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審決分類 |
審判 全部申し立て H01G |
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管理番号 | 1020885 |
異議申立番号 | 異議2000-71657 |
総通号数 | 14 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 実用新案決定公報 |
発行日 | 2001-02-23 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2000-04-10 |
確定日 | 2000-08-17 |
異議申立件数 | 1 |
事件の表示 | 登録第2600543号「外部電極構造」の請求項1ないし2に係る実用新案登録に対する実用新案登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 |
結論 | 登録第2600543号の請求項1ないし2に係る実用新案登録を維持する。 |
理由 |
1.手続の経緯 本件実用新案登録第2600543号の請求項1ないし2に係る考案は、平成5年1月29日に出願され、平成11年8月13日にその実用新案登録の設定登録がなされ、その後、雨山範子より実用新案登録異議の申立てがなされたものである。 2.実用新案登録異議の申立てについて ア.本件考案 実用新案登録第2600543号の請求項1ないし2に係る考案は、それぞれ、実用新案登録請求の範囲の請求項1ないし2に記載された次の事項に特定されるとおりのものである。 「【請求項1】 端面と上下面の少なくとも1面とにかけて形成された外部接続用の帯状電極を複数個近接して配列した面実装型電子部品において、前記帯状電極が導電ペースト層とその表面に形成された電気メッキ層とよりなり、前記導電ペースト層は、前記各面において、前記配列方向に見た幅がそれと直角な方向の両端部で幅が狭く中間部分で幅が広く形成されていることを特徴とする電子部品の外部電極構造。 【請求項2】 導電ペースト層の各部の幅は、電気メッキ層の幅がほぼ一定になるように形成されていることを特徴とする請求項1に記載の電子部品の外部電極構造。」 イ.申立の理由の概要 実用新案登録異議申立人雨山範子は、本件請求項1ないし2に係る考案は、甲第1号証(特開平3-178112号公報)、甲第2号証(特開平3-192705号公報)に記載された考案に基づいて、当業者がきわめて容易に考案をすることができたものであるから、実用新案法第3条第2項の規定により実用新案登録を受けることができないものであり、取り消されるべきものである旨主張している。 ウ.甲各号証に記載された考案 a.甲第1号証 甲第1号証の第2図に、端面とその上下面にかけて形成された帯状の外部電極7が複数個近接して配列した複合チップ部品が図示されている。 しかしながら、第2図からは、導電ペースト層の形状を特定することはできない。 b.甲第2号証 甲第2号証第3頁左下欄第11行ないし右下欄第2行に、「第1図(イ)に示すように、この積層LC回路体の外壁であって、第3図に示す上記導出部12aと導出部17aが導出されている面に対応する面、同様に他の導出部12b,12cがそれぞれ導出されている面及び上記導出部17a,17bが導出されている面のそれぞれに対応する面に、これらのそれぞれの導出部と接続する導電膜をAg85重量部、ガラス15重量部を含有する導電ペーストを塗布して焼き付けることにより形成する。次いで、これにニッケルのバレル電解メッキを20A、45分の条件で行い、さらにはんだのバレル電解メッキを10A、40分の条件で行う。」と記載されている。 エ.対比・判断 a.請求項1に係る考案について 本件請求項1に係る考案と甲第1号証に記載された考案とを比較すると、甲第1号証に記載された考案に、本件請求項1に係る考案の構成である、「帯状電極が導電ペースト層とその表面に形成された電気メッキ層とよりなり、導電ペースト層は、各面において、配列方向に見た幅がそれと直角な方向の両端部で幅が狭く中間部分で幅が広く形成されていること」(以下、相違点という。)に相当する構成がない。 そこで上記相違点について検討する。上記相違点は、甲第2号証に記載されておらず、当該外部電極構造における自明ないし技術常識に基づいて当業者が適宜になし得る技術的事項であるとも認めることはできない。 そして、請求項1に係る考案は、上記相違点の構成を備えていることにより、本件明細書記載の「電子部品を小型化する際に外部電極を接近して配列構成しても、電流密度が大きくなる導電ペースト層の隅部を含む部分の幅を中央部分よりも狭くしておくことにより外部電極のメッキ仕上がり幅をほぼ一定にすることができ、半田を施す場合に短絡を生じるおそれがなくなる。」という、格別な作用効果を奏するものである。 したがって、請求項1に係る考案は、甲第1号証及び甲第2号証に記載の考案に基づいて、当業者がきわめて容易に考案をすることができたものとは認められない。 b.請求項2に係る考案について 本件請求項2に係る考案は、本件請求項1に係る考案の構成を全て備えているから、請求項1に係る考案と同旨の理由により、甲第1号証及び甲第2号証に記載された考案に基づいて、当業者がきわめて容易に考案をすることができたものとは認められない。 3.むすび 以上のとおりであるから、登録異議申立の理由及び証拠によっては本件請求項1ないし2に係る考案についての実用新案登録を取り消すことはできない。 また、他に本件請求項1ないし2に係る考案についての実用新案登録を取り消すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり決定する。 |
異議決定日 | 2000-07-28 |
出願番号 | 実願平5-6025 |
審決分類 |
U
1
651・
121-
Y
(H01G)
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最終処分 | 維持 |
前審関与審査官 | 川嵜 健、山崎 慎一 |
特許庁審判長 |
田口 英雄 |
特許庁審判官 |
治田 義孝 今井 義男 |
登録日 | 1999-08-13 |
登録番号 | 実用新案登録第2600543号(U2600543) |
権利者 |
ティーディーケイ株式会社 東京都中央区日本橋1丁目13番1号 |
考案の名称 | 外部電極構造 |