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審決分類 |
審判 全部申し立て B62D |
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管理番号 | 1012767 |
異議申立番号 | 異議1999-74554 |
総通号数 | 10 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 実用新案決定公報 |
発行日 | 2000-10-27 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 1999-11-29 |
確定日 | 2000-03-27 |
異議申立件数 | 1 |
事件の表示 | 登録第2595443号「無限軌道帯用履板」の実用新案登録に対する実用新案登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 |
結論 | 登録第2595443号の実用新案登録を維持する。 |
理由 |
1.[本件考案] 実用新案登録第2595443号(平成4年3月31日出願、平11年3月19日設定登録。以下、「本件登録」という)の実用新案登録異議申立に係る請求項の考案は、本件登録明細書の実用新案請求の範囲の請求項1に記載された事項によって特定される次のとおりのものと認める。 「両幅端と幅中央部とに、それぞれ沓面方向に向けて突出させたところの、長さ方向に連続する相互に平行なラグを形成するとともに、長さ方向両端寄りの位置にボルト貫通穴を形成した鉄製の履板と、該履板における沓面の幅方向両端のラグ内側面との間に位置し、履板沓面の凹凸形状に合わせて重ね合わされる金属板と、上記金属板の表面側に、上記ラグよりも突出した状態にて表面全体に貼り付けられた弾性材と、上記金属板を履板の両端に形成したボルト貫通穴を介して前記履板に取り付けるために金属板の裏側に突出させたボルトとからなり、該ボルトの頭部は金属板の表側にあって、前記弾性材内に埋没されている無限軌道帯用履板。」(以下、「本件考案」という) 2.[登録異議申立人の主張] これに対し、登録異議申立人が、登録異議申立に係る証拠(甲第1号証)として提出した、本件登録に係る出願前に頒布された刊行物は次のとおりである。 甲第1号証:意匠登録第552158号公報 以上の証拠をもとに、登録異議申立人が主張している異議申立理由の概要は、本件考案は、甲第1号証に記載されている考案、あるいは、当該甲第1号証記載の考案に基づいて、当業者が極めて容易に考案をすることができたものであって、本件登録は、実用新案法第3条第1項、あるいは同条第2項の規定に違反して受けたというものである。 3.[当審の判断] イ.甲第1号証の記載事項 甲第1号証には、「クローラー用補助履帯片」の「正面図」、「平面図」、「底面図」、「右側面図」、「A-A線断面図」、「B-B線断面図」、「使用状態を示す参考図」と共に、「本物品は山形金属板にゴム板を一体に成形したものであって使用状態参考図に示す通りパワーショベル、杭打機等の鉱山、土木機械の金属製クローラ用履帯に着脱自在に履着せしめ、走行時における舗装路面の損傷を防止するものである。背面図は正面図と、左側面図は右側面図と同一にあらわれる」という説明記載がある。 ロ.考案の対比と相違点の評価 本件考案と甲第1号証記載の考案とを対比すると、甲第1号証記載の「クローラ用履帯」は、本件考案の「無限軌道帯用履板」に、同じく「ゴム板」は「弾性材」にそれぞれ相当するし、上記の「使用状態を示す参考図」には、「両幅端と幅中央部とに、それぞれ沓面方向に向けて突出させた」ラグを形成したとみられる部材が示されている。 したがって、甲第1号証には、「両幅端と幅中央部とに、それぞれ沓面方向に向けて突出させたラグを形成した部材と、該部材における沓面の幅方向両端のラグ内側面との間に位置し、部材沓面の凹凸形状に合わせて重ね合わされる金属板と、上記金属板の表面側に、上記ラグよりも突出した状態にて表面全体に貼り付けられた弾性材と、金属板の裏側に突出させたボルトとからなり、該ボルトの頭部は金属板の表側にあって、前記弾性材内に埋没されている無限軌道帯用履板」が示されているといえ、この限りにおいては本件考案と一致している。 一方、上記ラグを形成した部材に関して、本件考案においては、「長さ方向に連続する相互に平行なラグを形成するとともに、長さ方向両端寄りの位置にボルト貫通穴を形成した鉄製の履板」とされるのに対し、甲第1号証には、ラグが「長さ方向に連続する」ことや、「長さ方向両端寄りの位置にボルト貫通穴を形成した」ことに関しては、全く言及がない点で相違している。更に、金属板の裏側に突出させたボルトについても、本件考案では、当該ボルトによって、金属板を履板に取り付けることを明示しているのに対し、甲第1号証には、当該ボルトによる取付け対象物が明示されているとはいえず、両考案はこの点においても相違している。 これらの相違点に係る本件考案の構成は、「無限軌道車両の不整地走行に伴う捩れをなくして耐久性を向上させることができる」と共に、「弾性材が摩耗・欠損してもいちいち鉄製の履板を取り外すことなく、弾性体のみを交換でき」るという、本件考案の作用効果を奏するための基本的な構成というべきものであって、甲第1号証に、このような基本的な構成の開示がない以上、本件考案と甲第1号証記載の考案とを同一のものとすることはできないし、また、本件考案を、甲第1号証記載の考案に基づいて、当業者が極めて容易に考案をすることができたものともいえない。 4.[むすび] 以上のとおりであるから、登録異議申立人の主張する理由及び証拠によっては、本件登録を取り消すべきものとすることはできない。 また、ほかに、本件考案に係る本件登録を取り消すべき理由も発見しない。 よって、結論のとおり決定する。 |
異議決定日 | 2000-03-08 |
出願番号 | 実願平4-26940 |
審決分類 |
U
1
651・
121-
Y
(B62D)
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最終処分 | 維持 |
前審関与審査官 | 水谷 万司、小椋 正幸 |
特許庁審判長 |
神崎 潔 |
特許庁審判官 |
清水 英雄 鈴木 久雄 |
登録日 | 1999-03-19 |
登録番号 | 実用新案登録第2595443号(U2595443) |
権利者 |
トピー工業 株式会社 東京都千代田区四番町5番地9 |
考案の名称 | 無限軌道帯用履板 |
代理人 | 吉村 公一 |