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審決分類 審判    H01H
管理番号 1010491
審判番号 審判1999-3242  
総通号数
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 実用新案審決公報 
発行日 2000-09-29 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 1999-02-25 
確定日 2000-02-17 
事件の表示 平成2年実用新案登録願第95846号「開閉器における絶縁バリヤの取付構造」拒絶査定に対する審判事件〔平成8年3月21日出願公告、実公平8-9863号、平成4年5月1日出願公開、実開平4-52342号、請求項の数1〕について、次のとおり審決する。   
結論 原査定を取り消す。 本願の考案は、実用新案登録すべきものとする。
理由 【1】[1-1]本願は、平成2年9月11日の出願(実願平2-95846号)であって、平成8年3月21日に出願公告(実公平8-9863号)されたところ、平成8年6月20日付けで日本高圧電気株式会社より登録異議の申立てがなされ、その後、平成10年12月8日付けで上記登録異議の申立てにおいて甲第1号証として提示された実開昭56-8029号公報、甲第2号証として提示された実公昭54-44196号公報、甲第3号証として提示された実開昭55-21577号公報そして甲第4号証として提示された実開平2-44807号公報を証拠として採用し、『この登録異議の申立は、理由があるものと決定する。』との登録異議の決定がなされ、同日付けで『この出願は、登録異議の決定に記載した理由によって拒絶をすべきものと認める。』との拒絶査定(謄本発送日:平成11年1月26日)がなされたものである。
[1-2]そして、本願考案の要旨は、出願公告された明細書および図面の記載並びに平成9年2月14日付けおよび平成11年3月19日付けで適法になされた明細書についての補正の内容からみて、その実用新案登録請求の範囲の請求項1に記載されたとおりの、
「【請求項1】
開閉器ケース(1)のブッシング(2)の取付け方向に直交する両側壁(1a,1b)に取付けられた一対の側部絶縁バリヤ(5)上部又は下部の少なくともどちらか一方に係止部(7)を設けるとともに、前記側部絶縁バリヤ(5)間における前記係止部(7)が設けられた側の間には絶縁バリヤ(10,11)を架設し、同絶縁バリヤ(10,11)の両側部には前記側部絶縁バリヤ(5)の係止部(7)に係合する係止部(12)を設け、前記両係止部(7)(12)のうち一方の係止部(7)を前記側部絶縁バリヤ(5)又は絶縁バリヤ(10,11又は5)のうち一方のバリヤ(5又は10,11)の端縁から当該バリヤ(10,11)と同一平面をなすようにして突出形成される基端部(7a)のくびれた係入突部にて構成し、他方の係止部(12)を他方のバリヤ(5又は10,11)の端部に透設される基端部(12a)のくびれた係入孔にて構成し、この係入突部と係入孔からなる両係止部(7)(12)の係合状態においてはくびれ形状をなす前記基端部(7a)(12a)同士が前記側部絶縁バリヤ(5)間に架設された絶縁バリヤ(10,11)を移動不能に係止保持するための止着部として機能するようにしたことを特徴とする開閉器における絶縁バリヤの取付構造。」
にあるものと認める。
【2】これに対して、
[2-1]上記実開昭56-8029号公報(以下、「甲第1号証」という。)には、その実用新案登録請求の範囲および図面の簡単な説明の記載内容そして第1?6図の図示内容からみて、
箱形のケース側絶縁体1と底蓋側絶縁体14(絶縁体1,14は、本願考案の「絶縁バリヤ」に相当する。以下、括弧内は本願考案の相当部分を示す。)とを設け、これら両絶縁体1,14をケース本体10と底蓋15とからなるケース(開閉器ケース)内に対向固着し、更にこれら両絶縁体1,14の左右側壁4,4´,5,5´の対向端(係止部)を、上下端に上記対向端がそれぞれ嵌入する受溝18,19(係止部)を形成した嵌合式の連結板12(側部絶縁バリヤ)により連結するようにしたケース入り柱上用開閉器(開閉器)におけるケース側絶縁体1、底蓋側絶縁体14および連結板12(絶縁バリヤ)の取付構造、
が記載されているものと認められる。
[2-2]実公昭54-44196号公報(以下、「甲第2号証」という。)には、その公報特に実用新案登録請求の範囲の記載内容および第1?8図の図示内容等からみて、
移動可能なフレーム1上に設けられ、しや断部各相を隔壁する側面絶縁カバー5,5´,6と、該側面絶縁カバー5,5´,6の一端開口側を覆う前面絶縁カバー11,12とより成るものにおいて、前記フレーム1上に、前記側面絶縁カバー5,5´,6が配される方向に所定間隔をもって複数個の位置決構2aを有する保持金具2を設け、かつ、前記側面絶縁カバー5,5´,6の下端部に、前記位置決構2aと係合する係合構5aと、該係合構5aが形成される側と反対側端部に一対の前記側面絶縁カバ一5,5´,6間を連絡すると共に、前記フレーム1対向面に設けられた第1溝7aを有するコ字状取付金具7とをそれぞれ設け、前記前面絶縁カバー11,12の上端側先端部を内側に折曲げL字状端部12aとし、該端部12aには前記側面絶縁カバ一5,5´,6が嵌まる支持構12bを切込み、かつ、前記前面絶縁カバー11,12の下端面に前記第1構7aと一致する第2溝12cを設け、それらを所定の固定手段4により締付け固定した開閉器用絶縁カバー、
が記載されているものと認められる。
[2-3]実開昭55-21577号公報(以下、「甲第3号証」という。)には、その実用新案登録請求の範囲および図面の簡単な説明の記載内容そして第3?6図の図示内容からみて、
所定の位置に固定された固定板1,22と、この固定板1,22に取付けられ、区画された複数の空間を形成する仕切板2とを備え、この仕切板2の一端部とにより上記固定板1,22が嵌入される間隔を形成する仕切板固定用の支持具3を仕切板2に装着24するとともに、固定板22に対する仕切板2の他の取付部に対応する固定板22部分には仕切板2を挟持するクリップ23を設け、さらに上記支持具3に溝穴3dを形成し、かつ固定板1にはこの溝穴3dに係合する突起部15を形成した仕切板2の取付装置、
が記載されているものと認められる。
[2-4]そして、実開平2-44807号公報(以下、「甲第4号証」という。)には、その実用新案登録請求の範囲および図面の簡単な説明の記載内容そして特に第3図の図示内容からみて、
箱体1の側板部3に形成された開口4の少くとも上部両側に方形の窓孔7,7(係止部)を設けておき、内面四隅に斜下向きの基端部のくびれた係止片6(係入突部)が突設されたパネル5を、その係止片6(係入突部)を方形の窓孔7,7(係止部)の下縁あるいは開口4の下縁に係合させることにより側板部3に取付けたパネル取付装置、
が記載されているものと認められる。
【3】本願考案と上記甲第1号証乃至甲第4号証に記載されたもの(以下、「甲第1?4号証のもの」という。)とを比較すると、甲第1?4号証のものは、何れも、本願考案における必須の構成要件である
「両係止部のうち一方の係止部を前記側部絶縁バリヤ又は絶縁バリヤのうち一方のバリヤの端縁から当該バリヤと同一平面をなすようにして突出形成される基端部のくびれた係入突部にて構成し、他方の係止部を他方のバリヤの端部に透設される基端部のくびれた係入孔にて構成し、この係入突部と係入孔からなる両係止部の係合状態においてはくびれ形状をなす前記基端部同士が前記側部絶縁バリヤ間に架設された絶縁バリヤを移動不能に係止保持するための止着部として機能するようにした」開閉器における絶縁バリヤの取付構造、
を備えていない。
そして、本願考案は、上記の構造を備えていることにより、
『本願考案においては、開閉器ケースにおける絶縁バリヤの取付構造を簡素化できるとともに、両係止部を係合させることにより絶縁バリヤの組み付け作業を簡単にでき、しかも両係止部の係合状態において側部絶縁バリヤ間に架設支持された絶縁バリヤを前記両係止部におけるくびれた形状の基端部からなる止着部により移動不能に組み付け保持することができ、さらには各絶縁バリヤを積層状態で保管でき、保管場所を省スペースとすることができる。』(平成11年3月19日付け手続補正書第3頁第4?9行参照。)
という明細書に記載の作用、効果を奏するものと認められる。
したがって、本願考案は、当業者が甲第1?4号証のものに基いてきわめて容易に考案をすることができたものであるとすることができない。
【4】以上述べたとおり、原査定の理由によって本願を拒絶することはできない。
また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
審決日 2000-01-25 
出願番号 実願平2-95846 
審決分類 U 1 80・ 121- WY (H01H)
最終処分 成立    
前審関与審査官 田中 秀夫江畠 博石井 孝明  
特許庁審判長 岡田 幸夫
特許庁審判官 大里 一幸
和泉 等
考案の名称 開閉器における絶縁バリヤの取付構造  
代理人 恩田 博宣  

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