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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 B05B
管理番号 1024953
審判番号 審判1998-19707  
総通号数 15 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 実用新案審決公報 
発行日 2001-03-30 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 1998-12-11 
確定日 2000-04-26 
事件の表示 平成 4年実用新案登録願第 19305号「マスキング材」拒絶査定に対する審判事件[平成 5年 9月24日出願公開、実開平 5- 70666、 / ]について、次のとおり審決する。   
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 I.手続の経緯・本願考案
本願は、平成4年2月28日の出願であって、その請求項1に係る考案(以下「本願考案」という。)は、平成10年12月28日付け手続補正書により補正された明細書の実用新案登録請求の範囲の請求項1に記載された次のとおりのものと認める。
「【請求項1】ポリスチレン発泡体を材料とし断面コの字形である本体の上面および/または下面に、短手方向に沿って折り溝を設けることによって複数個のユニットに分割したことを特徴とするマスキング材」
II.引用例
1.これに対して、原査定の拒絶理由で引用した、実願昭57-116549号(実開昭59-24176号)のマイクロフイルム(以下、「第1引用例」という)には、
「本考案は、H型鋼、アングル鋼、チャンネル鋼等のような各種の建築用鋼材に錆止ペンキや上塗ペンキ等の塗装を施す場合に用いる養生カバーに関するものである。」(明細書第1頁14行?17行)、
「第3図は、全体断面形状がコ字状を成し、かつ断面形状が三角形である複数の突条体31を有する養生カバー3を示す斜視図である。この養生カバーは塩化ビニールの如き合成樹脂により、一体成形し、連続する長尺状に形成されたものを所用寸法にカットするが、」(明細書第4頁第7行?12行)、
「第4図に示すように上記カバー3はたとえばカバー単体3A,3B,3C,3D及び3Eの5つの部分に原長尺体より切取る。」(明細書第5頁第16行?19行)の記載があり、これらの記載及び図面の第3図、第4図等を参酌すると、第1引用例には、
「塩化ビニールを材料とし断面コの字形であり、本体を切取ることにより複数個の単体に分割できる養生カバー」が記載されているものと認められる。
2.同じく原査定の拒絶理由で引用した、実願昭63-30161号(実開平1-137773号)のマイクロフイルム(以下、「第3引用例」という)には、「本考案の第1実施例を第1図?第5図に示す。マスキング材(11)はポリスチレン、ポリエチレン等の熱可塑性プラスチックの独立セルを含む発泡体からなる板(11A)を本体とし、・・・上記マスキング材(11)は第2図に示すように縦横方向に連結された状態で一体的に製造され、片面または両面にはゴバン目状に切込み(14)または溝等が刻設される。該切込み(14)または溝等は成形時に一体的に形成されてもよいし、成形後に切削等の手段により形成されてもよい。そしてマスキング材(11)を使用する時には該切込み(14)に沿って所望の大きさ、形状にちぎり取って使用するが、・・・」(明細書第4頁第3行?第5頁第5行)の記載があり、この記載及び図面の第1図?第5図等を参酌すると、第3引用例には、
「ポリスチレン発泡体を材料とした板状マスキング材であって、マスキング材本体の上面および/または下面に、縦横方向に沿って切込みまたは溝を設けることによって複数個のセルに分割できる」点が記載されているものと認められる。
3.同じく原査定の拒絶理由で引用した、特開昭62-289276号公報(以下、「第4引用例」という)には、
「第1図?第4図には本発明の第1実施例が示されている。図において(13)Aはポリスチレン、ポリエチレン・・・等の主として熱可塑性のプラスチックの発泡体からなる板であり、・・・該板(13)Aの両面には所定の間隔をおいてコバン目状に条溝(13)Bが形成されている。該条溝(13)Bは片面にのみ形成されてもよい。」(公報第3頁左下欄第11?20行)、
「本発明のマスキング材(13)は第3図に示すように金属構造物(1)の平板状の防鎖防音防振処理を施すべきでない箇所(2)に離型性シート(13)Dを剥離した後、該箇所(2)の大きさに応じた大きさに条溝(13)Bに沿って手でちぎり取り、粘着層(13)Cを介して金属構造物(1)の該箇所(2)に貼着する」(公報第3頁右下欄第16?第4頁左上欄1行)の記載があり、これらの記載及び図面の第1図?第4図等を参酌すると、
第4引用例には、
「ポリスチレン発泡体を材料とした板状マスキング材であって、マスキング材本体の上面および/または下面に、コバン目状に条溝を設けることによって複数個の部材に分割できる」点が記載されているものと認められる。
III.対比
本願考案と第1引用例記載の考案とを対比すると、塗装等の表面処理の際、被処理表面の一部を一時的に保護する共通の機能に照らすと、第1引用例記載の考案の「単体」、「養生カバー」は、本願考案の「ユニット」、「マスキング材」に相当するから、
両者は、「断面コの字形であり、本体を複数個のユニットに分割したマスキング材」である点で一致し、下記の点で相違する。
(1)マスキング材の材料に関して、本願考案ではポリスチレン発泡体であるのに対し、第1引用例に記載されたものでは塩化ビニールである点。
(2)マスキング材の分割に関して、本願考案では本体の上面および/または下面に短手方向に沿って折り溝を設けることによって分割するのに対し、第1引用例に記載されたものでは本体を切取ることにより分割する点。
IV.当審の判断
上記相違点(1)及び(2)について検討する。
1.相違点(1)について
第3,4引用例には、「ポリスチレン発泡体を材料とした板状マスキング材」が記載されているものと認められる。第1引用例記載のマスキング材の材料を第3,4引用例記載のポリスチレン発泡体とすることは、当業者がきわめて容易に想到し得ることであり、上記相違点(1)における本願考案に係る構成は当業者がきわめて容易に想到し得る事項にすぎないものと認められる。
2.相違点(2)について
第3,4引用例には、「マスキング材本体の上面および/または下面に、縦横方向に沿って切込み及び条溝を設け複数個の部材に分割する」技術が記載されている。したがって、第1引用例のマスキング材本体を切取ることによって分割する点に代えて、マスキング材の上面および/または下面に、短手方向に折り溝を設けることによって分割する点は、第3,4引用例記載の上記技術から、当業者が必要に応じてきわめて容易に想到し得るものと認められる。
それ故、上記相違点(2)における本願考案に係る構成は当業者がきわめて容易に想到し得る事項にすぎないものと認められる。
そして、本願考案における作用効果は、上記各引用例に記載された考案から当業者が予測し得る程度のものにすぎないものと認められる。
V.むすび
以上のとおりであるから、本願考案は、上記各引用例に記載の考案に基づいて当業者がきわめて容易に考案をすることができたものであるから、実用新案法第3条第2項の規定により実用新案登録を受けることができない。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 2000-02-15 
結審通知日 2000-02-25 
審決日 2000-03-07 
出願番号 実願平4-19305 
審決分類 U 1 8・ 121- Z (B05B)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 綿谷 晶廣  
特許庁審判長 藤田 豊比古
特許庁審判官 関谷 一夫
西野 健二
考案の名称 マスキング材  
代理人 宇佐見 忠男  
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