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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 A01B
管理番号 1024965
審判番号 審判1997-19343  
総通号数 15 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 実用新案審決公報 
発行日 2001-03-30 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 1997-11-13 
確定日 2000-06-28 
事件の表示 平成4年実用新案登録願第51408号「耕耘作業機の均平板」拒絶査定に対する審判事件[平成6年1月25日出願公開、実開平6-5404]について、次のとおり審決する。   
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 一、手続の経緯、本願考案
本願は、平成4年6月29日に出願された実用新案登録出願であって、本願の考案は、平成9年11月13日付け手続補正により補正された明細書及び図面の記載からみて、その実用新案登録請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定される次のとおりのものである。
「【請求項1】トラクタの後部に3点リンク機構を介して装着され、トラクタのPTO軸から作業機(1)のギヤボックス(3)に動力を伝達するようにし、ロータリ作業部(5)の後方に均平板(30)を設けた耕耘作業機において、上記均平板(30)に、その長さ方向の全域にわたって、平面視で前後方向に前端が狭く後端が広くなる半円錐形状の膨らみを有する立体的な切欠き(31)を均平板(30)の均平領域を残して所定間隔で多数形成したことを特徴とする耕耘作業機の均平板。」(以下、「本願考案」という)

二、引用刊行物に記載された考案
原審における拒絶の理由に引用された実願昭53-159005号(実開昭55-75201号)の願書に添付した明細書及び図面の内容を撮影したマイクロフィルム(以下、「引用刊行物」という)には、次の事項が記載されている。
「板本体を繊維強化プラスチック製にし平面矩形状であって、その幅方向一側部を外端に至るに従って順次に深さが増大する通路溝を長手方向に間隔をおいて配設するよう略波形に成形し、板本体の上面には幅方向略中間位置に長手方向へ延びる2本のリブを突出させて両リブ杆間に支持杆を嵌め合い固定する取付溝を設けるとともに前記各リブから幅側各端縁に向けて延びる複数のリブを突出させた農用ならし板。」(明細書1頁5?13行の実用新案登録請求の範囲)、
「本考案は農用ならし板、詳しくはトラクターに取付け使用して耕土面や代掻き面をさらにならし作業するもので、とくに水田用に好適なならし板に関する。」(明細書1頁15?18行)、
「上記板本体の略波形形状は凹凸が交互する形状をいい、その各凹凸が半円状あるいは実施例の如き台形状など何れであってもよい。又上記波形で形成される通路溝は外端に至るに従って順次に深さを増大させ、さらに外端に至るに従って順次に溝幅を増大させることによって該溝の排水効果が一層向上する。」(明細書3頁3?9行)、
「又、板本体(A)はその後半部のリブ(1’)から所定幅残した位置より後端までの区間を波形形状、すなわち台形状の凸部(4)と凹部(5)とが長手方向に交互して配設された形状に成形し、その凹部(5)を通路溝とする。上記凸部(4)はその底面を板本体(A)底面と面一にして両者が連続する平坦な接地面となるようにし(第3図)、通路溝(5)はその溝底面を後端に至るに従って順次に高くなる傾斜面にして溝深が後方ほど深くなるようにする(第4図)。又、通路溝(5)はその溝幅が後端に向うに従って順次拡大するように、換言すれば凹部(5)を後端拡大状、凸部(4)を後端狭小状に形成する。」(明細書4頁2?14行)、
「而して上記板本体(A)はその取付溝(2)に支持杆(3)を嵌め合い、ボルト(7)でもつて締結一体的にするとともに支持杆(3)に連結されるブラケット及びアーム(図示せず)を介してトラクターの耕耘用ロータリー又は代掻きローラーの後方に取付け配置され、トラクターの移動によって板本体(A)が耕土(B)上を牽引されならし作業がなされる(第7図)。」(明細書4頁18行?5頁6行)。

三、本願考案と引用刊行物記載の考案との対比
引用刊行物の上記「各凹凸が半円状」の記載からみて、該引用刊行物には「トラクターの後部に装着されたトラクターの耕耘用ロータリーの後方に、板本体(A)を設けた耕耘作業機において、上記板本体(A)に、その長さ方向の全域にわたって、前後方向に外端に至るに従って順次に深さを増大させ、さらに外端に至るに従って順次に溝幅を増大させた半円状の凹部(5)を、板本体(A)底面と面一にして連続する凸部(4)の平坦な接地面を残して所定間隔で多数形成した耕耘作業機の農用ならし板」が記載されている。
そこで、本願考案と引用刊行物記載の考案とを対比すると、引用刊行物記載の考案における「トラクター」「耕耘用ロータリー」「板本体(A)」「耕耘作業機」「板本体(A)底面と面一にして連続する凸部(4)の平坦な接地面」「農用ならし板」が、本願考案の「トラクタ」「ロータリ作業部(5)」「均平板(30)」「耕耘作業機」「均平板(30)の均平領域」「耕耘作業機の均平板」にそれぞれ相当し、また、引用刊行物記載の考案の「溝底面が後端に至るに従って順次に高くなる傾斜面にして溝深が後方ほど深くなるような凹部(5)」が本願考案の「平面視で前後方向に前端が狭く後端が広くなる膨らみを有する立体的な切欠き(31)」に相当するから、本願考案と引用刊行物記載の考案とは「トラクタの後部に装着されたロータリ作業部(5)の後方に均平板(30)を設けた耕耘作業機において、上記均平板(30)に、その長さ方向の全域にわたって、平面視で前後方向に前端が狭く後端が広くなる膨らみを有する立体的な切欠き(31)を均平板(30)の均平領域を残して所定間隔で多数形成した耕耘作業機の均平板」である点で一致し、次の点で相違している。
[相違点1]:本願考案が「トラクタの後部に3点リンク機構を介して装着され、トラクタのPTO軸から作業機(1)のギヤボックス(3)に動力を伝達する」のに対し、引用刊行物記載の考案は、その構成が不明である点。
[相違点2]:平面視で前後方向に前端が狭く後端が広くなる膨らみを有する立体的な切欠き(31)が、本願考案では半円錐形状であるのに対し、引用刊行物記載の考案では半円状であり、それが半円錐形状であるのか不明である点。

四、当審の判断
次に、上記相違点について検討する。
[相違点1]について:
トラクタからトラクタの後部に3点リンク機構を介して装着される作業機への動力伝達機構として、トラクタのPTO軸から作業機(1)のギヤボックス(3)に動力を伝達するように構成することは、この出願前に広く採用されている周知技術であるから、引用刊行物記載の考案において、前記周知技術を適用してトラクターの後部に耕耘用ロータリーを装着して動力を伝達するように構成することは当業者であれば適宜できることである。
[相違点2]について:
平面視で前後方向に前端が狭く後端が広くなる膨らみを有する立体的な切欠き(31)を、「半円錐形状」とするか「半円状」とするかは、両者の間に格別の技術的差異を見い出すことができないから、前記切欠き(31)を、「半円錐形状」とするか「半円状」とするかは、当業者が適宜選択できる設計事項である。
そうしてみると、引用刊行物記載の考案における半円状の凹部を半円錐形状の凹部に形状変更することにより本願考案のような構成とすることは、当業者がきわめて容易になし得ることである。そして、本願考案の奏する効果は、上記引用刊行物記載の考案から予測できる範囲であり、格別のものではない。

五、むすび
以上のとおり、本願考案は、上記引用刊行物記載の考案に基いて当業者がきわめて容易に考案をすることができたものであるから、本願考案は実用新案法第3条第2項の規定により実用新案登録を受けることができない。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 2000-04-11 
結審通知日 2000-04-25 
審決日 2000-05-09 
出願番号 実願平4-51408 
審決分類 U 1 8・ 121- Z (A01B)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 番場 得造西田 秀彦  
特許庁審判長 藤井 俊二
特許庁審判官 吉村 尚
佐藤 昭喜
考案の名称 耕耘作業機の均平板  
代理人 小橋 信淳  
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