• ポートフォリオ機能


ポートフォリオを新規に作成して保存
既存のポートフォリオに追加保存

  • この表をプリントする
PDF PDFをダウンロード
審決分類 審判 全部申し立て   B62D
管理番号 1020893
異議申立番号 異議1999-70484  
総通号数 14 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 実用新案決定公報 
発行日 2001-02-23 
種別 異議の決定 
異議申立日 1999-02-10 
確定日 2000-07-19 
異議申立件数
事件の表示 登録第2580542号「ステアリングコラムの支持装置」の実用新案登録に対する実用新案登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。   
結論 登録第2580542号の実用新案登録を取り消す。
理由 1本件考案
本件実用新案登録第2580542号の請求項1に係る考案は、平成3年3月13日に出願され、平成10年6月26日にその実用新案登録の設定登録がなされ、その後、富士機工株式会社より異議の申立てがなされ、取消理由通知がなされ、その指定期間内である平成12年5月1日に意見書が提出されたものであり、請求項1に係る考案は、登録明細書及び図面の記載からみて、その実用新案登録請求の範囲の請求項1に記載された事項により構成されるとおりの次のものである。
「互いに平行な左右1対の支持壁を有し、車体に固定される取付ブラケットと、コラムの中間部に固定されて、前記1対の支持壁の間に、前後方向並びに上下方向の位置調節自在に支持された結合ブラケットと、前記取付ブラケットに対するこの結合ブラケットの固定並びにその解除を行なわせる係脱手段と、この係脱手段を操作する調節レバーとから成るステアリングコラムの支持装置に於いて、前記結合ブラケットは、塑性変形自在な板材により造られており、前記1対の支持壁の内側面に沿って前後方向並びに上下方向に摺動自在な、互いに平行な左右1対の連結板部と、これら1対の連結板部の前端部同士の間に掛け渡された突っ張り板と、前記1対の連結板部の後端縁から連続し、互いに近づき合う方向に折り返された左右1対の折り返し部と、これら両折り返し部同士の間に掛け渡された、後面側を円筒状凹面とした抱持部とを備えており、前記コラムの中間部をこの抱持部の内側に抱持固定する事により、前記結合ブラケットを前記コラムの中間部に固定している事を特徴とするステアリングコラムの支持装置。」
2取消理由通知で引用した刊行物に記載の考案
(1) 引用刊行物1には、本件考案と同じく比較的ステアリングシャフトが直立したエネルギ吸収ステアリングコラムが開示されており、そのエネルギ吸収ブラケット16は塑性変形するものであり、かつ、互いに近づき合う方向に折り返された左右一対の折り返し部に相当する第1のカーリング部30,30と、第1のカーリング部80と第1のステアリングコラム取付部24との間に形成された屈曲部、及び、両折り返し部同士の間に掛け渡された、後面側を円筒状凹面とした抱持部に相当する第1のステアリングコラム取付部24とを備えている。
また、ステアリングコラム取付部24は、ステアリングコラム取付部24とコラムサポート取付部22との間にわたって車両前後方向に延びる左右の連絡部28によって、コラムサポート取付部22に連結されている。
(2) 引用刊行物2には、軸方向に伸縮可能なステアリングシャフトの下端部を回動かつ傾動可能に車体に固定し、該ステアリングシャフトを軸方向に貫通するコラムジャケットにディスタンスプラケットを固定し、該ディスタンスブラケット及びそれを挟持して車体に支持する締付クランプに互いに交叉する長孔を穿設し、それらの長孔に締付ボルトを貫通させるとともに該締付ボルトにレバーハンドルを具えた締付ナットを螺合した車両用ステアリングコラム装置であって、本件考案と同じく比較的ステアリングシャフトが直立したステアリングコラムが開示されている。
第1図及び第4図々示の締付クランブ14,14aは、左右1対の支持壁を有する本件考案の取付ブラケット12に該当している。
第1図、第2図、第3図及び第5図々示のディスタンスブラケット13,13aは、左右1対の連結板部を有する本件考案の結合ブラケット16に該当している。
第1図、第2図、第3図及び第5図々示の締付クランブ14,14a、締付ボルト17、ボルト回り止め具18及び締付ナット19は、本件考案の係脱手段に該当している。
第1図、第2図、第3図及び第5図々示のレバーハンドル22は、本件考案の調節レバーに該当している。
第2図、第3図及び第5図では、本件考案の連結板部の前端部同士の間に掛け渡された突っ張り板を見ることができる。
3対比・判断
本件請求項1に係る考案と刊行物1に記載の考案とを対比すると、刊行物1には、車体に固定されるコラムサポート取付部〈本件考案では、取付ブラケットに該当する。以下、〈〉内は本件考案で使用されている名称を示す。〉を兼ね、コラムの中間部に固定されるステアリングコラム取付部を有するエネルギ吸収ブラケット〈結合ブラケット〉から成るステアリングコラムの支持装置に於いて、前記ステアリングコラム取付部を有するエネルギ吸収ブラケット〈結合ブラケット〉は、塑性変形自在な板材により造られており、前記エネルギ吸収ブラケットの後端縁から連続し、互いに近づき合う方向に折り返された左右1対の屈曲部〈折り返し部〉と、これら両屈曲部〈折り返し部〉同士の間に掛け渡された、後面側を円筒状凹面としたステアリングコラム取付部〈抱持部〉とを備えており、前記コラムの中間部をこのステアリングコラム取付部〈抱持部〉の内側に抱持固定する事により、前記ステアリングコラム取付部を有するエネルギ吸収ブラケット〈結合ブラケット〉を前記コラムの中間部に固定している事を特徴とするステアリングコラムの支持装置が示されている点で本件請求項1に係る考案と一致し、
本件請求項1に係る考案では、ステアリングホイールの高さ位置や前後位置を調節するために「取付ブラケットと結合ブラケットを別部材とし、取付ブラケットは互いに平行な左右1対の支持壁を有し、結合ブラケットは、前記1対の支持壁の間に、前後方向並びに上下方向の位置調節自在に支持され、前記取付ブラケットに対するこの結合ブラケットの固定並びにその解除を行なわせる係脱手段と、この係脱手段を操作する調節レバーと、前記1対の支持壁の内側面に沿って前後方向並びに上下方向に摺動自在な、互いに平行な左右1対の連結板部と、これら1対の連結板部の前端部同士の間に掛け渡された突っ張り板とを有している」構成を備えているのに対し、刊行物1の装置では、取付ブラケットと結合ブラケットが二部材からなるものではなく、上記支持壁、係脱手段、連結板部及び突っ張り板が無い点で相違する。
しかしながら、ステアリングホイールの高さ位置や前後位置を調節するために「取付ブラケットと結合ブラケットを別部材とし、取付ブラケットは互いに平行な左右1対の支持壁を有し、結合ブラケットは、前記1対の支持壁の間に、前後方向並びに上下方向の位置調節自在に支持され、前記取付ブラケットに対するこの結合ブラケットの固定並びにその解除を行なわせる係脱手段と、この係脱手段を操作する調節レバーと、前記1対の支持壁の内側面に沿って前後方向並びに上下方向に摺動自在な、互いに平行な左右1対の連結板部と、これら1対の連結板部の前端部同士の間に掛け渡された突っ張り板とを有している」ステアリングコラムの支持装置は、引用刊行物2に記載されており、また、両刊行物に記載の考案は共にステアリングコラムの支持装置に関する考案であることから、引用刊行物2に記載の考案を引用刊行物1に記載の考案に適用して本件考案のように構成することは当業者がきわめて容易になし得るものである。
4むすび
以上のとおりであるから、本件請求項1に係る考案は、実用新案法3条2項の規定により、実用新案登録を受けることができない。
したがって、本件考案についての実用新案登録は拒絶の査定をしなければならない実用新案登録出願に対してなされたものと認める。
よって、平成6年改正法附則9条7項の規定に基づく、特許法等の一部を改正する法律の施行に伴う経過措置を定める政令(平成7年政令205号)3条2項の規定により、上記のとおり決定する。
異議決定日 2000-05-29 
出願番号 実願平3-21753 
審決分類 U 1 651・ 121- Z (B62D)
最終処分 取消    
特許庁審判長 粟津 憲一
特許庁審判官 鈴木 法明
清水 英雄
登録日 1998-06-26 
登録番号 実用新案登録第2580542号(U2580542) 
権利者 日本精工株式会社
東京都品川区大崎1丁目6番3号
考案の名称 ステアリングコラムの支持装置  
代理人 小山 欽造  
代理人 志賀 富士弥  
代理人 小山 武男  
代理人 小林 博通  
代理人 富岡 潔  

プライバシーポリシー   セキュリティーポリシー   運営会社概要   サービスに関しての問い合わせ