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審決分類 |
審判 全部申し立て A63F 審判 全部申し立て A63F |
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管理番号 | 1016792 |
異議申立番号 | 異議1999-71971 |
総通号数 | 12 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 実用新案決定公報 |
発行日 | 2000-12-22 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 1999-05-18 |
確定日 | 2000-03-25 |
異議申立件数 | 1 |
訂正明細書 | 有 |
事件の表示 | 登録第2585410号「パチンコ機の球受装置」の請求項1ないし2に係る実用新案登録に対する実用新案登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 |
結論 | 訂正を認める。 登録第2585410号の請求項1ないし2に係る実用新案登録を維持する。 |
理由 |
(1)手続の経緯 本件実用新案登録第2585410号の請求項1及び2に係る考案は、平成4年10月7日に実用新案登録出願され、平成10年9月11日にその実用新案登録の設定登録がなされたところ、上田 実より実用新案登録異議の申立てがなされ、平成11年8月25日付けで取消理由通知がなされ、その指定期間内である平成11年11月15日に訂正請求がなされたものである。 (2)訂正の適否についての判断 ア.訂正の内容 訂正事項a 実用新案登録明細書の実用新案登録請求の範囲の【請求項1】に係る記載 「遊技盤に取付けられる取付基板の前面側に開口する入賞口と、該入賞口に入賞した入賞球を遊技盤の裏面に設けられた誘導樋に誘導する球誘導路とを備えた球受部を有するパチンコ機の球受装置において、前記取付基板の裏面側に該取付基板を背後から装飾する表示ランプとガード板とが配置され、前記遊技盤には該遊技盤の表面と裏面とを貫通し、前記球誘導路が配置された貫通孔が設けられ、前記貫通孔の遊技盤表面側の開口が前記取付基板で塞がれ、前記表示ランプが前記貫通孔の内部に収容され、前記ガード板が前記貫通孔から突出しない状態で該貫通孔内に配置されると共に、前記貫通孔の遊技盤裏面側の開口が前記ガード板によってパチンコ球1つ分の隙間が生じない程度に塞がれたことを特徴とするパチンコ機の球受装置。」を、 「遊技盤に取付けられる取付基板の前面側に開口する入賞口と、該入賞口に入賞した入賞球を遊技盤の裏面に設けられた誘導樋に誘導する球誘導路とを備えた球受部を有するパチンコ機の球受装置において、前記取付基板の裏面側に該取付基板を背後から装飾する表示ランプと前記表示ランプとリード線とを取り付けたプリント配線面と前記リード線が巻回される係止溝とを有するガード板とが配置され、前記遊技盤には該遊技盤の表面と裏面とを貫通し、前記球誘導路が配置された貫通孔が設けられ、前記貫通孔の遊技盤表面側の開口が前記取付基板で塞がれ、前記表示ランプが前記貫通孔の内部に収容され、前記ガード板が前記貫通孔から突出しない状態で該貫通孔内に配置されると共に、前記貫通孔の遊技盤裏面側の開口が前記ガード板によってパチンコ球1つ分の隙間が生じない程度に塞がれたことを特徴とするパチンコ機の球受装置。」と訂正する。 訂正事項b 同明細書の実用新案登録請求の範囲の【請求項2】に係る記載 「前記ガード板が、前記表示ランプを取り付けたプリント配線面を有すると共に、前記取付基板から前記貫通孔内に延出された脚部を介して前記取付基板に取り付けられていることを特徴とする請求項1に記載のパチンコ機の球受装置。」を、 「前記ガード板が、前記取付基板から前記貫通孔内に延出された脚部を介して前記取付基板に取り付けられていることを特徴とする請求項1に記載のパチンコ機の球受装置。」と訂正する。 訂正事項c 同明細書の段落【0012】の記載の「本考案のパチンコ機の球受装置は、遊技盤に取付けられる取付基板の前面側に開口する入賞口と、該入賞口に入賞した入賞球を遊技盤の裏面に設けられた誘導樋に誘導する球誘導路とを備えた球受部を有するものであって、上記課題を解決するために、前記取付基板の裏面側に該取付基板を背後から装飾する表示ランプとガード板とが配置され、前記遊技盤には該遊技盤の表面と裏面とを貫通し、前記球誘導路が配置された貫通孔が設けられ、前記貫通孔の遊技盤表面側の開口が前記取付基板で塞がれたことを特徴とする。」を、 「本考案のパチンコ機の球受装置は、遊技盤に取付けられる取付基板の前面側に開口する入賞口と、該入賞口に入賞した入賞球を遊技盤の裏面に設けられた誘導樋に誘導する球誘導路とを備えた球受部を有するものであって、上記課題を解決するために、前記取付基板の裏面側に該取付基板を背後から装飾する表示ランプと前記表示ランプとリード線とを取り付けたプリント配線面と前記リード線が巻回される係止溝とを有するガード板とが配置され、前記遊技盤には該遊技盤の表面と裏面とを貫通し、前記球誘導路が配置された貫通孔が設けられ、前記貫通孔の遊技盤表面側の開口が前記取付基板で塞がれたことを特徴とする。」と訂正する。 訂正事項d 同明細書の段落【0013】の記載の「また、前記ガード板が、前記表示ランプを取り付けたプリント配線面を有すると共に、前記取付基板から前記貫通孔内に延出された脚部を介して前記取付基板に取り付けられていることを特徴とする。」を、「また、前記ガード板が、前記取付基板から前記貫通孔内に延出された脚部を介して前記取付基板に取り付けられていることを特徴とする。」と訂正する。 イ.訂正の目的の適否、新規事項の有無及び拡張・変更の存否 上記訂正事項aは、「ガード板」をより下位概念である「前記表示ランプとリード線とを取り付けたプリント配線面と前記リード線が巻回される係止溝とを有するガード板」に限定するものであって、実用新案登録請求の範囲の減縮を目的とするものである。 上記訂正事項bは、請求項1の訂正に伴って、「ガード板」が不明りょうとなるのを避けるためのものであって、明りょうでない記載の釈明を目的とするものである。 上記訂正事項c及びdは、明細書の考案の詳細な説明を請求項1及び2の訂正に整合させるためのものであって、明りょうでない記載の釈明を目的とするものである。 これらの訂正事項は、願書に添付した明細書又は図面に記載された事項の範囲内のものであって、実質的に実用新案登録請求の範囲を拡張又は変更するものではない。 ウ.独立実用新案登録要件の判断 (本件の考案) 本件の請求項1及び2に係る考案(以下「本件考案1及び2」という。)は、それぞれ平成11年11月15日付けの訂正明細書の実用新案登録請求の範囲の請求項1及び2に記載される事項により特定されるとおりのものである((2)ア.の訂正事項a及びbを参照。)。 (引用刊行物) 本件考案1及び2に対して、当審が平成11年8月25日付けの取消理由で引用した刊行物1?4、及び先願明細書には、それぞれ以下のとおり記載されている。 刊行物1(実願昭61-76584号(実開昭62-186770号)のマイクロフィルム)(甲第1号証) 「第1図及び第2図は役物であるチューリップに使用される本考案の一実施例を示している。この取付基板(1)は、紙エポキシ樹脂等の絶縁材料からなり、表側(1a)に銅箔等の導電材料によりプリント配線回路(7)が形成されており、その上にランプ(2)を取付ける導電性のピン(6)が設けられている。取付ピン(6)にはピン挿通孔(5)を挿通するゴム製のキャップ(4)が嵌め込まれるようになっており、ランプ(2)はその接続線(3)をキャップ(4)のピン挿通孔(5)内に挿入し、キャップ(4)とともに取付ピン(6)に取付けられるようになっている。これによって取付ピン(6)とランプ(2)とが電気的に接続されるようになっている。・・・取付基板(1)の上部には螺子を挿通する取付孔(9)が設けられており、第4図に示すように遊技盤(32)の裏面に螺子(11)により取付基板(1)を取付けることができるようになっている。」(第4頁第7行?第5頁第8行) 刊行物2(特開昭63-311977号公報)(甲第2号証) 「本発明は、パチンコ機の遊技盤前面に配設されて、打球を捕捉するパチンコ機の入賞装置に関するものである。」(第1頁右下欄第3行?第5行) 「前記遊技盤2の下部位置には、本発明に係る入賞装置10が配設されている。この構成を第2?4図について、詳細に説明する。 11は、左右に長い合成樹脂製の有底状枠体であって、基枠12と、その背面に固定される背板13とからなる。そして、前記基枠12の底面には横方向に並んで形成された三個の矩形窓枠14と、後記するプリント基板30を保持するための基板固定面15とが設けられ、・・・ また前記背板13には、矩形窓枠14と合致する位置に、下端が開口する矩形枠状の排出樋19が形成されている。この排出樋19は矩形窓枠14と結合して球排出筺20を構成する。・・・該プリント基板30には、球排出筺20の各両側位置で、ソケット32が配設され、後記する各球排出筺20への入賞球の発生に伴って点灯するランプ33が螺着し得るようになっている。」(第2頁左下欄第16行?第3頁左上欄第6行) 「前記構成からなる入賞装置10は、各部材を組付けた後に、遊技盤2に形成された嵌着溝9内に嵌入して、遊技盤2の前面に飾り縁17を当接して配設される。」(第3頁左下欄第18行?右下欄第1行) 刊行物3(実願平3-23844号(実開平4-111381号)のマイクロフィルム)(甲第3号証) 「1はパチンコ機の転球板aの透孔bの前面に前記透孔bを隠して取付ける取付板であって、中心部に僅かに前面に突出し後方には転球板aの後部まで突出する軸支筒2と該軸支筒2の周りに設けた電球挿通孔若しくは電球光透過孔3と、軸支筒2の外周に前記電球挿通孔3等を隔てて後部に突出する係止片4とからなる。・・・ 6は前記軸支筒2に後方から嵌める電球支持板であって係止爪5を弾力的に排除して通り、係止片4の復元と共に前記係止爪5が前面に係止して抜止めの作用を受ける欠部7を設ける。電球支持板6の前面には前記電球挿通孔3に嵌まるか若しくは電球光透過孔3の後部で発光する電球8を嵌め替え自在にする電球支持棒9を設け」(第4頁第4行?第14行) 刊行物4(実願平1-5116号(実開平2-96179号)のマイクロフィルム)(甲第4号証) 「また裏面中央には軸受筒10が突設されており、さらにその上下方部には配線基板11を取り付けるための突部12がそれぞれ突設されている。」(第4頁第1行?第3行) 先願明細書(実願平3-47796号(実開平4-131285号公報参照))(甲第7号証) 「更に、遊技盤に装着した際、前記配線基板は遊技盤裏面から突出ししかも外部に露出して装着されるので、遊技盤裏面を流下する入賞球が接触して配線基盤をガタつかせたり、導電部に触れ配線がショートしたりして故障の原因になっていた。」(第4頁第18行?第21行) 「図において、1は取付板であり、該取付板1の上部にチャッカー2が一体に設けられている。」(第5頁第15行?第16行) 「22は前記環状枠4内に内装されるランプ用の配線基板で、ドーナツ状の平板から成り、裏面にプリント配線23が施され、このプリント配線23の左右側端位置で前面にランプ24,24が装着される。25,25は前記プリント配線23の左右側端に半田付けにより接続される接続コードである。」(第6頁第17行?第20行) 「28は環状枠4の後端面に合致する裏カバー板であり、環状枠4と略同径の円板から成り、前面の上辺と左右両側位置にそれぞれ同じ高さの突出部29,29a,29aを設け.下辺に環状枠4の受け部5bに対向して「状の押圧片30を突設して成る。また、前記左右の突出部29a,29aには係合片20,20先端の鉤部19,19が係止する係合孔31,31が開設され、さらに裏面側で各係合孔31,31の周縁には窪部32,32が形成される。これは、係合した鉤部19を係合孔31から外す場合、指先などが鉤部19に引っかかり易くし、裏カバー板28を容易に取外せるようにしている。」(第6頁第25行?第7頁第3行) 「また、図4,図5に示す如く遊技盤Aに装着した場合、配線基板22は環状枠4内に内装され裏カバー板28で完全に保護されるので、入賞球が配線基板22に当ることは全くない。更に、裏側は裏カバー板28によって平坦面となるので、例えばセーフ球樋(図示せず)を該裏カバー板28に直接沿って配設することができ、従来の如くパチンコ機用風車を避けて迂回する必要はなく遊技盤面裏側を簡素にまとめることができる。」(第7頁第14行?第19行) (対比・判断) 本件考案1及び2と、上記刊行物1?4に記載された考案及び上記先願明細書に記載された考案とを対比すると、これらの刊行物記載の考案及び先願明細書に記載された考案は、本件考案1及び2を特定する事項である「ガード板」に「リード線が巻回される係止溝」を設ける構成を備えておらず、また、これを示唆する記載も認められない。 そして、本件考案1及び2は、上記構成を備えることにより、球受装置1を遊技盤8に対して装着する際に、球受け装置1に配備される表示ランプ11,11用のリード線25が係止溝15,15に卷回されて係止されているので、貫通孔9の内側に触れて絡むことがないという顕著な効果を奏するものであるから、本件考案1及び2は、上記刊行物1?4に記載された考案及び先願明細書に記載された考案でないことは明らかであり、かつ当業者が上記刊行物1?4に記載の考案に基づいてきわめて容易に考案をすることができたものともいえない。 したがって、本件考案1及び2は、実用新案登録出願の際、独立して実用新案登録を受けることができないとすることはできない。 エ.むすび 以上のとおりであるから、上記訂正は、特許法等の一部を改正する法律(平成6年法律第116号)附則第9条第2項の規定により準用される、同附則第10条第1項の規定によりなお従前の例によるとされる、特許法第120条の4第2項の規定に適合し、同条第3項で準用する第126条第2乃至4項の規定に適合するので、上記訂正を認める。 (3)実用新案登録異議申立てについての判断 ア.申立ての理由の概要 申立人上田 実は、甲第1号証(実願昭61-76584号(実開昭62-186770号)のマイクロフィルム)、甲第2号証(特開昭63-311977号公報)、甲第3号証(実願平3-23844号(実開平4-111381号)のマイクロフィルム)、甲第4号証(実願平1-5116号(実開平2-96179号)のマイクロフィルム)、甲第5号証(実願昭60-123145号(実開昭62-30885号)のマイクロフィルム)、甲第6号証(特開昭64-43284号公報)、甲第7号証(実願平3-47796号(実開平4-131285号公報参照))を提出して、本件請求項1に係る考案は、甲第1、2号証に記載された考案に基づいて、その発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者がきわめて容易に考案をすることができたものであるから、実用新案法第3条第2項の規定に該当し、また甲第7号証に記載された考案と同一であるから同法第3条の2の規定に該当し、本件請求項2に係る考案は、甲第1?4号証に記載された考案に基づいて、当業者がきわめて容易に考案をすることができたものであるから、同法第3条第2項の規定に該当し、実用新案登録を受けることができないものであり、同法附則第9条第2項により準用される特許法第113条第1項第2号の規定により実用新案登録を取り消されるべきと主張している。 上記甲第1?4号証は、上記刊行物1?4に記載されたとおりであり、上記甲第7号証は、上記先願明細書に記載されたとおりであり、上記甲第5,6号証には、以下のとおり記載されている。 甲第5号証 「取付板の後面にランプ用の配線基板を取付けてなるセーフ玉受口器において、前記配線基板の後面側に絶縁カバーを取付けて導電部分を覆うようにしたことを特徴とするパチンコ機用セーフ玉受口器。」(第1頁第6行?第10行) 「その開閉翼片を取付板の後面からランプで照明するようにしたパチンコ機用セーフ玉受口器に関するもので、玉の接触による配線基板の導電部分のショートを防止するようにしたものである。」(第1頁第14行?第18行) 「しかし、このセーフ玉受口器においてはランプを点灯させるためのプリント配線、ランプのピンプラグ及び配線コードのハンダ付け部等の導電部分が配線基板の後面側に露出した状態で配設されているため、例えば他の入賞口に入って遊技盤裏側に設けられた案内樋によりセーフ玉受口器へ導かれる玉が導電部分に接触してショートする虞れがあった。 [問題点を解決するための手段] 本考案は上記に鑑み、配線基板の後面側に絶縁カバーを取付けて導電部分を覆うようにしたものである。」(第2頁第9行?第20行) 「配線基板11は後面側にプリント配線13を施こし、・・・ そして配線基板11は各ピンプラグ14にランプ16,16’及び17,17’を取付けるとともに、内面側を案内箱6の後面上端に当てがつてねじ挿入孔10と透孔12とを合致させ、ビス18を透孔12からねじ挿入孔10に螺入して締着し、それによって案内箱6に一体に取付けるとともに、下部両側のランプ16,16’をそれぞれ筒部9,9に挿入して開閉翼片3,3の中空内部に臨ませ、上部両側のランプ17,17’を取付板1の透過部後方に対向位置させる。 19は合成樹脂等の電気絶縁材料で形成した板状の絶縁カバーで、前記配線基板11の後面側を覆うようにコ字形に形成する・・・そして、この絶縁カバー19を配線基板11の後面側に当接して透孔12と21を合致させ、前記ビス18の締付で配線基板11に一体に固定する。 上記のように構成された本考案のセーフ玉受口器は、ランプ16,16’および17,17’の点灯に伴いランプ16,16’が開閉翼片3,3の中空内部を照明し、ランプ17,17’が取付板1を照明して美しい雰囲気を顕現する。」(第4頁第5行?第5頁第15行) 「本考案は以上実施例について説明したように、プリント配線、ランプのピンプラグおよび配線コードのハンダ付け部等のすべての導電部分から絶縁カバーで覆うようにしたものであるから、玉の接触によるショート事故を絶無にすることができる。」(第6頁第8行?第12行) 甲第6号証 「打球入賞具1は、第1図及び第2図に示すように、遊技盤2の表面に取付ける取付基板3と、該取付基板3の表側に突設した支持部材4,4により支持した状態で取付ける光センサ式検出器5と、該球検出器5に被せるポケット状の前面部材6と、発光源7,7を有して取付基板3の裏側に取付けられる照明基板8と、スベーサ突起9,9を有し照明基板8の裏側に取付けられる装着部材10等からなる。 取付基板3は、左右の耳片に取付用孔11,11を開設したプラスチック製の板部材であり、第2図に示すように、ほぼ中央には入賞した球を裏側に導く球導入口12を開設し、該球導入口12の左右に円形の照明用孔13,13と止着用貫通孔14,14を球導入口12の上方に横長な球検出器用孔15を開設し、該球検出器用孔15の左右開ロ縁から前方に向けて底部16と側面部17とからなる断面L字状の支持部材4,4をほぼ平行に突設し、裏側には上記支持部材4,4の基端部を延出するとともに後端に当接面部18を立設して球検出器5の後部を収納する収納空部19を形成し、該収納空部19の背面の左右乃至取付基板3の裏面には取付支柱20,20を突設し、また上記球導入口12の開ロ縁から球案内樋21を突設してなる。」(第2頁左上欄第18行?左下欄第2行) 「上記した球検出器5に被せる前面部材6は、第2図に示すように、後面が開放し、上面には球入口55を開設した透光性を有するプラスチック製のポケット状の部材であり、前面部分には装飾シート56を貼る窪部57を形成し、内部には球入口55から落下した球を後方に案内する球案内部58を形成する」(第4頁右上欄第19行?左下欄第5行) 「上記した照明基板8と装着部材10を取付基板3の裏側に取付けるには、照明基板8の取付孔59,59の部分を取付基板3の取付支柱20,20の先端に当接して各発光源7を取付基板3の照明用孔13内に臨ませ、装着部材10のスベーサ突起9,9の先端を照明基板8の裏面に当接して各スベーサ突起9と照明基板8の取付孔59とを連通し、この状態でネジ等の止着部材63を装着部材10の裏側から各スベーサ突起9内に挿入し、該止着部材63の先端部分を取付支柱20に螺合して、装着部材10と照明基板8と取付基板3とを一連に止着する。・・・ また、上記の様にして各部材を止着すると、取付基板3と照明基板8との間に第1空間64が、照明基板8と装着部材10との間に第2空間65が形成されるので、第4図に示すように、第1空間64内に球検出器5の配線コード33を通して上方に導き、第2空間65内に照明基板8の配線コード61を通して上方に導くことができる。したがって、配線処理が従来よりも簡単で整然となる。また、照明基板8の各脚片60から突出したピンの後方近傍に装着部材10の保護片62が位置する。したがって、打球入賞具1を遊技盤2に取付け、取付基板3の裏側の球案内樋21を遊技盤2の裏面に取付けてある入賞球集合樋内に臨ませた場合、他の入賞具から排出された球が流下してきて装着部材10等に当たっても、保護片62がピンを保護しているので、球がピンの後端に当ってショートすることや配線の切断を未然に防止することができる。」(第5頁左上欄第1行?右上欄第17行) イ.本件の考案 本件の請求項1及び2に係る考案(以下「本件考案1及び2」という。)は、それぞれ平成11年11月15日付けの訂正明細書の実用新案登録請求の範囲の請求項1及び2に記載される事項により特定されるとおりのものである((2)ア.の訂正事項a及びbを参照。)。 ウ.判断 上記甲1?4号証(当審で引用した刊行物1?4)に記載された考案及び上記甲第7号証(答申で引用した先願明細書)に記載された考案は、本件考案1及び2を特定する事項である「ガード板」に「リード線が巻回される係止溝」を設ける構成を備えていないことは、上記(2)ウで述べたとおりであって、また、上記甲第5、6号証に記載された考案も、上記構成を備えておらず、これを示唆する記載も認められないから、これら甲各号証に基づいて、本件考案1及び2は当業者がきわめて容易に考案をすることができたものとすることはできない。 エ.むすび 以上のとおりであるから、実用新案登録異議申立ての理由及び証拠によっては、本件請求項1及び2に係る考案の登録を取り消すことはできない。 また、他に本件請求項1及び2に係る考案の登録を取り消すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり決定する。 |
発明の名称 |
(54)【考案の名称】 パチンコ機の球受装置 (57)【実用新案登録請求の範囲】 【請求項1】 遊技盤に取付けられる取付基板の前面側に開口する入賞口と、該入賞口に入賞した入賞球を遊技盤の裏面に設けられた誘導樋に誘導する球誘導路とを備えた球受部を有するパチンコ機の球受装置において、前記取付基板の裏面側に該取付基板を背後から装飾する表示ランプと前記表示ランプとリード線とを取り付けたプリント配線面と前記リード線が巻回される係止溝とを有するガード板とが配置され、前記遊技盤には該遊技盤の表面と裏面とを貫通し、前記球誘導路が配置された貫通孔が設けられ、前記貫通孔の遊技盤表面側の開口が前記取付基板で塞がれ、前記表示ランプが前記貫通孔の内部に収容され、前記ガード板が前記貫通孔から突出しない状態で該貫通孔内に配置されると共に、前記貫通孔の遊技盤裏面側の開口が前記ガード板によってパチンコ球1つ分の隙間が生じない程度に塞がれたことを特徴とするパチンコ機の球受装置。 【請求項2】 前記ガード板が、前記取付基板から前記貫通孔内に延出された脚部を介して前記取付基板に取り付けられていることを特徴とする請求項1に記載のパチンコ機の球受装置。 【考案の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】 本考案は、パチンコ機の遊技盤に装着される球受装置に関するものである。 【0002】 【従来の技術】 パチンコ機の球受装置には、通常、該球受装置を遊技盤に対して取付ける取付基板が設けられ、取付基板の前面側には、各種球受装置特有の球受手段が配設され、取付基板の裏面側には、球受装置に入賞した遊技球を誘導するための球誘導路と取付基板を背後より装飾するための表示ランプや電気系統が配された配線基板等が取付けられている。そして、パチンコ機の遊技盤に対する球受装置の装着は、通常、遊技盤に対して球受装置の取付基板の裏面に配備される球誘導路や表示ランプや電気系統が配された配線基板等が挿入可能な程度の大きさの貫通孔を穿け、該貫通孔及び遊技盤の厚みによって形成される空間に球誘導路や表示ランプや電気系統が配された配線基板等を収納して、遊技盤前面は、取付基板によって塞いでいた。 【0003】 しかしながら、従来の球受装置は、遊技盤裏面側においては、遊技盤に穿けられた貫通孔がそのまま露出していたために、貫通孔及び遊技盤の厚みによって形成される空間に、パチンコ球が侵入して電気系統に少なからず影響を与えていた。また、球受装置を遊技盤に対して装着する際に、球受装置に配備される電気系統に対する接続用のリード線が貫通孔の内側に触れて絡む等、作業がしづらいものであった。 【0004】 実開平3-15590号には、遊技盤に取付けられる取付基板の前面側に開口する入賞口と、該入賞口に入賞した入賞球を遊技盤の裏面に誘導する誘導樋とを備えた球受部を有し、球受部の下方に設けられた照射室内にランプが設けられ、取付基板の裏面にランプを取り付けたランプ基板が設けられている入賞具が記載されている。 【0005】 このものは、遊技盤の表面と裏面とを貫通する取付穴を形成し、取付穴の遊技盤表面側の開口を取付基板で塞ぐようにして遊技盤の表面側に入賞具を取り付け、取付穴を通して球誘導樋の先端面が遊技盤裏面と一致して配置され、ランプ及びランプ基板が取付穴の内部に配置される。 【0006】 しかしながら、このものは、誘導樋の下方における取付穴の遊技盤裏面側の開口が開放されたままなので、パチンコ球が侵入してランプやランプ基板を損傷する虞がある。 【0007】 また、実開昭62-186770号には、一面にプリント配線回路とこれに接続した取付ピンを介して取り付けられたランプとを有したランプの取付基板が記載されている。このものは、チューリップ式役物を取り付けるために遊技盤に穿設した取付用の貫通孔の裏面側開口を覆うようにして、ビスで遊技盤裏面に取り付けられるため遊技盤裏面から突出した状態に配設される。 【0008】 なお、球受装置に設けた入賞口に入賞した入賞球や他の入賞口に入賞した入賞球を集合させるために、遊技盤裏面の広い範囲にわたって一体的かつ密着して球誘導樋が装着されるが、上記のランプの取付基板のように、遊技盤裏面から突出した状態に部材が配設されると、球誘導樋の据え付けの障害となり、これを回避あるいは迂回するために球誘導樋の形状や球経路を変更する必要があるので、遊技盤裏面から余計な部材を突出させないことが望ましい。 【0009】 また、実開平2-53784号には、遊技盤の表面に取り付けられる取付基板と、取付基板の前面に形成された玉受枠と、取付基板の裏面に形成された玉誘導樋と、玉誘導樋の後部に取り付けられた後部カバーとを有し、玉受枠の上部に開口する玉受部を形成すると共に、玉受部を取付基板に設けた開口を介して玉誘導樋に連通し、玉受部の下方に照明空間を形成すると共に照明空間に装飾用のランプを収納したセーフ玉受口が記載されている。 【0010】 このものは、遊技盤に開設した取付穴に前方から挿入された後に固定され、この状態において誘導樋の下方における取付穴の遊技盤裏面側の開口は、後部カバーの下部に形成された垂下板部で一応覆われるが、後部カバーが箱形状をなすと共に遊技盤裏面から後部カバー全体が突出した状態に配設されているので、遊技盤裏面の広い範囲にわたって一体的かつ密着して装着される球誘導樋の据え付けの障害となり、これを回避あるいは迂回するために球誘導樋の形状や球経路を変更しなければならないという不都合がある。 【0011】 【考案が解決しようとする課題】 本考案の目的は、球受装置の装着のために遊技盤に設けた貫通孔及び遊技盤の厚みによって形成される空間に、パチンコ球が侵入することを防ぐと共に、遊技盤裏面の広い範囲にわたって一体的かつ密着して装着される球誘導樋の据え付けの邪魔とならず、球誘導樋の形状や球経路に制限を加えないので、誘導樋の設計の自由度が確保されるパチンコ機の球受装置を提供することにある。 【0012】 【課題を解決するための手段】 本考案のパチンコ機の球受装置は、遊技盤に取付けられる取付基板の前面側に開口する入賞口と、該入賞口に入賞した入賞球を遊技盤の裏面に設けられた誘導樋に誘導する球誘導路とを備えた球受部を有するものであって、上記課題を解決するために、前記取付基板の裏面側に該取付基板を背後から装飾する表示ランプと前記表示ランプとリード線とを取り付けたプリント配線面と前記リード線が巻回される係止溝とを有するガード板とが配置され、前記遊技盤には該遊技盤の表面と裏面とを貫通し、前記球誘導路が配置された貫通孔が設けられ、前記貫通孔の遊技盤表面側の開口が前記取付基板で塞がれ、前記表示ランプが前記貫通孔の内部に収容され、前記ガード板が前記貫通孔から突出しない状態で該貫通孔内に配置されると共に、前記貫通孔の遊技盤裏面側の開口が前記ガード板によってパチンコ球1つ分の隙間が生じない程度に塞がれたことを特徴とする。 【0013】 また、前記ガード板が、前記取付基板から前記貫通孔内に延出された脚部を介して前記取付基板に取り付けられていることを特徴とする。 【0014】 【作用】 遊技盤に設けられた貫通孔に、取付基板の裏面側を収納し、貫通孔の遊技盤表面側の開口を取付基板で塞いで遊技盤に装着する。遊技盤の表面側には、取付基板の前面側に開口した入賞口が突出して配備され、入賞口に連設された球誘導路が貫通孔内に配置され、表示ランプが貫通孔の内部に収容され、ガード板が貫通孔から突出しない状態で該貫通孔内に配置されると共に、貫通孔の遊技盤裏面側の開口がガード板で塞がれる。 【0015】 貫通孔の内部に収容された表示ランプが点灯することにより、取付基板を背後から装飾する。貫通孔から突出しない状態で該貫通孔内に配置されたカード板が、貫通孔内部にパチンコ球が侵入するのを防ぐ。 【0016】 ガード板が貫通孔から突出しない状態で該貫通孔内に配置される構成により、球受装置に設けた入賞口に入賞した入賞球や他の入賞口に入賞した入賞球を集合させるために、遊技盤裏面の広い範囲にわたって一体的かつ密着して装着される球誘導樋の据え付けの邪魔とならず、球誘導樋の形状や球経路に制限を加えないので、誘導樋の設計の自由度が確保される。 【0017】 ガード板が表示ランプを取り付けたプリント配線面を有する構成により、ガード板とは別に表示ランプを取り付けたプリント基板を設ける必要がなくなり、構造が簡単となる。 【0018】 取付基板から貫通孔内に延出された脚部を介してガード板が取付基板に取り付けられている構成により、遊技盤の表面に取付基板を固定すると、同時にガード板が貫通孔内の所定位置に配置することができ、脚部を介してガード板に取り付けた表示ランプと取付基板との距離を確保することができる。 【0019】 【実施例】 以下、本考案の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。 【0020】 図1は、本考案のパチンコ機の球受装置1を遊技盤8に装着した状態を示した一部側断面図であり、図2は、球受装置1を分解して示した斜視図である。 【0021】 球受装置1は、概略として、遊技盤10前面側に取付けられる取付基板2に対して、遊技盤において転動ずるパチンコ球が衝突することによって揺動し、衝突したパチンコ球の転動方向を変更する振り子体7が取付基板2の前面側に対して揺動軸としての軸ピン6によって軸支され、また、取付基板2の背後より点灯して該球受装置1を装飾するランプ11,11と、ランプ11,11のプリント配線とが設けられたカード板10が取付基板2の裏面側に取付けられている。 【0022】 取付基板2は、半透明の合成樹脂よりなり、取付基板2の前面側の上部に、上方に向けて開口する入賞口4と該入賞口4に連設され後方に向けて傾斜がつけられた球誘導路5とを備えた球受部3が取付基板2に一体に設けられ、球受部3の入賞口4が形成された部分は、取付基板2の前面側に突出して設けられる。取付基板2の中央、球受部3の下方には、取付基板2に直交して柱状の脚部17が、取付基板2の裏面側に突設され、脚部17には、その軸方向に貫通孔14が設けられている。また、取付基板2の裏面側には、脚部17の両斜め下方に各々柱状の脚部18及び19が一体に形成され、脚部18の先端面にはネジ受け21が形成され、また、脚部19の先端には位置決め用の柱状突起20が形成されている。なお、各脚部17乃至19の長さ寸法は、遊技盤8の厚さと同じ程度の長さである。 【0023】 また、球受部3の入賞口4内中央には、球誘導片29が球受部3に一体に形成されており、取付基板2の両側端縁寄りには、球受装置1を遊技盤前面側に取付けるための取付孔28,28が穿設されている。 【0024】 振り子体7は、半円板状であり、半円の直径上の中間内部に軸挿入部30が設けられ、軸挿入部30に軸ピン6が挿通されている。振り子体7は、取付基板2に対して、軸ピン6が取付基板2の脚部17の貫通孔14に前方より挿通され、脚部17の先端に突出された軸ピン6の先端を図示していない止め輪によって係止されることにより、軸ピン6の抜け落ちが防止され、軸ピン6を介して揺動自在に軸支される。なお、符号31は、振り子体7の装飾部である。 【0025】 取付基板2の裏面側には、ガード板10が取り付けれられる。ガード板10は、円形の薄板状であり、一方の面に装飾用のランプ11,11の配線がプリントされ、ガード板10のプリント配線面32にハンダ付けされた導線ピン12にシリコン材料等で保護されたゴムソケット13を有するランプ11,11が差し込まれている。 【0026】 また、ガード板10の一側には、取付基板2の球誘導路5の下側の外形に合わせて切欠部16が形成され、切欠部16とは別の側方より、互いに対向して対称にL字型の係止溝15,15が穿設され、さらに、ガード板10には、中央に、脚部17の先端を透通する透孔27と、脚部19に対応する位置に位置決め用の孔24と、脚部18に対応する位置にネジ孔23とがそれぞれ穿設されている。なお、ガード板10のプリント配線面32には、リード線25の一端がハンダ付けされ、リード線25はガード板10に対して、互いに対向して対称にL字型の係止溝15,15に巻回されることにより絡みが防止され、他端に取付けられたコネクタ26を介して図示せぬパチンコ機の制御基板に接続される。 【0027】 ガード板10の取付基板2への取り付けば、ランプ11,11が装着されたプリント配線面32を取付基板2側に向け、ガード板10の切欠部16を球誘導路5の下側の外形に一致させ、脚部19の先端の柱状突起20をガード板10の位置決め用の孔24に挿入して位置決めを行い、ネジ22をガード板10のネジ孔23に螺合し、取付基板2の脚部18の先端面に形成されたネジ受け21にネジ22が螺合することにより取付けられる。ランプ11,11は、取付基板2の裏面に位置することとなり、取付基板2の背後より点灯して該球受装置1を装飾する。 【0028】 さらに、遊技盤8には、取付基板2の裏面側が挿入可能な程度の大きさの貫通孔9が設けられている。 【0029】 球受装置1の遊技盤8への取り付けば、取付基板2の裏面側を貫通孔9に収納するようにし、取付基板2の両側端縁寄りに穿設されている取付孔28,28に対して図示していないネジをねじ込むことにより球受装置1が遊技盤8に固定される。 【0030】 次に、球受装置1の作用について説明すると、図1に示されるように、遊技盤8に設けられた貫通孔9に取付基板2の裏面側を収納して球受装置1を遊技盤8に装着すると、遊技盤8前面側には、取付基板2の前面側上部に配置された上方に向けて開口する入賞口4が突出して配備され、また、入賞口4に連設された球誘導路5が貫通孔9に配備され、取付基板2の裏面側に設けられた各脚部17,18,19が、遊技盤8の厚みよりも少し短い程度の長さであるため、取付基板2に装着されたガード板10が、貫通孔9から突出しない状態で貫通孔9内に配置され(図1参照)、貫通孔9の遊技盤裏面側の開口をパチンコ球1つ分の隙間が生じない程度に閉鎖し、貫通孔9及び遊技盤8の厚みによって形成される空間内には、ガード板10に装着された取付基板2を背後から装飾する表示ランプ11,11と、表示ランプ11,11のプリント配線面32とが封入され、さらに、プリント配線面32にハンダ付けされ、ガード板10に穿設された係止部15,15に係止されたリード線25が貫通孔9より引き出されて遊技盤8裏面側に配備される。 【0031】 図1に示すように、貫通孔9の遊技盤8前面側の開口は、取付基板2によって塞がれ、ガード板10が、球誘導路5を除く貫通孔9の遊技盤8裏面側の開口をパチンコ球1つ分の隙間が生じない程度に閉鎖しているので、貫通孔9内の空間に、パチンコ球が侵入するのを防ぐ。 【0032】 また、遊技盤8の裏面に、図示しない球誘導樋が広い範囲にわたって一体的かつ密着して装着されるが、ガード板10が貫通孔9から突出していないため、ガード板10が球誘導樋の障害にならず、ガード板10を回避したり迂回する等の球誘導樋の形状変更や球経路の変更が全く必要ないので、誘導樋の設計の自由度が確保される。 【0033】 球受装置1を遊技盤8に対して装着する際に、球受装置1に配備される表示ランプ11,11用のリード線25が係止溝15,15に巻回されて係止されているので、貫通孔9の内側に触れて絡むことがない。 【0034】 また、球受部3の入賞口4にパチンコ球が入賞すると、該パチンコ球は、入賞口4に連設され後方に向けて傾斜がつけられた球誘導路5を通って誘導され、球受装置1が取付けられた遊技盤奥方に回収される。 【0035】 【考案の効果】 本考案のパチンコ機の球受装置によれば、貫通孔の遊技盤表面側の開口が取付基板で塞がれ、遊技盤の表面側には、取付基板の前面側に開口した入賞口が突出して配備され、入賞口に連設された球誘導路が貫通孔に配置され、表示ランプが貫通孔の内部に収容され、ガード板が貫通孔から突出しない状態で該貫通孔内に配置されると共に、貫通孔の遊技盤裏面側の開口がガード板で塞がれているので、貫通孔内にパチンコ球が侵入するのを防ぎ、パチンコ球の侵入によって物理的及び電気的損傷を受けないように表示ランプやプリント配線を保護することができる。 【0036】 ガード板が貫通孔から突出しない状態で貫通孔内に配置されるので、球受装置に設けた入賞口に入賞した入賞球や他の入賞口に入賞した入賞球を集合させるために、遊技盤裏面の広い範囲にわたって一体的かつ密着して装着される球誘導樋の据え付けの邪魔とならず、球誘導樋の形状や球経路に制限を加えないので、誘導樋の設計の自由度が確保される。 【0037】 ガード板が表示ランプを取り付けたプリント配線面を有する構成とすれば、ガード板とは別に表示ランプを取り付けたプリント基板を設ける必要がなくなり、構造が簡単となる。 【0038】 取付基板から貫通孔内に延出された脚部を介してガード板が取付基板に取り付けられている構成とすれば、遊技盤の表面に取付基板を固定すると、同時にガード板が貫通孔内の所定位置に配置することができ、脚部を介してガード板に取り付けた表示ランプと取付基板との距離を確保することができる。 【0039】 【図面の簡単な説明】 【図1】 本考案の実施例に係るパチンコ機の球受装置の遊技盤への装着状態を示す一部側断面図 【図2】 実施例のパチンコ機の球受装置を分解して示す斜視図 【符号の説明】 1 球受装置 2 取付基板 3 球受部 4 入賞口 5 球誘導路 6 軸ピン 7 振り子体 8 遊技盤 9 貫通孔 10 ガード板 11 ランプ 12 導線ピン 13 ゴムソケット 14 貫通孔 15 係止溝 16 切欠部 17 脚部 18 脚部 19 脚部 20 柱状突起 21 ネジ受け 22 ネジ 23 ネジ孔 24 孔 25 リード線 26 コネクタ 27 透孔 28 取付孔 29 球誘導片 30 軸挿入部 31 装飾部 32 プリント配線面(プリント配線) |
訂正の要旨 |
訂正の要旨 実用新案登録第2585410号考案の明細書を次のように訂正する。 訂正事項a 実用新案登録明細書の実用新案登録請求の範囲の【請求項1】に係る記載 「遊技盤に取付けられる取付基板の前面側に開口する入賞口と、該入賞口に入賞した入賞球を遊技盤の裏面に設けられた誘導樋に誘導する球誘導路とを備えた球受部を有するパチンコ機の球受装置において、前記取付基板の裏面側に該取付基板を背後から装飾する表示ランプとガード板とが配置され、前記遊技盤には該遊技盤の表面と裏面とを貫通し、前記球誘導路が配置された貫通孔が設けられ、前記貫通孔の遊技盤表面側の開口が前記取付基板で塞がれ、前記表示ランプが前記貫通孔の内部に収容され、前記ガード板が前記貫通孔から突出しない状態で該貫通孔内に配置されると共に、前記貫通孔の遊技盤裏面側の開口が前記ガード板によってパチンコ球1つ分の隙間が生じない程度に塞がれたことを特徴とするパチンコ機の球受装置。」を、実用新案登録請求の範囲の減縮を目的として、 「遊技盤に取付けられる取付基板の前面側に開口する入賞口と、該入賞口に入賞した入賞球を遊技盤の裏面に設けられた誘導樋に誘導する球誘導路とを備えた球受部を有するパチンコ機の球受装置において、前記取付基板の裏面側に該取付基板を背後から装飾する表示ランプと前記表示ランプとリード線とを取り付けたプリント配線面と前記リード線が巻回される係止溝とを有するガード板とが配置され、前記遊技盤には該遊技盤の表面と裏面とを貫通し、前記球誘導路が配置された貫通孔が設けられ、前記貫通孔の遊技盤表面側の開口が前記取付基板で塞がれ、前記表示ランプが前記貫通孔の内部に収容され、前記ガード板が前記貫通孔から突出しない状態で該貫通孔内に配置されると共に、前記貫通孔の遊技盤裏面側の開口が前記ガード板によってパチンコ球1つ分の隙間が生じない程度に塞がれたことを特徴とするパチンコ機の球受装置。」と訂正する。 訂正事項b 同明細書の実用新案登録請求の範囲の【請求項2】に係る記載 「前記ガード板が、前記表示ランプを取り付けたプリント配線面を有すると共に、前記取付基板から前記貫通孔内に延出された脚部を介して前記取付基板に取り付けられていることを特徴とする請求項1に記載のパチンコ機の球受装置。」を、明りょうでない記載の釈明を目的として、 「前記ガード板が、前記取付基板から前記貫通孔内に延出された脚部を介して前記取付基板に取り付けられていることを特徴とする請求項1に記載のパチンコ機の球受装置。」と訂正する。 訂正事項c 同明細書の段落【0012】の記載の「本考案のパチンコ機の球受装置は、遊技盤に取付けられる取付基板の前面側に開口する入賞口と、該入賞口に入賞した入賞球を遊技盤の裏面に設けられた誘導樋に誘導する球誘導路とを備えた球受部を有するものであって、上記課題を解決するために、前記取付基板の裏面側に該取付基板を背後から装飾する表示ランプとガード板とが配置され、前記遊技盤には該遊技盤の表面と裏面とを貫通し、前記球誘導路が配置された貫通孔が設けられ、前記貫通孔の遊技盤表面側の開口が前記取付基板で塞がれたことを特徴とする。」を、明りょうでない記載の釈明を目的として、 「本考案のパチンコ機の球受装置は、遊技盤に取付けられる取付基板の前面側に開口する入賞口と、該入賞口に入賞した入賞球を遊技盤の裏面に設けられた誘導樋に誘導する球誘導路とを備えた球受部を有するものであって、上記課題を解決するために、前記取付基板の裏面側に該取付基板を背後から装飾する表示ランプと前記表示ランプとリード線とを取り付けたプリント配線面と前記リード線が巻回される係止溝とを有するガード板とが配置され、前記遊技盤には該遊技盤の表面と裏面とを貫通し、前記球誘導路が配置された貫通孔が設けられ、前記貫通孔の遊技盤表面側の開口が前記取付基板で塞がれたことを特徴とする。」と訂正する。 訂正事項d 同明細書の段落【0013】の記載の「また、前記ガード板が、前記表示ランプを取り付けたプリント配線面を有すると共に、前記取付基板から前記貫通孔内に延出された脚部を介して前記取付基板に取り付けられていることを特徴とする。」を、明りょうでない記載の釈明を目的として、 「また、前記ガード板が、前記取付基板から前記貫通孔内に延出された脚部を介して前記取付基板に取り付けられていることを特徴とする。」と訂正する。 |
異議決定日 | 2000-03-07 |
出願番号 | 実願平4-75410 |
審決分類 |
U
1
651・
16-
YA
(A63F)
U 1 651・ 121- YA (A63F) |
最終処分 | 維持 |
前審関与審査官 | 瀬津 太朗 |
特許庁審判長 |
馬場 清 |
特許庁審判官 |
新井 重雄 平瀬 博通 |
登録日 | 1998-09-11 |
登録番号 | 実用新案登録第2585410号(U2585410) |
権利者 |
株式会社大一商会 愛知県名古屋市中村区鴨付町1丁目22番地 |
考案の名称 | パチンコ機の球受装置 |
代理人 | 手島 直彦 |
代理人 | 魚住 高博 |
代理人 | 杉山 秀雄 |
代理人 | 杉山 秀雄 |
代理人 | 竹本 松司 |
代理人 | 塩野入 章夫 |
代理人 | 手島 直彦 |
代理人 | 魚住 高博 |
代理人 | 塩野入 章夫 |
代理人 | 竹本 松司 |