• ポートフォリオ機能


ポートフォリオを新規に作成して保存
既存のポートフォリオに追加保存

  • この表をプリントする
PDF PDFをダウンロード
審決分類 審判 判定 同一 属さない(申立て不成立) A01K
管理番号 1018576
判定請求番号 判定請求1999-60091  
総通号数 13 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 実用新案判定公報 
発行日 2001-01-26 
種別 判定 
判定請求日 1999-12-21 
確定日 2000-07-03 
事件の表示 上記当事者間の登録第2593204号の判定請求事件について、次のとおり判定する。   
結論 (イ)号図面及びその説明書に示す「鳩足環」は、登録第2593204号実用新案の技術的範囲に属しない。
理由 1.請求の趣旨
本件請求はイ号図面及びその説明書に示す鳩足環が実用新案登録第2593204号考案の技術的範囲に属するとの判定を求めるものである。

2.本件考案
本件実用新案登録第2593204号の請求項1に係る考案(以下、本件考案という。)は、その特許請求の範囲の請求項1に記載されたとおりの次のものである。
「合成樹脂製の短管部材1の外側上下部に環状突部2、3を設けて前記短管部材1の外周面に凹部4を形成すると共に任意の文字、記号、図形等を表示してなる紙或はビニール等からなる表示片5を前記凹部4 に貼着し、且つ短管部材1の外周面に前記表示片5を保護するための透明合成樹脂製の被覆管6を強制嵌着し、該被覆管6の上下部内周面に突設した環状リブ7、8を前記短管部材1の環状突部2、3の内側に係着せしめる状態で前記表示片5に圧接せしめるようになることを特徴とする鳩足環。」

3.イ号物件
これに対し、判定請求書に添付の「イ号図面」及び「イ号図面の説明書」に示される鳩足環(以下、イ号物件という。)は、次のとおりのものである。
「プラスチック製の短管部材1の外側上部に環状溝7を設け、環状溝7を設けた結果、上方の環状突部2が形成され、短管部材1の外側下部に下方の環状突部3を設け、短管部材1の外周面に任意の文字、記号、図形等を表示してなるビニール製の表示片4を貼着し、表示片4が貼着された状態で短管部材1の外周面に前記表示片5を保護するための透視可能な被覆管5を固く被嵌し、被覆管5を装着した状態では、被覆管5の上方の端部に内接した環状リブ6が短管部材1の環状溝7にはめ込まれ、被覆管5の下方の端縁部が短管部材1の下方の環状突部3に当接した鳩足環。」

4.請求人の主張
「本件登録実用新案とイ号物件の相違する点は、短管部材に対する被覆管の装着手段における微差に過ぎない。
即ち本件登録実用新案は、短管部材1に被覆管6を強制嵌合して被覆管6の両側内部に突設した環状リブ7,8を短管部材1の環状突部2,3に夫々係着せしめるようにした構成に対し、イ号物件は短管部材1に強制嵌合した被覆管5はその一端部が短管部材1の一方の環状突部3に圧接し、被覆管の環状リブ6が短管部材1の他方に突設した環状突部3(2の誤り)に係着するようにしたものであるが、この相違点は単なる設計変更にすぎず、本件登録実用新案とイ号物件はその作用、効果は全く同一である。
本件登録実用新案の被覆管6が短管部材1に強制嵌合して環状リブ7,8を環状突部2,3に係着せしめた主たる理由は、被覆管6の脱落を防止すると同時に風雨等から表示片5を保護し、表示片5の文字、記号、図形等の消失するのを護るためのものであることは明細書の記載から明らかであり、この点についてイ号物件を見ると、被覆管5の一方の端部を短管部材1の一方の環状突部3に圧接し、他方の環状リブ6が短管部材1の他方の環状突部2に係着せしめる構成も被覆管5の脱落を防止し且つ表示片5(4の誤り)の文字、記号、図形等の消失を防止するための手段であって、本件登録実用新案と全く同一の目的、作用、効果を発生するものであり、単なる設計の変更にすぎないものである」(請求書第3頁下6行?第4頁第15行)。

5.対比・判断
そこで、本件考案とイ号物件の構成を対比するに、イ号物件は、本件考案と(a)「合成樹脂製の短管部材の外側上下部に環状突部を設け、任意の文字、記号、図形等を表示してなるビニールからなる表示片を短管部材の外周面に貼着し、且つ短管部材の外周面に前記表示片を保護するための透明合成樹脂製の被覆管を強制嵌着し、該被覆管の上下部を短管部材に係着した鳩足環」である点で一致する。
よって、イ号物件は本件考案の上記(a)の構成要件を充足する。

しかしながら、短管部材1の外周面に被覆管6を強制嵌着する手段が、本件考案は、「短管部材1の外側上下部に環状突部2、3を設けて前記短管部材1の外周面に凹部4を形成」し、「該被覆管6の上下部内周面に突設した環状リブ7、8を前記短管部材1の環状突部2、3の内側に係着せしめる状態で前記表示片5に圧接せしめるように」したのに対し、イ号物件は、「被覆管5の上方の端部に内接した環状リブ6が短管部材1の環状溝7にはめ込まれ、被覆管5の上方の環状突部2が被覆管5の上方の環状突部2に当接し、被覆管5の下方の端縁部が短管部材1の下方の環状突部3に当接した」点で相違する。
すなわち、イ号物件は、被覆管5の上方の端部に内接した環状リブ6が短管部材1の環状溝7にはめ込まれ、その結果として、被覆管5の上方の環状突部2が被覆管5の上方の環状突部2の内側に当接し、被覆管5の下方の端縁部が短管部材1の下方の環状突部3の内側に当接している。しかも、イ号物件の短管部材1の上方は環状溝7であり、短管部材1の下方は環状突部3であるから、本件考案のように凹部4を形成したものではない。
一方、本件考案は、(1)被覆管6の上下部内周面に突設した環状リブ7、8を前記短管部材1の環状突部2、3の内側に係着し、(2)被覆管6の上下部内周面に突設した環状リブ7、8が表示片5を圧接しているから、上記(1)及び(2)の構成により、いわば表示片を2重に水密に保護するものである。
また、本件考案の上記(2)の構成により、表示片を常に短管部材に圧接しているから、イ号物件のものとは相違し、表示片が短管部材から剥がれるのを防止することができるものである。
したがって、イ号物件の「被覆管5を装着した状態では、被覆管5の上方の端部に内接した環状リブ6が短管部材1の環状溝7にはめ込まれ、被覆管5の下方の端縁部が短管部材1の下方の環状突部3に当接した」構成は、本件考案の「被覆管6の上下部内周面に突設した環状リブ7、8を前記短管部材1の環状突部2、3の内側に係着せしめる状態で前記表示片5に圧接せしめるようになる」構成を充足しない。

次に、請求人は、「本件登録実用新案とイ号物件の相違する点は、短管部材に対する被覆管の装着手段における微差にすぎない」と主張し、短管部材1の外周面に被覆管6を強制嵌着する手段が、イ号物件の構成と本件考案の構成とで均等である旨の主張をしているようなので、イ号物件の構成と本件考案の構成とで均等であるか否かを検討する。
本件考案は、従来の鳩足環は、文字、図形、等が表面に露出されているため、摩擦、風雨などによりこれらの摩滅が激しく文字、図形等が消失することが多いから、前記欠点を一掃することを目的としたものであって、文字、記号、図形等を表示した表示片5は短管部材1の凹部4内にあって被覆管6に保護され環状突部2,3と環状リブ7,8によって、風雨等が完全に遮断保護されている状態が得られ、文字、記号、図形等の消失が回避されるという作用をなす(本件登録公報【0003】、【0004】、【0006】)。
上記の本件登録公報の記載から判るとおり、本件考案の短管部材1の外周面に被覆管6を強制嵌着する手段は、本件考案の本質的部分であると認められ、少なくとも、その本質的部分で両者の具体的構成が相違するから、イ号物件の短管部材1の外周面に被覆管6を強制嵌着する手段が、本件考案の該手段と均等であるということはできない。

6.むすび
以上のとおり、イ号物件は、本件考案の構成要件である「該被覆管6の上下部内周面に突設した環状リブ7、8を前記短管部材1の環状突部2、3の内側に係着せしめる状態で前記表示片5に圧接せしめるように」した点を具備しないものであるから、イ号物件が本件考案の技術的範囲に属するものとすることはできない。
よって、結論のとおり判定する。
別掲
判定日 2000-06-08 
出願番号 実願平5-51901 
審決分類 U 1 2・ 1- ZB (A01K)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 関根 裕  
特許庁審判長 木原 裕
特許庁審判官 吉村 尚
白樫 泰子
登録日 1999-02-05 
登録番号 実用新案登録第2593204号(U2593204) 
考案の名称 鳩足環  
代理人 松丸 国雄  
  • この表をプリントする

プライバシーポリシー   セキュリティーポリシー   運営会社   サービスに関しての問い合わせ