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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない(前置又は当審拒絶理由) F15B
管理番号 1024938
審判番号 審判1997-20262  
総通号数 15 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 実用新案審決公報 
発行日 2001-03-30 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 1997-11-27 
確定日 2000-04-24 
事件の表示 平成 3年実用新案登録願第 11112号「アクチュエータ」拒絶査定に対する審判事件[平成 4年 9月 2日出願公開、実開平 4-101806]について、次のとおり審決する。   
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 本件考案は、平成3年2月8日に実用新案登録出願されたものであって、その請求項1に係る考案(以下、「本件考案」という。)は、平成11年12月8日付けの手続補正により補正された実用新案登録請求の範囲の請求項1に記載された次のとおりのものと認める。
「一面の幅方向両端部に段部を形成し、該段部と頂部(21)とによって断面逆T字形状を成し、長手方向の全長に亙ってシリンダ腔部(7)を貫通形成するとともに前記シリンダ腔部(7)にピストン(2)を往復動自在に内挿したシリンダ本体(1)と、
前記頂部に係合する凹部と、前記両段部に係合するガイド部とを有して、前記ピストン(2)の往復動方向と直交する方向の断面を略コ字状とし、前記ピストン(2)の往復動に従動して前記ピストン(2)に対して連結されたテーブル(3)と、を備え、
前記ガイド部の幅寸法が前記段部の幅寸法より小さく設定されるとともに、前記テーブル(3)の幅寸法がシリンダ本体(1)の幅寸法より小さく設定され、前記頂部(21)の両側面および前記ガイド部の内側面には、転動体を介装する直線状で単列の軌道溝がそれぞれその全長に亙って直接設けられていることを特徴とするアクチュエータ。」

これに対して、当審で通知した平成11年8月11日付けの拒絶理由通知において引用した、実願昭63-18494号(実開平1-122507号)のマイクロフィルム(以下、「引用例イ」という。)には、本件考案と同一技術分野に属すると認められるアクチュエータにおいて、次の事項が記載されている。
(構成要件の名称は対応の明らかなものについては本件考案の名称に読み替えて記載し、必要により引用例イにおける名称又は符号を付す。以下、その余の引用例についても同じ。)
「一面の幅方向両端部に段部を形成し、該段部と頂部とによって断面逆T字形状を成し、長手方向の全長に亙ってシリンダ腔部4a,4bを貫通形成するとともに前記シリンダ腔部にピストン6を往復動自在に内挿したシリンダ本体1と、
前記頂部に係合する凹部と、前記両段部に係合するガイド部とを有して、前記ピストン6の往復動方向と直交する方向の断面を略コ字状とし、前記ピストン6の往復動に従動して前記ピストン6に対して連結されたテーブル2と、を備え、
前記テーブル2の幅寸法がシリンダ本体1の幅寸法より大きく設定され、前記頂部の両側面および前記ガイド部の内側面には、リニアボールガイド3が設けられているアクチュエータ。」

そこで、本件考案と引用例イ記載の考案を対比すると、以下の点で相違がある。
A,本件考案においては、
「ガイド部の幅寸法が段部の幅寸法より小さく設定されるとともに、前記テーブル(3)の幅寸法がシリンダ本体(1)の幅寸法より小さく設定され」ているのに対し、引用例イ記載の考案においては、
「テーブル2の幅寸法がシリンダ本体1の幅寸法より大きく設定され」ているにすぎず、また、「ガイド部の幅寸法が段部の幅寸法より小さく設定され」ているか否か不明である点。(以下、「相違点A」という。)
B,本件考案においては、
「頂部(21)の両側面およびガイド部の内側面には、転動体を介装する直線状で単列の軌道溝がそれぞれその全長に亙って直接設けられている」のに対し、引用例イ記載の考案においては、
「頂部の両側面およびガイド部の内側面には、リニアボールガイド3が設けられている」ものである点。(以下、「相違点B」という。)

そこで、上記相違点Aについて検討するに、上記拒絶理由通知において引用した、実願昭62-140731号(実開昭64-45008号)のマイクロフィルム(以下、「引用例ロ」という。)には、その第4図に、
「テーブル44の幅寸法がシリンダ本体41の幅寸法より小さく設定され」ている点が記載されている。
したがって、この引用例ロの示唆に基づいて上記引用例イ記載の考案において、シリンダ本体1の幅寸法をテーブル2の幅寸法より大きくすることは、例えばシリンダ本体1の段部(逆T字状のシリンダ本体1の底辺部分の両端部)を幅広に拡大することにより、きわめて容易に想到できるものである。
さらに、「ガイド部の幅寸法が段部の幅寸法より小さく設定される」点は、上述のように、引用例ロ記載の考案において、シリンダ本体1の幅寸法をテーブル2の幅寸法より大きくすれば必然的にガイド部の幅寸法が段部の幅寸法より小さくなるものであるから、結局、引用例イ記載の考案において、シリンダ本体1の幅寸法をテーブル2の幅寸法より大きくすることがきわめて容易に想到できるものである以上、この点もきわめて容易に想到できるものにすぎない。

次に、上記相違点Bについて検討すると、上記拒絶理由通知において引用した、実願昭57-2659号(実開昭58-106130号)のマイクロフィルム(以下、「引用例ハ」という。)には、その第4,5図に記載されているように、軸線の向きを交互に直角方向に変えた円筒ころ15,すなわちクロスローラがシリンダ本体の両側面及びテーブルの内側面にそれぞれ直接設けられた直線状で単列のV形溝5,13間に設けられている点が記載されており、しかもこのようなクロスローラを介装する直線状で単列の軌道溝は周知の直線運動の案内手段にすぎない。
したがって、上記引用例イ記載の考案において、直線運動の案内手段としてのリニアボールガイド3に代えて引用例ハ記載のクロスローラを介装する直線状で単列の軌道溝を案内手段として採用することは単なる設計上の選択事項にすぎず、作用効果も予測可能な範囲のものである。
以上のとおりであるから、本件考案は、引用例イ記載に考案に引用例ロ、ハ記載の考案を適用することにより、当業者がきわめて容易に考案をすることができたものである。
したがって、本件考案は、実用新案法第3条第2項の規定により実用新案登録を受けることが出来ない。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 2000-02-14 
結審通知日 2000-02-25 
審決日 2000-03-07 
出願番号 実願平3-11112 
審決分類 U 1 8・ 121- WZ (F15B)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 山下 喜代治田々井 正吾佐藤 健人  
特許庁審判長 佐藤 洋
特許庁審判官 鳥居 稔
和田 雄二
考案の名称 アクチュエータ  
代理人 高塚 一郎  
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