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審決分類 審判 全部申し立て   B60J
管理番号 1016788
異議申立番号 異議1999-72424  
総通号数 12 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 実用新案決定公報 
発行日 2000-12-22 
種別 異議の決定 
異議申立日 1999-06-14 
確定日 2000-03-27 
異議申立件数
訂正明細書 有 
事件の表示 登録第2587515号「車両用ウインドモールディング」の請求項1ないし2に係る実用新案登録に対する実用新案登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。   
結論 訂正を認める。 登録第2587515号の請求項1ないし2に係る考案の実用新案登録を維持する。
理由 1.手続の経緯
実用新案登録第2587515号の実用新案登録請求の範囲の請求項1乃至2に係る考案は、平成2年8月8日に出願され、平成10年10月16日にその設定登録がなされ、その後、三井・デユポンケミカル株式会社より実用新案登録異議の申立てがなされ、取消理由通知がなされ、その指定期間内である平成11年11月11日に訂正請求がなされたものである。
2.訂正の適否についての判断
ア.訂正明細書の請求項1に係る考案
本件請求項1に係る考案は、その実用新案登録請求の範囲の請求項1及び2に記載された以下の事項により特定されるとおりのものである。
(1) 車体パネルの窓開ロ端部と該窓開口端部に組付けられるウインドガラスの周縁との間隙に嵌挿されてその間隙を覆うウインドモールデイングであって,該ウインドモールデイングは,上記間隙に嵌挿されてガラス周縁部に嵌合する支柱部と,上記車体パネルにおける外部上面に先端部が接触するように基端部より長く延在形成したシール部と,上記ウインドガラスの外部上面に当接するガラス当接部とよりなり,また,該シール部の基端部と上記支柱部との間には車体パネルに面する側にV字状又はU字状の凹部が設けてあり, かつ,上記ウインドモールデイングは,少なくとも上記シール部と上記ガラス当接部とが塩素化エチレンコポリマー架橋体アロイにより形成されており, また上記支柱部は塩化ビニル樹脂により形成されていることを特徴とする車両用ウインドモールデイング。
(2)第1請求項において,上記塩素化エチレンコポリマー架橋体アロイは,ー10℃?ー30℃におけるねじり剛性率が5?40MPaであることを特徴とする車両用ウインドウモールデイング。
イ.訂正の目的の適否、新規事項の有無及び拡張・変更の存否
(1)実用新案登録請求の範囲の減縮を目的として、請求項1の「形成したシール部とよりなり,」(実用新案登録公報1頁1欄の8行)を「形成したシール部と,上記ウインドガラスの外部上面に当接するガラス当接部とよりなり」と訂正する。
(2)実用新案登録請求の範囲の減縮を目的として、請求項1の「かつ,上記・・・形成されていること」(本件実用新案登録公報1頁1欄の11行?第13行)を「かつ,上記ウインドモールデイングは,少なくとも上記シール部と上記ガラス当接部とが塩素化エチレンコボリマー架橋体アロイにより形成されており,また上記支柱部は塩化ビニル樹脂により形成されていること」と訂正する。
(3)実用新案登録請求の範囲の記載と考案の詳細な説明の記載との整合性を図るため、「本考案は,・・・にある。」(本件実用新案登録公報2頁2欄44?3欄6行)を「本考案は,車体パネルの窓開ロ端部と該窓開口端部に組付けられるウインドガラスの周縁との間隙に嵌挿されてその間隙を覆うウインドモールデイングであって,該ウインドモールデイングは,上記間隙に嵌挿されてガラス周縁部に嵌合する支柱部と,上記車体パネルにおける外部上面に先端部が接触するように基端部より長く延在形成したシール部と,上記ウインドガラスの外部上面に当接するガラス当接部とよりなり,また,該シール部の基端部と上記支柱部との間には車体パネルに面する側にV字状又はU字状の凹部が設けてあり, かつ,上記ウインドモールデイングは,少なくとも上記シール部と上記ガラス当接部とが塩素化エチレンコポリマー架橋体アロイにより形成されており, また上記支柱部は塩化ビニル樹脂により形成されていることを特徴とする車両用ウインドモールデイングにある。」と訂正する。
(4)同様に、「シール部」(本件実用新案登録公報2頁4欄10行)を「シール部と上記ガラス当接部と」と訂正する。
(5)同様、「記シ」ル部が」(本件実用新案登録公報2頁4欄22行)を「記シール部及び上記ガラス当接部が」と訂正する。
(6)同様に、「形成されていることが好ましい。」(本件実用新案登録公報2頁第4欄23行)を「形成されている。」と訂正する。
(7)同様に、「シール部が」(本件実用新案登録公報3頁5欄6行)を「シール部及びガラス当接部が」と訂正する。
(8)同様に、「シール部が」(本件実用新案登録公報3頁5欄8行)を「シール部及びガラス当接部が」と訂正する。
(9)同様に、「シール部は」(本件実用新案登録公報3頁5欄10行)を「シール部及びガラス当援部は」と訂正する。
(10)同様に、「シール部が」(本件実用新案登録公報3頁5欄13行)を「シール部及びガラス当接部が」と訂正する。
(11)同様に、「シール部が」(本件実用新案登録公報3頁5欄14行)を「シール部及びガラス当接部が」と訂正する。
上記訂正事項(1)?(2)及び訂正事項(3)?(11)は、実用新案登録請求の範囲の減縮及び明瞭でない記載の釈明をするものであり、また実質上実用新案登録請求の範囲を拡張し又は変更するものでもない。
ウ.独立実用新案登録要件
訂正後の実用新案登録請求の範囲の請求項1及び2に記載されている事項により特定される請求項1及び2に係る考案は、出願の際独立して実用新案登録を受けることができるものである。
すなわち、平成11年8月30日付けの取消理由通知で引用した引用例1?4のいずれにも、請求項1に係る考案の「ウインドウモールデイングは,少なくとも上記シール部と上記ガラス当接部とが塩素化エチレンコポリマー架橋体アロイにより形成されており,また上記支柱部は塩化ビニル樹脂により形成されていること」について記載されていないし示唆するところもない。そして、本件請求項1に係る考案は、当該事項により本件訂正明細書記載の顕著な効果を奏するものである。
したがって、本件請求項1に係る考案は、上記引用例1?4に記載のものに基づき、きわめて容易に考案できたものとはいえない。また、請求項2に係る考案は、請求項1に係る考案を更に限定したものであるから、上記請求項1に係る考案についての判断と同様の理由により、上記甲号各証に記載の考案に基づいて当業者がきわめて容易に考案をすることができたものとはいえない。
エ.むすび
したがって、この訂正は、特許法等の一部を改正する法律(平成6年法律第116号)附則第9条第2項で準用する特許法第120条の4第2項及び第3項において準用する同法第126条第2項乃至第4項の規定に適合するので、当該訂正を認める。
3.実用新案登録異議申立てについて
ア.申立の理由の概要
申立人三井・デユポンケミカル株式会社は、「本件実用新案登録に係る考案は、甲第1号証乃至甲第4号証の記載に基づいて、あるいは甲第5号証の記載を加え考慮すると、当業者がきわめて容易に考案することができたものであり、実用新案法第3条第2項の規定により実用新案登録を受けることができず、取消されるべきである。」旨主張する。
イ.証拠方法
(1)甲第1号証:実願昭62-130586号(実開昭64-34317号)のマイクロフイルム
(2)甲第2号証:実願昭63-10434号(実開平1-115914号)のマイクロフイルム
(3)甲第3号証:実願昭62-145041(実開昭64-49416号のマイクロフイルム
(4)甲第4号証:「ポリフアイル」1990年2月号54?56頁
(5)甲第5号証:CONSTRUCTION & BUILDING
MATERIALS Vol.2 No.2 JUNE 1988
73?84頁
(6)参考資料1:本件考案の出願時図面の第2図
(7)参考資料2:ASTM D1043
(8)参考資料3:JIS K6745
ウ.対比・判断
(1)訂正後の請求項1に係る考案について
異議申立人が提示した甲第1号証乃至甲第5号証には、本件訂正明細書の実用新案登録請求の範囲の請求項1及び2に記載された事項のうち、「ウインドウモールデイングは,少なくとも上記シール部と上記ガラス当接部とが塩素化エチレンコポリマー架橋体アロイにより形成されており,また上記支柱部は塩化ビニル樹脂により形成されていること」について記載されていないし示唆するところもない。そして、本件請求項1に係る考案は、当該事項により本件訂正明細書記載の顕著な効果を奏するものである。
したがって、本件請求項1に係る考案は、上記甲第1号証乃至甲第5号証に記載のものに基づき、きわめて容易に考案できたものとはいえない。
(2)請求項2に係る考案について
請求項2に係る考案は、請求項1に係る考案を更に限定したものであるから、上記請求項1に係る考案についての判断と同様の理由により、上記甲号各証に記載の考案に基づいて当業者がきわめて容易に考案をすることができたものとはいえない。
エ.むすび
以上のとおりであるから、実用新案登録異議申立ての理由及び証拠によっては本件請求項1及び2に係る考案の実用新案登録を取り消すことはできない。
また、他に本件請求項1及び2に係る考案の実用新案登録を取り消すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり決定する。
発明の名称 (54)【考案の名称】
車両用ウインドモールディング
(57)【実用新案登録請求の範囲】
(1)車体パネルの窓開口端部と該窓開口端部に組付けられるウインドガラスの周縁との間隙に嵌挿されてその間隙を覆うウインドモールディングであって,該ウインドモールディングは,上記間隙に嵌挿されてガラス周縁部に嵌合する支柱部と,上記車体パネルにおける外部上面に先端部が接触するように基端部より長く延在形成したシール部と,上記ウインドガラスの外部上面に当接するガラス当接部とよりなり,また,該シール部の基端部と上記支柱部との間には車体パネルに面する側にV字状又はU字状の凹部が設けてあり,
かつ,上記ウインドモールディングは,少なくとも上記シール部と上記ガラス当接部とが塩素化エチレンコポリマー架橋体アロイにより形成されており,
また上記支柱部は塩化ビニル樹脂により形成されていることを特徴とする車両用ウインドモールディング。
(2)第1請求項において,上記塩素化エチレンコポリマー架橋体アロイは,-10℃?-30℃における捩り剛性率が5?40MPaであることを特徴とする車両用ウインドモールディング。
【考案の詳細な説明】
〔産業上の利用分野〕
本考案は,自動車の走行時に打音の発生がなく,シール性,耐久性に優れたウインドモールディングに関する。
〔従来技術〕
第4図に示すごとく,ウインドモールディング9は,自動車8のウインドガラス7の装飾用取付け部材として使用されている。
即ち,上記ウインドモールディング9は,第4図及び第5図に示すごとく,車体パネル60の上面に向けて延在形成したシール部91と,内部へ突出するリップ部92と,ウインドガラス7に嵌合する嵌合部93とを有する。そして,上記ウインドモールディング9をガラス周縁部71に取り付けるに当たっては,まず車体パネル60(ルーフパネル又はピラーパネル)の窓開口端部6にウインドガラス7を接着剤5を介して取り付ける。このとき,該窓開口端部6とウインドガラス7との間には,接着剤5の流出防止用のダムラバー94を取り付ける。
次いで,上記ウインドモールディング9は,上記窓開口端部6とウインドガラス7との問に生じた隙間Xに,上記嵌合部93をガラス周縁部71に嵌合して装着される。そして,上記シール91は,その裏面911の略半分位を車体パネル60は表面に当接させている。これにより,該シール部91は,上記窓開口端部6とウインドガラス7との間隙をシールしつつ,モールとしての装飾の役割を果たしている。
〔解決しようとする課題〕
しかしながら,上記従来技術には,次の問題点がある。
即ち,上記従来のウインドモールディング9において,上記シール部91は,その裏面911が車体パネル60の表面に当接しているに過ぎないため,走行時において車体の振動により外部Z側に離脱することがある。このとき,シール部91が微振動し上記車体パネル60の表面を激しく叩くことにより,打音が発生する。
上記打音は,上記シール部91の長さが短くその裏面が車体パネル60の表面に当接する割合が少ない場合に発生し易い。また,該打音は,車体の振動が該シール部91に伝わって車体パネル60の表面を強く叩き発生し易くなる。また,該打音は,特に低温環境下(例えば-10°?-30℃位)において,上記シール部91が硬化することにより顕著に発生する。これは,上記シール部91が低温環境下で硬化し,走行時における車体の振動が該シール部91に伝わり,該シール部91の微振動が発生するからである。
そして,上記シール部91の微振動は,車体パネル60の表面を激しく叩くことになるため,該車体パネル60の表面の塗膜を破壊するおそれがある。それ故,該車体パネル60には,錆が発生するおそれがある。
本考案は,かかる従来の問題点に鑑みてなされたもので,走行時に打音が発生することなく,シール性,耐久性に優れたウインドモールディングを提供しようとするものである。
〔課題の解決手段〕
本考案は,車体パネルの窓開口端部と該窓開口端部に組付けられるウインドガラスの周縁との間隙に嵌挿されてその間隙を覆うウインドモールディングであって,該ウインドモールディングは,上記間隙に嵌挿されてガラス周縁部に嵌合する支柱部と,上記車体パネルにおける外部上面に先端部が接触するように基端部より長く延在形成したシール部と,上記ウインドガラスの外部上面に当接するガラス当接部とよりなり,また,該シール部の基端部と上記支柱部との間には車体パネルに面する側にV字状又はU字状の凹部が設けてあり,
かつ,上記ウインドモールディングは,少なくとも上記シール部と上記ガラス当接部とが塩素化エチレンコポリマー架橋体アロイにより形成されており,
また上記支柱部は塩化ビニル樹脂により形成されていることを特徴とする車両用ウインドモールディングにある。
本考案において最も注目すべきことは,上記シール部の基端部と上記支柱部との間には車体パネルに面して上記V字状又は又はU字状の凹部が設けてあり,かつ,少なくとも上記シール部と上記ガラス当接部とが上記塩素化エチレンコポリマー架橋体アロイにより形成されていることである。
上記シール部とは,上記支柱部より車体パネルに向けて延在形成した装飾用のモール部分である。
上記シール部の基端部とは,上記支柱部が延在形成されている車体パネル側の根元部分のことである。上記車体パネル側とは,上記支柱部が車体パネルと対向する側のことをいう。
また,上記凹部としては,上記シール部の基端部と支柱部と車体パネル側に設けられた,略V字状,U字状等の各種形状の溝部がある(第1図,第3図参照)。
また,上記ウインドモールディングは,少なくとも上記シール部及び上記ガラス当接部が,塩素化エチレンコポリマー架橋体アロイにより形成されている。
上記塩素化エチレンコポリマー架橋体アロイは,塩化ビニル樹脂との親和性に優れているので,これら両者の共押出成形が可能である。
そして,上記塩素化エチレンコポリマー架橋体アロイは,低温環境下(例えば-10°?-30℃)において,塩化ビニル樹脂に比較して捩り剛性率に優れている(第2図参照)。
また,このものは,ソフトな感触,フレキシブルで,ゴムと同様の弾性,クリープ特性,優れた耐候性を有する。
また,上記塩素化エチレンコポリマー架橋体アロイは,例えば,第2実施例に示すごとく,シール部のみに用い,支柱部は塩化ビニル樹脂により構成する。また,シール部及び支柱部の全体を塩素化エチレンコポリマー架橋体アロイにより構成することもできる。
〔作用及び効果〕
本考案においては,上記シール部の基端部と支柱部との間には,車体パネルに面して凹部が設けられている。そのため,上記シール部は,その基端部より上記車体パネルに向けて長さが長く延びた状態で延在することになる。これにより,上記シール部はベンディング特性が増大し,柔軟性を保ち易くなる。ここにいう,ベンディング特性とは,弾力性があって,撓んで曲がり易い性質のことである。
したがって,走行時に車体の振動がウインドモールディングに伝わって来ても,上記凹部がその振動を吸収し,該シール部自体には微振動が生じない。そのため,上記シール部が車体パネルの表面を叩くことがなく,打音の発生や塗料の損傷を生ずることがない。
また,上記シール部の裏面は,上記凹部の形成によって長くなるので,車体パネルの表面に密着する面積が増大し,シール性が向上することになる。
また,少なくとも上記シール部及びガラス当接部が塩素化エチレンコポリマー架橋体アロイにより形成されているので,その特性により,シール部及びガラス当接部が低温環境下における捩り剛性率に優れている。
そのため,上記シール部及びガラス当接部は,低温環境下においても,優れた柔軟性を保つことができ,硬化することがない。したがって,低温環境下においても,自動車走行時の振動は,上記材料により吸収され,該シール部及びガラス当接部が微振動することがない。そのため,該シール部及びガラス当接部が走行時に車体パネルの表面を強く叩くことがない。
以上のごとく,本考案によれば,走行時に打音を発生することがなく,装飾性,シール性,耐久性に優れた車両用ウインドモールディングを提供することができる。
〔実施例〕
第1実施例
本考案の実施例にかかる車両用ウインドモールディングにつき,第1図及び第2図を用いて説明する。
即ち,本例の車両用ウインドモールディングは,第1図に示すごとく,車体パネル60の窓開口端部6と,該窓開口端部6に組付けられるウインドガラス7の周縁との間隙に嵌挿されてその間隙を覆うものである。該ウインドモールディング1は,上記間隙に嵌挿されてウインドガラス7の周縁部71に嵌合する支柱部12と,上記窓開口端部6の上面である車体パネル60に向けて延在形成したシール部11とよりなり,また,該シール部11の基端部111と,上記支柱部12との間には車体パネル60に面して凹部13が設けられている。
上記凹部13は,略V字形状を有している。そして,上記シール部11の基端部111と上記支柱部12の上方端部121との間には,その長手方向に沿って,略V字形状の連続した溝が延在形成されている。そのため,上記シール部11は,その基端部より車体パネル60に向けて長さが長く伸びた状態で延在することになる。
また,上記シール部11及び支柱部12は塩化ビニル樹脂により一体的に形成されている。
また,上記ウインドモールディング1を窓開口端部6に取り付けるに当たっては,従来のウインドモールディング1の取り付け方法と同様に,接着剤5及びダムラバー94を用いて,まずウインドガラス7を窓開口端部6に取り付ける。そして,その後該窓開口端部6とウインドガラス7との問に,ウインドモールディング1を嵌挿する。
本例においては,上記シール部11の基端部111と支柱部12の上方端部との間に車体パネル60に面して凹部13が設けられている。そのため,上記シール部11はその基端部111より車体パネル60の上面に向けて長く伸びた状態で延在することになる。これにより,上記シール部11は,柔軟で撓み易いベンディング特性が増大し,柔軟性を保ち易くなる。
したがって,走行時に車体の振動がウインドモールディングに伝わって来ても,上記凹部がその振動を吸収し,シール部11自体には微振動が生じない。そのため,上記シール部11が車体パネル60の上面を叩くことがなく,打音を発生することがない。また,車体パネル60の塗膜を損傷することがない。
また,上記シール部11の裏面は,上記凹部の形成によって長くなるため,車体パネルの表面と当接する割合が増大する。そのため,該シール部11は車体パネル60の表面に密着する面積が増大し,装飾性,シール性が向上することになる。
第2実施例
本例にかかる車両用ウインドモールディングは,上記第1実施例におけるシール部11を,塩素化エチレンコポリマー架橋体アロイにより構成したものである。また,上記支柱部12は,一般の塩化ビニル樹脂により構成する。そして,上記両樹脂は,押出成形機により共押出成形して,第1図に示すごとく,支柱部12と,シール部11と,両者間に形成された凹部13とを有するウインドモールディング1を一体的に成形する。
本例においては,上記シール部11が,塩素化エチレンコポリマー架橋体アロイにより構成されているため,第2図に曲線Aで示すごとく,低温環境下(例えば,-10°?-30℃)において,捩り剛性率が5?40MPa(メガパスカル)である。
これに対し,塩化ビニル樹脂は同図に曲線Cで示すごとく,捩り剛性率が20?200MPaの値を示し,また温度に対するその変化率が大きい。
なお,上記捩り剛性率は,JIS-K-6745の方法により測定した値である。
それ故,上記シール部11は,低温環境下においても柔軟性を保ち,硬化することがない。そのため,上記シール部11は,走行時において車両の振動を吸収し,該シール部11自体には微振動を生じない。
したがって,上記シール部11は,車体パネル60の表面を叩き,打音を発生するということがなく,該車体パネル60の表面塗膜を損傷することがない。そのため,該シール部11は,装飾性,シール性,耐久性に優れ,車体パネル60の上面に錆を生じさせることがない。
なお,支柱部12は,従来と同様に塩化ビニル樹脂で構成されているが,低温環境下で硬化してもウインドガラス7を嵌合する上で何ら支障を生じない。
第3実施例
本考案の実施例につき,第3図を用いて説明する。
即ち,本例のウインドモールディング2は,上記第1実施例のウインドモールディング1に代えて,支柱部22にシール部21,ガラス当接部24,リップ部25を設け,また該シール部21の基端部211と支柱部22との間に,車体パネル60に面して凹部23を設けたものである。該凹部23は,第3図に示すごとく,略U字状の溝により構成されている。そしてシール部21とガラス当接部24とリップ部25とを第1実施例と同様の塩素化エチレンコポリマー架橋体アロイにより構成したものである。
また,支柱部22は,塩化ビニル樹脂で構成してある。また,上記シール部21とリップ部25との間には湾曲突出部221を有する。その他の構成は,上記第1実施例と同様である。
本例によれば,上記第2実施例と同様の効果を得ることができる。また,ガラス当接部24,リップ部25が上記架橋体アロイにより形成されているので,これらも低温環境下で柔軟性を発揮し,優れたシール性を有する。
【図面の簡単な説明】
第1図及び第2図は第1実施例を示し,第1図は車両用ウインドモールディングの取り付け状態を示す断面図,第2図は捩り剛性率と環境温度との関係を示すグラフ,第3図は第3実施例にかかる車両用ウインドモールディングの取り付け状態を示す断面図,第4図及び第5図は従来例を示し,第4図は自動車の一部切欠斜視図,第5図は第4図のY-Y矢視断面図である。
1,2……ウインドモールディング,
11,21……シール部,
111,211……基端部,
12,22……支柱部,
13,23……凹部,
6……窓開口端部,
60……車体パネル,
7……ウインドガラス,
71……ガラス周縁部,
訂正の要旨 訂正の要旨
(1)実用新案登録請求の範囲の減縮を目的として、請求項1の「形成したシール部とよりなり,」(実用新案登録公報1頁1欄の8行)を「形成したシール部と,上記ウインドガラスの外部上面に当接するガラス当接部とよりなり」と訂正する。
(2)実用新案登録請求の範囲の減縮を目的として、請求項1の「かつ,上記…形成されていること」(本件実用新案登録公報1頁1欄の11行?第13行)を「かつ,上記ウインドモールディングは,少なくとも上記シール部と上記ガラス当接部とが塩素化エチレンコボリマー架橋体アロイにより形成されており,また上記支柱部は塩化ビニル樹脂により形成されていること」と訂正する。
(3)実用新案登録請求の範囲の記載と考案の詳細な説明の記載との整合性を図るため、「本考案は,…にある。」(本件実用新案登録公報2頁2欄44?3欄6行)を「本考案は,車体パネルの窓開口端部と該窓開口端部に組付けられるウインドガラスの周縁との間隙に嵌挿されてその間隙を覆うウインドモールディングであって,該ウインドモールディングは,上記間隙に嵌挿されてガラス周縁部に嵌合する支柱部と,上記車体パネルにおける外部上面に先端部が接触するように基端部より長く延在形成したシール部と,上記ウインドガラスの外部上面に当接するガラス当接部とよりなり,また,該シール部の基端部と上記支柱部との間には車体パネルに面する側にV字状又はU字状の凹部が設けてあり, かつ,上記ウインドモールディングは,少なくとも上記シール部と上記ガラス当接部とが塩素化エチレンコポリマー架橋体アロイにより形成されており, また上記支柱部は塩化ビニル樹脂により形成されていることを特徴とする車両用ウインドモールディングにある。」と訂正する。
(4)同様に、「シール部」(本件実用新案登録公報2頁4欄10行)を「シール部と上記ガラス当接部と」と訂正する。
(5)同様、「記シ」ル部が」(本件実用新案登録公報2頁4欄22行)を「記シール部及び上記ガラス当接部が」と訂正する。
(6)同様に、「形成されていることが好ましい。」(本件実用新案登録公報2頁第4欄23行)を「形成されている。」と訂正する。
(7)同様に、「シール部が」(本件実用新案登録公報3頁5欄6行)を「シール部及びガラス当接部が」と訂正する。
(8)同様に、「シール部が」(本件実用新案登録公報3頁5欄8行)を「シール部及びガラス当接部が」と訂正する。
(9)同様に、「シール部は」(本件実用新案登録公報3頁5欄10行)を「シール部及びガラス当援部は」と訂正する。
(10)同様に、「シール部が」(本件実用新案登録公報3頁5欄13行)を「シール部及びガラス当接部が」と訂正する。
(11)同様に、「シール部が」(本件実用新案登録公報3頁5欄14行)を「シール部及びガラス当接部が」と訂正する。
異議決定日 2000-03-06 
出願番号 実願平2-84195 
審決分類 U 1 651・ 121- YA (B60J)
最終処分 維持  
前審関与審査官 川向 和実水野 治彦  
特許庁審判長 玉城 信一
特許庁審判官 井口 嘉和
鈴木 法明
登録日 1998-10-16 
登録番号 実用新案登録第2587515号(U2587515) 
権利者 東海興業株式会社
愛知県大府市長根町4丁目1番地
考案の名称 車両用ウインドモールディング  
代理人 中嶋 重光  
代理人 高橋 祥泰  
代理人 岩倉 民芳  
代理人 山口 和  
代理人 住吉 多喜男  
代理人 高橋 祥泰  
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