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審決分類 審判    B44C
管理番号 1024946
審判番号 審判1998-7575  
総通号数 15 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 実用新案審決公報 
発行日 2001-03-30 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 1998-05-08 
確定日 2000-05-08 
事件の表示 平成 5年実用新案登録願第 9554号「壁紙糊付機」拒絶査定に対する審判事件[平成 6年 9月 6日出願公開、実開平 6- 63399]について、次のとおり審決する。   
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 【1】 本件出願は、平成5年2月15日に出願されたものであって、その実用新案登録を受けようとする考案は、平成9年7月22日付け及び平成10年6月8日付けの手続補正書により補正された明細書及び出願当初の図面の記載からみて、その実用新案登録請求の範囲に記載された次のとおりのものと認める。
「【請求項1】 一対のピンチロールによって本体内に引入れたシート状壁装材を複数のロールにより所定の経路に案内しつつ、前記本体内の糊桶内の糊を糊付ロールにより前記壁装材の一面に連続的に転写する壁紙糊付機において、前記壁装材の移動に従動回動して該壁装材の引出し長さを計測する測長ゴムロールと、該測長ゴムロールの軸回転出力を電気信号に変換する変換手段と、前記測長ゴムロールの外周長が所定の設計値より大きい場合は、該変換手段から出力される電気信号に設計精度に基づいた加算又は係数乗算の演算処理を加え、前記測長ゴムロールの外周長が所定の設計値より小さい場合又は前記測長ゴムロールの径が前記壁装材の厚さによる弾性力の変化により所定の設計値より小さくなる場合には、前記変換手段から出力される電気信号に設計精度に基づいた減算又は係数乗算の演算処理を加える補正演算手段と、該補正演算手段を介した測長結果を表示する表示手段と、を備えたことを特徴とする壁紙糊付機。」
【2】 1 原審の拒絶理由において引用した本件出願の出願前に日本国内において頒布された刊行物である各刊行物には、それぞれ次の考案が記載されている。
(1) 実願昭63-73713号(実開平1-179769号)のマイクロフィルム(以下、第1引用例という)
一対のピンチロールとして作用する押さえローラ及び測長ローラによって本体内に引入れた長尺の壁紙を複数のロールにより所定の経路に案内しつつ、前記本体内の糊箱内の糊を糊付ロールにより前記長尺の壁紙の一面に連続的に転写する壁紙糊付機において、前記長尺の壁紙の移動に従動回動して該長尺の壁紙の引出し長さを計測する測長ロールと、該測長ロールに固定されたスリット円盤のスリットを計数する手段と、測長結果を表示する測長メータと、を備えたことを特徴とする壁紙糊付機。
そして、第1引用例に記載された考案における壁紙は、長尺の壁装材に、以下同じく、糊箱は、糊桶に、測長ロールに固定されたスリット円盤のスリットを計数する手段は、測長ロールの軸回転出力を電気信号に変換する変換手段に、測長メータは、測長結果を表示する表示手段に相当するもと認める。
(2) 実公昭59-25507号公報(以下、第2引用例という)
一対のピンチロールとして作用する押さえローラ及び測長ローラによって本体内に引入れた壁紙を複数のロールにより所定の経路に案内しつつ、前記本体内の糊箱内の糊を糊付ロールにより前記壁紙の一面に連続的に転写する壁紙糊付機において、前記壁紙の移動に従動回動して該壁紙の引出し長さを計測する測長ロールを表面をゴムで被覆されたものとした壁紙糊付機。
そして、第2引用例に記載された考案における壁紙は、シート状壁装材に、同じく、糊箱は、糊桶に相当するもと認める。
2 原審の拒絶査定において、本件出願の出願前において周知である考案の例として引用した特開昭50-62461号公報(以下、第3引用例という)には、次の考案が記載されている。
測長器の測定用ローラ軸の回転出力を変換するA-D変換器と、測定用ローラの外周長が所定の設計値より大きい場合又は小さい場合には、加算又は減算演算処理を加える論理回路、すなわち、補正演算手段と、該補正演算手段を介した測長結果を表示する表示装置とを備えた測長器。
そして、第3引用例に記載された考案における回転出力を変換するA-D変換器は、回転出力を電気信号に変換する変換手段に、同じく、表示装置は、表示手段に相当するものと認める。
【3】 本件出願の請求項1に係る考案と第1引用例に記載された考案とを比較すると、一対のピンチロールによって本体内に引入れたシート状壁装材を複数のロールにより所定の経路に案内しつつ、前記本体内の糊桶内の糊を糊付ロールにより前記壁装材の一面に連続的に転写する壁紙糊付機において、前記壁装材の移動に従動回動して該壁装材の引出し長さを計測する測長ロールと、該測長ロールの軸回転出力を電気信号に変換する変換手段と、測長結果を表示する表示手段と、を備えた壁紙糊付機である点で一致し、次の点においてのみ相違する。
相違点1:測長ロールについて、本件出願の請求項1に係る考案においては、ゴムロールとしているのに対して、第1引用例に記載された考案においては、ゴムロールとは記載されていない点。
相違点2:本件出願の請求項1に係る考案が、測長ロールの外周長が所定の設計値より大きい場合は、変換手段から出力される電気信号に設計精度に基づいた加算又は係数乗算の演算処理を加え、測長ロールの外周長が所定の設計値より小さい場合又は前記測長ロールの径が壁装材の厚さによる弾性力の変化により所定の設計値より小さくなる場合には、変換手段から出力される電気信号に設計精度に基づいた減算又は係数乗算の演算処理を加える補正演算手段を具備しているのに対して、第1引用例には、この点が記載されていない点。
そこで、前記相違点1について検討する。
審判請求人は、審判請求書において「引用例4には、表面をゴム材で被覆した測長ロール6は開示されたおりますが、このような表面のみをゴムで被覆した測長ロールでは、測長ロール自体がゴムで作製されているものと比べて、測長誤差を生じる程の弾性力の変化は生じにくく、このため径が小さくなったり、壁紙がスリップしたりすることは起こりにくいものと考えられます。」と主張している。
なお、前記「引用例4」は、本審決における第2引用例に相当するものである。
しかし、「測長ゴムロール」については、実用新案登録請求の範囲の請求項1ばかりでなく、明細書のその他の部分にも具体的な構造が記載されていない。
したがって、審判請求人のこの点に係る主張は根拠がない。
そして、第1引用例及び第2引用例に記載された考案は、一対のピンチロールとして作用する押さえローラ及び測長ローラによって本体内に引入れた壁紙を複数のロールにより所定の経路に案内しつつ、前記本体内の糊箱内の糊を糊付ロールにより前記壁紙の一面に連続的に転写する壁紙糊付機において、前記壁紙の移動に従動回動して該壁紙の引出し長さを計測する測長ロールを備えた壁紙糊付機として共通するものであるから、第1引用例に記載された考案における測長ロールに換えて第2引用例に記載された考案における測長ロールを適用して、この相違点において掲げた本件出願の請求項1に係る考案の構成のごとくすることは、当業者がきわめて容易に考えることができたものである。
つぎに、前記相違点2について検討する。
本件出願の実用新案登録請求の範囲の請求項1には、「前記測長ゴムロールの外周長が所定の設計値より小さい場合又は前記測長ゴムロールの径が前記壁装材の厚さによる弾性力の変化により所定の設計値より小さくなる場合には、前記変換手段から出力される電気信号に設計精度に基づいた減算又は係数乗算の演算処理を加える」と記載されている。
しかし、「測長ゴムロールの外周長が所定の設計値より小さい場合」と「測長ゴムロールの径が前記壁装材の厚さによる弾性力の変化により所定の設計値より小さくなる場合」とにおいて「変換手段から出力される電気信号に設計精度に基づいた減算又は係数乗算の演算処理を加える」にあたり、いかにしてこれらを区別するのか具体的な構成が、実用新案登録請求の範囲の請求項1ばかりでなく、明細書のその他の部分にも具体的な構成が記載されていない。
したがって、前記二つの場合において加える演算処理に区別がつかない。
そして、第1引用例及び第3引用例に記載された考案は、引出し長さを計測する測長ロールと、該測長ロールの軸回転出力を電気信号に変換する変換手段と、測長結果を表示する表示手段とを具備した手段として共通するものであり、かつ、第3引用例に記載された考案は、測長ゴムロールの外周長が所定の設計値より小さい場合においても対応することができるものであるから、第3引用例に記載された考案における補正演算手段を第1引用例に記載された考案に具備させることにより、この相違点において掲げた本件出願の請求項1に係る考案の構成のごとくすることは、当業者がきわめて容易に考えることができたものである。
また、本件出願の請求項1に係る考案を全体としてみても、第1引用例、第2引用例及び第3引用例に記載された考案の有する効果の総和以上の新たな効果を奏するものとも認められない。
【4】 以上のとおりであるから、本件出願の請求項1に係る考案は、第1引用例、第2引用例及び第3引用例に記載された考案に基づいて当業者がきわめて容易に考案をすることができたものと認められ、実用新案法第3条第2項の規定により実用新案登録を受けることができない。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 2000-02-16 
結審通知日 2000-02-29 
審決日 2000-03-14 
出願番号 実願平5-9554 
審決分類 U 1 80・ 121- Z (B44C)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 阿部 寛井上 茂夫宮崎 敏長  
特許庁審判長 小林 武
特許庁審判官 桐本 勲
宮崎 侑久
考案の名称 壁紙糊付機  
代理人 佐藤 年哉  
代理人 佐藤 正年  
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