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審決分類 審判 全部申し立て   H02K
審判 全部申し立て   H02K
管理番号 1018558
異議申立番号 異議1997-75018  
総通号数 13 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 実用新案決定公報 
発行日 2001-01-26 
種別 異議の決定 
異議申立日 1997-10-23 
確定日 1999-06-23 
異議申立件数
訂正明細書 有 
事件の表示 実用新案登録第2533632号「モータにおける磁極の位置決め構造」の実用新案に対する実用新案登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。   
結論 訂正を認める。 実用新案登録第2533632号の実用新案登録を維持する。
理由 I.手続の経緯
本件実用新案登録第2533632号は、昭和62年2月19日に実用新案登録出願され、平成9年1月29日にその実用新案の設定登録がなされ、その後、平成9年10月23日に武井 善也より実用新案登録異議の申立てがなされ、取消理由通知がなされ、その指定期間内である平成10年6月15日に訂正請求がなされたものである。
II.訂正の適否についての判断
1.訂正明細書の実用新案登,録請求の範囲に係る考案
訂正明細書の実用新案登録請求の範囲に係る考案(以下、本件考案という。)は、その実用新案登録請求の範囲に記載された次の事項により特定されるとおりのものである。
「永久磁石回転子が回転可能に支持されるベース部材に対して、一対の脚部先端を対向させた状態で略U字状の磁極を固定し、前記脚部の一方に励磁用コイルボビンを嵌めるモータにおいて、
前記磁極の基部を受ける台部と前記脚部の先端寄りの部分を挟持する角柱状をした凹状突部とを前記永久磁石回転子に臨んだ前記ベース部材の表面に立設し、
前記磁極基部に形成された位置決め用孔に挿入されるピンを前記台部に立設することにより、
前記脚部の先端寄りの部分は前記角柱状をした凹状突部の側面部によって挟持されるとともに、前記コイルボビンの対応脚部からの抜け出しを防止したこと
を特徴とするモータにおける磁極の位置決め構造。」
2.訂正の目的の適否及び拡張・変更の存否
上記訂正は、上記実用新案登録請求の範囲の記載事項中、下線部の構成要件を付加したものであって、実用新案登録請求の範囲の減縮に該当し、実質的に実用新案登録請求の範囲を拡張又は変更するものではない。
3.独立実用新案登録要件の判断
(1)引用刊行物の記載事項
本件考案に対して、当審が通知した取消理由で引用した刊行物1〔実願昭61-14715号(実開昭62-127530号)のマイクロフイルム〕には、その明細書の記載(第3頁第19行?第6頁第1行参照)と図面(第1?2図参照)に照らして、下記の事項が記載されている。
カメラ用シャッターにおいてステップモータを用いたセクタ開閉装置に係わるものであり、
永久磁石ロータ1が回転可能に支持される下板3に対して、一対の脚部先端を対向させた状態でU字状のステータ6を固定し、前記脚部の一方にコイル枠8を嵌めるモータにおいて、
前記ステータ6の基部を受ける台部と前記脚部の先端寄りの部分を挟持するガイドピン3b、3bとを前記ロータ1に臨んだ前記下板3の表面に立設し、
前記ステータ基部に形成されたガイド穴に挿入されるガイドピン3aを前記台部に立設することにより、
前記脚部の先端寄りの磁極部6a、6aは前記ガイドピン3b、3bによって挟持されることを特徴とするセクタ開閉装置用ステップモータ構造。
同刊行物2〔実願昭61-2027号(実開昭62-115779号)のマイクロフイルム〕には、その明細書の記載(第4頁第18行?第8頁第14行参照)と図面(第1?2図参照)に照らして、下記の事項が記載されている。
コンパクトカメラ等に用いるモータ等の励磁コイル装着用プリント基板に係わるものであり、
永久磁石ロータ10が回転可能に支持される底板9に対して、一対の脚部先端を対向させた状態でU字状のヨーク8を固定し、前記脚部の一方に励磁用コイル12を嵌めるモータにおいて、
前記ヨーク8の基部を受ける台部と前記脚部の先端寄りの部分を挟持するピン11、11とを前記ロータ10に臨んだ前記底板9の表面に立設し、
前記ヨーク基部に形成された位置決め用溝に係合されるピン11を前記底板9に立設することにより、
前記脚部の先端寄りの部分は前記ピン11,11に挟持されることを特徴とするモータ構造。
同刊行物3〔実願昭59-26808号(実開昭60-141683号)のマイクロフイルム〕には、その明細書の記載(第3頁第11行?第6頁第12行参照)と図面(第1?2図参照)に照らして、下記の事項が記載されている。
カメラ等の小型機器に組込まれる小型ステップモータに係わるものであり、
永久磁石ロータ1が回転可能に支持される下板3に対して、一対の脚部先端を対向させた状態でU字状のステータ6を固定し、前記脚部の一方に励磁用コイル枠8を嵌めるモータにおいて、
前記ステータ6の基部を受ける台部を前記ロータ1に臨んだ前記下板3の表面に立設し、
前記ステータ基部に形成されたガイド穴に挿入されるガイドピン3aを前記台部に立設したことを特徴とするモータ構造。
同刊行物4〔実願昭55-118134号(実開昭57-42580号)のマイクロフイルム〕には、その明細書の記載(第2頁第20行?第5頁第12行参照)と図面(第2?4図参照)に照らして、下記の事項が記載されている。
スウィング式モータに係わるものであり、
永久磁石ローター4が回転可能に支持される基板7に対して、脚部先端を対向させた状態で略E字状のステーター2を固定し、前記脚部の中央に励磁用コイルボビン3を嵌めるモータにおいて、
前記ステーター2の基部を受けるツバ付きピン8と前記脚部の先端寄りの部分を挟持する段付きピン10,10とを前記ローター4に臨んだ前記基板7の表面に立設し、
前記ステーター基部に形成された位置決め用切り欠き2gに係合されるツバ付きピン8を基板7に立設することにより、
前記脚部の先端寄りの部分は前記段付きピン10,10に挟持されることを特徴とするモータ構造。
(2)対比・判断
本件考案と上記引用刊行物1?4に記載の事項とを対比すると、後者のいずれも、少なくとも前者の構成要件である「前記磁極の基部を受ける台部と前記脚部の先端寄りの部分を挟持する角柱状をした凹状突部とを前記永久磁石回転子に臨んだ前記ベース部材の表面に立設し、前記磁極基部に形成された位置決め用孔に挿入されるピンを前記台部に立設することにより、前記脚部の先端寄りの部分は前記角柱状をした凹状突部の側面部によって挟持されるとともに、前記コイルボビンの対応脚部からの抜け出しを防止した」構成を具備していない。
そして、前者は上記構成要件を具備することにより、後者のいずれからも予測できない「位置決め用ピン及び角柱状をした凹状突部に磁極を単に組み付けるだけで、ベース部材に対する磁極の厳密な位置決め状態が得られるので、調整工程を必要としなくなり、磁極に脚部に嵌めるコイルボビンを自動的に固定できる。」という明細書記載のとおりの格別の作用効果を奏するものであるから、前者が後者のいずれかに同一であるとも、前者が後者に基づいてきわめて容易に考案をすることができたものともいえない。
したがって、本件考案は実用新案登録出願の際独立して実用新案登録を受けることができない考案とすることはできない。
4.その他の訂正について
上記実用新案登録請求の範囲の減縮に伴い、明細書の明りょうでない記載の釈明をしたものであって、実質的に実用新案登録請求の範囲を拡張または変更するものではない。
5.むすび
以上のとおりであるから、上記訂正請求は、平成6年法律第116号附則第9条第2項によって準用する特許法第120条の4第2項及び同条第3項でさらに準用する第126条第2?4項の規定に適合するので、当該訂正を認める。
III.実用新案登録異議の申立てについての判断
1.申立ての理由の概要
異議申立人 武井 善也は甲第1号証(引用刊行物1)?甲第4号証(引用刊行物4)を提出して、本件考案は、甲第1号証、または甲第2号証に記載されたものと実質的に同一であるので実用新案法第3条の2の規定により、また甲第3?4号証に記載された事項に基づいて当業者がきわめて容易に考案をすることができたものであり、実用新案法第3条第2項の規定により実用新案登録を受けることができないものであるので、その実用新案登録は取り消されるべきものである旨主張している。
2.判断
本件考案は、上記II.3.で示したように、いずれの取消理由も存しないものである。
IV.むすび
したがって、実用新案登録異議申立ての理由及び証拠によっては、本件考案の実用新案登録を取り消すことはできない。
また、他に本件考案の実用新案登録を取り消すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり決定する。
発明の名称 (54)【考案の名称】
モータにおける磁極の位置決め構造
(57)【実用新案登録請求の範囲】
永久磁石回転子が回転可能に支持されるベース部材に対して、一対の脚部先端を対向させた状態で略U字状の磁極を固定し、前記脚部の一方に励磁用コイルボビンを嵌めるモータにおいて、
前記磁極の基部を受ける台部と前記脚部の先端寄りの部分を挟持する角柱状をした凹状突部とを前記永久磁石回転子に臨んだ前記ベース部材の表面に立設し、
前記磁極基部に形成された位置決め用孔に挿入されるピンを前記台部に立設することにより、
前記脚部の先端寄りの部分は前記角柱状をした凹状突部の側面部によって挟持されるとともに、前記コイルボビンの対応脚部からの抜け出しを防止したことを特徴とするモータにおける磁極の位置決め構造。
【考案の詳細な説明】
〔考案の技術分野〕
本考案は、モータ、特には小型のステッピングモータにおける磁極の位置決め構造に関する。
〔従来技術とその問題点〕
モータ、例えば、磁極(ステータ)にU字形状のヨークを用いた小型のステッピングモータとしては、実開昭60-141683号公報に記載されている。
従来、このような構造のモータにあっては、永久磁石回転子及び磁極が取り付けられるベース部材に離間した一対の位置決め用ピンを突起させ、これらのピンを磁極の対応位置に形成する孔に挿入すネことにより、永久磁石回転子と磁極との関係を得ている。
ところで、前述した位置決め用ピン間の距離は、位置決め精度の点から極力離間させる方が有利であるので、磁極に形成する前述した2個の孔は、磁極基部及び磁極先端寄りの位置にそれぞれ形成されるのが普通である。
しかしながら、このような位置決め用ピンによる磁極の位置決め構造によると、永久磁石回転子と磁極との間の位置決め精度の点並びに磁極先端の磁路狭窄の点で問題がある。つまり、第4図は前述した位置決めピン構造をモデル化した平面図であり、符号A1、A2は距離Lをもってベース部材に突起される位置決め用ピンを、符号Bは同ベース部材に回転可能に支持される永久磁石回転子をそれぞれ示し、これらのピンA1、A2に対しては対応位置(基部寄りの部分及び先端)に孔C1、C2を穿った磁極Dが位置決めされる。
この場合に、期待するモータ性能の点から永久磁石回転子Bに対する磁極Dの角度的な位置精度には厳密さを要求されるが、孔C_(1)、C_(2)の口径とピンA_(1)、A_(2)の外径との間には”δ_(0)”なる公差があるから、両ピンA_(1)、A_(2)に取り付けられる磁極Dの角度方向の位置決め誤差tanθ_(0)は

なる値となり、この位置決め誤差tanθ_(0)により、組立後の永久磁石回転子Bに対する位置調整工程や調整後の接着工程が必要であった。
また、前述したように、孔C_(2)は磁極Dの先端に形成されるけれども、同先端は永久磁石回転子Bの周面との間に磁路ギャップを形成する上で、磁気的に重要な部分である。したがって、磁極Dの先端に孔C_(2)を形成すると、この部分の磁路断面積が他の部分に比較して非常に小さくなり、同部の磁束密度が増大して数々の障害が引き起こされたり、同部の電磁抵抗が大きくなり、モータの必要トルクが得られない一因となっている。
なお、前述した磁極Dの脚部には励磁用のコイルボビンが嵌められるが、コイルボビンを磁極Dの脚部に嵌めるだけでは、コイルボビンを固定できないから、従来では、コイルボビンをベース部材または磁極Dに固定するための特別の固定手段が必要であった。
〔考案の目的〕
本考案の目的は、以上に述べたような従莱の磁極の位置決め構造の問題に鑑み、永久磁石回転子及びベース部材に対する位置決め精度が高く、単にベース部材に組み立てるだけで永久磁石回転子に対する関係が得られ、永久磁石回転子に対応した部分の磁極の断面が狭窄されることがなく、磁極に嵌めるだけでコイルボビンを固定状態におくことができるモータにおける磁石の位置決め構造を提供することにある
〔考案の概要〕
本考案の目的は、
永久磁石回転子が回転可能に支持されるベース部材に対して、一対の脚部先端を対向させた状態で略U字状の磁極を固定し、前記脚部の一方に励磁用コイルボビンを嵌めるモータにおいて、前記磁極の基部を受ける台部および前記脚部の先端寄りの部分を挟持する角柱状をした凹状突部と、前記永久磁石回転子に臨んだ前記ベース部材の表面に立設し、前記磁極基部に形成する位置決め用孔に挿入されるピンを前記台部に立設することにより、前記脚部の先端寄りの部分を前記角柱状をした凹状突部の側面部によって挟持されるとともに前記コイルボビンの対応脚部からの抜け出しを防止したモータにおける磁極の位置決め構造とした。
ことにより達成される。
〔考案の実施例〕
以下、本願考案の一実施例について、図面を参照しながら説明する。
第1図は本考案の一実施例を示したステッピングモータの平面図で、第2図は同実施例におけるステッピングモータに用いるベース部材を模式的に示した腰部拡大斜視図で、第3図は同じくステッピングモータのモデル化した永久磁石回転子と磁極との関係を示す平面図、第4図は従来の位置決めピン構造をモデル化した平面図である。
1はベース部材で、プラスチックスで成形されており、表面にはステツピングモータを構成する略U字状の磁極2、同磁極2の脚部2b、2bに嵌められるコイルボビン3、永久磁石回転子4が位置決め状態で保持される。
即ち、前記ベース部材1の表面には、ベース部材1に回転可能に支持される永久磁石回転子4に臨む2組の台部1a、1aおよび角柱状をした凹状突部1c、1cが突出(立設)成形され、第2図で仮想線にて示すように各台部1a、1aの表面に対応磁極2の基部2d、2dが受けられ、これらの磁極2の脚部2b、2bの先端が角柱状をした凹状突部1c、1cに挟持状態におかれる。
また、各台部1a、1aの表面には対応磁極2、2の基部2d、2dに形成する孔2a、2aに挿入できる位置決め用ピン1b、1bが突起され、これらのピン1b、1bに対応孔2a、2aを一致させることにより、ベース部材1に対する各磁極2、2の基部2d、2dの厳密な位置を決定できる。
また、台部1aと角柱状をした凹状突部1cとの間には空間部1eを形成している。
このとき、ベース部材はモータ固有の構成とするものであっても、他の部材上に一体的に形成されたものであっても構わない。
2、2は磁極で2本の脚部2b、2bと、これら脚部の間をつなぐ基部とにより、略U字形状を成している。
また、磁極2の一部には前記ベース部材1上に形成されたピン1b、1bに嵌合される孔2a、2aを穿設されている。
また、一方の脚部2b、2bには後述するコイルボビンが嵌挿されていて、磁極2の基部の内側底面2c、2cは挿入されて来る該コイルボビンの行き止まり部が形成されている。
また、特にコイルボビンの挿入される側の脚部2b、2bの先端部分は、前記ベース部材1の角柱状をした凹状突部1c、1cに挟持される。
したがって磁極2は、基部に設けられた前記孔2a、2aが前記ベース1に植立されたピン1b、1bとが嵌合することと、脚部2b、2bの先端がベース1の角柱状をした凹状突部(一対の角柱状部)1c、1cによる挟持されることと相まって、ベース部材1上における位置決めがなされる。
3、3はコイルボビンで、前記磁極2の脚部2b、2bに嵌挿され、基部の行き止まり部である内側底面2c、2cに当接するまで挿通していくことにより前記空間部1eに位置できると共に、また前記基部の内側底面2c、2cと前記角柱状をした凹状突部1c、1cの側面1c’、1c’とによって挟持される。
これにより該コイルボビン3の位置が規制され、同時にコイルボビンの離脱が防止される。
4は回転子で、永久磁石により成っていて、ベース1に所定の位置に穿設されている孔に軸が回転自在にして挿通されている。
以下、その組立てについて説明する。
先ず、U字形状を成した磁極2、2の脚部2b、2bに、予め組立られたコイルボビン3、3を開放側から嵌挿する。
磁極2と脚部に嵌挿されたコイルボビン3とが一体物を形成しながら、磁極2、2の孔2a、2aをベース部材1上に植立されているピン1b、1bに嵌合させる。
これと共に、コイルボビン3、3の脚部開放側に位置する端面を角柱状をした凹状突部1c、1cの内側側面に摺接させながら、且つ磁極2、2の脚部2b、2bが角柱状をした凹状突部の側面部1c’、1c’により挟持されるようにしつつ落とし込み、台部1a、1aと角柱状をした凹状突部1cの内側底面との上に載置する。
こうして、ベース1部材に対して磁極2、2の位置決めが成されると共に、コイルボビン3、3の抜け止めがなされる。
また、永久磁石回転子4はベース部材1の軸孔にその中心軸を挿入することにより、ベース部材1に回転可能に支持されることになる。
組立状態のステッピングモータの各部材は、ベース部材1に対して厳密な位置決め状態で固定できる。即ち、第3図はモデル化した永久磁石回転子4と磁極2の関係を示し、ピン1bと角柱状をした凹状突部1cとの中心間の距離を”L”、ピン1bと孔2aとの間の口径公差をδ_(0角柱状をした)凹状突部1cの中心からの幅をaとした場合、ピン1bと角柱状をした凹状突部1cに支持される磁極2の角度方向の位置決め誤差tanθ_(1)は

として得られる。
第1式と第2式との比較から理解されるように、tanθ_(1)はtanθ_(0)よりも明らかに小さくなるが、これらの位置決め精度の差は、機械加工時に生じる第1式の(L±α)なる距離誤差により、実際上はより拡大される。
つまり磁極2の脚部2bと角柱状をした凹状突部1cとの間の削減可能な公差を”δ_(1)”とすると、図示実施例の場合の実際上の位置決め誤差tanθ_(1)は、ピン1bと角柱状をした凹状突部1cとの間の距離誤差αには関係なく、

として近似できる。換言すると、加工精度上、δ1なる値はδ0に比較して充分に小さくすることが可能であるから、
tanθ1<<tanθ0
となり、図示実施例の構造によると、ベース部材1に対する磁極2の厳密な位置決め精度が得られることが分かる。
そして、図示実施例の構造においては、永久磁石回転子4に対向した磁極2の脚部2b寄りの部分に孔等を形成する必要がなくなるので、同部の充分な磁路断面積を確保して、磁路狭窄部のない磁極構造を得られることになる。
勿論、コイルボビンの抜け止めも同時に達成出来ることは、前述した通りである。
〔考案の効果〕
上述したように、本願考案によれば、位置決め用ピン及び角柱状をした凹状突部に磁極を単に組み付けるだけで、ベース部材に対する磁極の厳密な位置決め状態が得られるので、調整工程を必要としなくなり、磁極に脚部に嵌めるコイルボビンを自動的に固定できる。また、本考案にあっては、永久磁石回転子に対向される磁極の脚部先端寄りの部分に磁路的な狭窄部がなくなるため、モータとして期待される回転トルクが得られ、故障の少ない構造とすることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本考案の一実施例を示したステッピングモータの平面図、第2図は同ステッピングモータに用いるベース部材の要部拡大斜視図、第3図は同ステッピングモータのモデル化した永久磁石回転子と磁極との関係を示す平面図、第4図は従来の位置決めピン構造のモデル化した平面図である。
1……ベース部材
1a…台部
1b…ピン
1c…角柱状をした凹状突部
1e…空間部
2……磁極
2a…孔
2b…脚部
2c…内側底面
2d…基部
3……コイルボビン
4……永久磁石回転子
実用新案出願人 株式会社コパル
訂正の要旨 a.訂正事項1
平成7年2月10日の本件請求人の提出した手続補正書の実用新案登録請求の範囲に記載された、
『2.実用新案登録請求の範囲
永久磁石回転子が回転可能に支持されるベース部材に対して、一対の脚部先端を対向させた状態で略U字状の磁極を固定し、前記脚部の一方に励磁用コイルボビンを嵌めるモータにおいて、
前記磁極の基部を受ける台部と前記脚部の先端寄りの部分を挟持する凹状突部とを前記永久磁石回転子に臨んだ前記ベース部材の表面に立設し、
前記磁極基部に形成された位置決め用孔に挿入されるピンを前記台部に立設することにより、
前記脚部の先端寄りの部分は前記凹状突部に挟持されるとともに、前記コイルボビンの対応脚部からの抜け出しを防止したことを特徴とするモータにおける磁極の位置決め構造。』
を、
『2.実用新案登録請求の範囲
永久磁石回転子が回転可能に支持されるベース部材に対して、一対の脚部先端を対向させた状態で略U字状の磁極を固定し、前記脚部の一方に励磁用コイルボビンを嵌めるモータにおいて、
前記磁極の基部を受ける台部と前記脚部の先端寄りの部分を挟持する角柱状をした凹状突部とを前記永久磁石回転子に臨んだ前記ベース部材の表面に立設し、
前記磁極基部に形成された位置決め用孔に挿入されるピンを前記台部に立設することにより、
前記脚部の先端寄りの部分は前記角柱状をした凹状突部の側面部によって挟持されるとともに、前記コイルボビンの対応脚部からの抜け出しを防止したことを特徴とするモータにおける磁極の位置決め構造。』
と訂正する。
b.訂正事項2
平成7年2月10日の本件請求人に係る手続補正書により補正された実用新案登録の明細書を以下の如く各々訂正する。
明細書3頁8行『挟持する凹状突部』を『挟持する角柱状をした凹状突部』に訂正する。
明細書3頁10行『部分を前記凹状突部に挟持』を『部分を前記角柱状をした凹状突部の側面部によって挟持』に訂正する。
明細書3頁25行『1aおよび凹状突部』を『1aおよび角柱状をした凹状突部』に訂正する。
明細書3頁27行『先端が対応凹状凸部』を『先端が対応角柱状をした凹状突部』に訂正する。
明細書4頁4行『台部1aと凹状突部』を『台部1aと角柱状をした凹状突部』に訂正する。
明細書4頁15行『ス部材1の凹状突起部』を『ス部材1の角柱状をした凹状突起部』に訂正する。
明細書4頁17行から18行『ベース1の凹状部(一対の柱状部)』を『ベース1の角柱状をした凹状突部(一対の角柱状部)』に訂正する。
明細書4頁22行『2cと前記凹状突部』を『2cと前記角柱状をした凹状突部』に訂正する。
明細書5頁4行から7行『これと共に、コイルボビン3、3の脚部開がこ側に位置する端面を凹状部1c、1cの内側側面に摺接させながら、且つ磁極2、2の脚部2b、2bが凹状突部1C’、1c’により挟持されるようにしつつ落とし込み、台部1a、1aと凹状突部1cの内側底面との上に載置する。』を『これと共に、コイルボビン3、3の脚部開放側に位置する端面を角柱状をした凹状突部1c、1cの内側側面に摺接させながら、且つ磁極2、2の脚部2b、2bが角柱状をした凹状突部の側面部1c’、1c’により挟持されるようにしつつ落とし込み、台部1a、1aと凹状突部1cの内側底面との上に載置する。』に訂正する。
明細書5頁14行『ピン1bと凹状突部』を『ピン1bと角柱状をした凹状突部』に訂正する。
明細書5頁15行『公差をδ_(0)、凹状突部』を『公差をδ_(0)、角柱状をした凹状突部』に訂正する。
明細書5頁15行から16行『ピン1bと凹状突部』を『ピン1bと角柱状をした凹状突部』に訂正する。
明細書5頁23行『脚部2bと凹状突部』を『脚部2bと角柱状をした凹状突部』に訂正する。
明細書5頁24行『ピン1bと凹状突部』を『ピン1bと角柱状をした凹状突部』に訂正する。
明細書6頁10行『位置決め用ピン及び凹状突部』を『位置決め用ピン及び角柱状をした凹状突部』に訂正する。
明細書6頁24行『1c…凹状突部Jを『1c…角柱状をした凹状突部』に訂正する。
異議決定日 1999-05-24 
出願番号 実願昭62-23451 
審決分類 U 1 651・ 121- YA (H02K)
U 1 651・ 161- YA (H02K)
最終処分 維持  
前審関与審査官 畑中 博幸  
特許庁審判長 奥村 寿一
特許庁審判官 江頭 信彦
飯尾 良司
登録日 1997-01-29 
登録番号 実用登録第2533632号(U2533632) 
権利者 株式会社コパル
東京都板橋区志村2丁目18番10号
考案の名称 モータにおける磁極の位置決め構造  
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