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審決分類 |
審判 訂正 ただし書き2号誤記又は誤訳の訂正 訂正する E05D 審判 訂正 ただし書き3号明りょうでない記載の釈明 訂正する E05D |
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管理番号 | 1024934 |
審判番号 | 審判1999-39084 |
総通号数 | 15 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 実用新案審決公報 |
発行日 | 2001-03-30 |
種別 | 訂正の審決 |
審判請求日 | 1999-10-13 |
確定日 | 2000-05-01 |
訂正明細書 | 有 |
事件の表示 | 実用新案登録第2547422号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 登録第2547422号実用新案の明細書及び図面を本件審判請求書に添付された訂正明細書及び図面のとおり訂正することを認める。 |
理由 |
1.手続きの経緯 本件実用新案登録第2547422号(平成3年8月30日実用新案登録出願、平成9年5月23日設定登録)に関する訂正審判請求に対し、訂正拒絶理由を通知したところ、平成12年2月28日付け手続補正書により、訂正明細書の補正がなされた。 2.訂正審判請求書の補正の適否 (1)訂正審判請求書の補正の内容 a.訂正明細書の請求項1の「小径部を挿通させつつ介在させたフリクションワッシャーと、」を、 「小径部を挿通させつつ介在させたスライダーワッシャーと、」と補正する。 b.訂正明細書の段落【0002】の「軸受プレートを挟んで左右にフリクションワッシャーと」を、 「軸受プレートを挟んで左右にスライダーワッシャーと」と補正する。 c.訂正明細書の段落【0005】の「小径部を挿通させつつ介在させたフリクションワッシャーと、」を、 「小径部を挿通させつつ介在させたスライダーワッシャーと、」と補正する。 d.訂正明細書の段落【0017】の「フリクションワッシャ一9」(4箇所)を、 「スライダーワッシャー9」(4箇所)と補正する。 e.訂正明細書の段落【0017】の「圧接させられている。」を、 「圧接させられることにより、軸受プレート5bの両側に摩擦力を発生させるものである。」と補正する。 f.訂正明細書の段落【0017】の「圧接させられることになる。」を、 「圧接させられることにより、軸受プレート5bの両側に摩擦力を発生させるものである。」と補正する。 g.訂正明細書の【符号の説明】の「9 フリクションワッシー」を、 「9 スライダーワッシャー」と補正する。 (2)訂正審判請求書の補正の適否の判断 上記補正aないしd、及びgは、訂正事項の削除にあたり、上記補正e及びfは、考案の詳細な説明の記載において、記載を追加することによって、不十分な記載をより明瞭なものとするものであって、明りようでない記載の釈明を目的とするものと認められるから、上記補正aないしgは、訂正審判請求書の要旨を変更するものでなく、特許法等の一部を改正する法律(平成5年法律第26号)で改正された実用新案法第38条第2項の規定に適合し、上記補正は認められる。 なお、本件訂正審判請求に対し通知した訂正拒絶理由は、「スライダーワッシャー」を「フリクションワッシャー」とする訂正は、特許法等の一部を改正する法律(平成5年法律第26号)附則第4条第2項の規定により読み替えるとされる旧実用新案法第39条第1項の規定に適合しないというものであるが、上記訂正審判請求書の補正aないしd、及びgの訂正事項の削除により、上記訂正拒絶理由はないものとなった。 3.訂正審判請求書の要旨 上記訂正審判請求書の補正が認められたことにより、本件訂正審判請求書の要旨は、本件実用新案登録第2547422号の明細書及び図面を、上記平成12年2月28日付け手続補正書により補正された訂正明細書及び訂正図面のとおり、すなわち下記のとおり訂正することを求めるものである。 a.登録明細書(平成8年9月2日付け手続補正書により補正された明細書)の段落【0010】の「フリクションプレート」(2箇所)を、「フリクションワッシャ一」(2箇所)と訂正する。 b.同明細書の段落【0002】の「軸受穴」(2箇所)を、「軸受孔」(2箇所)と、 同明細書の段落【0017】の「軸受穴6」(2箇所)を、「軸受孔6」(2箇所)と、 同明細書の段落【0020】の「軸受穴27」を、「軸受孔27」と、 同明細書の段落【0021】の「軸受穴31」(2箇所)を、「軸受孔31」(2箇所)と、 同明細書の【符号の説明】の「軸受穴」を、「軸受孔」と、それぞれ、訂正する。 c.同明細書の段落【0017】の「圧接させられている。」を、 「圧接させられることにより、軸受プレート5bの両側に摩擦力を発生させるものである。」と訂正する。 d.同明細書の段落【0017】の「圧接させられることになる。」を、 「圧接させられることにより、軸受プレート5bの両側に摩擦力を発生させるものである。」と訂正する。 e.同明細書の段落【0020】の「取付ピン27」を、「取付ピン28」と訂正する。 f.同明細書の段落【0021】の「図6」を、「図4」と訂正する。 g.同明細書に添付した図面の図4において、符号「27」を「28」と訂正する。 h.同明細書に添付した図面の図4において、符号25の引き出し線を追記訂正する。 4.訂正の適否の判断 上記訂正a、b、e、f及びgは、明らかな誤記の訂正を目的とするものであり、 上記訂正c及びdは、考案の詳細な説明の記載において記載を追加することにより、不十分な記載をより明瞭なものとするものであり、上記訂正hは、図面において、符号25がどの部分をさすものか明瞭にするものであるから、上記訂正c、d及びhは、明りようでない記載の釈明を目的とするものである。 そして、上記訂正aは、本来の正しい用語とするための訂正であり、上記訂正bは、請求項1ないし3に「軸受孔」とあることに基づく訂正であり、上記訂正c及びdは、スライダーワッシャー9とフリクションワッシャー10が軸受プレート5bの両側へ圧接させられていることにより、当然に導き出されるものであり、上記訂正e及びgは、「軸受孔27」と符号27が重複することによる訂正であり、上記訂正fは、「図6」は存在せず「図4」の間違いであることに基づく訂正であり、上記訂正hは、図4に符号25の引き出し線が記載されていないことによる訂正であるから、上記訂正aないしhは、願書に添付した明細書又は図面の記載事項の範囲内の訂正であり、また実用新案登録請求の範囲を実質上拡張又は変更するものでもなく、かつ、訂正後における実用新案登録請求の範囲に記載されている事項により構成される考案は、出願の際独立して実用新案登録を受けることができないものでもない。 5.むすび 以上のとおりであるから、本件訂正審判の請求は、特許法等の一部を改正する法律(平成5年法律第26号)附則第4条第2項で読み替える旧実用新案法第39条第1項第2号及び第3号に掲げる事項を目的とし、かつ、同条第1項ないし第3項の規定に適合するものである。 よって、結論のとおり審決する。 |
発明の名称 |
(54)【考案の名称】 OA機器用チルトヒンジ (57)【実用新案登録請求の範囲】 【請求項1】 装置本体側へ取り付けられる取付ベースと軸受プレートから成る取付部材と、小径部と大径部を有し前記小径部を前記軸受プレートに設けた軸受孔へ軸受けさせた前記装置本体に対して上下方向に開閉されるディスプレー体の支持部材を兼ねる回転シャフトと、この回転シャフトの大径部と前記軸受プレートの間にその中心部に前記小径部を挿通させつつ介在させたスライダーワッシャーと、前記軸受プレートの他側面側にその一側面を接しつつその中心部に前記小径部を挿通させて設けた機械的強度と耐摩耗性を有する材料で構成したフリクションワッシャーと、このフリクションワッシャーの他側面にその一側面を接しつつその中心部に前記小径部を挿通させつつ設けたスプリングワッシャーと、このスプリングワッシャーの他側面に一側面を接しつつその中心部に前記小径部を挿通させて設けた押え用ワッシャーとから成り、前記各ワッシャーを圧接状態とするために前記押え用ワッシャーの他側面に接して前記小径部の端部をかしめることによって、前記回転シャフトが所定の回転トルクを加えられたときのみ回転するように構成したことを特徴とする、OA機器用チルトヒンジ。 【請求項2】 装置本体側へ取り付けられる取付ベースと軸受プレートから成る取付部材と、小径部を有しこの小径部を前記軸受プレートに設けた軸受孔へ軸受させた前記装置本体に対して上下方向に開閉されるディスプレー体の支持部材を兼ねる金属製の回転シャフトと、この回転シャフトに固着された大径の合成樹脂製の回転円盤と、前記小径部を中心部に挿通させつつ前記回転円盤に係止された中間ワッシャーと、この中間ワッシャーと前記軸受プレートの間にその中心部に前記小径部を挿通させつつ介在させた機械的強度と耐摩耗性を有する材料で構成したフリクションワッシャーと、前記軸受プレートの他側面側にその一側面を接しつつその中心部に前記小径部を挿通させて設けたスプリングワッシャーと、このスプリングワッシャーの他側面に一側面を接しつつその中心部に前記小径部を挿通させて設けた押え用ワッシャーとから成り、前記各ワッシャーを圧接状態とするために前記押え用ワッシャーの他側面に接して前記小径部の端部をかしめることによって、前記回転シャフトが所定の回転トルクを加えられたときのみ回転するように構成したことを特徴とする、OA機器用チルトヒンジ。 【請求項3】 装置本体側へ取り付けられる取付ベースと軸受プレートから成る取付部材と、小径部と大径部を有し前記小径部を前記軸受プレートに設けた軸受孔へ軸受させた前記装置本体に対して上下方向に開閉されるディスプレー体の支持部材を兼ねる金属製の回転シャフトと、この回転シャフトに固着された大径の合成樹脂製の回転円盤と、前記小径部を中心部に挿通させつつ前記回転円盤に係止された中間ワッシャーと、この中間ワッシャーと前記軸受プレートの間にその中心部に前記小径部を挿通させつつ介在させた機械的強度と耐摩耗性を有する材料で構成したフリクションワッシャーと、前記軸受プレートの他側面側にその一側面を接しつつその中心部に前記小径部を挿通させて設けたフリクションワッシャーと、このフリクションワッシャーの他側面にその一側面を接しつつその中心部に前記小径部を挿通させつつ設けたスプリングワッシャーと、このスプリングワッシャーの他側面に一側面を接しつつその中心部に前記小径部を挿通させて設けた押え用ワッシャーとから成り、前記各ワッシャーを圧接状態とするために前記押え用ワッシャーの他側面に接して前記小径部の端部をかしめることによって、前記回転シャフトが所定の回転トルクを加えられたときのみ回転するように構成したことを特徴とする、OA機器用チルトヒンジ。 【請求項4】 大径部には一体的にスイッチ押圧部を隆設したことを特徴とする、請求項1のOA機器用チルトヒンジ。 【請求項5】 前記フリクションワッシャーを燐青銅で構成したことを特徴とする、請求項1乃至請求項3のOA機器用チルトヒンジ。 【考案の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】 この考案は、とくにラップトップ型或は卓上型のワードプロセッサーやパソコン等のOA機器のディスプレー体を開閉する際に用いて好適な、OA機器用チルトヒンジに関する。 【0002】 【従来の技術】 従来、この種のチルトヒンジは、ディスプレー体を装置本体に対し、その使用開成角度(90°?135°)において任意の位置で安定停止保持することを要し、そのための構成として、装置本体に取り付けられる取付ベースと軸受プレートを直角方向に折り曲げて断面アングル形に構成した取付部材の軸受プレートに軸受孔を設け、この軸受孔に鍔部を有する回転シャフトを挿通させ、軸受プレートを挟んで左右にスライダーワッシャーとスプリングワッシャーをその中心部にそれぞれ回転シャフトを挿通させつつ介在させ、回転シャフトの端部をかしめることにより軸受プレートの両側に摩擦力を生じさせ、回転シャフトを所定のトルクによってのみ回転するようにして、この回転シャフトに固定させたディスプレー体を使用開成角度の任意の位置で停止保持できるようにしたものが公知である。 【0003】 【考案が解決しようとする課題】 この従来のOA機器用チルトヒンジは、摩擦力だけによってディスプレー体をその使用開成角度で保持することを要するため強いかしめトルクを必要とし、永年使用すると摩擦部分、とくに金属製のワッシャーと軸受プレートとの間に摩耗が生じ、当初の回転トルクが減少することによって、ディスプレー体の使用開成角度における任意の位置での停止保持能力が減退してしまうという問題があった。 【0004】 この考案の目的は、摩擦部材の摩耗を可及的に防止し、永年使用の後においてもディスプレー体の使用開成角度における任意の位置での停止保持能力が減退しないように構成した、安価なOA機器用チルトヒンジを提供せんとするにある。 【0005】 【課題を解決するための手段】 上述した目的を達成するためにこの考案は、装置本体側へ取り付けられる取付ベースと軸受プレートから成る取付部材と、小径部と大径部を有し前記小径部を前記軸受プレートに設けた軸受孔へ軸受けさせた前記装置本体に対して上下方向に開閉されるディスプレー体の支持部材を兼ねる回転シャフトと、この回転シャフトの大径部と前記軸受プレートの間にその中心部に前記小径部を挿通させつつ介在させたスライダーワッシャーと、前記軸受プレートの他側面側にその一側面を接しつつその中心部に前記小径部を挿通させて設けた機械的強度と耐摩耗性を有する材料で構成したフリクションワッシャーと、このフリクションワッシャーの他側面にその一側面を接しつつその中心部に前記小径部を挿通させつつ設けたスプリングワッシャーと、このスプリングワッシャーの他側面に一側面を接しつつその中心部に前記小径部を挿通させて設けた押え用ワッシャーとから成り、前記各ワッシャーを圧接状態とするために前記押え用ワッシャーの他側面に接して前記小径部の端部をかしめることによって、前記回転シャフトが所定の回転トルクを加えられたときのみ回転するように構成したものである。 【0006】 この考案はまた、装置本体側へ取り付けられる取付ベースと軸受プレートから成る取付部材と、小径部を有しこの小径部を前記軸受プレートに設けた軸受孔へ軸受させた前記装置本体に対して上下方向に開閉されるディスプレー体の支持部材を兼ねる金属製の回転シャフトと、この回転シャフトに固着された大径の合成樹脂製の回転円盤と、前記小径部を中心部に挿通させつつ前記回転円盤に係止された中間ワッシャーと、この中間ワッシャーと前記軸受プレートの間にその中心部に前記小径部を挿通させつつ介在させた機械的強度と耐摩耗性を有する材料で構成したフリクションワッシャーと、前記軸受プレートの他側面側にその一側面を接しつつその中心部に前記小径部を挿通させて設けたスプリングワッシャーと、このスプリングワッシャーの他側面に一側面を接しつつその中心部に前記小径部を挿通させて設けた押え用ワッシャーとから成り、前記各ワッシャーを圧接状態とするために前記押え用ワッシャーの他側面に接して前記小径部の端部をかしめることによって、前記回転シャフトが所定の回転トルクを加えられたときのみ回転するように構成したものである。 【0007】 この考案はさらに、装置本体側へ取り付けられる取付ベースと軸受プレートから成る取付部材と、小径部と大径部を有し前記小径部を前記軸受プレートに設けた軸受孔へ軸受させた前記装置本体に対して上下方向に開閉されるディスプレー体の支持部材を兼ねる金属製の回転シャフトと、この回転シャフトに固着された大径の合成樹脂製の回転円盤と、前記小径部を中心部に挿通させつつ前記回転円盤に係止された中間ワッシャーと、この中間ワッシャーと前記軸受プレートの間にその中心部に前記小径部を挿通させつつ介在させた機械的強度と耐摩耗性を有する材料で構成したフリクションワッシャーと、前記軸受プレートの他側面側にその一側面を接しつつその中心部に前記小径部を挿通させて設けたフリクションワッシャーと、このフリクションワッシャーの他側面にその一側面を接しつつその中心部に前記小径部を挿通させつつ設けたスプリングワッシャーと、このスプリングワッシャーの他側面に一側面を接しつつその中心部に前記小径部を挿通させて設けた押え用ワッシャーとから成り、前記各ワッシャーを圧接状態とするために前記押え用ワッシャーの他側面に接して前記小径部の端部をかしめることによって、前記回転シャフトが所定の回転トルクを加えられたときのみ回転するように構成したものである。 【0008】 その際この考案は、前記回転シャフトの大径部に一体的にスイッチ押圧部を隆設することができる。 【0009】 そしてこの考案は、前記フリクションワッシャーを燐青銅で構成することができる。 【0010】 【作用】 請求項1のように構成した場合には、取付部材の取付ベースを装置本体へ固着し、回転シャフトをディスプレー体へ固着してディスプレー体を開閉させると、回転シャフトはフリクショントルクを有し、所定の回転トルクが与えられないと回転しないので、このフリクショントルクにより、ディスプレー体を任意の開成位置で自由に停止保持させることができる。さらに、フリクションワッシャーを機械的強度を耐摩耗性に富んだ材料で構成してあるので、小径部をかしめる際に割れたり、潰れたりしてしまうことがない上に、軸受プレートに焼き入れしてあるスプリングワッシャーが直に接触することがないので、永年使用の後においても摩耗してしまうことがない。さらに、フリクションワッシャーにスプリングワッシャーが直に接触していることから、小径部をかしめることによって生ずる押圧力がフリクションワッシャーへ直に伝わり、かしめによっても大きなフリクショントルクを得ることができる。 【0011】 請求項2のように構成すると、回転シャフトに大径の金属製の棒を用い、これより旋盤加工で切削して大径部を切り出さなくとも、合成樹脂製の回転円盤で大径部を代替えでき、しかも、この回転円盤の一側面に中間ワッシャーを取り付けたことにより、回転によって圧接面が摩耗してしまうこともないものである。 【0012】 請求項3のように構成すると、請求項1と請求項2を合わせた作用を奏し得る。 【0013】 請求項4のように構成すると、回転シャフトと共に回転するスイッチ押圧部で、ディスプレー体の開閉操作に伴いOA機器本体のスイッチを自動的にON、OFFさせることができるものである。 【0014】 請求項5のように構成すると、フリクションワッシャーを燐青銅で構成すると、機能的強度を有し耐摩耗性に富むことから、さらに強いかしめトルクでかしめても、割れたり、潰れたりすることなく、さらに永年使用の後において摩耗によって回転トルクが減退してしまうことを可及的に防止することができるものである。 【0015】 【実施例】 図面はこの考案の一実施例を示し、図1においてキーボード1を設けた、例えばワードプロセッサーの装置本体2には、液晶を用いたディスプレー体4が突出部3を介して開閉自在に取り付けられている。実施例ではディスプレー体4を開いた状態のものを示してあるが、不使用時には閉じられており、ディスプレー体4より突設させた係止片4a,4aが、装置本体2側に設けた係止穴2a,2aと係合しロックされている。 【0016】 ディスプレー体4を開閉させるヒンジは、図1のA視の部分に設置されており、その構造は図2以下に示されている。 【0017】 図面によれば図2乃至図3において5は取付部材であり、装置本体2側に取り付けられている。この取付部材5は取付ベース5aと軸受プレート5bを有し、軸受プレート5bには軸受孔6が設けられている。この軸受孔6には支持部材を兼ねる回転シャフト7がその小径部7aを軸受けさせている。この回転シャフト7は小径部7aに続いて設けられた大径部7bとこの大径部7bに続いて設けられた取付部7cを有し、この取付部7cをディスプレー体4の一部に固着させている。大径部7bの外周には、一体にストッパーを兼ねるスイッチ押圧部8が隆設されており、このスイッチ押圧部8と軸受プレート5bの一側面との間には、スライダーワッシャー9がその挿通穴9aに小径部7aを挿通させつつ介在させてある。軸受プレート5bの他側面には機械的強度と耐摩耗性を有する例えば燐青銅製のフリクションワッシャー10とスプリングワッシャー11が、その挿通穴10a,11aを回転シャフト7の小径部7aに通すことによって介在させてある。スプリングワッシャー11にはさらに押え用ワッシャー12が、その挿通穴12aへ回転シャフト7の小径部7aを通すことによって当接されており、この小径部7aの端部をかしめることにより、スライダーワッシャー9とフリクションワッシャー10が取付部材5の軸受プレート5bの両側へ圧接させられることにより、軸受プレート5bの両側に摩擦力を発生させるものである。大径部7bの外径とスライダーワッシャー9の外径は略同一であり、押え用ワッシャー12の外径とフリクションワッシャー10及びスプリングワッシャー11の外径とは略同一であることから、スライダーワッシャー9とフリクションワッシャー10は全面に渡って均等に取付部材5の軸受プレート5bへ圧接させられることにより、軸受プレート5bの両側に摩擦力を発生させるものである。 【0018】 スイッチ押圧部8の下側に設置されているのは、OA機器の装置本体2のスイッチ13であり、ディスプレー体4の開閉動作にともなう回転シャフト7の回転角度により、該スイッチ押圧部8によって自動的にON、OFFされるものである。軸受プレート5bにはさらに突片5cが突設されており、回転シャフト7の回転と共に一定の回転角度(135°)でストッパーを兼ねるスイッチ押圧部8と当接する。 【0019】 スプリングワッシャー11は、放射状かつ交互にそれぞれ3個の凹凸11b,11cを等間隔に配置させて成り、この凹凸11b,11cの表面をいずれも平担に構成してある。このことにより、スプリングワッシャー11は、これと略同一の外径を有する押え用ワッシャー12によって軸受プレート5b側へ直にかつ均等に押圧されることになり、小径部7aの端部によるかしめによっても軸受プレート5bとの間で大きな安定した摩擦力が得られる要因となるものである。 【0020】 図4は他の実施例を示し、軸受孔27にその小径部20aを軸受けさせた回転シャフト20の中径部20bには、合成樹脂製の外周にストッパーを兼ねるスイッチ押圧部21aを設けた大径部を兼ねる回転円盤21が取付ピン28を介して取り付けられるようになっており、燐青銅製のフリクションワッシャー22は回転円盤21と取付部材24の軸受プレート24bとの間に硬度のある金属製の中間ワッシャー23を介して介在させられるようになっている。24aは取付ベースである。中間ワッシャー23は係止片23aを有し、充分に図示してないがこの係止片23aを回転円盤21へ係止されるようになっている。取付部材24の軸受プレート24bの他側面には、スプリングワッシャー25と押え用ワッシャー26がそれぞれ中心部に小径部20aを挿通させて介在させられるようになっており、回転シャフト20の小径部20aの端部をかしめることにより、フリクションワッシャー22とスプリングワッシャー25が軸受プレート24bに圧接させられるようになっている。 【0021】 図5はさらに他の実施例を示し、取付ベース30aと軸受プレート30bとから成る取付部材30の軸受プレート30bには軸受孔31が設けられており、この軸受孔31に小径部32aを軸挿させる回転シャフト32と、この回転シャフト32の中径部32bに取付ピン33を介して取り付けられた合成樹脂製の外周にストッパーを兼ねるスイッチ押圧部34aを設けた回転円盤34と、この回転円盤34と軸受プレート30bの一側面との間に介在された金属製の中間ワッシャー35と燐青銅製のフリクションワッシャー36と、軸受プレート30bの他側面との間に介在された、スプリングワッシャー37及び押え用ワッシャー38を有するところまでは先の図4のものと同じであるが、スプリングワッシャー37と軸受プレート30bとの間にさらに燐青銅製のフリクションワッシャー39を介在させてある。 【0022】 このように実施すると、さらに耐摩耗性が向上するという利点がある。 【0023】 尚、以上いずれの実施例の場合においても、回転シャフトの小径部の端部をかしめる際のかしめトルクは、ディスプレー体の重量により任意に選択し得る。 【0024】 ディスプレー体は実施例のようなワードプロセッサー用のもの以外にも、パソコン等を始めとする各種のOA機器用のものであっても良いことは勿論である。 【0025】 【考案の効果】 この考案は以上のように構成したので、次のような効果を奏し得る。 【0026】 請求項1のように構成すると、部品点数が少ないことから安価で、かしめというコストのかからない手段によっても必要にして充分なフリクショントルクを得ることができ、かつ小型で設置スペースを取らず、ディスプレー体を使用開成角度における任意の位置で安定的に停止保持させることができ、この安定停止保持能力は永年に渡って変化することがない上に、ディスプレー体の開成時において急激に落下することを防止できるものである。 【0027】 さらに請求項2のように構成すると、さらに製作コストを下げることができた上で、安定したフリクショントルクを長期に渡って創出することが可能となるものである。 【0028】 請求項3のように構成すると、請求項1と2を合わせた効果を奏し得る。 【0029】 請求項4のように構成すると、ディスプレー体の開閉操作に伴い、OA機器本体のスイッチを自動的のON、OFFさせることができる。 【0030】 その際に、請求項5のように構成すると、燐青銅は機械的強度と耐摩耗に優れていることから小径部をより強くかしめることができ、しかも中間ワッシャーやスプリングワッシャーと良くなじみ、永年使用の後においても摩耗することがない。 【図面の簡単な説明】 【図1】 この考案を実施した例えばワードプロセッサーの斜視図である。 【図2】 図1におけるA視の正面断面図である。 【図3】 この考案に係るチルトヒンジの分解斜視図である。 【図4】 他の実施例を示す分解斜視図である。 【図5】 他の実施例を示す分解斜視図てある。 【符号の説明】 2 装置本体 4 ディスプレー体 5,24,30 取付部材 5a,24a,30a 取付ベース 5b,24b,30b 軸受プレート 5c 突片 6,27,31 軸受孔 7,20,32 回転シャフト 7a,20a,32a 小径部 7b 大径部 7c 取付部 8 スイッチ押圧部 9 スライダーワッシャー 10,22,36,39 フリクションワッシャー 11,25,37 スプリングワッシャー 12,26,38 押え用ワッシャー 13 スイッチ 21,34 回転円盤 21a,34a スイッチ押圧部 23,35 中間ワッシャー 【図面】 |
訂正の要旨 |
(3)訂正の要旨 (a) 平成8年9月2日付差し出しの手続補正書に添付した明細書の第6ページ上から2行目と4行目に「フリクションプレート」とあるのを、別紙訂正明細書に記載したように、「フリクションワッシャー」に訂正する。 (b) 同明細書の下記の個所に「軸受穴」とあるのを、別紙訂正明細書に記載したように、軸受孔」に訂正する。 ▲1▼ 第3ページ上から6行目(2箇所) ▲2▼ 第7ページ上から9行目(2箇所) ▲3▼ 第8ページ上から14行目 ▲4▼ 第8ページ下から1行目 ▲5▼ 第9ページ上から1行目 ▲6▼ 第11ページ上から2行目 (c) 同明細書の第7ページ下から8行目から第7行目にかけて「圧接させられている」とあるのを、別紙訂正明細書に記載したように、「圧接させられることにより、軸受プレート5bの両側に摩擦力を発生させるものである」に訂正する。 (d) 同明細書の第7ページ下から4行目から第3行目にかけて「圧接 させられることになる」とあるのを、別紙訂正明細書に記載したように、「圧接させられることにより、軸受プレート5bの両側に摩擦力を発生させるものである」に訂正する。 (e) 同明細書の第8ページ上から16行目に「取付ピン27」とあるのを、別紙訂正明細書に記載したように、「取付ピン28」に訂正する。 (f) 同明細書の第9ページ上から7行目に「図6」とあるのを、別紙訂正明細書に記載したように「図4」に訂正する。 (g) 同明細書に添付した図面の図4を別紙訂正図面に記載したように訂正する。 |
審決日 | 2000-04-05 |
出願番号 | 実願平3-77160 |
審決分類 |
U
1
41・
852-
Y
(E05D)
U 1 41・ 853- Y (E05D) |
最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 米津 潔、南澤 弘明 |
特許庁審判長 |
樋口 靖志 |
特許庁審判官 |
白樫 泰子 小野 忠悦 |
登録日 | 1997-05-23 |
登録番号 | 実用新案登録第2547422号(U2547422) |
考案の名称 | OA機器用チルトヒンジ |
代理人 | 伊藤 捷雄 |
代理人 | 伊藤 捷雄 |