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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 A47B
管理番号 1024996
審判番号 審判1998-14029  
総通号数 15 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 実用新案審決公報 
発行日 2001-03-30 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 1998-09-04 
確定日 2000-07-17 
事件の表示 平成 5年実用新案登録願第 11407号「調理器用キャビネット」拒絶査定に対する審判事件[平成 6年 9月 6日出願公開、実開平 6- 62839]について、次のとおり審決する。   
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1.手続の経緯 、本願考案
本願は、平成5年2月19日の出願であって、その実用新案登録を受けようとする考案は、審判請求の日と同じ日の平成10年9月4日付け手続補正書により補正された全文補正明細書及び全図補正図面の記載からみて、その実用新案登録請求の範囲の請求項1に記載された次のとおりのものである。【請求項1】 前部開口及び前部開口とは横桟によって画された上部開口を有する器具収納空間を上部に有するキャビネット本体と、前記器具収納空間に収納・載置された調理器とを有しており、前記調理器が、前部開口から器具収納空間に収納されるようになされた調理器本体と、この調理器本体の前部に設けられた、操作つまみを有する前面盤とを有している調理器用キャビネット。
2.引用例
これに対して、原査定の拒絶の理由において引用された実願昭60-199934号(実開昭62ー109631号)のマイクロフイルム(以下、「引用例」という。)には、中央に調理台(調理面)、及びその調理台(調理面)の左右に流し台(シンク)、ガス台(加熱機器)を設けた複合炊事用具に関して、
「この考案は長尺の複合炊事用具に関するもので、台所の三点セットと称される流し台、調理台、ガス台を一体に一のキャビネットにて構成するようにしたものである。」(明細書1頁12?15行)と記載され、
「天板1は長尺のステンレスの金属板からなるもので、・・・ガスレンジなどの加熱機器2を収納するための矩形状の窓穴13を設けるようにしたものである。」(明細書3頁13?18行)と記載され、
「加熱機器2は上部周縁を鍔21張り出させてなるもので窓穴13の上部から入れて鍔21が窓穴13の周縁に掛かり吊り下げられる(下げらるは、誤記と認める。)ことになる。・・・4は流し台Sの前面に設けた窓穴であり、加熱機器2(加熱器2は、誤記と認める。)前面の操作盤や魚焼器の扉がこの窓穴4に臨むことになる。」(明細書4頁13?19行)と記載されている。
そして、引用例には、窓穴13と窓穴4とが、横桟によって画されているとは明記こそされていないが、この窓穴13と窓穴4とが横桟によって画されていると考えるのは当業者にとってごく自然なことと認められる。
そうすると、前記記載を含む明細書及び図面の記載からみて、引用例には、次のような考案が記載されているものと認められる。
「窓穴4及び窓穴4とは横桟によって画された窓穴13を有する器具収納空間を上部に有するキャビネット本体と、前記器具収納空間に収納・載置された加熱機器とを有しており、前記加熱機器が、窓穴13の上部から器具収納空間に収納されるようになされた加熱機器本体と、この加熱機器本体の前部に設けられた、操作つまみを有する操作盤とを有している調理器用キャビネット」
3.引用例との対比、当審の判断
本願の請求項1に係る考案(以下、「本願考案」という。)と引用例に記載の考案とを対比すると、引用例の考案の「窓穴4」、「窓穴13」、「加熱機器」、「加熱機器本体」、及び「操作盤」は、それぞれ本願考案の「前部開口」、「上部開口」、「調理器」、「調理器本体」、及び「前面盤」に対応するから、両考案は、
「前部開口及び前部開口とは横桟によって画された上部開口を有する器具収納空間を上部に有するキャビネット本体と、前記器具収納空間に収納・載置された調理器とを有しており、前記調理器が、器具収納空間に収納されるようになされた調理器本体と、この調理器本体の前部に設けられた、操作つまみを有する前面盤とを有している調理器用キャビネット。」の点で構成が一致しており、
本願考案が調理器を、「前部開口から器具収納空間に収納されるようにした」のに対して、引用例の考案は加熱機器を、「窓穴13の上部から器具収納空間に収納されるようにした」点で構成が相違している。
そこで、この相違について検討するに、例えば、実願昭53-128092号(実開昭55-45809号)のマイクロフイルには、前部開口及び前部開口とは横桟によって画された上部開口を有する器具収納空間を上部に有する調理器用キャビネットにおいて、操作つまみを有する前面盤を前部に設けたコンロ(本願考案では、調理器)が、前部開口から器具収納空間に収納・載置されるようにしたものが記載されている。
また、実願昭56-114296号(実開昭58-20807号)のマイクロフイルには、前部開口及び前部開口とは横桟によって画された上部開口を有する器具収納空間を上部に有する調理器用キャビネットにおいて、操作つまみを有する前面盤を前部に設けたガス器具(本願考案では、調理器)が、前部開口から器具収納空間に収納・載置されるようにしたものが記載されている。
以上のように、コンロやガス器具(調理器)を、前部開口から器具収納空間に収納するようにしたものは、本願考案の出願前にすでに周知技術として普通に知られていることであり、本願考案は、引用例の「加熱機器を、窓穴13の上部から器具収納空間に収納する」という技術を、前記周知技術に置き換えて当業者がきわめて容易に考案をすることができたものと認められる。
そして、本願考案の作用効果は、引用例及び周知技術から予測しうる範囲のものである。
4.むすび
以上のとおり、本願考案は、引用例及び周知技術に基づいて当業者がきわめて容易に考案をすることができたものと認められるから、実用新案法第3条第2項の規定により実用新案登録を受けることができない。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 2000-05-08 
結審通知日 2000-05-19 
審決日 2000-05-30 
出願番号 実願平5-11407 
審決分類 U 1 8・ 121- Z (A47B)
最終処分 不成立    
前審関与審査官 見目 省二  
特許庁審判長 佐田 洋一郎
特許庁審判官 藤枝 洋
鈴木 憲子
考案の名称 調理器用キャビネット  
代理人 大西 哲夫  

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