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審決分類 審判 全部申し立て   E04F
管理番号 1018550
異議申立番号 異議1999-70683  
総通号数 13 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 実用新案決定公報 
発行日 2001-01-26 
種別 異議の決定 
異議申立日 1999-02-19 
確定日 2000-05-01 
異議申立件数
訂正明細書 有 
事件の表示 登録第2589958号「外装化粧材」の請求項1ないし3に係る実用新案登録に対する実用新案登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。   
結論 訂正を認める。 登録第2589958号の請求項1に係る実用新案登録を維持する。
理由 第1 手続の経緯

本件実用新案登録第2589958号は、平成4年8月25日に出願され、平成10年11月27日に実用新案の設定登録がなされ、平成11年2月19日に実用新案登録異議申立人渡辺忠雄より実用新案登録異議の申立がなされ、当審において取消理由通知がなされ、その指定期間内である平成11年12月21日に実用新案登録異議意見書とともに訂正請求書が提出された。

第2 訂正の適否についての判断

1.訂正の内容
当審における取消理由通知は、請求項1及び3に係る考案は、本件実用新案登録の出願前に頒布された刊行物である特開平3-38305号公報(実用新案登録異議申立人の提示した甲第1号証)に記載された考案であるから、実用新案法第3条第1項第3号に該当し取り消されるべきものであるとするものであり、上記訂正請求書は、実用新案登録請求の範囲の減縮と、明細書の明りょうでない記載の釈明及び誤記の訂正を目的として詳細な説明を訂正しようとするものであって、その訂正の内容は、次のとおりである。
(1)訂正事項a(実用新案登録請求の範囲の減縮を目的として)
実用新案登録請求の範囲における請求項1の記載を、「多孔質セラミックス基材の表面に耐侯性樹脂化粧シートを被覆してなる外装化粧材であって、前記多孔質セラミックス基材が、平板の裏面にVカット又はUカット等の切削加工溝を1本又は複数本施した部材を折曲して形成される柱状体であることを特徴とする外装化粧材。」と訂正するとともに、その請求項2及び3を削除する。
(2)訂正事項b(不明りょうな記載の釈明を目的として)
実用新案登録請求の範囲の記載と考案の詳細な説明の記載との整合を図るために、明細書段落番号【0005】第4行の「基材の形状は任意であるが」の記載を「前記多孔質セラミッククス基材の形状は、」と訂正し、第6行?9行の「こと、あるいは注型、切削又は押出加工により柱状体に成形したものであること等は本願考案の好ましい態様である」の記載を削除し、明細書段落番号【0016】第3行?4行の「図1及び図2に示すように平板状であることは必ずしも必要はなく曲面板であってもよく、さらに」という記載、及び同第8行?11行の「そして、柱状体の場合にあっては、基材1は注型成形、押出成形等の任意の成形手段により成形することができ、さらには切削加工により形成することもできる。」という記載を削除する。
(3)訂正事項c(誤記の訂正を目的として)
明細書段落番号【0001】第2行の「例えは」を「例えば」と、同【0007】第2行の「耐候性とを」を「耐候性を」と、同【0012】第7行?8行の「好ましいく」を「好ましく」と、同【0015】第3行の「図一b」を「図1b」と、同第5行の「対抗」を「対向」と、同【0016】第2行の「すぎす」を「すぎず」と、また、同【0017】第1行の「局面板等」を「曲面板等」と、それぞれ訂正する。

2.訂正請求の適否
本件登録実用新案は、平成4年8月25日の出願に係り、平成10年11月27日に登録されたものであり、本件訂正請求は、平成6年法律第116号付則第9条第2項の規定により準用される、特許法第120条の4第2項に基づく訂正の請求であることから、同条第2項ただし書きの要件及び同条第3項により準用される特許法第126条第2項ないし第4項の要件を満たすことを要するので、以下検討する。

(1)訂正事項aについて
(1-1)特許法第120条の4第2項ただし書きの要件(目的等)について
上記訂正請求書による訂正事項aは、「多孔質セラミックス基材の表面に耐侯性樹脂化粧シートを被覆してなる外装化粧材」を、「多孔質セラミックス基材の表面に耐侯性樹脂化粧シートを被覆してなる外装化粧材であって、前記多孔質セラミックス基材が、平板の裏面にVカット又はUカット等の切削加工溝を1本又は複数本施した部材を折曲して形成される柱状体であることを特徴とする外装化粧材」とするものであり、多孔質セラミックス基材を限定していることから、実用新案登録請求の範囲の減縮を目的とするものと認められる。
(1-2)特許法第126条第2項及び同第3項の要件について
上記訂正請求書による訂正事項aは、明細書又は図面に記載された範囲内であって、また、実質上実用新案登録請求の範囲を拡張し、又は変更するものとは認められない
(1-3)特許法第126条第4項の要件について
次に、訂正後の実用新案登録請求の範囲の請求項1に記載された考案(以下、本件訂正考案という。)が、その出願の際に独立して実用新案登録を受けることができるものどうかについて検討する。
(1-3-1)本件訂正考案
本件訂正考案は、訂正請求書の訂正事項aに記載された次のとおりと認められる。
「多孔質セラミックス基材の表面に耐侯性樹脂化粧シートを被覆してなる外装化粧材であって、前記多孔質セラミックス基材が、平板の裏面にVカット又はUカット等の切削加工溝を1本又は複数本施した部材を折曲して形成される柱状体であることを特徴とする外装化粧材。」
(1-3-2)一方、実用新案登録異議申立人の提示した甲各号証には、次の記載が認められる。
(ア)甲第1号証(特開平3-38305号公報)
ALC用装飾シート、ALCの製造方法、及び装飾シート付ALCに関する発明が記載されており、その第1頁左下欄第14行?17行には「石灰質、珪酸質及びアルミニウム粉末を主成分とする発泡硬化物(ALC)の表面に、繊維質のシートを介して印刷したプラスチックシートを積層して成る装飾シート付ALC」と記載され、同頁右下欄第6行?14行には「ALCは、石灰質、珪酸質、アルミニウム粉末を主成分とし、種々の添加剤を含む水性スラリーを型枠中で反応させ、一定硬度になった後、型枠から取り出してオートクレープで養生硬化させたものである。型枠中の反応時に水素ガスが発生して均一な気泡を形成する。得られたALCは見かけ比重0.3?0.9の軽量なもので、しかも断熱性、耐火性、強度に優れることから、家屋の外壁に好適に用いられている。」と記載され、第2頁左上欄第4行?6行には「ALCに多色絵柄や細かい絵柄を表現するためには、このような絵柄を印刷したフィルムをALCに貼り合わせれば良いのは明らかである。」と記載され、第3頁左上欄第18行?同頁右上欄第5行には「なお、プラスチックシート(11)の表面に他の熱可塑性シートを積層して装飾シート(1)としても良い。例えばフッ素樹脂シート、シリコンアクリル樹脂シート、ウレタン樹脂シート、耐候性ポリエステルシート等の耐候性シートである。かかる耐候性シートを使用することにより、最終製品であるALCを屋外で使用する際に、紫外線、風雨等の影響から守ることができる。」と記載され、図面の第4図には、断面の形状が多角形状の柱状体のALC(3′)の上側に、プラスチックシートが被覆された態様が記載されている。
したがって、甲第1号証には、多孔質セラミックス基材の表面に耐侯性樹脂化粧シートを被覆してなる外装化粧材であって、基材が注型により形成され、長軸に垂直な断面の形状が多角形な柱状体の外装化粧材が記載されていると認められる。
(イ)甲第2号証(特開昭63-125332号公報)
外装用防水化粧シートに関する発明が記載されており、第1頁左下欄第16行?18行には「本発明は、多孔質外壁面に接着、貼合せ等を行うことにより多孔質外壁に防水層を付与せしめ得るに好適な外装用防水化粧シートに関し」と記載され、第2頁右上欄第19行?同頁左下欄第4行には「本発明は坪量10?100g/m2かつ透気度1秒以下の繊維質シート部材(1)と化粧層(3)と中間の防水層(2)からなり、該防水層(2)の一部が水性弾性塗料を前記繊維質シート部材(1)に含浸させた水性弾性塗料含浸部(4)である外装用防水化粧シートである。」と記載され、第3頁左下欄第2行?6行には「本発明の外装用防水化粧シートを、第2図に示すように、多孔質壁材たとえば軽量コンクリート板(ALC板)などで構成した外壁面下地(7)に接着剤層(6)にて貼着させる。」と記載されている。
(ウ)甲第3号証(岩波書店「岩波理化学辞典第3版」)
第734頁の「セラミックス」の項には「窯業で生産される製品の総称。窯業そのものを指すこともある。」と記載され、第1373頁の「窯業」の項には「鉱物を原料としてセメント、ガラス、陶磁器、特殊陶磁器、耐火物、ほうろう、研摩材、無機顔料などを製造する工業。原料はケイ酸塩その他の酸化鉱物を主としているが、炭化物、窒化物なども含まれる。化学反応は高温反応を主としているが、それだけとは限らない。」と記載されている。
(エ)甲第4号証(実開昭3-86939号公報)
複合パネルとその施工構造に関する考案が記載されており、第1頁左下欄第8行?15行には「ボードの表面に可撓性のある化粧材の接着された複合材の裏面から該化粧材の裏面に至る切欠部が設けられ、該ボードの端部及び該化粧材の裏面にまたがって弾性体が接合されて接続部の仕上げられてなる複合パネルが、該接続部において曲面状に折曲げられた状態で壁下地に接合されていることを特徴とする複合パネルの施工構造。」と記載され、図面の第4図及び第5図には、ボード1の表面に可撓性の化粧材2が接着された複合材のボード1の裏面から化粧材2の裏面に至る略V字型の切欠部において化粧材2が折曲げられた状態が記載されている。
ここで、折り曲げられているのは、可撓性のある化粧材2であって、ボード1が折り曲げられるものではない。
(オ)甲第5号証(特開平59-123656号公報)
模様付きアルミニユウム材に関する発明の詳細な説明の欄が記載されており、第7頁左上欄第14行?同頁右上欄第1行には、「表面から厚さ4μのフッ化ビニリデン層、8μのメチルメタアクリレート樹脂層、厚さ140μの透明ポリ塩化ビニル層の構成を有する共押出による複層フィルム(クラレ社製KFCフィルム)の透明ポリ塩化ビニル層上に、実施例1と同じインキを用いてグラビア印刷によりインキ量1.1g/m2(ドライ)でけやき柄を印刷して模様付フィルムを得た。」と記載されている。
(1-3-3)甲各号証には、上記(1-3-2)に記載した技術的事項が記載されているものの、本件訂正考案の構成要件の一部である「多孔質セラミックス基材が、平板の裏面にVカット又はUカット等の切削加工溝を1本又は複数本施した部材を折曲して形成される柱状体」とした構成については記載されておらず、また、そのような構成を示唆する記載もない。
また、本件訂正考案は、上記の構成と他の構成とが相まって、「本考案による外装化粧材は・・軽量(低密度)で取り扱い及び施工が容易であるばかりでなく、意匠性や外観に優れさらに断熱効果、耐候性及び耐水性の良好な外装用建築資材を得ることができる。」(明細書の段落番号【0019】参照)という甲各号証記載のものが奏し得ない作用効果を奏することができる。
したがって、本件訂正考案は、甲各号証に記載された考案とも、また、甲各号証に記載された事項から当業者がきわめて容易に考案できたものともすることはできず、実用新案法第3条第1項第3項または同条第2項に該当するとすることはできない。
また、他に拒絶すべき理由も見あたらない。
したがって、本件訂正考案は特許法第126条第4項のいわゆる独立登録要件を満たすものと認められる。
(1-4)よって、訂正事項aの実用新案登録請求の範囲の訂正は、適法な訂正と認められる。
(2)訂正事項bについて
訂正事項bは、実用新案登録請求の範囲の記載の訂正に伴って、実用新案登録請求の範囲の記載と詳細な説明との整合性を図るための訂正であって、明りょうでない記載の釈明を目的とするものに該当するものと認められる。
そして、当該訂正は、特許明細書又は図面に記載した範囲内であり、また、実質上実用新案登録請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。
したがって、訂正事項bの訂正は、適法な訂正と認められる。
(3)訂正事項cについて
訂正事項cは、明らかな誤記の訂正を目的とするものと認められ、当該訂正は、特許明細書又は図面に記載した範囲内であり、また、実質上実用新案登録請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。
したがって、訂正事項cの訂正は、適法な訂正と認められる。

3.むすび
以上のとおりであるから、訂正請求書による訂正請求は、適法なものと認められる。

第3 特許異議申立ての理由について

(1)実用新案登録異議申立人は、登録時の請求項1ないし3に係る考案に対して、その出願前に日本国内で頒布された刊行物である甲第1号証ないし甲第5号証に記載された考案に基づいて当業者がきわめて容易に考案をすることができたものであるから、実用新案法第3条第2項の規定に該当し実用新案登録を受けることができないものであって、取り消されるべきである旨申し立てる。
(2)しかしながら、上記第2の項に記載したように、実用新案登録請求の範囲の請求項は適法に訂正され、訂正後の考案(結果として、申し立て時の請求項2と実質的に同じ考案)については、実用新案法第3条第1項第3項または同条第2項に該当するとすることはできない。
また、他に本件訂正考案についての実用新案登録を取り消すべき理由を発見しない。
(3)したがって、異議申立人の申し立ての理由及び証拠によっては、請求項1に記載された考案(本件訂正考案)についての実用新案登録を取り消すことはできない。

第4 むすび

よって、結論のとおり決定する。
発明の名称 (54)【考案の名称】
外装化粧材
(57)【実用新案登録請求の範囲】
【請求項1】 多孔質セラミックス基材の表面に耐侯性樹脂化粧シートを被覆してなる外装化粧材であって、前記多孔質セラミックス基材が、平板の裏面にVカット又はUカット等の切削加工溝を1本又は複数本施した部材を折曲して形成される柱状体であることを特徴とする外装化粧材。
【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、外装化粧材に関し、特に、建材例えば屋根の破風板、外壁の羽目板、バルコニー等の手すり、窓枠等の外装用の表面化粧部材として用いるのに好適な外装化粧材に関する。
【0002】
【従来の技術】建材の外装用化粧材として従来種々のものが知られており、一例として、例えば陶磁器等のセラミックスに絵付け、施釉を施し焼成したもの、天然木材や人工木質材の表面に塗装着色を施したもの、あるいは鉄板等の表面に塗装を施したもの等がある。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】しかしながらこれら今日用いられている外装用化粧材はそれぞれに不都合を有している。セラミックスの絵付け、施釉を施し焼成したものの場合には表面化粧工程に釉の水分乾燥あるいは焼成に1000℃程度の高温環境を長時間保持することを必要とし成形が困難なばかりでなく、焼成物そのものの重量が重いものであることから取り扱いが必ずしも容易でない。木材の表面に塗装着色を施したものは基材に防腐処理を施すことが必須であり処理が不十分の場合には雨水等の水分で腐食が生じることに加え、経時的に寸法が収縮したりまた反りが生じるのを完全に防ぐことはできない。さらに、鉄板等の表面に塗装を施したものにおいては、重量が重いこと、断熱性が不十分なこと、鉄板等の汎用の金属は水分や大気中の湿気により錆が生じること等の不都合がある。チタニウムや金等の錆びない金属も存在するがそのような材料は高価でありかつ加工適性あるいは強度の点で建材として用いるには必ずしも適していない。
【0004】本考案の目的は、上記のような従来知られている外装用化粧材の持つ不都合を解決することにあり、具体的には、全体として軽量でありかつ加工性、断熱性、耐候性に優れておりさらに高い意匠性外観を持つ外装用化粧材を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本願考案は、上記の課題を解決しかつ目的を達成するために、多孔質セラミックス基材の表面に耐侯性樹脂化粧シートを被覆してなる外装化粧材を開示する。前記多孔質セラミックス基材の形状は、平板の裏面にVカット又はUカット等の切削加工溝を1本又は複数本施した部材を折曲して形成される柱状である。
【0006】
【実施例】以下、添付の図面を参照した実施例の説明に基づき本願考案をより詳細に説明する。図1は本願考案による外装用化粧材の一実施例をその製造工程と共に示している。図において、1は基材であり所要の厚さを持つ平板状の多孔質セラミックスを用いて所定の大きさのものを成形する。
【0007】基材を形成する多孔質セラミックスは、外装に耐え得るだけの耐候性を有する物性を有するものであれば任意のものを用い得るが、攪拌して発泡させた液状セラミックス材料をそのまま固化させるか、あるいはセラミックスよりも分解、蒸発又は焼成する温度の低い物質、例えば蝋、樹脂材等の粉末を混練した材料を加熱あるいは焼成して該粉末を除去し、空洞化させることにより好適に得ることができる。後記するように本願考案の外装用化粧材においては基材に対して化粧シートが被覆されるので、耐候性は単に基材の材質のみならず化粧シートで被覆した状態で所望の耐候性が得られればよいものである。
【0008】
【0009】
【0010】上記のような素材により成形された基材1の表面に従来知られた適宜の手段により接着剤2を塗布する。接着剤としては、基材の材質及び後記する化粧シートの材質との関係から適宜のものを選択するが、ポリウレタン、ポリエステル、エポキシ等の熱硬化性樹脂、又は酢酸ビニル、塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体等の酢酸ビニル系樹脂、アクリル樹脂、アイオノマー等の熱可塑性樹脂又はポリウレタン、アクリル等から形成された水性エマルジョン等を好適に用いることができる。
【0011】塗布した接着剤層に対して、化粧シート3を被覆する。化粧シートは基材シートと基材シート上に付与された化粧とから構成される。基材シートとしては、ポリ塩化ビニル、ポリメタアクリル酸メチル、ポリアクリル酸メチル等のアクリル樹脂、ポリ弗化ビニル、ポリ弗化ビニリデン等の弗素樹脂、ポリカーボネート樹脂、等の耐候性に優れた樹脂材料を好適に用いることができる。あるいは、必要に応じて、これらの樹脂シートを2層以上積層しても良い。例えば、外側表面を最も耐候性の良いポリ弗化ビニリデン等の弗素樹脂、その裏面を耐候性は少し劣るが、ポリ塩化ビニル樹脂シートとの密着性に優れたポリメチルメタアクリレート等のアクリル樹脂、その裏面即ち、基材1に接する側には、耐候性は少ないが印刷適性、易接着剤性が良く且つ成形加工性に優れる半硬質ポリ塩化ビニルを用い、此れらを熱融着させた三層構成のシートが耐候性、Vカット等の加工成形性、印刷適性(意匠性)とも総て良好な化粧シートとなり、好ましい。
【0012】更に耐候性を要する時は、弗素樹脂シート又は/及びアクリル樹脂シート中にベンゾトリアゾール等の紫外線吸収剤を添加すると良い。このような樹脂材に必要に応じて耐光性を向上させるために紫外線吸収材、光安定剤等を添加してもよい。基材シートの厚みは耐候性、耐水性(基材シートそれ自体の耐水性及び前記基材1を保護するため)から50μm以上が好ましく、また基材1の持つ凹凸への追従性の観点から2000μm以下が好ましい。
【0013】該基材シートヘの化粧の付与の形態及び方法は、基材シートに染料又は顔料を混練したり、印刷で模様を形成したり、エンボス加工で凹凸を賦型したり、あるいはこれらを組み合わせて所望の化粧を行う。化粧シート3の好ました態様としては、印刷適性、曲げ加工性が良好な可塑剤部数が5?30重量部の着色ポリ塩化ビニルシートに模様印刷を行い、その表面に、弗素樹脂とアクリル樹脂との共押出積層体シートをアクリル樹脂とポリ塩化ビニルが接するように熱プレスで積層接着したものが好ましく、それにより、意匠性、耐候性、凹凸への追従性、加工性の点で優れた化粧シート3を得ることができる。
【0014】上記のようにして、本願考案による、多孔質セラミックス基材の表面に耐侯性樹脂化粧シートを被覆してなる外装化粧材は形成される(図1a参照)。図1の実施例においては、上記のようにして積層して形成した外装化粧材に対してさらにその基材1の裏面にVカット4を施し、折曲することによりその長軸に垂直な断面の形状がL字形状をなすようにした外装化粧材を示している。
【0015】すなわち、平板状基材1の表面に接着剤2を介して化粧シート3を被覆した後に、基材1の裏面にV字形溝4を切削加工し(図1b)、さらに該V字形溝4の内面に接着剤を塗工し(図1c)、それを折曲加工してV字溝の対向する壁面を接着する。それにより、図1dに示すような断面L字状をなす本考案による外装化粧材を得ることができる。基材1の裏面に加工する溝はV状溝に限らず、図2に示すようなU字状溝41であってもよい。特に、U字状溝41の場合には、図2のように平行に複数本形成することにより任意の曲率を持つ表面を得ることが可能となる。
【0016】以上の記載は本考案の好ましい態様を示したにすぎず、他に多くの変形例が存在する。例えば、基材1は、その長軸に垂直な断面の形状はL字状に限らず方形等の適宜の凸多角形あるいは凹多角形、さらには円型、長円型形状等のように閉曲線で形成される断面形状を持つ柱状体であってもよい。
【0017】基材1が柱状体、曲面板等の凹凸部のある基材である場合には、凹凸に対して化粧シートがよく追従するように化粧シート基材として熱可塑性樹脂シートを用いることは推奨される。また、基材1に対して化粧シート3を被覆するに方法としては、特公昭61-5896号公報、特公平3-2666号公報に示されるような公知のラッピングマシーンを用いるラッピング加工法、熔融押出した樹脂フィルムを介して化粧シートを基材に被覆するいわゆるエクストルージョンラミネート法、さらには特公昭60-58014号公報、特公昭56-45768号公報等に示されるいわゆる真空プレス等も有効に用いることができる。
【0018】さらに、基材1の裏面にV字状の溝を施し折曲する場合の例として、断面L字状の柱状体について説明したが、裏面にV字状溝を複数本、その間隔及び/又は溝切削角度を変えて形成することにより、任意の開ループ状の多角形断面を持つ外装化粧材を得ることができることは容易に理解されよう。
【0019】
【効果】本考案による外装化粧材は上記のような構成を有するので、軽量(低密度)で取り扱い及び施工が容易であるばかりでなく、意匠性や外観に優れさらに断熱効果、耐候性及び耐水性の良好な外装用建築資材を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本考案による外装化粧材の一実施例をその製造工程と共に示した図。
【図2】 本考案による外装化粧材の他の実施例を示す図。
【符号の説明】
1…基材、2…接着剤、3…化粧シート、4…溝、5…接着剤
訂正の要旨 訂正の要旨
(1)訂正事項a
実用新案登録請求の範囲における請求項1の記載を、「多孔質セラミックス基材の表面に耐侯性樹脂化粧シートを被覆してなる外装化粧材であって、前記多孔質セラミックス基材が、平板の裏面にVカット又はUカット等の切削加工溝を1本又は複数本施した部材を折曲して形成される柱状体であることを特徴とする外装化粧材。」と訂正するとともに、その請求項2及び3を削除する。
(2)訂正事項b
実用新案登録請求の範囲の記載と考案の詳細な説明の記載との整合を図るために、
イ、明細書段落番号【0005】第4行の「基材の形状は任意であるが」の記載を「前記多孔質セラミッククス基材の形状は、」と訂正し、第6行?9行の「こと、あるいは注型、切削又は押出加工により柱状体に成形したものであること等は本願考案の好ましい態様である」の記載を削除し、
ロ、明細書段落番号【0016】第3行?4行の「図1及び図2に示すように平板状であることは必ずしも必要はなく曲面板であってもよく、さらに」という記載、及び同第8行?11行の「そして、柱状体の場合にあっては、基材1は注型成形、押出成形等の任意の成形手段により成形することができ、さらには切削加工により形成することもできる。」という記載を削除する。
(3)訂正事項c
誤記の訂正を目的として、明細書段落番号【0001】第2行の「例えは」を「例えば」と、同【0007】第2行の「耐候性とを」を「耐候性を」と、同【0012】第7行?8行の「好ましいく」を「好ましく」と、同【0015】第3行の「図一b」を「図1b」と、同第5行の「対抗」を「対向」と、同【0016】第2行の「すぎす」を「すぎず」と、また、同【0017】第1行の「局面板等」を「曲面板等」と、それぞれ訂正する。
異議決定日 2000-04-06 
出願番号 実願平4-59847 
審決分類 U 1 651・ 121- YA (E04F)
最終処分 維持  
前審関与審査官 七字 ひろみ  
特許庁審判長 田中 弘満
特許庁審判官 宮崎 恭
鈴木 公子
登録日 1998-11-27 
登録番号 実用新案登録第2589958号(U2589958) 
権利者 大日本印刷株式会社
東京都新宿区市谷加賀町一丁目1番1号
考案の名称 外装化粧材  
代理人 平木 祐輔  
代理人 平木 祐輔  
代理人 早川 康  
代理人 早川 康  
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