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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 H04R
管理番号 1025060
審判番号 審判1999-16019  
総通号数 15 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 実用新案審決公報 
発行日 2001-03-30 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 1999-10-01 
確定日 2000-09-06 
事件の表示 平成 3年実用新案登録願第 77029号「ヘッドセット」拒絶査定に対する審判事件[平成 5年 3月19日出願公開、実開平 5- 21593]について、次のとおり審決する。   
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1.手続きの経緯・本願考案の要旨
本願は、平成3年8月29日の出願であって、その請求項1に係る考案(以下「本願考案」という。)は、平成11年10月28日付けの手続補正書により補正された明細書及び図面の記載からみて、その実用新案登録請求の範囲の【請求項1】に記載された次のとおりのものと認める。
「耳介挿入型イヤフォンと、該耳介挿入型イヤフォンの本体下端のコード引出部から露出するように取付けられた杆状で且つ変形自在の支持部材と、該支持部材の先端部近傍に配設されたマイクロフォンと、前記耳介挿入型イヤフォンの本体のコード引出部から露出するように取付けられたコードとよりなり、該コードが垂直乃至略垂直方向に垂れ下がりつつ、前記耳介挿入型イヤフォンのみによって装着者に装着されるようにすることにより、当該ヘッドセットの耳介に対する装着方向が決定されるようにしたことを特徴とするヘッドセット。」

2.引用例の記載
これに対して、原査定の拒絶の理由に引用された
実願昭61-133013号(実開昭63-40091号)のマイクロフィルム(以下「引用例」という。)には、下記の事項が記載されている。
(イ)「アームの先端にマイクロホンユニットを取付け、基端にインナイヤ型のヘッドホンを取付たヘッドセットにおいて、前記アームに、該アームに対して摺動可能かつ回動可能にコードクリップを取付け、該コードクリップに摺動可能にコードを支持させたことを特徴とするヘッドセットの装着装置。」(第1頁5行ないし11行)、
(ロ)「なお、ヘッドホンとしてインナイヤ型のものを使用するので、アームの向きは一定となる。したがってその先端に取付けられるマイクロホンユニットを、ちょうど口元にくるようにすることができる。」(第3頁14行から18行)、
(ハ)「コード5の基端はヘッドホン3の部分から内部に入りヘッドホン3とマイクロホーンユニット2に接続され、先端は図示しないプラグによって通信機器又は音響機器に接続されるようになっている。・・・・・(中略)・・・・・耳穴に入るヘッドホーン3との関係で、アーム1は一定の姿勢をとることになり、マイクロホンユニット2は口元に臨んだ位置にくることになる。」(第4頁18行ないし第5頁9行及び第4図)、

3.対比・判断
本願考案と上記引用例を比較する。
(a)引用例における「インナイヤ型のヘッドホン」は、本願考案の「耳介挿入型イヤフォン」に相当する。
(b)同様にして「アームの先端にマイクロホンユニットを取付け、基端にインナイヤ型のヘッドホンを取付たヘッドホンセット」及び第4図の実施例は、同じく「耳介挿入型イヤフォンの本体下端のコード引出部から露出するように取付けられた杆状の支持部材と」に相当する。
(c)また「ヘッドホンとしてインナイヤ型のものを使用するので、アームの向きは一定となる。したがってその先端に取付けられるマイクロホンユニットを、ちょうど口元にくるようにすることができる。」は、インナイヤ型ヘッドホン自体ヘッドホンが耳穴に固定できる機能を有していることでマイクロホンユニットを口元にくるように調整できると解せられるから「耳介挿入型イヤフォンによって装着者に装着されるようにすることにより、当該ヘッドセットの耳介に対する装着方向が決定される」に対応する

よって、本願考案と引用例とは、
「耳介挿入型イヤフォンと、該耳介挿入型イヤフォンの本体下端のコード引出部から露出するように取付けられた杆状の支持部材と、該支持部材の先端部近傍に配設されたマイクロフォンと、前記耳介挿入型イヤフォンの本体のコード引出部から露出するように取付けられたコードとよりなり、前記耳介挿入型イヤフォンによって装着者に装着されるようにすることにより、当該ヘッドセットの耳介に対する装着方向が決定されるようにしたことを特徴とするヘッドセット。」の点で一致し、以下の点で相違する。
《相違点1》
上記(マイクロフォン)“支持部材”が、本願考案は「変形自在」であるのに対し、引用例はこの点に関して明確な記載がない点。
《相違点2》
上記“ヘッドセットの装着”が、本願考案では「耳介挿入型イヤフォンのみにより装着者に装着される」のに対し、引用例は「耳介挿入型イヤフォン」及び「ヘッドホーン用のコードの途中部分をコードクリップに支持し、そのイヤフォンの本体下端のコード引出部からクリップまでの部分をリング状にして、その部分を耳に回す」(第4図参照)ようにして装着している点
《相違点3》
上記(耳介挿入型イヤフォン本体のコード引出部からの)“コード”が、本願考案では「垂直乃至略垂直方向に垂れ下がりつつ」あるのに対し、引用例は第4図に図示されているように「コード5」は、リング状に耳6にかけアーム4にコードクリップ2固定後に「垂直乃至略垂直方向に垂れ下がりつつ」構成されている点

4.当審の判断
上記《相違点1》について、
音声信号伝送路をフレキシビリティー部材で形成することは周知であり、支持部材を上記相違点1のように構成することは必要に応じて適宜なし得る事項と認められる。
上記《相違点2、3》について、
引用例のものも本願と同様、ヘッドセットはレシーバを耳介挿入型イヤフォンで構成することでヘッドバンド及びストッパをなくしている。また上記3.(c)の記載から“耳介挿入型イヤフォン”は、耳穴部においてヘッドセットの支持機能を有していることは自明である。これらのことから引用例のヘッドセットは
(イ)耳介挿入型イヤフォンでの耳穴部支持、
(ロ)イヤフォンの本体下端のコード引出部からクリップまでの部分をリング状に形成して耳かけでの支持、
と前記(イ)(ロ)の相乗作用をもって、使用者が頭部を動かしてもヘッドセットが移動することなく、マイクロフォンを確実に口元に位置できるものと解される。
そして、前記(イ)(ロ)は構成上一体不可分の関係にないことから、耳介挿入型イヤフォンの耳穴部への装着のみでヘッドセットの支持機能を確保可能もしくは十分とするならば(なお、本願考案の「耳介挿入型イヤフォン」は構成上の特徴は把握できなく、引例のものとの比較で十分な支持機能があると解せられるものでないが)、前記(イ)のみの構成として、上記相違点2のように構成することは当業者がきわめて容易に推考することができものと認められる。
また、結果として、クリップが不要となることから、コードは垂直乃至略垂直方向に垂れ下がりつつの状態となり、上記相違点3の構成となる。
なお、出願人は審判請求の理由で、「引用例のものはコード5がその自重でたれ下がるときはにはヘッドホンの部分を中心として全体が回転するようにモーメントが働き、ヘッドセット自体の耳介に対する装着方向が変化してしまうという難点を有している」と主張しているが、コードは耳介挿入型イヤフォンとの頭部装着への相乗作用をするものでコードは比較的軽量であることから前記主張は採用できない。

5.むすび
したがって、本願考案は、上記引用例の考案の記載の内容に基づき当業者がきわめて容易に考案をすることができたものであるから、実用新案法第3条第2項の規定により実用新案登録を受けることができない。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 2000-06-06 
結審通知日 2000-06-20 
審決日 2000-07-06 
出願番号 実願平3-77029 
審決分類 U 1 8・ 121- Z (H04R)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 山下 剛史  
特許庁審判長 江畠 博
特許庁審判官 小池 正彦
小林 秀美
考案の名称 ヘッドセット  
代理人 小林 雅人  
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