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審決分類 審判 全部申し立て   A61F
管理番号 1020861
異議申立番号 異議1998-74871  
総通号数 14 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 実用新案決定公報 
発行日 2001-02-23 
種別 異議の決定 
異議申立日 1998-10-02 
確定日 2000-06-05 
異議申立件数
訂正明細書 有 
事件の表示 登録第2567607号「個袋入り生理用ナプキン」の実用新案登録に対する実用新案登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。   
結論 訂正を認める。 登録第2567607号の実用新案登録を維持する。
理由 1.手続の経緯
本件実用新案登録2567607号の出願は、平成4年9月4日に出願したものであって、平成9年12月26日に設定登録され、その後、その実用新案登録について実用新案登録異議申立人内山充及び花王株式会社より実用新案登録異議の申立てがなされたものである。そして、平成11年2月8日付けで取消理由通知が通知され、平成11年4月26日付けで訂正請求がなされた。
2.訂正の適否についての判断
2-1.訂正事項
イ.訂正事項a
実用新案登録請求の範囲請求項1に「前記本体部分の ・・・とする前記ナプキン。」とあるのを、「前記本体部分には両端部間に延びる粘着部を形成して、その粘着部を本体用離型保護片で被覆保護し、前記両翼部分は前記対向縁に沿って前記本体部分の表面の側へ折り畳み、これら折り畳んだ両翼部分の粘着部を被覆する翼部用離型保護片でそれら両翼部分を連結し、前記両翼部分を連結した状態で前記表面を内側にして前記両端部のうちの一方が上となり、もう一方が下となるように前記本体を前記本体用離型保護片とともに長手方向へ三つ折りにし、かつ、前記両端部のうちの上となる端部にまで延びている前記本体用離型保護片の一部を前記個袋内面に接合したことを特徴とする前記ナプキン。」と訂正する。
ロ.訂正事項b
明細書【0007】に「かかる前提において、この考案が特徴とするところは、本体部分の・・・連結してあることにある。」とあるのを、「かかる前提において、この考案が特徴とするところは、前記本体部分には両端部間に延びる粘着部を形成して、その粘着部を本体用離型保護片で被覆保護し、前記両翼部分は前記対向縁に沿って前記本体部分の表面の側へ折り畳み、これら折り畳んだ両翼部分の粘着部を被覆保護する翼部用離型保護片でそれら両翼部分を連結し、前記両翼部分を連結した状態で前記表面を内側にして前記両端部のうちの一方が上となり、もう一方が下となるように前記本体を前記本体用離型保護片とともに長手方向へ三つ折りにし、かつ、前記両端部のうちの上となる端部にまで延びている前記本体用離型保護片の一部を前記個袋に接合したこと、にある。」と訂正する。
ハ.訂正事項c
明細書【0008】に「取り出したナプキンでは、その保護片が個袋に残って」とあるのを、「取り出したナプキンは長手方向へ長く延びて、その保護片が個袋に残って」と訂正する。
2-2.訂正の目的の適否、新規事項の有無及び拡張・変更の存否
(1)上記訂正事項aは、実用新案登録請求の範囲の第1項に記載された「本体部分」及び「本体用離型保護片」を減縮するものであって、その根拠となる記載は出願当初明細書【0013】、【0014】及び図面1?3に記載されている事項であるから、願書に添付した明細書及び図面の範囲内の訂正であり、実質上実用新案請求の範囲を拡大し又は変更するものでもない。
(2)上記訂正事項b,cは、上記実用新案登録請求の範囲の訂正に伴って、考案の詳細な説明を訂正するものであって、その根拠となる記載は同様に出願当初明細書【0013】、【0014】及び図面1?3に記載されている事項であるから、願書に添付した明細書及び図面の範囲内の訂正であり、実質上実用新案請求の範囲を拡大し又は変更するものでもない。
2-3.独立登録要件の判断
(1)訂正後の考案
訂正後の請求項1に係る考案は、請求項1に記載された次のとおりのものである。
「【請求項1】肌当接表面と、非肌当接裏面との間に吸収体が介在する本体部分と、該本体部分の中央域の対向縁から横外側へ延出する翼部分とから構成し、前記本体部分と前記両翼部分の前記裏面に、着用ショーツに対する粘着部をそれぞれ設け、それら粘着部を離型保護片で被覆してある個袋入り生理用ナプキンにおいて、
前記本体部分には両端部間に延びる粘着部を形成して、その粘着部を本体用離型保護片で被覆保護し、前記両翼部分は前記対向縁に沿って前記本体部分の表面の側へ折り畳み、これら折り畳んだ両翼部分の粘着部を被覆する翼部用離型保護片でそれら両翼部分を連結し、前記両翼部分を連結した状態で前記表面を内側にして前記両端部のうちの一方が上となり、もう一方が下となるように前記本体を前記本体用離型保護片とともに長手方向へ三つ折りにし、かつ、前記両端部のうちの上となる端部にまで延びている前記本体用離型保護片の一部を前記個袋内面に接合したことを特徴とする前記ナプキン。」(以下、「本件考案」という。)
(2)取消理由通知
平成11年2月8日付け取消理由の概要は以下のとおりである。
本件考案は、国際公開WO91/16873号公報(特表平5-506799号参照)(以下、「刊行物1」という)及び実願昭63-104467号(実開平2-25226号)のマイクロフィルム(以下、「刊行物2」という)に基づききわめて容易になし得たものであるから、実用新案法第3条第2項の規定に違反してなされたものである。
(3)引用刊行物
当審が取消理由通知書で通知した刊行物1(国際公開WO91/16873号公報(特表平5-506799号参照))には次のことが図面とともに記載されている。
「一つの長さ方向側辺縁部及び二つの横方向側辺縁部を持つ衛生ナプキンにおいて、液体透過性の上シートと、周囲が少なくとも部分的に前記上シートに接合された液体不透過性の後シートと、前記上シートと前記後シートとの間の吸収体コアと、前記衛生ナプキンの各長さ方向側辺縁部から外方に延びる一つのフラップとを有し、前記フラップは、前記上シートと全体に同延の第1面及び前記後シートと全体に同延の第2面の両面を有し、前記フラップは、前記フラップの前記全体に同延の面が上シートと向き合った関係で前記上シートに向かって配向されるように前記上シート上に折畳まれており、前記後シートと全体に同延の前記第2面の各々は接着剤パッチ領域を更に有し、更に、前記フラップの前記第2面の前記接着剤パッチを橋渡しする一体の剥離ストリップを有する、ことを特徴とする衛生ナプキン。」(特許請求の範囲請求項2(特表平5-506799号の請求項2、以下同じ))、
「後シート上に折畳まれたフラップや剥離ストリップにはこれらを取り扱うのに関連して不便がある。後シート上に折畳まれたフラップは衛生ナプキンの背後にあり、この衛生ナプキンによって覆い隠され、そのため着用者が衛生ナプキンを下着に装着しようとするとき、フラップが見えない。更に、後シート上に折畳まれたフラップは、離れた状態に保持しない場合には、後シートの接着剤にくっついてしまいがちである。」(2頁22?29行(3頁右上欄2行?10行))、
「衛生ナプキン20は、その特徴として、液体透過性の上シート22、液体不透過性の後シート24、上シート22と後シート24との間の吸収体コア26、及び衛生ナプキン20の長さ方向側辺縁部30から延びる少なくとも一つの、好ましくは二つの対称に配置されたフラップ28を有し、これらのフラップは、衛生ナプキン20の各長さ方向側辺縁部30から延びている。」(4頁19?25行(3頁右下欄15行?21行))、
「衛生ナプキン20には、接着剤のような、衛生ナプキン20を着用者の下着に取り外し自在に取り付けるための手段が関連している。更に詳細には、各フラップ28がそれ自体の接着剤パッチ40を持っているのがよい。このような接着剤40は、フラップ28の着用者の下着と接触する面と優先的に関連する。
更に、フラップ28の間の衛生ナプキン20の中央部分にも、着用者の下着と衛生ナプキン20の中央部分の領域と関連した接着剤42を有するのがよい。こうした接着剤42は、後シート24の外方に差し向けられた面に優先的に結合されている。」(4頁28行?5頁3行(3頁右下欄最下行?4頁左上欄10行))、
「後シート24の外方に差し向けられた面には、更に、衛生ナプキン20を着用者の下着に取り付けるための手段42が設けられている。一般に、この目的について感圧接着剤42がよいということがわかっている。好ましくは、長さ方向に配向された接着剤42のストリップが、衛生ナプキン20の前部又は後部が着用者の下着から外れないように良好な保護を与える。」(8頁8?14行(5頁右上欄5行?11行))、
「フラップ28は、長さ方向中央線34及び衛生ナプキン20の中央部分の横方向外方にある。」(10頁20?21行(6頁左上欄13行?14行))、
「フラップ28は、好ましくは、フラップ28の一方の面を着用者の下着に又は他方のフラップ28に取り付けるための手段40を有する。この取付け手段は感圧接着剤40であるのがよい。」(11頁3?6行(6頁右上欄7行?10行))、
「輸送及び販売を含む包装のため、フラップ28は上シート22上に折畳まれ、そのため、フラップ28は、第1図乃至第5図に示す上シートに向かう関係を持つような構成を持つ。」(11頁16行?19行(6頁右上欄20行?23行))、
「第2図を参照すると、フラップ28を上シート22に向いた関係に維持するための更に好ましい手段は、フラップ28上の接着剤の各パッチ40に接着され且つ両フラップ28を橋渡しする一体の剥離ストリップ46’である。」(13頁14行?17行(7頁左上欄23行?同頁右上欄3行))、
「この一体の構成要素は、一体の剥離ストリップ46’を外さなければフラップ28を上シートに向いた関係から拡げることができないという利点を提供し、及び、これに付随して、有利には、フラップ28の接着剤パッチ40が覆われる。」(13頁25行?29行(7頁右上欄12行?16行))
「第4図に示すように、この構成により、剥離ストリップ46”の脚部46a”を後シート24の外方に差し向けられた面に重ね、後シート24の中央部分に接合された接着剤ストリップ42を覆うことができる。このようにして、一体の剥離ストリップ46”はフラップ28を上シートに向いた関係に維持し、フラップ28の接着剤パッチ40を覆い、後シート24の中央部分の接着剤パッチ42を覆う機能を果たす。」(15頁22?29行(8頁左上欄14行?21行))
同じく刊行物2(実願昭63-104467号(実開平2-25226号)のマイクロフィルム)には次のことが図面とともに記載されている。
「パット(1)は、ショーツ当接側となる一側面に接着剤(4)をストライプ状に数個所塗布し、離型紙(2)の離型剤(シリコン)塗布面を接着剤(4)に貼合わせてパット(1)の一側面に当接し、そのパットを小さく折畳み(三つ折りに折畳み)、柔軟で薄い合成樹脂製(ナイロン製)の防湿袋(3)に収容するように構成した周知品である。」(3頁9行?16行)、
「上記した離型紙(2)の一側面(図面では防湿袋(3)側となる片側面で離型剤が塗布されていない面)における取出側端部、または防湿袋(3)の取出口(301)側内面のいずれか一方に接合部(5)を設け、この接合部によって離型紙(2)の取出側端部を防湿袋(3)の取出口(301)側内面に接合し、その防湿袋からパット(1)を取出した時、引出された離型紙(2)が防湿袋(3)と一緒に残り、この防湿袋を捨てるときの摘片として利用しえるように構成する。接合部(5)は、両面接着テープ片、不乾接着剤、感圧接着剤など、離型紙(2)の一側面と合成樹脂製の防湿袋(3)とを接合せしめ得る接着能を有するものであればよい。」(4頁4行?17行)、
「防湿袋を開封し、折畳まれたパットを取出せば、離型紙が防湿袋に接合されたまま引出され、パットが離型紙から離れる。」(4頁19行?5頁2行)
(4)対比・判断
本件考案と刊行物1記載のものを対比すると、両者は、「肌当接表面と、非肌当接裏面との間に吸収体が介在する本体部分と、該本体部分の中央域の対向縁から横外側へ延出する翼部分とから構成し、前記本体部分と前記両翼部分の前記裏面に、着用ショーツに対する粘着部をそれぞれ設け、それら粘着部を離型保護片で被覆してある生理用ナプキンにおいて、前記本体部分には粘着部を形成して、その粘着部を離型保護片で被覆保護し、前記両翼部分は前記対向縁に沿って前記本体部分の表面の側へ折り畳み、これら折り畳んだ両翼部分の粘着部を被覆する離型保護片でそれら両翼部分を連結したナプキン」である点で一致するが、次の点で相違する。
相違点:
本件考案のものは、「個袋入り」の生理用ナプキンであって、離型保護片が「本体用」と「翼部用」で構成されると共に、本体部分の粘着部が「両端部間に延びる」ものであり、また個袋への接合が「両翼部分を連結した状態で前記表面を内側にして前記両端部のうちの一方が上となり、もう一方が下となるように前記本体を前記本体用離型保護片とともに長手方向へ三つ折りにし、かつ、前記両端部のうちの上となる端部にまで延びている前記本体用離型保護片の一部を前記個袋内面に接合」しているのに対し、刊行物1のものは、個袋に入れるものではなく、また離型保護片が本体用と翼部用で構成されておらず、また長手方向に三つ折りにするものでもなく、さらに個袋を有するものでない以上個袋の接合に関する上記技術的事項を有するものでもない点。
そこで上記相違点について検討すると、刊行物2のものは、個袋入りの生理用ナプキンであって、本体用離型保護片を有し、該ナプキンは両端部のうちの一方が上となり、もう一方が下となるように前記本体を前記本体用離型保護片とともに長手方向へ三つ折りにし、かつ、両端部のうちの上となる端部にまで延びている前記本体用離型保護片の一部を前記個袋内面に接合したことを示すものではあるが、該ナプキンは翼部を有するものではなく、したがって翼部用離型保護片はなく、また、本体部分の粘着部は、両端部まで延びているものではない。そして、刊行物1のものが、長手方向に三つ折りにするものではない以上、刊行物2を適用する契機を欠くばかりでなく、本体部分の粘着部を、両端部まで延ばす点については、刊行物2にも記載がないのであるから、刊行物1及び2から本願考案の技術的事項を構成することはできない。
そして、本件考案は、上記技術的事項により明細書記載の作用効果を奏するものである。
よって、本件考案は、刊行物1,2に記載された考案に基づいて当業者がきわめて容易に考案をすることができたものとすることができない。
(5)まとめ
したがって、訂正後の本件考案は、出願の際独立して実用新案登録を受けることができるものである。
2-4.むすび
以上のとおりであるから、上記訂正請求は、特許法等の一部を改正する法律(平成6年法律第116号)附則第9条第2項の規定により準用する特許法第120条の4第2項及び同条第3項でさらに準用する特許法第126条第2項ないし第4項の規定に適合するので、当該訂正を認める。
3.異議申立について
3-1.本件考案
本件考案は、訂正後の実用新案登録明細書及び図面の記載からみて、その実用新案登録請求の範囲請求項1に記載されたとおりのものである。
3-2.申立ての理由の概要
実用新案登録異議申立人内山充は、証拠として国際公開WO91/16873号公報(特表平5-506799号参照)(以下、上記と同様に「刊行物1」という。以下同じ。)及び実願昭63-104467号(実開平2-25226号)のマイクロフィルム(以下、「刊行物2」という)を提出し、本件考案は上記証拠に基づききわめて容易になし得たものであると主張し、また、実用新案登録異議申立人花王株式会社は、証拠として上記刊行物1,2並びに実願昭58-173253号(実開昭60-79421号)のマイクロフィルム(以下、「刊行物3」という)に基づききわめて容易になし得たものであると主張して、両者とも本件考案は、実用新案法第3条第2項の規定に違反してなされたものであるから、請求項1に係る実用新案登録を取り消すべき旨主張している。
3-3.甲各号証記載の考案及び判断
(1)異議申立人内山充の異議申立について
同異議申立人の提出した刊行物1及び2(甲第1,2号証)には、上記2-3.(3)に記載の考案が記載されている。
そして、本件考案は、上記2-3.(4)で示したように、刊行物1及び2に記載された考案からきわめて容易になし得たものとすることはできない。
(2)異議申立人花王株式会社の異議申立について
同異議申立人の提出した刊行物1及び2(甲第1,2号証)には、上記2-3.(3)に記載の考案が記載されている。
また同異議申立人が、刊行物2とほぼ同様の内容を示すものとして提出した刊行物3(甲第3号証)には、つまみ部付きのセパレータを有し、長手方向へ三つ折りにして個袋に収容する生理用ナプキンが開示されているが、該ナプキンは両翼部分を有するものでなく、両端部のうちの上となる端部にまで延びている本体用離型保護片についても対応する部材が無いばかりでなく、「両端部間に延びる粘着部」も記載されていない。
よって本件考案は、上記2-3.(3)で示したと同様の理由で、刊行物1?3に記載された考案からきわめて容易になし得たものとすることはできない。
そして、本件考案は、上記相違点の構成により明細書記載の格別の作用効果を奏するものである。
4.むすび
したがって、実用新案登録異議申立ての理由及び証拠によっては、請求項1に係る実用新案登録を取り消すことはできない。
また、他に請求項1に係る実用新案登録を取り消すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり決定する。
発明の名称 (54)【考案の名称】
個袋入り生理用ナプキン
(57)【実用新案登録請求の範囲】
【請求項1】 肌当接表面と、非肌当接裏面との間に吸収体が介在する本体部分と、該本体部分の中央域の対向縁から横外側へ延出する翼部分とから構成し、前記本体部分と前記両翼部分の前記裏面に、着用ショーツに対する粘着部をそれぞれ設け、それら粘着部を離型保護片で被覆してある個袋入り生理用ナプキンにおいて、
前評本体部分には両端部間に延びる粘着部を形成して、その粘着部を本体用離型保護片で被覆保護し、前記両翼部分は前記対向縁に沿って前記本体部分の表面の側へ折り畳み、これら折り畳んだ両翼部分の粘着部を被覆する翼部用離型保護片でそれら両翼部分を連結し、前記両翼部分を連結した状態で前記表面を内側にして前記両端部のうちの一方が上となり、もう一方が下となるように前記本体を前記本体用離型保護片とともに長手方向へ三つ折りにし、かつ、前記両端部のうちの上となる端部にまで延びている前記本体用離型保護片の一部を前記個袋内面に接合したことを特徴とする前記ナプキン。
【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
この考案は、経血を吸収保持するためのいわゆるウイングタイプの生理用ナプギンであって、特に個袋入りのものに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、本体部分の両側に翼部分を有するいわゆるウイングタイプの生理用ナプキンが知られている。このナプキンにおいては、本体部分と両翼部分の非肌当接裏面に、着用ショーツに対する粘着部をそれぞれ設け、互いに分離した3枚の離型保護片でそれぞれを被覆してある。通常、このナプキンは、両翼部分を非肌当接裏面の側へ折り畳んだうえ、個袋へ封入してある。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】
前記個袋へ封入したナプキンにおいて、本体部分の離型保護片の一部を個袋内面へ接合しておき、ナプキンを取り出すときに保護片を個袋側へ残すようにして自動的に剥離する技術が、例えば、実開昭60-79421、実開平2-25226号公報によって公知である。これら公知技術を非ウイングタイプのナプキンに利用すると、個袋から取り出したナプキンは、本体部分の粘着部が既に露出しているから、そのままショーツに圧着することができて便利である。ところが、前記公知技術を前記従来のウイングタイプのナプキンに利用すると次のようになる。ナプキンを個袋から取り出すと、本体部分の離型保護片が剥離するのと同時に、折り畳まれている翼部分は該保護片によってその折り畳みを開放する方向へ跳ね除けられるが、その間では着用者が、例えば跳ね除けられた翼部分をそのままの状態に支えるというように、翼部分の動作に関与するいとまがないから、翼部分は非肌当接裏面の側への折り畳み性向によって、該裏面の側へ折れ曲がり、翼部分および/または該部分の離型保護片が露出している粘着部に接着してしまう。そこで、翼部分を正常に戻すために、本体部分から剥離しようとしても簡単に剥離することができないし、仮にそれができたとしても、結局、翼部分および/または本体部分が破損してしまい、ナプキン自体を使用することができなくなってしまうとか、翼部分を利用することができなくなってしまうということが少なくない。離型保護片が接着したときには、さほどまでにはならないにしても、該保護片を剥離するのが煩わしい。
【0004】
そこで、この考案は、両翼部分を本体部分の表面の側において離型保護片によって連結し、非肌当接裏面の側へ折れ曲がることがないようにすることによって、前記個袋へ封入したナプキンが有する問題を解決することを課題にしている。 【0005】
【課題を解決するための手段】
この考案が前記課題を解決するための手段とするところは、次のとおりである。
【0006】
この考案が前提とするのは、肌当接表面と非肌当接裏面との間に吸収体が介在する本体部分と、この吸収体の中央域の対向縁から横外側へ延出する翼部分とから構成し、本体部分と両翼部分の前記裏面に、着用ショーツに対する粘着部をそれぞれ設け、それら粘着部を離型保護片で被覆してある個袋入り生理用ナプキンである。
【0007】
かかる前提において、この考案が特徴とするところは、本体部分には両端部間に延びる粘着部を形成して、その粘着部を本体用離型保護片で被覆保護し、両翼部分は前記対向縁に沿って本体部分の表面の側へ折り畳み、これら折り畳んだ両翼部分を被覆する翼部用離型保護片でそれら両翼部分を連結し、前記両翼部分を連結した状態で前記表面を内側にして前記両端部のうちの一方が上となり、もう一方が下となるように前記本体を前記体用離型保護片とともに長方向へ三つ折りにし、かつ、前記両端部のうちの上となる端部にまで延びている前記本体用離型保護片の一部を前記個袋内面に接合したこと、にある。
【0008】
【作用】
この考案に係るいわゆるウイングタイプのナプキンは、本体用離型保護片が個袋内面へ接合してあり、取り出したナプキンは長手方向へ長く延びて、その保護片が個袋に残って本体部分の粘着部が露出している。一方、本体部分の表面の側へ折り畳んだ両翼部分は、翼部用離型保護片で連結してあって、みだりに動くことがなく、本体部分の粘着部へ接着することがない。
【0009】
【実施例】
この考案に係る個袋入り生理用ナプキンの詳細を添付の図に基づいて説明すると、以下のとおりである。
【0010】
図1と図2は、個袋入り生理用ナプキン1の部分破断斜視図と、そのA-A線断面図である。
【0011】
図3は、個袋2から取り出したナプキン30を示す斜視図である。
【0012】
図4は、個袋2に封入するナプキン30の平面図であって、(A)は肌当接表面の側を示し、(B)は非肌当接裏面の側を示す。
【0013】
図4に示すように、ナプキン30は、肌当接表面を形成する透液性表面シート32と、非肌当接裏面を形成する不透液性裏面シート33と、これら両シート32,33間に介在する吸収体34とからなる本体部分35と、本体部分35の中央域の対向縁36から横外側へ延出する左右の翼部分40とで構成してある。なお、翼部分40は対向縁36に沿って表面シート32の側へ折り畳んである。本体部分35の裏面シート33には、ナプキン30の長手方向へ延在する2条の粘着剤塗布域37があり、各翼部分40の裏面シート33には粘着剤塗布域42がある。粘着剤塗布域37は、1枚の本体用離型保護片38で被覆してあり、左右の粘着剤塗布域42は、各翼部分40を連結する1枚の翼部用離型保護片43で被覆してある。保護片43によるかかる連結は、保護片43が粘着剤塗布域42に接着することによって維持されている。
【0014】
図1と図2に戻り、個袋2は、ナプキン30の長手方向に対向縁部2A,2Bを有する一方、幅方向に対向側部2C,2Dを有し、平面形状が矩形の密封された袋である。縁部2A近傍には、これと平行なミシン目3があり、ここで開封し、ナプキン30を取り出すことができる。両翼部分40が連結してあるナプキン30は、表面シート32を内側に、長手方向へ三つ折りにして畳み、そのときにその外側における端部39が個袋2においてミシン目3と縁部2Aとの間に位置するように個袋3へ封入してある。本体用離型保護片38は、端部39近傍で外側へ折り返すとともに、その折り返し端38Aがミシン目3よりも縁部2B寄りの位置で個袋2の内面へ接着剤4により接合してある。この接合強度は、個袋2からナプキン30を取り出すときに容易に剥離することがないようにしてある。 【0015】
図3は、このように構成した生理用ナプキン1において、ミシン目3に従って個袋2を開封し、片手(図示せず)で個袋2を持ち、もう一方の手(図示せず)でナプキンの端部39を摘持して取り出すと、本体用離型保護片38が粘着剤塗布域37から剥離して個袋2側へ残る状態を示す模式図である。個袋2を開封すると、その開口にはナプキンの端部39が臨み、この端部を容易に摘持することができる。取り出したナプキン30は粘着剤塗布域37が既に露出しているから、そのまま着用ショーツの股部内側に圧着し、続いて翼部用離型保護片43を剥離し、各翼部分40を外側へ折り返して着用ショーツの股部外側へ圧着する。個袋2は、縁部2Aにおいて対向する内面どうしがヒートシールしてあるから(図2参照)、これら内面で保護片38の端部38Aを挟み、そのままヒートシールして、端部38Aを個袋2へ接合することができ、この考案ではこのような接合も個袋2内面への接合という。
【0016】
ナプキン30は、表裏面シート32,33が吸収体34の周囲に延出している部分で密に接合してある。翼部分40は、本体部分35から延出する表裏面シート32,33を互いに接合することで構成してある。’表面シート32には不織布や開孔プラスチックフィルム、裏面シート33にはプラスチックフィルム、吸収体34には粉砕パルプや粉砕パルプと高吸水性ポリマーとの混合物、離型保護片38,43にはプラスチックフィルムや紙などのシートを必要に応じて表面処理して使用することができる。個袋2にはポリエチレンフィルムなどのプラスチックフィルムや紙を使用することができる。生理用ナプキン1を構成するこれら各素材の接合には、ホットメルト接着剤などの接着剤や粘着剤、ヒートシールの技術を利用することができる。
【0017】
【考案の効果】
この考案では、いわゆるウイングタイプのナプキンの両翼部分を本体部分の表面の側へ折り畳んだうえで連結してあるから、ナプキンを個袋から取り出すときに本体用離型保護片が剥離して個袋側へ残っても、それによって露出した本体部分の粘着剤へ翼部分が接着してしまうということがない。したがって、着用者は、翼部分の存在を気にすることなく、取り出したナプキンを着用ショーツ股部内側へ圧着することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】
個袋入り生理用ナプキンの部分破断斜視図
【図2】
図1のA-A線断面図。
【図3】
個袋から取り出したナプキンの斜視図。
【図4】
(A)と(B)とによって表裏面を各々示すナプキンの平面図。
【符号の説明】
1 生理用ナプキン
2 個袋
30 ナプキン
32 表面シート
33 裏面シート
34 吸収体
35 本体部分
36 縁部
37 粘着剤(粘着剤塗布域)
38 本体用離型保護片
40 翼部分
42 粘着剤(粘着剤塗布域)
43 翼部用離型保護片
訂正の要旨 訂正の要旨
イ.訂正事項a
実用新案登録請求の範囲請求項1に「前記本体部分の・・・とする前記ナプキン。」とあるのを、「前記本体部分には両端部間に延びる粘着部を形成して、その粘着部を本体用離型保護片で被覆保護し、前記両翼部分は前記対向縁に沿って前記本体部分の表面の側へ折り畳み、これら折り畳んだ両翼部分の粘着部を被覆する翼部用離型保護片でそれら両翼部分を連結し、前記両翼部分を連結した状態で前記表面を内側にして前記両端部のうちの一方が上となり、もう一方が下となるように前記本体を前記本体用離型保護片とともに長手方向へ三つ折りにし、かつ、前記両端部のうちの上となる端部にまで延びている前記本体用離型保護片の一部を前記個袋内面に接合したことを特徴とする前記ナプキン。」と訂正する。
ロ.訂正事項b
明細書【0007】に「かかる前提において、この考案が特徴とするところは、本体部分の・・・連結してあることにある。」とあるのを、「かかる前提において、この考案が特徴とするところは、前記本体部分には両端部間に延びる粘着部を形成して、その粘着部を本体用離型保護片で被覆保護し、前記両翼部分は前記対向縁に沿って前記本体部分の表面の側へ折り畳み、これら折り畳んだ両翼部分の粘着部を被覆保護する翼部用離型保護片でそれら両翼部分を連結し、前記両翼部分を連結した状態で前記表面を内側にして前記両端部のうちの一方が上となり、もう一方が下となるように前記本体を前記本体用離型保護片とともに長手方向へ三つ折りにし、かつ、前記両端部のうちの上となる端部にまで延びている前記本体用離型保護片の一部を前記個袋に接合したこと、にある。」と訂正する。
ハ.訂正事項c
明細書【0008】に「取り出したナプキンでは、その保護片が個袋に残って」とあるのを、「取り出したナプキンは長手方向へ長く延びて、その保護片が個袋に残って」と訂正する。
異議決定日 2000-05-16 
出願番号 実願平4-68539 
審決分類 U 1 651・ 121- YA (A61F)
最終処分 維持  
前審関与審査官 齋藤 恵  
特許庁審判長 平井 良憲
特許庁審判官 高瀬 浩一
島田 信一
登録日 1997-12-26 
登録番号 実用新案登録第2567607号(U2567607) 
権利者 ユニ・チャーム株式会社
愛媛県川之江市金生町下分182番地
考案の名称 個袋入り生理用ナプキン  
代理人 羽鳥 修  
代理人 白浜 吉治  
代理人 白浜 吉治  
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