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審決分類 |
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 E02D |
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管理番号 | 1024966 |
審判番号 | 審判1997-5808 |
総通号数 | 15 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 実用新案審決公報 |
発行日 | 2001-03-30 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 1997-04-09 |
確定日 | 2000-06-28 |
事件の表示 | 平成 3年実用新案登録願第 10513号「地耐力調査用の自動貫入試験機」拒絶査定に対する審判事件[平成 4年 8月28日出願公開、実開平 4- 99725]について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
1.手続きの経緯・本願考案 本願は、平成3年2月4日の出願であって、その請求項1に係る考案は、出願当初の明細書及び図面の記載からみて、実用新案登録請求の範囲の請求項1に記載されたとおりのものと認められるところ、その請求項1に記載された考案(以下、「本願考案」という。)は次のとおりである。 【請求項1】 縦長のフレームに上下昇降手段によって上下昇降される昇降スライダーが設けられ、この昇降スライダーに、重錘を装置できる載荷部と、貫入ロッドの上端と連結する回転シャフトと、この回転シャフトを回転するモータとが設けられた地耐力調査用の自動貫入試験機において、前記昇降スライダーに数値カウンタが設けられ、この数値カウンタと前記回転シャフトとに、回転シャフトの回転数を数値カウンタに伝えて数値カウンタをカウントさせるための磁力を利用した一対の無接点センサーが取付けられていることを特徴とする地耐力調査用の自動貫入試験機。 なお、本願については、平成9年5月9日付けの手続補正がされたが、これは、平成11年10月27日付けの補正の却下の決定により却下された。 2.引用例 これに対して、原査定の拒絶の理由に引用され、本願の出願日前に国内において頒布された刊行物である、実願昭53-102761号(実開昭55-21326号)のマイクロフィルム(以下、「引用例1」という。)には、次のような記載がある。 a.「1.おもりを載置できる昇降スライダーに電動モーターによって駆動される回転シャフトを取り付け、この回転シャフトの下端と貫入ロッドの上端とを連結器によって係脱自在に連結すると共に、前記昇降スライダーを案内しながら支持するフレームを設け、このフレームの下端部には、その前側にこのフレームから直角に開いたフレーム直立用の安定体を、その後側にフレーム運搬用に車輪をそれぞれ配し、そして、前記安定体の横木部中央に貫入ロッドの振止用軸受を設けた、地耐力調査用の自動貫入試験機。」(実用新案登録請求の範囲の請求項1) b.「昇降スライダー(7)は、試験機の支柱ないし車体ともいうべき長方形のフレーム(11)に支えられながら上下に移動する。」(第5頁第2?4行) c.「変速機(8)には、回転シャフト(9)へ伝達される回転数を計数するカウンター(23)が設けられる。変速機(8)は昇降スライダー(7)の上枠(7b)に固定される。」(第7頁第15?18行) d.「おもり(6)を載置するための積荷盤(25)がある。積荷盤(25)は昇降スライダー(7)に対して固定されていて、」(第8頁第2?4行) e.「ロッドの貫入度とそれに要した回転シャフト(9)の回転数を計測し、地盤の地耐力を決定する。」(第12頁第16?18行) これらの記載及び第1?3図を参照すると、引用例1には、「縦長のフレームに上下昇降手段によって上下昇降される昇降スライダーが設けられ、昇降スライダーに、おもりを載置するための積荷盤と、電動モーターによって駆動される回転シャフトを取り付け、この回転シャフトの下端と貫入ロッドの上端とを連結すると共に、昇降スライダーに固定される変速機には、回転シャフトへ伝達される回転数を計数するカウンター(図面では回転シャフトとカウンターの接触子相互の接触でカウントするものと解される)が設けられ、ロッドの貫入度とそれに要した回転シャフトの回転数を計測し地盤の地耐力を決定する、地耐力調査用の自動貫入試験機。」(以下、「引用例1記載の考案」という。)が記載されているものと認める。 3.対比・判断 本願考案と引用例1記載の考案を対比すると、引用例1記載の考案の「積荷盤」及び「カウンター」は、それぞれの機能に照らし、各々本願考案の「載荷部」及び「数値カウンタ」に相当するから、下記の点で相違し、その余の点では一致している。 a.数値カウンタをカウントさせるのは、本願考案では磁力を利用した一対の無接点センサーであるのに対し、引用例1記載の考案では明記されていないが図面では接触子相互の接触と解される点。 しかしながら、回転体の回転数を磁力を利用した一対の無接点センサーで検出することは、周知の技術手段(必要ならば、平成8年2月21日付け拒絶理由通知書において提示した、特開昭61-14520号公報等参照のこと。)にすぎず、引用例1記載の考案のカウンターとしてこれを採用することは、当業者がきわめて容易に想到できる程度のことにすぎない。また、本願考案によってもたらされる効果も、引用例1に記載された事項及び周知の技術手段から当業者であれば予測することができる程度のものであって、格別なものとはいえない。 したがって、本願考案は、引用例1記載の考案及び上記周知の技術手段から当業者がきわめて容易に考案をすることができたものである。 4.むすび 以上のとおり、本願考案は、実用新案法第3条第2項の規定により実用新案登録を受けることができない。 よって、結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2000-04-06 |
結審通知日 | 2000-04-21 |
審決日 | 2000-05-08 |
出願番号 | 実願平3-10513 |
審決分類 |
U
1
8・
121-
Z
(E02D)
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最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 藤原 伸二 |
特許庁審判長 |
幸長 保次郎 |
特許庁審判官 |
鈴木 憲子 斎藤 利久 |
考案の名称 | 地耐力調査用の自動貫入試験機 |
代理人 | 倉内 義朗 |