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審決分類 審判 全部申し立て   F21M
管理番号 1018570
異議申立番号 異議1998-72406  
総通号数 13 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 実用新案決定公報 
発行日 2001-01-26 
種別 異議の決定 
異議申立日 1998-05-12 
確定日 2000-07-19 
異議申立件数
事件の表示 登録第2554023号「歯科用無影灯」の実用新案登録に対する実用新案登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。   
結論 登録第2554023号の実用新案登録を維持する。
理由 I 本件考案
実用新案登録第2554023号(平成3年4月26日出願、平成9年7月18日実用新案権の設定登録)の請求項1に係る考案(以下、「本件考案」という。)は、その実用新案登録請求の範囲の請求項1に記載された以下のとおりのものと認める。
「【請求項1】放物反射面を有する反射板と、該反射板の焦点位置に配置された光源とから成り、該光源から放射した光を前記反射板にて反射して照明するようにした歯科用無影灯において、前記光源を前記焦点位置と該焦点位置から離す手段を有し、該光源を前記焦点位置と該焦点位置から離れた位置との2位置で選択的に固定可能にしたことを特徴とする歯科用無影灯。」

II 申し立て理由の概要
申立人株式会社モリタ製作所は、
証拠方法として、
甲第1号証:実公昭57- 4962号公報
甲第2号証:実公昭50- 24064号公報
甲第3号証:特開昭59-185302号公報
甲第4号証:特開昭62-296132号公報
甲第5号証:特開昭55-129326号公報
を提出し、
請求項1に係る考案は甲第1号証乃至甲第5号証記載の考案に基づいて当業者がきわめて容易に考案をすることができたものであるから、旧実用新案法第3条第2項の規定により実用新案登録を受けることができないものであり、準用する特許法第113条第1項第2号の規定により登録を取り消すべきものである、
と主張している。

III 甲号各証の記載
申立人の提出した甲第1号証には、「本願は、歯科用無影灯において、製作上の誤差によって生じる凹面鏡の焦点位置と光源の位置との変位を簡単に調整することが出来るよう構成した」(公報1頁左欄29?32行)ものであること、「反射鏡26の焦点とハロゲン電球12の光源Pとの位置が反射鏡の光軸上において前後方向に変位した場合調整用ネジ軸18を孔20からドライバーにより回動してスリーブ9に対し摺動部材10を進退させてハロゲン電球12の光源Pを反射鏡26の焦点位置に調整する。」(公報1頁右欄末行?同2頁左欄5行)ことが記載されている。
したがって、甲第1号証には、実質的に、反射面を有する反射鏡と該反射鏡の焦点位置に配設された光源とから成り、該光源から放射した光を前記反射鏡にて反射して照明するようにした歯科用無影灯において、調整用ボルト回動操作によって製作上等の誤差によって生じる反射鏡の焦点位置と光源との位置の変位を調整することが出来て、口腔内の照明を正しく行うことが出来る歯科用無影灯が記載されているものと認められる。
同じく、甲第2号証には、「本願考案は、施術中外部から明るさを容易に調節することができるようにした歯科用照明灯に関する。」(公報1頁左欄24,26行)こと、「ハンドルの回動により電球ソケットが前後に移動し得るようにしたソケットボックスを、上記減光板の後方に反射鏡を、反射鏡の反対方向前面に前面硝子を配置した照明灯本体に嵌合してなるものである。」(公報1頁右欄7?11行)こと、「ハンドル30を回動することによりソケットベース5がレール4,4’の凹字状溝を前進又は後退することにより焦点距離の調節も可能である。」(公報2頁左欄21?24行)ことが記載されている。
同じく、甲第3号証には、「探照灯等の照射光束の拡散、集中を行うために光源を反射鏡の光軸上で焦点位置の前後に微調整させる機構を、自動と手動の併用型で而かも互いに干渉しないようにした装置に関するものである。」(公報右上欄2?6行)ことが記載されている。
同じく、甲第4号証には、「本発明は各種の投光器。例えば、写真撮影用閃光放電発光器の発光部として利用するところの投光器に関する。」(公報1頁右欄2?4行)ものであること、「第5図に示す実施例では、撮影レンズの望遠撮影位置と標準撮影位置とをレンズ駆動用モータ27によって切り換えると、駆動歯車29から遊び歯車31を介して被動歯車33が回転し、キセノン放電管14が旋回することにより、このキセノン放電管14が反射鏡10の放物線の対称軸上で二つの異なる位置に変位する。」(公報3頁右下欄7?13行)こと、「上記した通り、本発明では反射鏡に対して光源の位置を移動することができるので、光源の位置を移動することにより簡単に照射角を変更することができる。」(公報4頁左欄5?8行)こと、「望遠撮影または広角撮影に応じて容易に照射面積を切り換えることができて有利である。」(公報4頁左欄13?15行)ことが記載されている。
同じく、甲第5号証には、「本発明は、エレクトロニックフラッシュの配光角可変反射鏡に関する。」(公報1頁左欄14,15行)ものであること、「第3図において、反射鏡10は、両側に長穴12が設けられ、この長穴12内に放電管2が光軸方向に移動可能に貫通して設置されている。」(公報2頁右上欄1?3行)ことが記載されている。

IV 対比・判断
甲第1号証には、歯科用無影灯が記載されており、一般に、歯科用無影灯は、放物反射面を有する反射鏡を備えているものであり、甲第1号証に記載の歯科無影灯の凹面状の反射鏡も、放物反射面を有する反射鏡であると認められる。
そこで、本件考案と甲第1号証記載の考案とを対比すると、「反射鏡」及び「光源P」は、本件考案の「反射板」及び「光源」にそれぞれ相当するから、両者は、
「放物反射面を有する反射板と、該反射板の焦点位置に配設された光源から成り、該光源から放射した光を前記反射板にて反射して照明するようにした歯科用無影灯。」の点で一致し、
本件考案では、「前記光源を前記焦点位置と該焦点位置から離す手段を有し、前記光源を前記焦点位置と該焦点位置から離れた位置との2位置で選択的に固定可能にした」のに対し、甲第1号証記載の考案では、光源を反射鏡の焦点位置に調整する手段を有しているが、光源を前記焦点位置と該焦点位置から離れた位置との2位置で選択的に固定可能にしてはいない点、
で両者は相違しているものと認められる。
次に両者の課題について検討してみると、本件明細書の【0002】の【従来技術】の段落において「歯科治療においては、口腔内を照明するために無影灯を用いている。・・・而して、歯科治療においては、例えば、入れ歯等の切削作業もあり、このような場合にも、無影灯からの光を利用して手元を明るくして作業することが行われている。・・・歯科用無影灯は、通常、その照明範囲(面積)が狭く。上述のように手作業を行う場合、照明されている場所が直ちに分からず、手元を移動させて明るい場所を探さなければならず、非常に煩わしいものであった。」
と記載されているとおり、本件考案は、かかる問題の解決を課題とするものであって、前記の相違点における構成によりこの課題を解決したものである。
一方、甲第1号証に記載のものは、製作上の誤差によって生じる凹面鏡の焦点位置と光源の位置との変位を調整用ネジ軸をスリーブに対し進退させて簡単に調整できるようにしたものである。
要するに、両者は解決すべき課題を異にするとともに、上記の相違点である「光源を前記焦点位置と該焦点位置から離れた位置との2位置で選択的に固定可能にした」点について甲第1号証のものは何ら言及していない点で相違するものである。
そこで、この相違点についてさらに検討する。
甲第2号証には、歯科用照明灯が記載され、明るさを調節すること、及びハンドルを回動して電球のソケットベースを進退させ焦点距離の調節をすることは記載されているが、本件考案の構成である「光源を前記焦点位置から離す手段を有し、該光源を前記焦点位置と該焦点位置から離れた位置との2位置で選択的に固定可能にした」構成は何ら記載されておらずまた示唆するところもない。
また、甲第3号証には、探照灯等の照明光束の拡散・集中を行うため光源を反射鏡の光軸上で焦点位置の前後微調整させる機構は記載されているが、本件考案の構成である「光源を前記焦点位置から離す手段を有し、該光源を前記焦点位置と該焦点位置から離れた位置との2位置で選択的に固定可能にした」構成は何ら記載されておらずまた示唆するところもない。
また、甲第4号証には、反射鏡に対して光源の位置を変位させることができるようにし、光源の位置を移動させ照射角を変更することは記載されているが、本件考案の構成である「光源を前記焦点位置から離す手段を有し、該光源を前記焦点位置と該焦点位置から離れた位置との2位置で選択的に固定可能にした」構成は何ら記載されておらずまた示唆するところもない。
また、甲第5号証には、レバーの回動により光軸方向に放電管が移動すること、及び反射板と光源の相対位置を光軸方向に摺動させて変位させるようにしたエレクトロニックフラッシュの配光可変反射鏡が記載されているが、本件考案の構成である「前記光源を前記焦点位置と、該焦点位置から離す手段を有し、前記光源を前記焦点位置と前記焦点位置から離れた位置との2位置で選択的に固定可能にした」構成は何ら記載されておらずまた示唆するところもない。
そして、本件考案は、上記構成を備えることにより、「歯科用無影灯における光源を反射板の焦点位置からずらすことができ、ずらした時に、より広い範囲を照明することができるので、口腔内以外を照明しようとした場合に、より広い範囲を照明することができ、例えば、無影灯の光を用いて手作業を行う場合に作業がしやすくなる。」という明細書記載の格別な効果を奏するものである。
したがって、本件考案は、甲第1号証乃至甲第5号証記載の考案に基づいて当業者がきわめて容易に考案をすることができたものとすることはできない。

V むすび
以上のとおりであるから、実用新案登録異議申し立ての理由及び証拠によっては、本件考案についての実用新案登録を取り消すことはできない。
また、他に、本件考案の実用新案登録を取り消すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり決定する。
異議決定日 2000-06-20 
出願番号 実願平3-38819 
審決分類 U 1 651・ 121- Y (F21M)
最終処分 維持  
前審関与審査官 山岸 利治  
特許庁審判長 岡田 幸夫
特許庁審判官 大里 一幸
熊倉 強
登録日 1997-07-18 
登録番号 実用新案登録第2554023号(U2554023) 
権利者 株式会社長田中央研究所
東京都品川区西五反田5丁目20番16号
考案の名称 歯科用無影灯  
代理人 竹内 三喜夫  
代理人 廣瀬 峰太郎  
代理人 高野 明近  
代理人 根本 恵司  
代理人 西教 圭一郎  
代理人 杉山 毅至  
代理人 三谷 浩  
代理人 畑川 清泰  
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