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審決分類 |
審判 査定不服 特29条特許要件(新規) 特許、登録しない。 H02G |
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管理番号 | 1024959 |
審判番号 | 審判1999-9655 |
総通号数 | 15 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 実用新案審決公報 |
発行日 | 2001-03-30 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 1999-06-10 |
確定日 | 2000-05-08 |
事件の表示 | 平成5年実用新案登録願第9261号「線路図」拒絶査定に対する審判事件[平成6年9月2日出願公開、実開平6-62736]について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
1.本願は、平成5年2月10日の出願であって、その出願の明細書及び図面は平成11年2月1日付の手続補正書により補正されたものである。 2.補正された明細書の実用新案登録請求の範囲における請求項1、2には、以下の事項が記載されている。 [請求項1] 「道路(10)(11)、電柱(13)が記入された地図に、前記電柱(13)間に架設された線路網構成用の線路(18a)?(21a)を表示する線路表示線(18)?(21)を記入し、前記線路表示線(18)?(21)の途中に、前記線路(18a)?(21a)中に接続された所要機器を表示する所要機器表示部(22)?(28)を記入し、前記所要機器表示部(22)?(28)が、前記所要機器の1次側と2次側とを識別し得ない表示記号である線路図において、前記所要機器表示部(22)?(28)内に、前記所要機器に関連する情報を示す文字を、この文字の左右の一方側が前記所要機器の1次側となるように記入したことを特徴とする線路図。」 [請求項2] 「前記所要機器表示部(22)?(28)内に記入される文字が、所要機器表示部(22)?(28)により表示された前記所要機器のある前記線路が接続される1次側機器15aの接続部番号1?4であることを特徴とする請求項1に記載の線路図。」 3.これに対する原査定の理由の内容は、自然法則とは関係ない人為的取り決めである表現手段に対し、理解力、判断力等を利用することから成り立つものであって、自然法則を利用しているとは認めることができないので、請求項1、2記載の事項は自然法則を利用した技術的思想の創作である考案とは認めることができず、実用新案法第3条第1項柱書に規定する要件を満たしていないので、実用新案登録を受けることができないというものである。 4.審判請求人は審判理由補充書において、「前記所要機器表示部(22)?(28)が、前記所要機器の1次側と2次側とを識別し得ない表示記号である線路図において、前記所要機器表示部(22)?(28)内に、前記所要機器に関連する情報を示す文字を、この文字の左右の一方側が前記所要機器の1次側となるように記入し」との構成は、所要機器表示部22?28内の文字から、所要機器に関連する情報と、所要機器の1次側に関する情報とを容易に把握することが可能であり、つまり、文字が左右の識別性を有することを有効に利用して、所要機器表示部22?28内に、所要機器に関連する情報を示す文字を記入するという技術的手段を講じることにより、その所要機器の1次側に関する情報を容易に把握できるようにしたものであるから、上記構成を有した本願考案は、「文字が左右方向に対する方向性を持っており、この文字の方向性によって他の物の方向を指示できる」という自然法則を利用したものであり、自然法則を利用した技術的思想の創作であって、法上の考案に該当し、自然法則とは関係ない人為的取り決めである表現手段に対し、理解力、判断力等を利用することから成り立つものではないとして、本願は登録すべきものである旨の主張をしている。 5.しかしながら、「文字」は人が取り決めたものであって、左右方向に方向性を持っている文字は人為的取り決めである。さらに、「前記所要機器の1次側と2次側とを識別し得ない表示記号である線路図において、前記所要機器表示部(22)?(28)内に、前記所要機器に関連する情報を示す文字を、この文字の左右の一方側が前記所要機器の1次側となるように記入し」との記載事項は、その文字の左右の非対称性を利用して文字を含んだ記号に関し文字の左側(又は右側)を所要機器の入力側(又は出力側)とする取り決めである。 以上のように当該記載は人為的取り決めであって、この取り決め自体は何ら自然法則を利用した技術的思想ということはできないので、実用新案登録請求の範囲の請求項1,2に係る記載事項は自然法則を利用した技術的思想の創作ということはできない。 6.したがって、本願は、実用新案法第3条第1項柱書に規定する要件を満たしていないので、実用新案登録を受けることができない。 よって、結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2000-02-08 |
結審通知日 | 2000-02-25 |
審決日 | 2000-03-08 |
出願番号 | 実願平5-9261 |
審決分類 |
U
1
8・
1-
Z
(H02G)
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最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 立川 功 |
特許庁審判長 |
森田 信一 |
特許庁審判官 |
鈴野 幹夫 相田 義明 |
考案の名称 | 線路図 |
代理人 | 谷藤 孝司 |