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審決分類 審判 全部申し立て   E06B
管理番号 1015016
異議申立番号 異議1999-74381  
総通号数 11 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 実用新案決定公報 
発行日 2000-11-24 
種別 異議の決定 
異議申立日 1999-11-22 
確定日 2000-04-03 
異議申立件数
事件の表示 登録第2594980号「木製ドア」の実用新案登録に対する実用新案登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。   
結論 登録第2594980号の実用新案登録を維持する。
理由 1.本件考案
実用新案登録第2594980号に係る出願は、平成5年6月10日の出願であって、平成11年3月12日に実用新案登録の設定の登録がなされたもので、請求項1に係る考案(以下、「本件考案」という。)は、その実用新案登録請求の範囲に記載された事項により構成されるとおりのものである。

2.申立ての理由の概要
申立人段谷産業株式会社は、本件考案は、甲第1号証(実願昭62-56911号(実開昭63-163389号)のマイクロフィルム)に記載された考案に基いて、当業者がきわめて容易に考案をすることができたものであるから、実用新案法第3条第2項の規定により、実用新案登録を受けることができないものであるから、本件考案の実用新案登録は、取り消されるべきものであると主張している。

3.甲第1号証記載の考案
甲第1号証には、第3頁第17行から第4頁第3行に「各框1には框組みした状態で内方を向く側面において長手方向に沿った嵌合溝2が凹設してあり、この嵌合溝2の開口の両縁に沿って框1の表面側と嵌合溝2内とに開口する凹段部4が全長に亘って凹設してある。さらに各框1には同じ側面においてその両側端縁に沿って同様に凹段部8,8が全長に亘って凹設してある。」、第4頁第15行から第5頁第16行に「框1の接合部分において凹段部8にもコーキング剤5を充填し、框1の接合部間の隙間を埋めるようにしてある。このように框組みすると共に框1間に鏡板3を取り付けることによって、木製の玄関ドアを作成するものであり、さらにこの全表面に塗料を塗布して塗装を施すことによって仕上げるものである。そしてこのように形成されるドアにあって、コーキング剤5による封水作用で框1と鏡板3との間を通って鏡板3の周囲から雨水等が屋内に浸入することを防ぐことができる。このとき同様にコーキング剤5によって框1の接合部分間から雨水等が浸入することを防ぐことができる。このように雨水の浸入をコーキング剤5によって防止してドアに反りが発生することを防ぐことができるものである。また、鏡板3と框1との境界部分での塗料塗膜はコーキング剤の表面で形成されており、経時変化で鏡板3に収縮が発生したりなどしてもコーキング剤によって鏡板3と框1との間に隙間が生じるようなことはなく、塗膜に割れが発生することを防ぐことができることになり、塗膜の割れによる外観の低下を防止することができることになる。」と記載されている。

4.対比・判断
そこで、本件考案と甲第1号証に記載された考案とを対比する。甲第1号証に記載された考案の「凹段部」は、本件考案の「凹部」に相当し、凹段部を凹設するのに切削加工して設けることは、従来から行われていることであるから、甲第1号証の第4図(b)を参照すると、甲第1号証には、本件考案と同様な、框など、枠構成部材の接合部に沿って凹部を形成する際に、ドア表面側コーナー部に第一の外側縁を切削加工して設けるとともに、さらに該枠構成部材の第二の外側縁を切削加工して設け、所定の位置に鏡板を配置して組み立てられた後、塗装仕上げが施された木製ドアが記載されているといえるが、甲第1号証に記載された考案では、框組みに際し、框の接合部分において凹段部にコーキング剤を充填し、框の接合部間の隙間を埋めた後、表面に塗料を塗布して塗装を施しているから、塗料塗膜はコーキング剤の表面で形成されており、本件考案のように、凹部に塗装を施すことを目的としたものではなく、凹部の幅及び深さが一定に規制されるように凹部を形成させることにより、凹部に塗装が容易に行え、塗料を凹部内に完全に塗布することができるという、作用効果を奏することはできない。
したがって、本件考案は、上記甲第1号証に記載された考案に基いて当業者がきわめて容易に考案することができたものとすることはできない。

5.むすび
以上のとおりであるから、実用新案登録異議申立の理由及び証拠によっては、本件考案についての実用新案登録を取り消すことはできない。
また、他に本件考案についての実用新案登録を取り消すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり決定する。
異議決定日 2000-03-14 
出願番号 実願平5-36908 
審決分類 U 1 651・ 121- Y (E06B)
最終処分 維持    
前審関与審査官 山田 忠夫山本 芳栄  
特許庁審判長 樋口 靖志
特許庁審判官 鈴木 憲子
藤枝 洋
登録日 1999-03-12 
登録番号 実用新案登録第2594980号(U2594980) 
権利者 アイカ工業株式会社
愛知県名古屋市中区丸の内2丁目20番19号
考案の名称 木製ドア  

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