 (2-4-4)対比・判断 訂正明細書の考案と上記刊行物1記載の考案とを対比すると、訂正明細書の考案が、少なくとも、(a)「カセット(5)を苗載台(1)から引出すときにカセット(5)の背面側内部に立設させるシャッタ(15)を苗載台(1)に取外し自在に設けた」のに対し、上記刊行物1記載の考案は、このような構成を有しない点で相違する。 そして、訂正明細書の考案は、「カセット(5)を苗載台(1)傾斜上端側に引出すことにより、シャッタ(15)の仕切によってカセット(5)内の移植苗(4)だけが苗載部(3)に残る」(登録明細書【0010】第8?10行)という作用効果を奏する。 したがって、訂正明細書の考案は、刊行物1記載の考案であるということはできないから、本件実用新案登録は実用新案法第3条第1項第3号の規定に違反せず、実用新案登録出願の際独立して実用新案登録を受けることができるものである。 (2-5)まとめ 上記のとおりであるから、本件訂正請求は、平成6年法律第116号附則第9条第2項において準用され、同附則第10条第1項の規定によりなお従前の例によるとされる、特許法第120条の4第2項及び同条第3項において準用する同法126条第2?4項の規定に適合するので、当該訂正を認める。 4.本件実用新案 本件実用新案(以下、本件考案という。)は、前記(2-4-1)訂正明細書の考案に記載したとおりである。 5.実用新案登録異議の申立てに対して (5-1)申立ての概要 申立ての概要は、「訂正前の本件考案が、その出願前に頒布された下記甲第1号証記載の考案である、又は、甲第1号証に記載された考案に基づいて当業者がきわめて容易に考案をすることができたものであるから、本件実用新案登録は、実用新案法第3条第1項第3号又は第3条第2項の規定に違反してなされた」というものである。 記 甲第1号証:実公昭55-9063号公報 甲第2号証:実公昭58-14831号公報 甲第2号証の2:実公昭48-35043号公報 甲第2号証の3:実開昭55-97327号公報 甲第3号証:実開平2-111213号公報 (5-2)甲号各証等 甲第1号証(実公昭55-9063号公報)には、上記刊行物1記載のとおりの考案が記載されている。 甲第2号証(実公昭58-14831号公報)には、「移植苗(予備苗22)を苗載台(苗のせ台27)に供給する苗補給用カセット(苗受板21)を設ける移植機の苗補給装置において、前記カセット前面の移植苗排出開口部の底面端部に開閉支点を介して側蓋(シャッター33)下端部を連結させ、移植苗排出方向に倒伏自在に起立させる前記側蓋をカセット前面に取付けると共に、起立位置の側蓋を開放させる操作レバー(ロッド部40)を前記カセットに取付け、側蓋を配設させるカセット前面と反対側のカセット後側に前記操作レバーを延設させて該レバー操作部(握り部35)を設けた移植機の苗補給装置」が記載されている。 甲第2号証の2(実公昭48-35043号公報)には、「移植苗を苗載台(苗台7)に供給する苗補給用カセット(苗補給箱12)を設ける移植機の苗補給装置において、前記カセット前面の移植苗排出開□部の底面部に開閉支点を介して側蓋(起伏板18)下端部を連結させ、移植苗排出方向に倒伏自在に起立させる前記側蓋をカセット前側底面に取付けると共に、起立位置の側蓋を開放させる操作レバー(ロット21)を前記カセットに取付け、側蓋を配設させるカセット前面側と反対側のカセット後側寄りに前記操作レバーの操作部(レバー22)を設けた移植機の苗補給装置」が記載されている。 甲第2号証の3(実開昭55-97327号公報)には、「移植苗(a)を苗載台(13)に供給する苗補給用カセット(補助苗載台15)を設ける移植機の苗補給装置において、前記カセット前面の移植苗排出開口部の底面端部に側蓋(19)下端部を連結させ、移植苗排出方向に倒伏自在に起立させる前記側蓋をカセット前面に取付けると共に、起立位置の側蓋に係脱自在に係止させる側蓋開放用操作レバー(19a)を前記カセットに取付け、側蓋を配設させるカセット前面と反対側のカセット後側に前記操作レバーを延設させて該レバー操作部(19b)を設け、前記レバー中間を延設させた移植機の苗補給装置」が記載されている。 甲第3号証(実開平2-111213号公報)には、「い草移植機の苗補給用カセット台構造」が記載されている。 (5-3)対比・判断 (5-3-1)第29条第1項第3号について 本件考案と、甲第1号証記載の発明とを対比すると、上記(2-4-4)の項で述べたとおり、本件考案が甲第1号証記載の考案であるということはできない。 (5-3-2)第29条第2項について 本件考案と、甲第1号証記載の発明とを対比すると、同甲号証記載の発明は、(a)「カセット(5)を苗載台(1)から引出すときにカセット(5)の背面側内部に立設させるシャッタ(15)を苗載台(1)に取外し自在に設けた」のに対し、甲第1号証記載の考案は、このような構成を有していない。 上記相違点(a)を検討するために、甲第2号証?甲第3号証をみても、これら甲号各証には、何れにも、本件考案の構成要件である上記(a)については何も記載されていないから、甲第2号証?甲第3号証記載の考案を甲第1号証記載の考案に適用しても、本件考案の構成になりえない。 そして、本件考案は、上記相違点(a)の構成により、「カセット(5)を苗載台(1)傾斜上端側に引出すことにより、シャッタ(15)の仕切によってカセット(5)内の移植苗(4)だけが苗載部(3)に残る」(補正された訂正明細書【0010】第8?10行)という格別の作用効果を奏するから、本件考案が甲第1号証?甲第3号証記載の考案に基づいて当業者がきわめて容易に考案をすることができたものとはいえない。 したがって、「本件実用新案登録が実用新案法第3条第1項第3号又は第3条第2項の規定に違反してなされた」という申立人の主張は採用できない。 6.まとめ 以上のとおりであるから、実用新案登録異議申立ての理由及び証拠によっては、本件考案の実用新案登録を取り消すことはできない。 また、他に本件考案の実用新案登録を取り消すべき理由を発見しない。 |
発明の名称 |
(54)【考案の名称】 移植機の苗補給装置 (57)【実用新案登録請求の範囲】 【請求項1】 移植苗(4)を苗載台(1)に供給する苗補給用カセット(5)を設ける移植機の苗補給装置において、前記カセット(5)前面の移植苗(4)排出開口部の底面端部に開閉支点(10)を介して側蓋(9)下端部を連結させ、移植苗(4)排出方向に倒伏自在に起立させる前記側蓋(9)をカセット(5)前面に取付けると共に、起立位置の側蓋(9)に係脱自在に係止させる側蓋(9)開放用操作レバー(11)を前記カセット(5)に取付け、側蓋(9)を配設させるカセット(5)前面と反対側のカセット(5)後側に前記操作レバー(11)を延設させ該レバー(11)操作部を設け、カセット(5)の一側壁に沿わせるように前記レバー(11)中間を延設させ、またカセット(5)を苗載台(1)から引出すときにカセット(5)の背面側内部に立設させるシャッタ(15)を苗載台(1)に取外し自在に設けたことを特徴とする移植機の苗補給装置。 【考案の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】 本考案は例えばい草または玉ネギなどの移植苗を苗載台に補給する移植機の苗補給装置に関する。 【0002】 【従来の技術】 従来、実開平2-111213号公報に示す如く、床土が殆んど付いていないイ草などの移植苗を苗載台に装填する場合、所定量の移植苗をカセットに入れ、該カセットを苗載台の苗載部に嵌入させ、移植苗を残すようにカセットだけを取出し、移植苗の補給を行う技術がある。 【0003】 【考案が解決しようとする課題】 前記従来技術は、カセット前面の苗取出側にベルト形のシャッタを開閉自在に設けるから、カセットを前面方向に傾けると、カセット前面中央のシャッタが苗に押されて山形に突出変形し易く、苗の一部が取出側に移動する不具合があり、また前記シャッタを巻取るリールをカセット側面に設けるから、カセットの左右幅が苗の収納幅よりも大きくなり易く、苗載台の苗載幅よりもカセットから供給される苗幅が小さくなる不具合があると共に、前記シャッタを開放操作するレバーをカセット前面に設けるから、苗載台にカセットを嵌込む前に前記レバーを操作する必要があり、カセットを嵌込むときに苗が落下し易く、また苗載台に嵌込んだカセットのレバー操作は極めて面倒であり、例えば作業者が圃場内を移動して苗載台の苗取出側(傾斜下端側)に移動して行う必要があり、苗載台の苗補給側(傾斜上端側)での苗補給作業性の向上などを容易に図り得ない等の問題がある。 【0004】 【課題を解決するための手段】 然るに、本考案は、移植苗を苗載台に供給する苗補給用カセットを設ける移植機の苗補給装置において、前記カセット前面の移植苗排出開口部の底面端部に開閉支点を介して側蓋下端部を連結させ、移植苗排出方向に倒伏自在に起立させる前記側蓋をカセット前面に取付けると共に、起立位置の側蓋に係脱自在に係止させる側蓋開放用操作レバーを前記カセットに取付け、側蓋を配設させるカセット前面と反対側のカセット後側に前記操作レバーを延設させて該レバー操作部を設け、カセットの一側壁に沿わせるように前記レバー中間を延設させ、またカセットを苗載台から引出すときにカセットの背面側内部に立設させるシャッタを苗載台に取外し自在に設けたもので、カセット前面に開閉支点を介して側蓋を連結させるから、硬質の矩形平板などによって側蓋を容易に形成し得、カセットの前傾によって移植苗に押されても側蓋の変形による移植苗の形崩れを容易に防止し得、また苗載台の苗載幅に対してカセットの苗収納幅を容易に近似させて形成し得ると共に、前記側蓋を起立支持する操作レバーの操作部をカセット後側に配置させるから、カセットを嵌込み操作する苗載台の苗補給側から操作レバーを操作して側蓋を開動させ得、苗載台にカセットを嵌込み後に側蓋を開放して移植苗を移し換えて補給する作業を容易に行い得、移植苗を補給する途中で該苗がカセットから落下する等の不具合をなくし得、前記カセットを用いた移植苗補給作業性の向上などを容易に図り得るものである。 【0005】 【実施例】 以下、本考案の実施例を図面に基づいて詳述する。図1は断面側面図、図2は外観側面図、図3は平面図、図4は背面図であり、図中(1)は前低後高姿勢で支持するイ草移植機の苗載台であり、左右条リブ(2)(2)間に1条分の苗載部(3)を形成し、該苗載部(3)にイ草移植苗(4)を平面的に並べて載せ、図示しない植付爪によって1株分の移植苗(4)を苗載部(3)から取出して圃場面に植付けるように構成している。 【0006】 また、図中(5)は前記苗載台(1)の苗載部(3)に嵌入させる苗補給用カセットであり、端面V字形に折曲げたカセット本体(6)と、カセット本体(6)背面開口を閉塞する背面板(7)及び取手(8)と、カセット本体(6)前面開口を閉塞する側蓋(9)とを、前記カセット(5)に備えるもので、前記カセット本体(6)及び背面板(7)及び側蓋(9)によって形成する長四角箱形空間内にイ草移植苗(4)を平面的に並べて収納し、移植苗(4)の地下茎を下側にして茎葉部を立設させるように構成している。 【0007】 また、前記カセット本体(6)の底板部前端に側蓋(9)下端側を蝶番(10)(10)によって連結させるもので、カセット(5)一側に側蓋(9)を開閉自在に設け、移植苗(4)を排出させるカセット(5)前面方向に側蓋(9)を開放動作させるように構成している。 【0008】 さらに、前記側蓋(9)を開動させる操作レバー(11)を前記カセット(5)に設けるもので、カセット本体(6)の一側壁で背面側端部に受板(12)を固定し、前記レバー(11)の鈎形操作部を回転及び摺動自在に受板(12)に支持させると共に、側蓋(9)の長孔(13)に係脱自在に係入させる膨頭(14)を前記レバー(11)先端に設け、長孔(13)を介して側蓋(9)に膨頭を係止させているとき、図1のように、移植苗(4)の地下茎よりも高い位置で、カセット本体(6)の一側壁内面に沿わせるように前記レバー(11)中間を延設させ、また前記レバー(11)の操作部をカセット本体(6)の背面側端部の底板部上面に当接支持させるもので、前記レバー(11)の操作部を背面側に若干引張った後で回転させて、取手(8)上面に係止させることにより、側蓋(9)の長孔(13)とレバー(11)の膨頭(14)の係合を解除し、苗載台(1)傾斜下端側に側蓋(9)が倒れてカセット(5)前方に開動するように構成している。 【0009】 上記から明らかなように、移植苗(4)を苗載台(1)に供給する苗補給用カセット(5)を設ける移植機の苗補給装置において、前記カセット(5)前面の移植苗(4)排出開口部の底面端部に開閉支点である蝶番(10)を介して側蓋(9)下端部を連結させ、移植苗(4)排出方向に倒伏自在に起立させる前記側蓋(9)をカセット(5)前面に取付けると共に、起立位置の側蓋(9)に係脱自在に係止させる側蓋(9)開放用操作レバー(11)を前記カセット(5)に取付け、側蓋(9)を配設させるカセット(5)前面と反対側のカセット(5)後側に前記操作レバー(11)を延設させて該レバー(11)操作部を設けている。そして、カセット(5)前面に蝶番(10)を介して側蓋(9)を連結させ、硬質の矩形平板によって側蓋(9)を形成し、カセット(5)の前傾によって移植苗(4)に押されても側蓋(9)の変形による移植苗(4)の形崩れを防止し、また苗載台(1)の苗載幅に対してカセット(5)の苗収納幅を近似させて形成させると共に、前記側蓋(9)を起立支持する操作レバー(11)の操作部をカセット(5)後側に配置させ、カセット(5)を嵌込み操作する苗載台(1)の苗補給側から操作レバー(11)を操作して側蓋(9)を開動させ、苗載台(1)にカセット(5)を嵌込み後に側蓋(9)を開放して移植苗(4)を移し換えて補給する作業を行え、移植苗(4)を補給する途中で該苗(4)がカセット(5)から落下する等の不具合をなくし、前記カセット(5)を用いた移植苗(4)補給作業性の向上などを図れるように構成している。 【0010】 さらに、前記カセット本体(6)のU字形端面より若干小さい面積の平板形シャッタ(15)を備え、門形の支柱(16)中間部に前記シャッタ(15)を一体固定させると共に、苗載台(1)傾斜上端側のリブ(2)上面にボルト(17)を介して支持板(18)を固設し、該支持板(18)後端に受筒(19)を一体固定させ、左右の各リブ(2)(2)後側の受筒(19)(19)に前記支柱(16)の門形両端部を挿入させるもので、苗載台(1)の苗載部(3)にカセット(5)を嵌入させたとき、カセット(5)の背面側内部にシャッタ(15)を立設させ、取手(8)を介してカセット(5)を苗載台(1)傾斜上端側に引出すことにより、シャッタ(15)の仕切によってカセット(5)内の移植苗(4)だけが苗載部(3)に残るように構成している。 【0011】 本実施例は上記の如く構成しており、側蓋(9)を起立させ、長孔(13)を介して側蓋(9)に操作レバー(11)の膨頭(14)を係合させ、操作レバー(11)によって側蓋(9)を閉支持し、イ草移植苗(4)をカセット本体(6)内部に上面側から入れて平面的に並べて収納すると共に、移植機の苗載台(1)傾斜上端のシャッタ(15)を取外し、苗載台(1)の苗載部(3)にカセット(5)を嵌入させ、操作レバー(11)の操作部先端を取手(8)上面に係止させるように該レバー(11)を回転させ、前記レバー(11)先端の膨頭(14)と側蓋(9)の係合を解除し、側蓋(9)を前方に倒して開動させ、また前記レバー(11)をカセット本体(6)底面に対し略平行に支持する。 【0012】 また、前記受筒(19)に支柱(16)を差込んでカセット(5)内部にシャッタ(15)を立設させ、移植苗(4)の茎葉部を立設支持する苗載台(1)傾斜下端側の傾倒防止棒(20)と前記シャッタ(15)の間に移植苗(4)を挾み、取手(8)を持って苗載台(1)傾斜上端側にカセット(5)を引出し、苗載台(1)の苗載部(3)に移植苗(4)だけを残し、苗載台(1)に移植苗(4)を補給するものである 【0013】 【考案の効果】 以上実施例から明らかなように本考案は、移植苗(4)を苗載台(1)に供給する苗補給用カセット(5)を設ける移植機の苗補給装置において、前記カセット(5)前面の移植苗(4)排出開口部の底面端部に開閉支点(10)を介して側蓋(9)下端部を連結させ、移植苗(4)排出方向に倒伏自在に起立させる前記側蓋(9)をカセット(5)前面に取付けると共に、起立位置の側蓋(9)に係脱自在に係止させる側蓋(9)開放用操作レバー(11)を前記カセット(5)に取付け、側蓋(9)を配設させるカセット(5)前面と反対側のカセット(5)後側に前記操作レバー(11)を延設させて該レバー(11)操作部を設け、カセット(5)の一側壁に沿わせるように前記レバー(11)中間を延設させ、またカセット(5)を苗載台(1)から引出すときにカセット(5)の背面側内部に立設させるシャッタ(15)を苗載台(1)に取外し自在に設けたもので、カセット(5)前面に開閉支点(10)を介して側蓋(9)を連結させるから、硬質の矩形平板などによって側蓋(9)を容易に形成でき、カセット(5)の前傾によって移植苗(4)に押されても側蓋(9)の変形による移植苗(4)の形崩れを容易に防止でき、また苗載台(1)の苗載幅に対してカセット(5)の苗収納幅を容易に近似させて形成できると共に、前記側蓋(9)を起立支持する操作レバー(11)の操作部をカセット(5)後側に配置させるから、カセット(5)を嵌込み操作する苗載台(1)の苗補給側から操作レバー(11)を操作して側蓋(9)を開動させることができ、苗載台(1)にカセット(5)を嵌込み後に側蓋(9)を開放して移植苗(4)を移し換えて補給する作業を容易に行うことができ、移植苗(4)を補給する途中で該苗(4)がカセット(5)から落下する等の不具合をなくすことができ、前記カセット(5)を用いた移植苗(4)補給作業性の向上などを容易に図ることができるものである。 【図面の簡単な説明】 【図1】断面側面図。 【図2】外観側面図。 【図3】平面図。 【図4】背面図。 【図5】側蓋の部分説明図。 【図6】操作レバーの部分説明図。 【符号の説明】 (1) 苗載台 (4) 移植苗 (5) カセット (9) 側蓋 (10) 蝶番(開閉支点) (11) 操作レバー (15) シャッタ |
訂正の要旨 |
訂正の要旨 本件特許第255910号発明の明細書を、訂正明細書のとおり次のように訂する。 記 ▲1▼登録明細書の実用新案登録請求の範囲の請求項1の下1行「該レバー(11)操作部を設けた」を、実用新案登録請求の範囲の減縮を目的として、『該レバー(11)操作部を設け、カセット(5)の一側壁に沿わせるように前記レバー(11)中間を延設させ、またカセット(5)を苗載台(1)から引出すときにカセット(5)の背面側内部に立設させるシャッタ(15)を苗載台(1)に取外し自在に設けた』と訂正する。 ▲2▼登録明細書の【0004】第7?8行「該レバー操作部を設けたもので、」を、不明りょうな記載の釈明を目的として、『該レバー操作部を設け、カセットの一側壁に沿わせるように前記レバー中間を延設させ、またカセットを苗載台から引出すときにカセットの背面側内部に立設させるシャッタを苗載台に取外し自在に設けたもので、』と訂正する。 ▲3▼登録明細書の【0013】第9?10行「該レバー(11)操作部を設けたもので、」を、不明りょうな記載の釈明を目的として、『該レバー(11)操作部を設け、カセット(5)の一側壁に沿わせるように前記レバー(11)中間を延設させ、またカセット(5)を苗載台(1)から引出すときにカセット(5)の背面側内部に立設させるシャッタ(15)を苗載台(1)に取外し自在に設けたもので、』と訂正する。 |
異議決定日 | 1999-11-17 |
出願番号 | 実願平3-14588 |
審決分類 |
U
1
651・
113-
YA
(A01C)
U 1 651・ 121- YA (A01C) |
最終処分 | 維持 |
前審関与審査官 | 郡山 順 |
特許庁審判長 |
木原 裕 |
特許庁審判官 |
鈴木 寛治 佐藤 昭喜 |
登録日 | 1997-09-19 |
登録番号 | 実用登録第2559150号(U2559150) |
権利者 |
ヤンマー農機株式会社 大阪府大阪市北区茶屋町1番32号 |
考案の名称 | 移植機の苗補給装置 |
代理人 | 北村 修一郎 |
代理人 | 藤原 忠治 |
代理人 | 藤原 忠治 |