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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 A47G
管理番号 1025030
審判番号 審判1999-3642  
総通号数 15 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 実用新案審決公報 
発行日 2001-03-30 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 1999-03-04 
確定日 2000-08-30 
事件の表示 平成5年実用新案登録願第31452号「紙容器等に添着の飲料用ストロー」拒絶査定に対する審判事件[平成7年1月13日出願公開、実開平7-1867]について、次のとおり審決する。   
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1.手続の経緯・本願考案
本願は、平成5年6月11日の出願であって、その請求項1に係る考案は、明細書及び図面の記載からみて、実用新案登録請求の範囲の請求項1に記載されたとおりの、
「熱可塑性樹脂より成形された大径ストローに小径ストローを嵌挿したストローにおいて、小径ストローは、その突き刺し部の反対の端側に、係合用の傾斜段部を介して大径部を形成し、大径ストローは、その一端側に、引き出された小径ストローの大径部を係止する戻り防止用の内側に向かう溝面が対称傾斜の凹溝を周設してなる内側突出部と、これに続く小径ストローの傾斜段部と係合する狭搾段部と、さらに続く小径ストローの揺れ防止用の細径部とを形成するとともに、これと反対側の端部に、小径ストローの抜け落ち防止用の縮小部を形成し、これらの端部の中間部に、多数の円周方向の溝を形成するとともに、この溝を形成する両斜面の幅に広狭の差のある可撓部を形成し、上記の小径ストローが、該小径ストローを上記の大径ストローから引出し、該小径ストローの端側の大径部の端部が、上記の大径ストローの凹溝の内側突出部を越えて係止して伸長するとともに小径ストローを押圧すると、小径ストローの大径部が、大径ストローの凹溝の内部突出部を越えて縮小する構成からなることを特徴とする紙容器等に添着の飲料用ストロー。」(以下、「本願考案」という。)にあるものと認める。
2.引用例
これに対して、原査定の拒絶の理由に引用された特開昭62-192122号公報(以下、「第1引用例」という。)は、飲料用伸縮ストローに関するものであって、「内側ストロー1の基端を拡径して拡径部2とし、外側ストロー3の先端を縮径して縮径部4とし、更にその先端に先細部6を有し、これら内外ストロー1,3の伸長状態で内側ストローの基端側拡径部2と外側ストロー先端の縮径部4とが係合するようにし、更に外側ストローの先端近傍位置に内側ストロー1の引き込みを防止する内向きストッパー7を形成してなる伸縮ストローであって、外側ストロー3を内側ストロー1より柔軟な材質を以て構成してあり、上記内向きストッパー7の最内端O点の部位が曲面に形成されており、この内向きストッパー7の先端側を急傾斜10とし、基端側を緩傾斜9とし、内向きストッパー7を縦長形状に形成してあり、・・・内側ストロー1の伸長時に内側ストロー1の拡径部2の一部が外側ストロー3の縮径部4の一部を外方に拡張弾圧するようにしてあることを特徴とする飲料用伸縮ストロー。」(特許請求の範囲)、「飲料用容器に付着させるストロー」(第1頁右下欄第15行)、「内側ストローが外側ストローから容易に抜け出ることのないようにすると共に、ストローを一旦伸長した後は容易に収縮することなく、伸長状態を維持することを目的として、・・・例えば外側ストロー本体と縮径部の境界位置に内側ストローの引き込みを防止する内向きストッパーを形成すると共に内側ストローの抜け出しを防止する為外側ストローの基端にも縮径部を形成してなる伸縮ストローが開発され、公知となっている。」(第2頁左上欄第20行?同頁右上欄第13行)、「この公知の伸縮ストローは、・・・上記内向きストッパーが単なる内向きのV字形状の突起状に形成されている」(第2頁右上欄第15行?第20行)、「内側ストロー1の先端は斜めに切り落として斜端部5としてあり」(第3頁右上欄第5行?第7行)、「このストッパー7の数はいくつでもよく、極端には全てを連続させてリング状にしてもよい。」(第3頁左下欄第12行?第14行)、「次に第5図及び第6図に示した実施例で、・・・外側ストロー3の縮径部4’を・・・円錐台形状に形成したことであり、従って内側ストロー1の拡径部2’も円錐台形状とし、その基端を僅かに円筒状11としてある。」(第3頁右下欄第7行?第15行)、「上記の通りの構成からなる本発明伸縮ストローは、・・・抜き出た内側ストロー1の先端を摘まんでこれを引き出せば、内側ストロー1の基端拡径部2,2’が外側ストローの先端近傍の内向きストッパー7を通過して外側ストローの先端縮径部と係合し、伸長状態となる。そして該内側ストロー1を引き込めて収縮しようとして、通常の弱い力で押し込もうとしても内側ストロー1の拡径部2が外側ストロー3の内向きストッパーに係止され、該内側ストローの引き込みが阻止される。従ってストローの伸長状態が維持され、むやみにこれが収縮する惧はない。」(第4頁右上欄第3行?第16行)と記載されている。また、第1図、第2図、第5図及び第6図には、内側ストロー1が斜端部5の反対の端側に係合用の傾斜段部を介して大径部を形成した拡径部2,2’を有すると共に、外側ストロー3が内側ストロー1の引き込み防止用の内向きストッパー7と、これに続く内側ストロー1の傾斜段部と係合する縮径部4,4’と、さらに続く先細部6と、基端に内側ストロー1の抜け出しを防止する縮径部8とが形成された飲料用伸縮ストローが示されている。
また、同じく引用された、特公昭51-33477号公報(以下、「第2引用例」という。)及び実願平1-145107号(実開平3-85967号)のマイクロフィルム(以下、「第3引用例」という。)には、熱可塑性樹脂より形成された飲料用ストローに関するものであって、多数の円周方向の溝を形成するとともに、この溝を形成する両斜面の幅に広狭の差のある可撓部を形成した飲料用ストローが記載されている。
3.対比
本願考案と第1引用例に記載されたものとを比較してみると、第1引用例に記載の「外側ストロー3」、「内側ストロー1」、「斜端部5」、「拡径部2,2’」、「縮径部4,4’」、「先細部6」、「縮径部8」、「飲料用容器に付着」、「飲料用伸縮ストロー」は、本願考案の「大径ストロー」、「小径ストロー」、「突き刺し部」、「傾斜段部を介して大径部を形成」した構造、「狭搾段部」、「揺れ防止用の細径部」、「抜け落ち防止用の縮小部」、「紙容器等に添着」、「飲料用ストロー」にそれぞれ相当する。
また、飲料用ストローの材質として熱可塑性樹脂を使用することは極めて普通のことであるから、第1引用例に記載のストローも熱可塑性樹脂で形成されているものと解される。
また、第1引用例に記載のものは、外側ストロー3に内側ストロー1の引き込み防止用の内向きストッパー7が設けられており、この内向きストッパー7について「ストッパー7の数はいくつでもよく、極端には全てを連続させてリング状にしてもよい」なる記載から、この「リング状の内向きストッパー7」が本願考案の「引き出された小径ストローの大径部を係止する戻り防止用の内側に向かう凹溝を周設してなる内側突出部」に相当している。
さらに、第1引用例の「内側ストロー1を引き込めて収縮しようとして、通常の弱い力で押し込もうとしても内側ストロー1の拡径部2が外側ストロー3の内向きストッパーに係止され、該内側ストローの引き込みが阻止される。従ってストローの伸長状態が維持され、むやみにこれが収縮する惧はない。」なる記載は、本件明細書の段落【0012】の「以上のような大径ストロー(a)と小径ストロー(b)との係合により、大径ストロー(a)及び小径ストロー(b)にその軸方向の力が加わることがあっても、安易にその係合が解けて縮小されることはない。しかし、縮小することの必要性が生じた場合には、小径ストロー(b)を押圧すると、小径ストロー(b)の大径部(11)は大径ストロー(a)の凹溝(1)の内方の突出部(1’)を越えて縮小する。」なる記載に対応するものであり、第1引用例に記載のものも、縮小することの必要性が生じた場合には、内側ストロー1を(通常の弱い力以上で)押圧すると、内側ストロー1の拡径部2が外側ストロー3の内向きストッパー7を越えて縮小するものと解される。
したがって、両者は、
「熱可塑性樹脂より成形された大径ストローに小径ストローを嵌挿したストローにおいて、小径ストローは、その突き刺し部の反対の端側に、係合用の傾斜段部を介して大径部を形成し、大径ストローは、その一端側に、引き出された小径ストローの大径部を係止する戻り防止用の内側に向かう凹溝を周設してなる内側突出部と、これに続く小径ストローの傾斜段部と係合する狭搾段部と、さらに続く小径ストローの揺れ防止用の細径部とを形成するとともに、これと反対側の端部に、小径ストローの抜け落ち防止用の縮小部を形成し、上記の小径ストローが、該小径ストローを上記の大径ストローから引出し、該小径ストローの端側の大径部の端部が、上記の大径ストローの凹溝の内側突出部を越えて係止して伸長するとともに小径ストローを押圧すると、小径ストローの大径部が、大径ストローの凹溝の内部突出部を越えて縮小する構成からなることを特徴とする紙容器等に添着の飲料用ストロー」
である点で一致しており、次の点で相違するものである。
イ.凹溝について、本願考案のものは溝面が対称傾斜であるのに対し、第1引用例のものは溝面が急傾斜と緩傾斜からなる非対称傾斜である点(以下、「相違点イ」という。)。
ロ.本願考案が、「これらの端部の中間部に、多数の円周方向の溝を形成するとともに、この溝を形成する両斜面の幅に広狭の差のある可撓部を形成し」たのに対し、第1引用例のものではこの構成を有していない点(以下、「相違点ロ」という。)。
4.当審の判断
上記相違点について以下検討する。
相違点イについて
凹溝の溝面の傾斜構造は、ストローの伸長時・縮小時の操作性或いは伸長状態からの戻り防止性等の視点から、必要に応じて適宜設計しうる事項であること、また、第1引用例には、従来技術として「内向きストッパーが単なる内向きのV字形状の突起状に形成されている」ものが示されていること等を考慮すれば、溝面を対称傾斜に構成することは、当業者が格別の技術的困難性を伴うことなくきわめて容易になし得えた事項である。
相違点ロについて
飲料用ストローにおいて、多数の円周方向の溝を形成するとともに、この溝を形成する両斜面の幅に広狭の差のある可撓部、即ち、蛇腹部を設けることは、第2引用例及び第3引用例に見られるように周知技術であるから、このような周知技術を第1引用例に記載の飲料用伸縮ストローに適用し、本願考案の構成とすることは当業者がきわめて容易に推考し得たところである。
また、本願考案の奏する効果も第1引用例乃至第3引用例から当然予測される程度のものにすぎない。
5.むすび
以上のとおりであって、結局、本願考案は第1引用例乃至第3引用例に記載されたものに基いて当業者がきわめて容易に考案をすることができたものであるから、実用新案法第3条第2項に該当し、実用新案登録を受けることができない。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 2000-05-16 
結審通知日 2000-05-26 
審決日 2000-06-06 
出願番号 実願平5-31452 
審決分類 U 1 8・ 121- Z (A47G)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 阿部 寛松縄 正登  
特許庁審判長 田中 秀夫
特許庁審判官 大里 一幸
熊倉 強
考案の名称 紙容器等に添着の飲料用ストロー  
代理人 金山 聡  
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