• ポートフォリオ機能


ポートフォリオを新規に作成して保存
既存のポートフォリオに追加保存

  • この表をプリントする
PDF PDFをダウンロード
審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 B65D
管理番号 1024967
審判番号 審判1999-7886  
総通号数 15 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 実用新案審決公報 
発行日 2001-03-30 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 1999-05-06 
確定日 2000-06-16 
事件の表示 平成 5年実用新案登録願第 75259号「キャップシール」拒絶査定に対する審判事件[平成 7年 8月11日出願公開、実開平 7- 42747]について、次のとおり審決する。   
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 <1> 本願考案
本願は、平成5年12月31日の出願であって、その請求項1乃至3に係る考案は、平成10年11月9日付手続補正書により補正された明細書及び図面の記載からみて、請求項1乃至3に記載された次のとおりのものである。
「【請求項1】 キャップ部1とスカート部2との間に、該キャップ部1を切除するための切除用把持部6と上側弱め線4及び下側弱め線5とが設けられており、該上側弱め線4と該下側弱め線5とは平行であり、該上側弱め線4は上側切除終了端8が上側切除開始端7の手前で止められて、該上側切除終了端8と該上側切除開始端7との間には弱め線不存在区域が設けられ、且つ該下側弱め線5は下側切除終了端18が下側切除開始端17まで到達しており、該下側切除終了端18と該下側切除開始端17とが一致していることを特徴とするキャップシール。
【請求項2】 弱め線不存在区域における、上側切除終了端8と上側切除開始端7との直線距離が3?19mmである請求項1記載のキャップシール。
【請求項3】 弱め線不存在区域における、上側切除終了端8と上側切除開始端7との直線距離が5?15mmである請求項1記載のキャップシール。」

<2> 引用例の記載
これに対して、原査定の拒絶の理由に引用された実願昭56-70460号(実開昭57-183254号)のマイクロフィルム(以下、「引用刊行物1」という。)には、下記の事項が記載されている。
(a)「シートを筒状に湾曲し、対向する両端を重合接着して形成されていると共に上部がメンコ(1)等により閉塞されているキャップシールにおいて、前記重合接着部分(2)の表側シート(3)の一部のみを横舌片状に切込んで形成した摘手片(4)と、この摘手片(4)の上下切込部分(5)(5)から夫々平行し合って、且つ、キャップシール本体(6)の周側壁(7)を一周或いは略一周して少なくとも重合接着部分(2)まで延びている2本のミシン目等の切目(8)(8)とを有するキャップシール。」(第1頁第4?13行;実用新案登録請求の範囲の記載、なお、第2図の記載参照。)
また、原査定の拒絶の理由に引用された実願昭57-8502号(実開昭58-113635号)のマイクロフィルム(以下、「引用刊行物2」という。)には、下記の事項が記載されている。
(b)「本考案は前記のような欠点のない壜栓抜け止め用キャップを目的として完成されたもので、以下、図示の実施例につき詳細に説明する。
(1)は上端に内向きに短鍔部(2)を設けたアルミニウム薄板製の筒状主体で、該筒状主体(1)にはその上端方部から下端縁に達する破線状或いは肉薄線状の切込用線(3)と下端縁に達することなく上端方部から下方部に互る破線状或いは肉薄線状の切込用線(4)が相互間に所要の間隔をおいて並設されている。」(第2頁第14行?第3頁第3行、なお、第1?3図の記載参照)
(c)「該短切込(5)、(5)を通じ切込用線(3)、(4)に切込引裂力は適確に伝わり、筒状主体(1)はこの切込用線(3)、(4)を切断しながら下方に帯状に切り取れることとなるが、切込用線(3)、(4)は一方の切込用線(3)が筒状主体(1)の上端方部から下端縁まで達しているのに対し、他方の切込用線(4)は筒状主体(1)の下端縁に達することがないから、第3図に示すように摘み片部(6)に続く帯状片(A)は完全に切り取られることなく連繋部(B)をもって筒状主体(1)の残部と連繋された状態で切断展開されることとなって壜口部より容易に除去されるうえにキャップ全体が分割されることがないので廃棄処理上も極めて便利で手指を傷付けるおそれもなく」(第4頁第17行?第5頁第10行)

<3> 対比・判断
(1)請求項1に係る考案について
ここで、本願の請求項1に係る考案(以下、「本願考案1」という。)と上記引用刊行物1に記載された考案(以下、「引用考案1」という。)とを対比する。
上記記載(a)より、引用考案1は「キャップシール」に関するものであり、引用考案1における「摘手片」「2本のミシン目等の切目」が、それぞれ、本願考案1の「切除用把持部」「上側弱め線と下側弱め線」に相当するものと認められ、該「2本のミシン目等の切目」が互いに平行である点も記載されており、また、第2図を参照すれば、該「2本のミシン目等の切目」が「キャップ部とスカート部の間」に設けられていることも記載されている。また、「この摘手片の上下切込部分から夫々平行し合って、且つ、キャップシール本体の周側壁を一周或いは略一周して少なくとも重合接着部分まで延びている2本のミシン目等の切目」の記載より、2本のミシン目等の切目のうち下側の切目に相当する「下側弱め線」については、「下側弱め線は下側切除終了端が下側切除開始端まで到達しており、該下側切除終了端と該下側切除開始端とが一致している」構成が記載されているものと認められる。
したがって、両者は、
「キャップ部とスカート部との間に、該キャップ部を切除するための切除用把持部と上側弱め線及び下側弱め線とが設けられており、該上側弱め線と該下側弱め線とは平行であり、該下側弱め線5は下側切除終了端18が下側切除開始端17まで到達しており、該下側切除終了端18と該下側切除開始端17とが一致していることを特徴とするキャップシール。」である点で一致し、次の点で相違している。
・相違点;
本願考案1の上側弱め線が「上側弱め線は上側切除終了端8が上側切除開始端7の手前で止められて、該上側切除終了端8と該上側切除開始端7との間には弱め線不存在区域が設けられ」ている構成を有するのに対し、引用考案1の上側弱め線が「上側弱め線は上側切除終了端が上側切除開始端まで到達しており、該上側切除終了端と該上側切除開始端とが一致している」構成 を有している点。
上記相違点について検討する。該上側弱め線は、本願考案1のものにおいても、引用考案1のものにおいても、開始端に向けて延びているものであり、該開始端に達すれば、切除片とその上のキャップ部を分断するものである点までは一致しているから、上記相違点は、切除片をキャップシールの他部分から分断する弱め線において、弱め線の終了部に弱め線不存在区域を有するか否かの相違点に帰する。すなわち、本願考案1の、切除片をキャップシールの他部分から分断する弱め線が、弱め線の終了部に弱め線不存在区域を有するのに対し、引用考案1の切除片をキャップシールの他部分から分断する弱め線が、弱め線の終了部に弱め線不存在区域を有していない点で、本願考案1と引用考案1は相違している。
次に、上記引用刊行物2に記載された考案(以下、「引用考案2」という。)について上記相違点の観点から吟味する。引用考案2は、上記記載(b)より壜栓抜け止めキャップに関するものであるから、キャップシールと同等のものに関するものであると認められる。第2図を参照すれば、切込用線(3)(4)は互いに平行に形成され、切除片に相当する帯状片を形成するものと認められるから、本願考案1の弱め線に相当する。そして、切込用線(4)は、「切除片をキャップシールの他部分から分断する弱め線」であり、「下端縁に達することなく」の記載より、「弱め線の終了部に弱め線不存在区域を有する」ものである。すなわち、上記相違点に関する「切除片をキャップシールの他部分から分断する弱め線が、弱め線の終了部に弱め線不存在区域を有する」点は、引用考案2が有する公知の技術である。
また、上記記載(c)より、引用考案2において連繋部(弱め線不存在区域)を設けた理由(技術課題)として、
・帯状片(切除片)は完全に切り取られることなく連繋部(弱め線不存在区域)をもって筒状主体の残部と連繋された状態で切断展開されることとなって壜口部より容易に除去される、
・キャップ全体が分割されることがないので廃棄処理上も極めて便利で手指を傷付けるおそれもない
など、本願考案の課題と同様の事項が記載されている。
したがって、引用考案1に、引用考案2における「切除片をキャップシールの他部分から分断する弱め線が、弱め線の終了部に弱め線不存在区域を有する」構成を適用し、本願考案1の構成とすることに格別の困難性は認められない。また、本願考案1の効果も、引用考案1および引用考案2から当業者であれば予測することができる程度のものであって、格別のものとはいえない。よって、本願請求項1に係る考案(本願考案1)は、上記引用考案1および引用考案2に基づいて当業者がきわめて容易に考案をすることができたものと認める。
(2)請求項2、3に係る考案について
請求項2,3において新たに特定された事項は、単なる数値限定であり、当業者が必要に応じて適宜設定しうる事項に過ぎないから、請求項2、3に係る考案も、請求項1に係る考案と同様の理由で、引用考案1および引用考案2に基づいて当業者がきわめて容易に考案をすることができたものと認める。

<4> むすび
以上のとおり、この出願の請求項1乃至3に係る考案は、いずれも、上記引用刊行物1および2に記載の考案に基づいて当業者がきわめて容易に考案をすることができたものであるから、実用新案法第3条第2項の規定により実用新案登録を受けることができない。

よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 2000-03-30 
結審通知日 2000-04-11 
審決日 2000-04-24 
出願番号 実願平5-75259 
審決分類 U 1 8・ 121- Z (B65D)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 渡邊 豊英  
特許庁審判長 村本 佳史
特許庁審判官 市野 要助
森林 克郎
考案の名称 キャップシール  
代理人 奥村 茂樹  
代理人 奥村 茂樹  
  • この表をプリントする

プライバシーポリシー   セキュリティーポリシー   運営会社   サービスに関しての問い合わせ