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審決分類 審判 一部申し立て   E03D
管理番号 1015017
異議申立番号 異議1999-71619  
総通号数 11 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 実用新案決定公報 
発行日 2000-11-24 
種別 異議の決定 
異議申立日 1999-04-23 
確定日 2000-04-17 
異議申立件数
事件の表示 登録第2584607号「薬液混入式自動水洗装置」の請求項5に係る実用新案登録に対する実用新案登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。   
結論 登録第2584607号の請求項5に係る実用新案登録を維持する。
理由 1.手続きの経緯
本件登録実用新案第2584607号の請求項1?5に係る考案は、平成5年10月26日に実用新案登録出願され、平成10年8月28日にその実用新案権の設定の登録がなされ、その後、その請求項5に係る考案の登録について古川康彦より実用新案登録異議の申立がなされたものである。
2.本件考案
登録実用新案第2584607号の請求項5に係る考案は、実用新案登録明細書及び図面の記載からみて、その実用新案登録請求の範囲の請求項5に記載された次のとおりのものである。
【請求項5】人体を検知するセンサと、既設のフラッシュバルブに取り付けられ、前記センサの出力に基づいて開閉する第1の電磁弁と、薬剤を収納するタンクと、前記フラッシュバルブの押しボタンを取り外した箇所に一端が差し込まれ、他端が前記タンクに接続された連結管であって、前記第1の電磁弁が開いて洗浄水が前記フラッシュバルブ内に流入すると、前記一端から洗浄水を取り込んで前記タンク内に導入し前記薬剤を洗浄水に溶出させ、前記第1の電磁弁が閉じて前記洗浄水が前記タンク内に導入されなくなると、前記薬剤が溶出した洗浄水を前記フラッシュバルブから便器へ流出させる前記連結管とを備えたことを特徴とする薬液混入式自動水洗装置。
3.登録異議申立ての理由の概要
登録異議申立人古川康彦は、証拠方法として、甲第1号証「実願平2-72632号(実開平4-33772号)のマイクロフィルム」および及び甲第2号証「実願平1-79445号(実開平3-18277号)のマイクロフィルム」を提出し、請求項5に係る考案は、甲第1、2号証に記載された考案に基づいて当業者がきわめて容易に考案することができたものであり、実用新案法第3条第2項の規定により実用新案登録を受けることができないものであるから、請求項5に係る考案は取り消されるべきものである旨主張している。

4.各甲号証の記載事項
甲第1号証には次の事項が記載されている。
ア.「常閉弁が開かれると1)常閉弁を通る水道水は小便器にフラッシュされる。2)また水道水の一部は常閉弁の下部で連通する防汚消臭洗浄剤(固形)の収容されたタンク内にタンクに設けられた常開弁を通り流入する。タンク内の水面の上昇と共に常開弁のフロ-ト付コマのフロ-トが上昇し、やがて所定のレベルまで水が一ぱいなるとフロ-ト付コマにより常開弁は閉じられ、タンク内への水の流入は止まる。この間固形の防汚消臭洗浄剤はその表面から徐々に水に溶解する。かくして先づ、小便器は水洗される。やがて常閉弁が自動的に閉じられると、1)水道水の流れはとまる。2)そしてタンクの常開弁が開き、タンク内の防汚消臭洗浄剤を僅かに溶解した水が小便器にフラッシュする。かくして、防汚消臭洗浄剤を含む水で水洗した後を続いて洗浄する。」(第6頁第13行?第7頁第12行) イ.「排水口10の下部に便器上部に開口する水道水配管と連結するためのソケット11が設けられており、そのソケット11の側面にねじ付孔12が設けられている。側管13は、その一端を孔12を通してソケット11内に深く突出しており、その突出した管端の上側管壁が切欠かれて開放している。側管13の他の端部は常開弁14の弁室15に開口連結している。常開弁14の上部に防汚消臭洗浄剤を収容するタンク16が設けられている。」(第9頁第18行?第10頁第7行)
ウ.「人が便器に接近すると遠赤外線検知センサ-31が検知し赤外線検知制御機構34に検知信号を送り赤外線検知回路をトリガ-する。それにより赤外線発光ダイオ-ド32が赤外線パルスを例えば1秒間に1回の割合で発信し、この人体からの反射波を受光素子33で受信し、この反射波の有無によって人が立ち去ったかどうかを検知する。約8秒以上連続して反射波が検知された後に、1回でも反射波が検知されなくなると、人が小用を足して立ち去ったものとして立去り信号が発生され、赤外線検知制御機構34の制御機構により電池25の出力によってモ-タ26が回転する。モ-タ26の回転により駆動伝達機構(ギア部)27が作動しカム28を作動し、押しレバ-29で常閉弁の押ボタン9を押して常閉弁6を開き、水道水が常閉弁6を通って下方へ流れる。」(第15頁第8行?第16頁第4行)
これらの記載を含む明細書及び図面の記載からみて甲第1号証には次のような考案が記載されているものと認められる。
「人体を検知するセンサ-と、既設のフラッシュバルブに取り付けられ、前記センサ-の出力に基づいて開閉する常閉弁と、防汚消臭洗浄剤を収納するタンクと、水道水配管と連結するためのソケットに一端が差し込まれ、他端が前記タンクに接続された側管であって、前記の常閉弁が開いて洗浄水が前記フラッシュバルブ内に流入すると、前記一端から洗浄水を取り込んで前記タンク内に導入し前記防汚消臭洗浄剤を洗浄水に溶出させ、前記常閉弁が閉じて前記洗浄水が前記タンク内に導入されなくなると、前記防汚消臭洗浄剤が溶出した洗浄水を前記フラッシュバルブから便器へ流出させる前記側管とを備えたことを特徴とする薬液混入式自動水洗装置。」 また甲第2号証には、次の事項が記載されている。
ア.「この考案は、感応手段を媒体として洗浄水を自動的に放出するフラッシユ弁体の改良に関するものである。」(第2頁第7?9行)
イ.「感応手段による電磁弁51の可動鉄片52と連動すると共にスプリング57をもつて閉弁方向に弾装された弁部58を開いて通路50及び小室48に圧力的に充填されている洗浄水を弁座口54及び出口管55を経て放水管56へ放出することで、主弁46を小室48の内圧から解放して洗浄水の定量を弁座口47から放出するようにしたものである。」(第2頁第20行?第3頁第7行)
ウ.「給水源に通じる導水路に設けた導水弁座口にプラグを介して逆止弁を取付けると共に、吐水弁座口には主弁を有した弁アッセンブリを介挿し、吐水室の螺合部にナツトを介して吐水管を取付け、別の螺合部には取付金具を有したナットを介してバイパス管の下端を取付けることで構造本体を組立て、この構造本体の上部開口側に設けた結合部に左ねじ又は右ねじを有した両ねじナットを取付ける。別に下部外周に前記両ねじナットに対応する結合部を有し、内部に偏心した圧力室及び該圧力室と開弁時に通じ、二次流路を経てバイパス管へ放水する小弁座を有した構造別体を両ねじナットを介して前記構造本体と一体的に結合し、この構造別体上部の結合部には取付部材を介して電磁弁を結合すると共に、該電磁弁の鉄心に設けた弁部を前記小弁座に接離自在に対応させ、該小弁座と通じる二次流路にナットを介してバイパス管を接続したフラッシュ弁体を組立て、該フラッシュ弁体を感知媒体としてのセンサ-、トランス及び制御盤などによる感応手段を有した筐体をもって被覆する。」(第6頁第17行?第7頁第17行)
5.対比・判断
そこで、請求項5に係る考案と、甲第1号証記載の考案とを対比すると、甲第1号証記載の考案の「遠赤外線検知センサ-」、「防汚消臭洗浄剤」、「タンク」及び「側管」は、それぞれ請求項5に係る考案の「センサ」、「薬剤」、「タンク」及び「連結管」に対応するから、両考案は、「人体を検知するセンサと、薬剤を収納するタンクと、フラッシュバルブに一端が差し込まれ、他端が前記タンクに接続された連結管であつて、洗浄水が前記フラッシュバルブ内に流入すると、前記一端から洗浄水を取り込んで前記タンク内に導入し前記薬剤を洗浄水に溶出させ、洗浄水が前記タンク内に導入されなくなると、前記薬剤が溶出した洗浄水を前記フラッシュバルブから便器へ流出させる前記連結管とを備えたことを特徴とする薬液混入式自動水洗装置」の点で構成が一致し、次の(a)、(b)の点で構成が相違している。
(a)請求項5に係る考案が、既設のフラッシュバルブに取り付けられ、センサの出力に基づいて開閉する第1の電磁弁を設けたのに対し、甲第1号証記載の発明が、モ-タ、ギア駆動によるカム作動により駆動される常閉弁を設けた点。
(b)請求項5に係る考案が、フラッシュバルブの押しボタンを取り外した箇所に連結管の一端を差し込んだのに対し、甲第1号証記載の考案が、側管の一端を、ソケットのねじ付き孔を通してソケット内に突出させた点。
そこで前記相違点(a)、(b)について検討する。
相違点(a)について検討する。 甲第2号証には、感応手段を媒体として洗浄水を自動的に放出するフラッシュ弁体において電磁弁を設けることが記載されている。
相違点(b)について検討する。 甲第2号証には、フラッシユ弁体の吐水室の螺合部ナットを介して吐水管を取付け、別の螺合部には取付金具を有したナットを介してバイパス管の下端を取付けることが記載されていると認められるものの、フラッシュバルブの押しボタンを取り外した箇所にバイパス管を接続したものとは認められず、また実用新案登録明細書及び図面に記載されたパイプ615もフラッシュバルブの押しボタンを取り外した箇所に差し込まれたものとは認められないから、フラッシュバルブの押しボタンを取り外した箇所に連結管の一端を差し込むことが従来周知であるとは認められない。そして請求項5に係る考案は、前記の構成により薬液を用いた自動洗浄を簡単な工事で行うことができるという明細書記載の効果を奏するものであるから、相違点(b)にあげた請求項5に係る考案の構成は、甲第1、2号証記載の考案に基づいて当業者がきわめて容易に考案をすることができたものとすることはできない。
6.むすび
以上のとおりであるから、実用新案登録異議申立の理由及び提出した証拠方法によっては、請求項5に係る考案の登録を取り消すことはできない。 また、他に請求項5にかかる考案の登録を取り消すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり決定する。
異議決定日 2000-03-29 
出願番号 実願平5-57713 
審決分類 U 1 652・ 121- Y (E03D)
最終処分 維持  
前審関与審査官 藤原 伸二  
特許庁審判長 片寄 武彦
特許庁審判官 斎藤 利久
藤枝 洋
登録日 1998-08-28 
登録番号 実用新案登録第2584607号(U2584607) 
権利者 宇呂電子工業株式会社
東京都品川区南大井5丁目27番10号
考案の名称 薬液混入式自動水洗装置  
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