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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない(前置又は当審拒絶理由) G01D
管理番号 1024932
審判番号 審判1998-7167  
総通号数 15 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 実用新案審決公報 
発行日 2001-03-30 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 1998-04-30 
確定日 2000-04-10 
事件の表示 平成 5年実用新案登録願第 61026号「汎用指示計収納用耐圧防爆ケース」拒絶査定に対する審判事件[平成 7年 5月19日出願公開、実開平 7- 26720]について、次のとおり審決する。   
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 第一.手続の経緯・本願考案
本願は、平成5年10月18日の実用新案登録出願である。
その請求項1に係る考案は、平成10年1月23日付け手続補正書及び平成10年5月26日付け手続補正書によって補正された明細書の実用新案登録請求の範囲の請求項1に記載された下記のとおりのものと認める。
記(実用新案登録請求の範囲)
爆発性ガス雰囲気中における被測定対象の計測結果を表示し、かつ制御用の線材の一端側が内部接続された汎用の指示計を収納する収納部と、前記指示計の表示部を目視可能な窓部と、前記線材の他端部を挿通可能な管部とを設け、全体を耐圧防爆構造としたことを特徴とする汎用指示計収納用耐圧防爆ケース。

第二.引用刊行物の記載
これに対して、当審において平成11年7月27日付けで通知した拒絶の理由に引用した、「実公平1-31932号公報(平成1年10月2日出願公告)」(以下、「刊行物1」という)、「実願昭59-11101号(実開昭60-1 23624号(昭和60年8月20日出願公開))のマイクロフィルム」(以下、「刊行物2」という)及び「実願昭59-166683号(実開昭61-80428号(昭和61年5月28日出願公開))のマイクロフィルム」(以下、「刊行物3」という)には、下記の事項が記載されている。
(刊行物1)
刊行物1には、「防爆指示計」に関し、下記の事項が記載されている。
(ア)「第2図は、本考案の一実施例を示し、第1図と同様に現状爆発性ガス蒸気のある雰囲気で使用しているものであり、」(第1頁第2欄19行から21行まで)
(イ)「なお、第2図及び第3図における各部材の符号は、第1図のものと同一である限り、同一の部材を示す」(第1頁第2欄26行から28行まで)
(ウ)上記(イ)の記載に基づき第1図と第2図とを対比し、第1頁第1欄20行から27行までの記載を参照すると、第2図において、「ケーシング10は、ベース12’とこれに脱着可能なカバー14’とからなる。16が指示計部、18は透明体、22はOリング、26はガスケット、30’がガイドピン、36’は袋孔、38は端子ねじ、40は配線穴、42はカバー14’に設けた回り止めとした押しねじによる錠締めねじである。」ことが記載されている。(第1頁第1欄20行から27行、第2図)
(エ)第2図から、「指示計部16はベース12’に収納されている」ことがみてとれる。
(刊行物2)
刊行物2には、「計器用防液ケース」に関し、下記の事項が記載されている。
(オ)「本考案は計器を腐食性、非絶縁性の液体及びガス等より隔離する事を目的とする計器用防液ケースに関する。」(第1頁8行ないし10行)
(カ)「計器も市販の通常タイプのものを使用できるので安価であり且つ入手も容易である」(第4頁12行ないし14行)
(刊行物3)
刊行物3には、「耐圧防爆型和算箱」に関し、第4図を参照して下記の事項が記載されている。(キ)「(13)は第2の耐圧容器で、内部に四隅誤差調整回路(14)が取付けられている。(15)は第3の耐圧容器としての電線管で、端部が第1、第2の耐圧容器(5)(13)の接続部(16)へ接続金具(17)(18)を介して捩じ込まれている。(19)は前記端子台(6)と前記四隅誤差調整回路(14)とを電気接続するケーブルで、1の耐圧容器(5)から電線管(15)を通って第2の耐圧容器(13)に延設されている。」(第6頁9行から16行まで、第4図)

第三.対比
請求項1に係る考案と刊行物1に記載された考案とを対比する。
(刊行物1に記載された考案)
まず、刊行物1の「端子ねじ」及び「配線穴」の記載から、配線は配線穴を通ってケーシング10の内部に導入され指示計部16の端子ねじ38に接続されることは明らかである。また、この配線は指示計器16の制御に用いられることも明らかである。
したがって、刊行物1には下記の考案が記載されている。
記(刊行物1に記載された考案)
爆発性ガス雰囲気中における被測定対象の計測結果を表示し、かつ制御用の配線の一端側が内部接続された指示計部16を収納するベース12’と、前記指示計部16の表示部を目視可能な透明体18及びカバー14’と、前記配線の他端部を挿通可能な配線穴とを設け、全体を耐圧防爆構造とした指示計収納用耐圧防爆ケーシング10。
(一致点・相違点)
ここで、刊行物1に記載された考案の「配線」、「指示計部16」、「ベース12’」、「透明体18及びカバー14’」及び「ケーシング10」は、それぞれ、請求項1に係る考案の「線材」、「指示計」、「収納部」、「窓部」及び「ケース」に相当する。
したがって、請求項1に係る考案と刊行物1に記載された考案とは、下記1の一致点において一致し、下記2の相違点において相違する。
記1(一致点)
爆発性ガス雰囲気中における被測定対象の計測結果を表示し、かつ制御用の線材の一端側が内部接続された指示計を収納する収納部と、前記指示計の表示部を目視可能な窓部と、前記線材の他端部を挿通可能な部分とを設け、全体を耐圧防爆構造としたことを特徴とする指示計収納用耐圧防爆ケース。
記2(相違点)
(a)収納対象である指示計が、請求項1に係る考案では「汎用である」のに対して、刊行物1には「汎用である」との記載はない。
(b)線材の他端部を挿通可能な部分が、請求項1に係る考案では「管部」であるのに対して、刊行物1に記載された考案では「配線穴」である。

第四.当審の判断
上記相違点について検討する。
相違点(a)
請求項1には、「指示計が汎用であること」に関連して他に何らの記載もなく、考案の詳細な説明の欄にも、「指示計が汎用であること」に関連する特定の構成を示す記載は見あたらない。
一方、計器をケースで包囲し絶縁性のガス等の雰囲気の中で使用する場合において、計器として「市販の通常タイプのものを用いる」ことは刊行物2に記載のとおり通常行われていることである(上記(カ))。ここで、「市販の通常のタイプのもの」と「汎用のもの」とが同義であることは明らかである。
また、刊行物1に記載された考案と刊行物2に記載された考案とは、いずれも、計器をケースで包囲することにより特定の雰囲気の中での計器の使用を可能とするもので、両者の課題には共通するものがある。
したがって、相違点(a)は、上記通常行われていること(上記(カ))を参照して、刊行物1に記載された考案の「指示計16」を単に「汎用の指示計」とすることにより、当業者がきわめて容易になしうることである。
相違点(b)
刊行物3の「電線管(15)の端部が・・・接続部(16)へ接続金具(17)(18)を介して捩じ込まれている」(上記(キ))との記載から、「接続部(16)」及び「接続金具(18)」の形状が「管状」(すなわち「管部」)であることは明らかである。そして、ケーブル(19)は管状の接続金具(18)、管状の接続部(16)及び耐圧容器(13)の穴を通って耐圧容器(13)の内部に導入されている。
このように、耐圧防爆型の耐圧容器において、容器のケーブルが通る穴にさらにケーブルが通る管部を設けてケーブルを導入することは通常行われていることである。
したがって、相違点(b)は、上記通常行われていること(上記(キ))を参照して、刊行物1に記載された考案の「配線穴40」の箇所に「管部」を設けることより、当業者がきわめて容易になしうることである。
(効果)
また、請求項1に係る考案の効果についても、刊行物1から刊行物3までに記載された事項から、当業者が予測をすることができる程度のものである。
(請求人の主張等)
なお、請求人は、平成11年10月7日付け意見書において、
「仮に、引用例2に記載の「計器として市販の通常タイプのものを使用できる」を参照し、引用例2に記載の「市販の通常タイプの計器」を引用例1の「指示計部16」に代えようとしても、引用例1の指示計部16には、袋孔36’に挿入されるガイドピン30’を突設する必要があることから、前記引用例2に記載の「市販の通常タイプの計器」は、ガイドピン30’を予め備えたもの、またはガイドピン30’を保持し得る強度を有し、かつ袋孔36’に対応した位置に設けられるガイドピン30’用の取付部を予め備えたものであることが要求されます。このため、引用例2に記載の「市販の通常タイプの計器」を引用例1の「指示計部16」に代えることは、きわめて容易には行えないと思料します。」
と主張している。
ところで、刊行物1には、ガイドピン30’と袋孔36’とを備えることが記載されているが、それらに関して、「ガイドピン30’が袋孔36’と案内されて、指示計部16がベース12’と透明体18との間で一定の方向に位置決め安置される」(第3欄21行から24行まで)と記載されているように、ガイドピン30’と袋孔36’は、指示計部16とベース12’との位置決めの案内のために設けられるものである。
しかし、指示計部16とベース12’との位置決めは案内に依らなくとも可能であることは、刊行物1の記載からも明らかであることから、ガイドピンと袋孔とを備えることは引用すべき指示計部の構成として不可欠の要素であると言うことはできない。そして、ガイドピンと袋孔とを備えることは指示計部の構成として不可欠の要素であると言うことはできないとして、刊行物1に記載された考案を上記「第三.対比 (刊行物1に記載された考案)」の欄に記載のように認定をした。
したがって、刊行物1に記載の「ガイドピン30’及び袋孔36’を備えること」は同刊行物に記載の指示計部16を「市販の通常タイプの計器」に代えることを妨げる構成である、と言うことはできず、請求人の上記主張は採用することができない。

第五.むすび
以上のとおりであるから、本願の請求項1に係る考案は、上記刊行物1から刊行物3までに記載された考案に基いて当業者がきわめて容易に考案をすることができたものである。
したがって、本願の請求項1に係る考案は、実用新案法第3条第2項の規定により実用新案登録を受けることができない。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 1999-11-19 
結審通知日 1999-12-03 
審決日 2000-02-07 
出願番号 実願平5-61026 
審決分類 U 1 8・ 121- WZ (G01D)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 後藤 時男  
特許庁審判長 新宮 佳典
特許庁審判官 高瀬 浩一
榮永 雅夫
考案の名称 汎用指示計収納用耐圧防爆ケース  
代理人 中村 壽夫  
代理人 萼 経夫  
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