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審決分類 審判 全部申し立て   H01L
審判 全部申し立て   H01L
管理番号 1012751
異議申立番号 異議1998-72196  
総通号数 10 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 実用新案決定公報 
発行日 2000-10-27 
種別 異議の決定 
異議申立日 1998-04-24 
確定日 2000-03-08 
異議申立件数
事件の表示 実用新案登録第2552420号「セラミック製静電チャック」の実用新案に対する実用新案登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。   
結論 実用新案登録第2552420号の実用新案登録を取り消す。
理由 1.手続の経緯
本件実用新案登録第2,598,335号に係る主な手続の経緯は以下のとおりである。
実用新案登録出願 平成3年5月30日
実用新案登録 平成9年7月4日
実用新案登録公報発行 平成9年10月29日
実用新案登録異議の申立て(5件)
平成10年4月24日?平成10年4月30日
取消理由通知 平成10年8月21日
訂正請求 平成10年11月9日
訂正拒絶理由通知 平成11年7月28日
審尋(対異議申立人)平成11年7月28日
意見書 平成11年10月12日
回答書 平成11年10月4日
2.訂正の適否について
(2.1)訂正の目的等について
(2.1.1)訂正事項1
実用新案登録第2,552,420号明細書の実用新案登録請求の範囲請求項1において、「他方の面に」を「他方の面を、表面粗さ0.8S以下、平坦度5μm以下とし、かつ上記吸着面との平行度を5μm以下とするとともに、上記他方の面に」とする訂正は、実用新案登録請求の範囲の減縮に該当し、願書に添付した明細書及び図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、実質的に実用新案登録請求の範囲を拡張又は変更するものではない。
(2.1.2)訂正事項2
上記明細書の段落【0007】における「、他方の面に電極を形成するとともに」を「、他方の面を、表面粗さ0.8S以下、平坦度5μm以下で、かつ上記吸着面との平行度を5μm以下としてなり、上記他方の面に電極を形成するとともに」とする訂正は、上記実用新案登録請求の範囲の訂正に伴うものであり、明瞭でない記載の釈明に該当し、願書に添付した明細書及び図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、実質的に実用新案登録請求の範囲を拡張又は変更するものではない。
(2.1.3)訂正事項3
上記明細書の段落【0018】における「セラミック板状体の他方の面に電極を形成し、」を「セラミック板状体の他方の面を、表面粗さ0.8S以下、平坦度5μm以下とし、かつ上記吸着面との平行度を5μm以下とするとともに、上記他方の面に電極を形成し、」とする訂正は、上記実用新案登録請求の範囲の訂正に伴うものであり、明瞭でない記載の釈明に該当し、願書に添付した明細書及び図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、実質的に実用新案登録請求の範囲を拡張又は変更するものではない。
(2.2)独立登録要件について
(2.2.1)訂正された考案
本件考案は、訂正された実用新案登録請求の範囲請求項1に記載された事項により特定された下記のとおりのものである。
「【請求項1】一方の面を吸着面としたセラミック板状体の他方の面を、表面粗さ0.8S以下、平坦度5μm以下とし、かつ上記吸着面との平行度を5μm以下とするとともに、上記他方の面に電極を形成した面をベース版に接着し、一体化してなるセラミック製静電チャック。」
(2.2.2)刊行物記載の考案
異議申立人東芝セラミックス株式会社が提示する実願昭58-189561号(実開昭60-96832号)の願書に添付した明細書及び図面を撮影したマイクロフィルム(以下「刊行物」という。)には、以下の記載がある。
▲1▼「本考案は、静電チャックに係り、特に静電チャック力および被チャック物に影響を及ぼすところの電極ならびにその上に設けられる誘電体部分の改良に関するものである」(第2頁5行?8行)
▲2▼「チャック面の全体にわたり所定の吸引力fを確保するためには、電極1の表面の平面度と誘電体2の厚さ及び厚さむらが重要な問題となる」(第3頁10行?13行)及び「本考案の目的は、誘電体の表面すなわちチャック面の平面度を確保すると同時に誘電体の厚さを容易に所定の値に設定でき、かつ該誘電体の厚さむらも小さく押えて静電チャックの品質を向上させることにある。」(第4頁9行?13行)
▲3▼「電気絶縁物からなる基板本体と、同じく電気絶縁物からなる板または膜状の誘電体と、前記基板本体の表面または誘電体の裏面に形成された膜状の電極とからなり、前記基板本体と誘電体とが前記電極を介して接着固定されていることを特徴とする静電チャック」(第1頁5行?10行)
▲4▼「同図において、10は基板本体、11は膜状の電極、12は誘電体である。基板本体10は、電気絶縁物である石英ガラスまたはアルミナセラミックの板によって形成されている。誘電体12は、基板本体10と同様の電気絶縁物の板で形成されているが、この誘電体12の材質は表面に凹凸のないクリーンな状態を形成するため、石英ガラスを用いることが好ましい。誘電体12の裏面すなわち第2図において下面は、予め鏡面研磨などにより高精度の平面度と表面あらさに仕上げられ、該裏面に電極11となる金属の膜が好ましくはPVDまたはCVD法なでの蒸着により付着されている。この電極11と基板本体10とは接着材によって接着され、基板本体10、電極11および誘電体12がそれぞれ一体的に接合されて、静電チャックを形成するようになっている」(第5頁3行?18行)
▲5▼「誘電体12は、前記のような電極11を設ける必要上、ある程度の厚さを必要とするが、電極11を介して第2図に示すように基板本体10に接着した後、表面側を研磨などにより削り取れば、所望の厚さにすることができ、このとき予め基板本体10の厚さを所定の値に高精度に定めておけば、誘電体12の厚さを所定の値にすることができ、かつ厚さの分布も比較的容易に一様にできる。」(第6頁12行?19行)
▲6▼「本考案による静電チャックは前述したように構成されているため、電極11の表面すなわち誘電体12への付着面の平面度を高くすることができ、このため誘電体12の表面すなわちチャック面を平面としたとき、誘電体12の厚さを全体にわたって均一にすることができ、かつ誘電体12の長さも比較的容易に所定の値に仕上げることができるため、所望の吸着力が比較的容易に得られ、かつチャック面内における吸着力の分布もより均一になる」(第7頁第3行?12行)
以上の記載から、上記刊行物には、一方の面を吸着面とした誘電体12の他方の面に電極を形成し、該電極を形成した面を基板本体10に接着し、一体化してなるセラミック製静電チャックが記載されており、誘電体12の裏面すなわち第2図において下面は、予め鏡面研磨などにより高精度の平面度と表面あらさに仕上げられ、また、誘電体12の厚さを所定の値にすることができ、かつ厚さの分布も比較的容易に一様にできると記載されている。
(2.2.3)対比及び判断
上記刊行物における本体基板10は、電気絶縁物である石英ガラスまたはアルミナセラミックの板によって形成されており、誘電体12は、基板本体10と同様の電気絶縁物の板で形成されているのであるから、一つの態様として基板本体10と誘電体12は、アルミナセラミックである。
そこで、本件考案と上記刊行物記載の考案とを比較すると、後者における「誘電体12」及び「基板本体12」は、前者における「セラミック板状体」及び「ベース板」に相当するので、両者は、「一方の面を吸着面としたセラミック板状体の他方の面に電極を形成し、該電極を形成した面をベース板に接着し、一体化してなるセラミック製静電チャック」である点において一致し、前者が、セラミック板状体の他方の面を、表面粗さ0.8S以下、平坦度5μm以下とし、かつ、上記吸着面との平行度を5μm以下とするのに対し、後者には、具体的数値により上記板状体の形状を指定していない点において相違する。
上記相違点について検討する。
上記刊行物には、「チャック面の全体にわたり所定の吸引力fを確保するためには、電極1の表面の平面度と誘電体2の厚さ及び厚さむらが重要な問題となる」、「本考案の目的は、誘電体の表面すなわちチャック面の平面度を確保すると同時に誘電体の厚さを容易に所定の値に設定でき、かつ該誘電体の厚さむらも小さく押えて静電チャックの品質を向上させることにある。」、「誘電体12の裏面すなわち第2図において下面は、予め鏡面研磨などにより高精度の平面度と表面あらさに仕上げられ」及び「誘電体12の厚さを所定の値にすることができ、かつ厚さの分布も比較的容易に一様にできる。」と記載されており、上記刊行物の「平面度」、「誘電体2の厚さむら」及び「表面あらさ」は、本件考案における「平坦度」、「吸着面との平行度」及び「表面粗さ」に相当し、それらを極力小さな値にすると記載されている。一方、本件考案においては、セラミック板の表面粗さ等に具体的数値が示されているが、それらの値に臨界的な意味があるわけではないから、当業者は、表面粗さ等を上記刊行物の記載に基づいて請求の範囲に記載されている程度の小さな値のものとすることは極めて容易になし得たこと認められる。
(2.2.4)この項のむすび
したがって、訂正された請求項1に記載された考案は、上記刊行物に記載された考案に基いて当業者がきわめて容易になし得たものであるので、実用新案法第3条第2項の規定により、実用新案登録出願の際独立して実用新案登録を受けることができないものである。
よって、本件訂正は、平成6年法律第116号附則第9条第2項により準用される特許法第5章を適用し、同附則第6条第1項の規定により、なお従前の例とされる改正前の特許法第126条第3項に違反するので認めることができない。
3.本件考案
本件考案は、実用新案登録された明細書の実用新案登録請求の範囲請求項1に記載された事項により特定された以下のとおりのものである(以下「本件考案」という。)。
「【請求項1】一方の面を吸着面としたセラミック板状体の他方の面に電極を形成し、該電極を形成した面をベース板に接着し、一体化してなるセラミック製静電チャック。」
4.証拠に記載された考案
上記刊行物には、上記(2.2.2)記載の考案が記載されている。
5.対比及び判断
上記刊行物における本体基板10は、電気絶縁物である石英ガラスまたはアルミナセラミックの板によって形成されており、誘電体12は、基板本体10と同様の電気絶縁物の板で形成されているのであるから、一つの態様として基板本体10と誘電体12は、アルミナセラミックである。
そこで、本件考案と上記刊行物記載の考案とを比較すると、後者における「誘電体12」及び「基板本体12」は、前者における「セラミック板状体」及び「ベース板」に相当するので、両者は、ともに「一方の面を吸着面としたセラミック板状体の他方の面に電極を形成し、該電極を形成した面をベース板に接着し、一体化してなるセラミック製静電チャック」であり一致しおり、同一の発明である。
したがって、本件考案は、実用新案法第3条第1項第3号に規定する考案に該当するので、実用新案登録を受けることができないものである。
6.むすび
以上のとおりであるので、本件実用新案登録明細書の請求項1に係る考案は、拒絶の査定をしなければならない実用新案登録出願に対してなされたものであり、特許法等の一部を改正する法律(平成6年法律第116号)附則第14条の規定に基づく、特許法等の一部を改正する法律の一部の施行に伴う経過措置を定める政令(平成7年政令第205号)第3条第1項及び第2項の規定により取り消すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
異議決定日 1999-12-20 
出願番号 実願平3-39842 
審決分類 U 1 651・ 121- ZB (H01L)
U 1 651・ 113- ZB (H01L)
最終処分 取消  
前審関与審査官 中西 一友  
特許庁審判長 小林 邦雄
特許庁審判官 東森 秀明
青山 待子
登録日 1997-07-04 
登録番号 実用登録第2552420号(U2552420) 
権利者 京セラ株式会社
京都府京都市伏見区竹田鳥羽殿町6番地
考案の名称 セラミック製静電チャック  
代理人 木下 茂  
代理人 植木 久一  
代理人 小谷 悦司  
代理人 赤野 牧子  
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