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審決分類 審判    B65D
管理番号 1024984
審判番号 審判1999-7391  
総通号数 15 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 実用新案審決公報 
発行日 2001-03-30 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 1999-04-27 
確定日 2000-05-31 
事件の表示 平成 5年実用新案登録願第 22678号「組立・分解可能な箱型容器」拒絶査定に対する審判事件[ 平成 6年11月15日出願公開、実開平 6- 80628 ]について、次のとおり審決する。   
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 <1>本願発明
本願は、平成5年4月28日の出願であって、その請求項1に係る考案は、平成11年4月27日付手続補正書により補正された明細書および出願当初の図面の記載からみて、上記平成11年4月27日付手続補正書の請求項1に記載された次のとおりのものと認める。
「薄肉ヒンジ部を介して方形状の底面部の各辺と連結された方形状の4面の側面部を、上記底面部と一体に合成樹脂で成形するとともに、上記側面部を起立させて側面部同士を係合部材を介して係合することにより箱型容器を形成するようにした組立・分解可能な箱型容器であって、該箱型容器を組み立てる際に、上記底面部の薄肉ヒンジ部付近に立設した突出部を、上記側面部の下端部に設けられた水平枠に穿設された透孔に嵌合することにより、上記側面部に加わる圧縮力による側面部の移動を阻止し、上記薄肉ヒンジ部に加わる負荷を軽減して、薄肉ヒンジ部の損傷を防止するように構成したことを特徴とする組立・分解可能な箱型容器。」

<2>引用例の記載
これに対して、原査定の拒絶の理由に引用された、実願昭60-146378号(実開昭62-54922号)のマイクロフィルム(以下、「引用文献1」という。)には下記の事項が記載されている。
(a)「組み立て・分解式運搬容器は、ポリエチレン、ポリプロピレン等の合成樹脂によって形成され、底部1及び該底部1に屈曲部2を介して連続するとともに端部が互いに不連続とされた4個の側壁部3を有している。各側壁部3は屈曲部2の内側に沿って形成された下端水平縁部4,該下端水平縁部4上に立設された垂直壁部5,該垂直壁部5の上端に沿って形成された上端水平縁部6並びに垂直壁部5の端部に沿って形成された垂直端部7を有している。」(第2頁第18行?第3頁第3行、なお、第1図参照)
(b)「本考案に係わる組み立て・分解式運搬容器は、水平板状体9の隆起部8を水平係合部13に係合させるとともに垂直板状体11の隆起部10を垂直係合部15に係合させることにより、容易に箱状に組み立てることができる。」(第3頁第14?17行)
また、原査定の拒絶の理由に引用された特開昭58-41046号公報(以下、「引用文献2」という。)には下記の事項が記載されている。
(c)「第16?22図に示すのはこの発明の枠体の他の例であって、先のものと同一部分は同一記号で示してある。
この場合には第1?15図における蝶番式結合構造は除かれており、第16図に示すように底板Fと側板Pとは平面状の一体構造に形成され、各側板Pは底板Fに対して曲折線L1に沿って曲折可能な関節式結合構造Lにより結合されている。底板Fの両側には少くとも2組の関節結合構造Lが設けられている。
第16図に示す平面状構造から枠体を組立てるに際しては、まず関節式結合構造Lを曲折させて側板P1,P2を起し、これを底板および相互に結合する。この締付式結合構造はそれぞれ1対の協働する結合要素を有している。図示の例では実質的には第1?15図に示したものと同じであって、例えば一方の結合要素は側板PのリブPの自由端から突出したいU字型のフック7を有しており、側板Pが底板Fと同一平面内にあるときはこれが上向きに開いている。このフック7は底板FのリブCP面一に突出している結合舌8と協働するものである。このほかにも側板PのリブCPから外側に結合舌9を突出させ、これを底板10の縁部に形成された結合孔10と協働させるようにしてもよい。」(第7頁左上欄第8行?右上欄第12行、なお、第16?22図参照)

<3>対比・判断
ここで、本願の請求項1に係る考案(以下、「本件考案」という。)と上記引用文献1に記載された考案(以下、「引用考案1」という)とを対比する。
上記記載(a)における、「底部」「4個の側壁部」「屈曲部」および「下端水平縁部」が、それぞれ、本件考案の「底面部」「4面の側面部」「薄肉ヒンジ」および「水平枠」に相当し、それらが合成樹脂で形成されていることも記載されており、さらにそれらが一体に構成されていることも第1図からわかる。また、上記記載(b)から、引用考案1の容器は「側面部を起立させて側面部同士を係合部材を介して係合することにより箱型容器を形成するようにした」ものであることが明らかである。 結局、本件考案と引用考案1とは、
「薄肉ヒンジ部を介して方形状の底面部の各辺と連結された方形状の4面の側面部を、上記底面部と一体に合成樹脂で成形するとともに、上記側面部を起立させて側面部同士を係合部材を介して係合することにより箱型容器を形成するようにした組立・分解可能な箱型容器であって、上記側面部の下端部に水平枠が設けられた組立・分解可能な箱型容器。」
である点で一致し、
本件考案が、
「箱型容器を組み立てる際に、上記底面部の薄肉ヒンジ部付近に立設した突出部を、上記側面部の下端部に設けられた水平枠に穿設された透孔に嵌合することにより、上記側面部に加わる圧縮力による側面部の移動を阻止し、上記薄肉ヒンジ部に加わる負荷を軽減して、薄肉ヒンジ部の損傷を防止するように構成した」
ものであるのに対し、引用考案1はそのような構成を有さない点で両者は、相違している。
ただし、一致点に関する上記記載で述べたように、該相違点の記載において、箱型容器である点、および、側面部の下端に水平枠を設ける点までは両者で一致しているのであり、また、上記相違点の記載中の「上記側面部に加わる圧縮力による側面部の移動を阻止し、上記薄肉ヒンジ部に加わる負荷を軽減して、薄肉ヒンジ部の損傷を防止するよう」にした点は、構成に基づく作用効果を記載したに過ぎないから、構成に関する相違点は、
『底面部の薄肉ヒンジ付近および側面部下端に、それぞれ、突出部および透孔を設け、組み立てる際に該突出部と透孔を嵌合させた』ものである点に集約される。
上記相違点について検討する。
引用文献2における上記記載(c)の「フック」「側板のリブ」「底板」「結合舌」「結合孔」がそれぞれ本件考案の「薄肉ヒンジ」「側面部下端」「底面部」「突出部」「透孔」に相当し、「結合舌」「結合孔」がそれぞれ「側板のリブ」「底板」に設けられていることも記載されているから、引用文献2には、(底板と側板の組み付け構造において)
『底面部の薄肉ヒンジ付近および側面部下端に、それぞれ、透孔および突出部を設け、組み立てる際に該突出部と透孔を嵌合させた』点が記載されている。
ここで、透孔および突出部の一方を側板側に設ければ他方は底板側に設けることとなるのは当然であり、透孔および突出部の一方を側板側に設けるか底板側に設けるかは当業者が必要に応じて二者択一的に決定しうる事項であって、しかも、該二者択一のどちらを選択したかによって技術的に格別な差異が生ずるものともみとめられないから、透孔および突出部の一方を側板側に設けるか底板側に設けるかの違いは技術的に本質的な相違点ではない。したがって、引用文献2には、(底板と側板の組み付け構造において)
『底面部の薄肉ヒンジ付近および側面部下端に、それぞれ、突出部および透孔を設け、組み立てる際に該突出部と透孔を嵌合させた』点が記載されているに等しいものと認められる。
すなわち、上記引用文献2には、本件考案と引用考案1との上記相違点に関する事項(以下、「引用考案2」という。)が記載されており、該相違点に関する事項は公知である。
そして、
(1)引用考案1と引用考案2は、ともにヒンジ部を介して接続された底板と側板の接合構造に関するものであるという点で共通の技術分野に属するものである点、
(2)引用考案2の透孔(結合孔)と突出部(結合舌)との嵌合構造は、側板の底板に対する移動を阻止する作用効果を有するものであることは、技術常識から考えて当然であるから、この構成を適用することによって本件考案と同様の効果を奏しうることがきわめて容易に予測しうる事項である点、
に鑑みれば、引用考案1に引用考案2の上記公知技術を適用し、本願考案の構成とすることに格別の困難性は認められない。
したがって、上記相違点の特定は、当業者がきわめて容易に想到し得た事項と認められるから、本願請求項1に係る考案は、上記2つの引用文献に記載された考案に基づいて当業者がきわめて容易になし得た考案である。

<4>.むすび
以上のとおりであるから、この出願の請求項1に係る考案は実用新案法第3条第2項の規定により実用新案登録を受けることができない。

よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 2000-01-25 
結審通知日 2000-02-15 
審決日 2000-02-29 
出願番号 実願平5-22678 
審決分類 U 1 80・ 121- Z (B65D)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 原 慧  
特許庁審判長 佐藤 雪枝
特許庁審判官 森林 克郎
杉原 進
考案の名称 組立・分解可能な箱型容器  
代理人 平井 保  
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