• ポートフォリオ機能


ポートフォリオを新規に作成して保存
既存のポートフォリオに追加保存

  • この表をプリントする
PDF PDFをダウンロード
審決分類 審判 全部申し立て   B43K
管理番号 1020889
異議申立番号 異議1999-74648  
総通号数 14 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 実用新案決定公報 
発行日 2001-02-23 
種別 異議の決定 
異議申立日 1999-12-07 
確定日 2000-08-21 
異議申立件数
事件の表示 登録第2596066号「筆記具等のキャップ」の実用新案登録に対する実用新案登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。   
結論 登録第2596066号の実用新案登録を維持する。
理由 [1] 手続きの経緯
実用新案登録第2596066号の請求項1に係る考案は、平成5年10月29日に実用新案登録出願されたものであって、平成11年4月2日に実用新案登録の設定登録がなされ、その後、実用新案登録異議申立人 株式会社サクラクレパスにより実用新案登録異議の申立てがなされたものである。
[2]実用新案登録異議申立について
[2-1] 本件考案
実用新案登録第2596066号の請求項1に係る考案は、その実用新案登録請求の範囲に記載された次ぎの事項により特定されるとおりのものである。
「【請求項1】 相互に連結可能な筆記具等のキャップにおいて、各々のキャップ1・2が一端から他端に連通する誤飲による窒息の防止のための軸方向の空気通路3を外筒6と内筒7との間に設け、前記内筒7の外周壁に複数の軸方向のリブ31をキャップ1・2頂部より露出するよう設け、各々のキャップ1・2を相互に連結した際、一方のキャップ1の前記リブ31を、他方のキャップ2の開口部内壁に係合する係合部41とし、前記係合部41にて前記各々の空気通路3が連通してなる筆記具等のキャップ。」
[2-2] 申立理由の概要
実用新案登録異議申立人 株式会社サクラクレパスは、本件の請求項1に係る考案の実用新案登録は、甲第1?3号証に基づいて当業者がきわめて容易に考案をすることができたものであるから、実用新案法第3条2項の規定に違反してされたものである旨の主張をしている。
[2-3] 甲第1?3号証記載の考案
甲第1号証(意匠登録第790744号公報)には、両端に筆記部とキャップを具備したマーキングペンにおいて、それぞれのキャップが相互に連結可能に構成されていること、一方のキャップには外気との連通孔が形成されていることが開示されているものと認める。
甲第2号証(実開平3-77689号公報)には、「サインペン、マーカー等のキャップにおいて、後端を開口したキャップ4の内孔8に、筆記体1の先方部位を密嵌してインクの蒸発を防止する内孔9を有し、且つ外周部に複数箇所でリブ7と、リブとリブとの間で溝6を有したインナーキャップ5を後方部をキャップ4の後端より適宜突出させて固着し、上記内孔8と溝6とを連通する空気流通路を構成したことを特徴とする筆記具」と記載され、図面には、インナーキャップ5の外周壁に軸方向に設けた複数のリブ7がキャップ4頂部より露出している構成が記載されている。
甲第3号証(実開平3-79990号公報)には、外筒の内周面に設けられた複数のリブ状凹凸部と内筒との間に、軸方向の空気通路を形成した筆記具のキャップが開示されている。
[2-4]対比・判断
本件の請求項1に係る考案と甲第1号証記載の考案とを比較すると、
甲第1号証に記載の「マーキングペン」は、本件の請求項1に係る考案の「筆記具」に相当するから、
本件の請求項1に係る考案が、「各々のキャップ1・2が一端から他端に連通する誤飲による窒息の防止のための軸方向の空気通路3を外筒6と内筒7との間に設け、前記内筒7の外周壁に複数の軸方向のリブ31をキャップ1・2頂部より露出するよう設け、各々のキャップ1・2を相互に連結した際、一方のキャップ1の前記リブ31を、他方のキャップ2の開口部内壁に係合する係合部41とし、前記係合部41にて前記各々の空気通路3が連通して」いるのに対し、甲第1号証記載の考案は、前記構成を備えていない点
で両者は構成が相違する。
上記相違点について検討するに、甲第3号証には、軸方向の空気通路を外筒と内筒との間に形成したキャップの構成が開示されているのみである。
また、甲第2号証には、一端から他端に連通する軸方向の空気流通路を外筒であるキャップ4と内筒であるインナーキャップ5との間に設け、前記インナーキャップ5の外周壁に複数の軸方向のリブ7をキャップ4頂部より露出するよう設けた構成が記載されているが、そのリブ7は、空気流通路を形成するためのものであり、キャップを相互に連結するものではない。
そうすると、甲第1号証記載の考案において、両端のキャップを相互に連結する手段として、甲第2号証又は甲第3号証記載の考案を適用することは、当業者がきわめて容易に推考できることではない。
そして、本件の請求項1に係る考案は、明細書記載の効果を奏するものである。
[3] むすび
以上のとおりであるから、実用新案登録異議の申立ての理由および証拠方法によっては、本件請求項1に係る考案の実用新案登録を取り消すことはできない。
また、他に本件請求項1に係る考案の実用新案登録を取り消すべき理由を発見しない。
異議決定日 2000-07-26 
出願番号 実願平5-62979 
審決分類 U 1 651・ 121- Y (B43K)
最終処分 維持    
前審関与審査官 砂川 充  
特許庁審判長 藤井 俊二
特許庁審判官 白樫 泰子
外山 邦昭
登録日 1999-04-02 
登録番号 実用新案登録第2596066号(U2596066) 
権利者 パイロットインキ株式会社
愛知県名古屋市昭和区緑町3-17
考案の名称 筆記具等のキャップ  

プライバシーポリシー   セキュリティーポリシー   運営会社概要   サービスに関しての問い合わせ