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審決分類 審判 全部申し立て   H01L
管理番号 1020876
異議申立番号 異議1999-72804  
総通号数 14 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 実用新案決定公報 
発行日 2001-02-23 
種別 異議の決定 
異議申立日 1999-07-21 
確定日 2000-04-12 
異議申立件数
事件の表示 登録第2588960号「基板処理装置」の請求項1及び2に係る実用新案登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。   
結論 登録第2588960号の請求項1及び2に係る実用新案登録を取り消す。
理由 1.手続の経緯
本件実用新案登録第2588960号は、平成5年4月23日の出願であって、平成10年11月13日に実用新案権の設定登録がなされ、その後、異議申立人吉川喜一郎より請求項1及び2に係る実用新案登録について登録異議の申立がなされ、取消理由通知がなされ、その指定期間内である平成11年12月24日に意見書が提出されたものである。
2.本件考案
本件実用新案登録第2588960号の請求項1及び2に係る考案(以下、それぞれ、「本件考案1」及び「本件考案2」という。)は、それぞれ、実用新案登録請求の範囲の請求項1及び2に記載された次のとおりのものである。
「【請求項1】
基板処理用の処理液を個別に収容する複数の処理液収容部と、
前記処理液収容部に収容された処理液を各処理液収容部から個別に循環もしくは配送する複数の処理液経路とを備える基板処理装置において、
各処理液経路毎に、当該処理液経路に備えられる循環用もしくは配送用器具を集めて載置する基台をそれぞれ設けると共に、
前記各基台を個別に装置本体外に導く搬送路を備えた基板処理装置。
【請求項2】
請求項1記載の基板処理装置であって、各基台を、液体を貯留可能な器状に形成した基板処理装置。」
3.引用刊行物
当審が通知した取消理由に引用した刊行物1(実願平2-58038号(実開平4-18435号)のマイクロフィルム)、刊行物2(特開昭61-118127号公報)には、それぞれ次の事項が記載されている。
ア.刊行物1
(a)「シリコンウェハの洗浄工程やエッチング工程においては、たとえばHCl、HNO_(3)などの有毒薬液が使用されるために、これら薬液の管理は極めて重要である。」(第4頁第1-4行)
(b)「このような半導体処理用薬液循環装置およびそれを用いた半導体処理装置では、供給用固定タンク、熱交換器、あるいはフィルター装置等が、それぞれの据付場所に別々に設置されているために、たとえば薬液漏れが生じたり、あるいは装置に使用されている熱交換器等に故障が生じた場合に、ポンプ、フィルター装置および熱交換器等のそれぞれのメンテナンス業者を呼び付けて、それぞれのメンテナンス業者がこれらを別々の据付け場所で点検し、分解してメンテナンスを行なわなければならず、半導体処理装置の管理が煩わしいという問題もある。」(第5頁第13行-第6頁第4行)
(c)「本考案は、上記のような従来技術に伴なう問題点を解決しようとするものであって、所定温度の清浄な薬液を長期間にわたって薬液槽に循環可能であって、しかも移動が容易で、かつメンテナンス性に優れ、薬液槽に合わせて容易に交換することもできる、使い勝手に優れた半導体処理用薬液循環装置およびそれを用いた半導体処理装置を提供することにある。」(第6頁第12-19行)
(d)「特に本考案では、ポンプ6(たとえばベローズポンプ、ダイヤフラムポンプ等)、配管8、フィルター装置7、配管10、熱交換機9および配管12は、第2図に示すように、枠体としてのケース18に収納して、一体的にユニット化してあり、半導体処理用薬液循環装置5が構成される。」(第17頁第13-18行)
(e)「薬液槽4に収容された薬液13が、ポンプ6により排出配管3から配管11を通って薬液槽4から排出され、また、このポンプ6により配管8、フィルター装置7、配管10、熱交換器9、配管12を順次経由して供給配管2から再び薬液槽4に供給するようになっている。」(第14頁第15行-第15頁第1行)
(f)「また、メンテナンスやフィルター交換などの際には、ユニット化された半導体処理用薬液循環装置5を、都合の良い場所に移動してメンテナンスやフィルター交換などを行うこともできる。」(第18頁第12-15行)
(g)「また、本考案の半導体処理用薬液循環装置によれば、ポンプ、フィルター装置および熱交換器がユニット化されているので、これらにメンテナンスを行う際には、一箇所で行えばよく、メンテナンス作業が著しく容易になる。
・・・・・・
また、ユニットの移動も自由なので使い勝手が大幅に向上する。」(第21頁第3-16行)
(h)以上(a)乃至(g)の記載事項より、刊行物1には、シリコンウェハ洗浄用の薬液を収容する薬液槽4と、前記薬液槽4に収容された薬液13を薬液槽4から循環する配管3、配管11、ポンプ6、配管8、フィルター装置7、熱交換器9、配管12、配管2とを備える半導体処理装置において、ポンプ6、フィルター装置7、熱交換器9を集めてケースに収納すると共に、ケースをメンテナンス作業に都合の良い場所へ移動できるようにした半導体処理装置の考案が記載されていると認める。
イ.刊行物2
(a)「本発明は、ウエハー処理プロセスに用いられる半導体用化学薬品を調合する調合装置に関する。」(第1頁左下欄第17,18行)
(b)「又、第5図に示す如く、第1調合ボックス4内には、第1の洗浄用化学薬品が調製される第1の混合容器10と、・・・液体フィルタ12等が収納されている。第2調合ボックス5も同様に構成されている。」(第2頁左下欄第14-20行)
(c)「そしてアンモニアと過酸化水素水と純水との混合後に、入口弁76及び循環用開閉弁77を開くと共に吐出用開閉弁78を閉じ、循環・吐出ポンプ73で第1混合容器10内の混合液を吸引して循環路75中を循環させることにより、上記混合液を撹拌して均一な組成の第1の洗浄用化学薬品を調製することができる。又、循環中に液体フィルタ12により混合液中の異物を除去すると共に、熱交換器74によって混合液の液温を調整することができる。」(第3頁右下欄第19行-第4頁左上欄第8行)
(d)「そして前記第2調合ボックス5に収容されている第2混合容器87には、・・・混合される。この混合液は循環・吐出ポンプ93,液体フィルタ94及び熱交換器95を含む循環路96内で循環されて・・・施され、このようにして調製された第2の洗浄用化学薬品が・・・吐出される。」(第4頁右上欄第8行-左下欄第1行)
(e)以上(a)乃至(d)の記載事項より、刊行物2には、ウエハー洗浄用の第1の薬品と第2の薬品とを個別に第1の混合容器10と第2の混合容器87とに収容し、第1及び2の混合容器に収容された第1及び2の薬品を、第1及び2の混合容器から個別に循環する2つの循環路75,96を備えるウエハー処理プロセスに用いられる半導体用化学薬品を調合する調合装置の考案が記載されていると認める。
4.対比
ア.本件考案1について
本件考案1と刊行物1に記載された考案とを対比すると、刊行物1に記載された考案の「シリコンウェハ洗浄用の薬液13」、「薬液槽4」、「配管3、配管11、ポンプ6、配管8、フィルター装置7、熱交換器9、配管12、配管2」、「半導体処理装置」、「ポンプ6、フィルター装置7、熱交換器9」及び「ケース18」が本件考案1の「基板処理用の処理液」、「処理液収容部」、「循環する処理液経路」、「基板処理装置」、「循環用器具」及び「基台」にそれぞれ相当するので、両者は、
「基板処理用の処理液を収容する処理液収容部と、
前記処理液収容部に収容された処理液を処理液収容部から循環する処理液経路とを備える基板処理装置において、
当該処理液経路に備えられる循環用器具を集めて載置する基台を設けた基板処理装置。」
の点で一致し、次の点で相違している。
相違点1
処理液収容部、処理液経路及び基台に関して、本件考案は、処理液収容部が「処理液を個別に収容する複数の処理液収容部」であり、処理液経路が「処理液を各処理液から個別に循環する複数の処理液経路」であり、基台が「各処理経路毎に循環用器具を集めて載置する基台」であるのに対し、刊行物1に記載された考案は、処理液収容部が1つであり、したがって、処理液経路も基台も1つであって、複数設けられたものではない点。
相違点2
本件考案1は、「各基台を個別に装置本体外に導く搬送路」を備えているのに対し、刊行物1に記載された考案は、このような搬送路を備えているものではない点。
イ.本件考案2について
本件考案2と刊行物1に記載された考案とを対比すると、刊行物1に記載された考案の「ケース18」は、その形状を「器状」と表現しうるものであるので、本件考案2の「基台を、・・・器状に形成した」ものに相当する。したがって、両者は、前記相違点1及び2に加え、次の点で相違している。
相違点3
本件考案2は、器状の基台が「液体を貯留可能な」ものであるのに対し、刊行物1に記載された考案は、器状の基台が「液体を貯留可能な」ものであるのか否か不明である点。
5.当審の判断
前記各相違点につて検討する。
相違点1について
刊行物2には、前記3.イ.(e)に記載の考案が記載されており、刊行物2に記載された考案の「ウエハー洗浄用の第1の薬品と第2の薬品」、「第1の混合容器10と第2の混合容器87」、「2つの循環路75,96」及び「調合装置」が、本件考案1の「基板処理用の処理液」、「複数の処理液収容部」、「複数の処理液経路」及び「基板処理装置」にそれぞれ相当するので、刊行物2には、基板処理装置において、基板処理用の処理液を個別に収容する複数の処理液収容部と、前記処理液収容部に収容された処理液を各処理液収容部から個別に循環する複数の処理液経路とを備える点が記載されていることになる。
そして、刊行物1及び2に記載された考案は、いずれも基板処理装置という同一の技術分野に属するので、刊行物1に記載された考案に刊行物2に記載された前記の点を採用し、刊行物1に記載された考案の「処理液を収容する処理液収容部」を「処理液を個別に収容する複数の処理液収容部」とし、「処理液を処理液収容部から循環する処理液経路」を「処理液を各処理液収容部から個別に循環する複数の処理液経路」と変更することに、困難性は要しない。
また、前記の変更に際し、循環用器具を集めて載置する基台を、複数の処理液経路に対応させてそれぞれ設けることは、必要に応じて適宜なし得る設計的事項であって、困難性は要しない。
相違点2について
基台が移動できるものであるから、メンテナンスに際し、基台を装置本体外のメンテナンス作業に都合の良い場所へ移動することは、普通に行われる程度の事項であり、また、移動のために搬送路を備えることは、必要に応じて適宜なし得る設計的事項であるので、基台を装置本体外に導く搬送路を備えることに困難性は要せず、そして、その搬送路を備える際に、複数設けられている基台にそれぞれ対応させて、各基台を個別に装置本体外に導く搬送路を備えるようにすることにも困難性は要しない。
また、本件考案1の効果は、刊行物1及び2に記載された考案から予測しうる程度のものである。
ウ.相違点3について
前記3.ア.(a)に記載されているように、基板処理用の処理液は有毒であるために、処理液の管理は極めて重要であるので、漏れた処理液が装置から外へ流れ出さないように工夫することは、当然になされるべきことであり、そして、そのために、器状の各基台を液体を貯留可能なものとすることに、困難性は要しない。
また、本件考案2の効果は、刊行物1及び2に記載された考案から予測しうる程度のものである。
6.むすび
以上のとおり、本件考案1及び2は、刊行物1及び2に記載された考案に基づいて当業者がきわめて容易に考案をすることができたものであるから、本件請求項1及び2に係る実用新案登録は、実用新案法第3条第2項の規定に違反してされたものであり、取り消されるべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
異議決定日 2000-02-18 
出願番号 実願平5-26967 
審決分類 U 1 651・ 121- Z (H01L)
最終処分 取消  
前審関与審査官 恩田 春香  
特許庁審判長 小池 正利
特許庁審判官 宮崎 侑久
小関 峰夫
登録日 1998-11-13 
登録番号 実用新案登録第2588960号(U2588960) 
権利者 大日本スクリーン製造株式会社
京都府京都市上京区堀川通寺之内上る4丁目天神北町1番地の1
考案の名称 基板処理装置  
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