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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 H04N
管理番号 1025061
審判番号 審判1999-7374  
総通号数 15 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 実用新案審決公報 
発行日 2001-03-30 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 1999-04-30 
確定日 2000-09-18 
事件の表示 平成 4年実用新案登録願第 39057号「画像読取り装置」拒絶査定に対する審判事件[平成 5年12月17日出願公開、実開平 5- 93161]について、次のとおり審決する。   
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 [手続の経緯・本願考案]
本願は、平成4年5月15日の出願であって、その請求項1ないし請求項6に係る考案は、平成10年7月9日付け及び平成11年5月27日付けの手続補正書で補正された明細書及び図面の記載からみて、その実用新案登録請求の範囲の請求項1ないし請求項6に記載されたとおりのものと認められるところ、その請求項1に係る考案(以下「本願第1考案」という。)は、次のとおりである。
「【請求項1】照明手段からの照明を原稿に投射し、読取り手段により前記原稿の画像を読み取る画像読取装置において、
前記照明手段の所定の箇所をそれぞれ加熱する複数の加熱手段と、
前記照明手段の所定の箇所をそれぞれ冷却する複数の冷却手段と、
前記照明手段の温度分布を検出する温度検出手段と、
前記温度検出手段の検出結果に基づいて、前記冷却手段及び/又は前記加熱手段を個別に制御する制御手段と、
を有することを特徴とする画像読取り装置。」

[引用例]
これに対し、原査定の拒絶の理由で引用された実願平1-24664号(実開平2-119243号)のマイクロフィルム(平成2年9月26日特許庁発行。以下「引用例1」という。)には、図面とともに次の各記載がある。
(イ)「本考案は複写機等に用いられる蛍光灯加熱装置に関する。」(1頁13行?同14行)
(ロ)「光源に蛍光灯を用いた装置において、前記蛍光灯の各部分をそれぞれ外部より加熱する複数のヒータと、この複数のヒータを個別に制御することにより前記蛍光灯の各部分の温度を個別に制御する制御部とを備えたことを特徴とする蛍光灯加熱装置。」(1頁、実用新案登録請求の範囲)
(ハ)「複写機では自動調光装置が蛍光灯の端部(フィラメント付近)にある場合複写待機時に蛍光灯のフィラメントを予熱するので、蛍光灯において自動調光位置(自動調光装置がある端部)と中央部とで温度差が生じてしまう。このため、蛍光灯は点灯後に端部と中央部とで光量に差が生じてしまう。また蛍光灯は点灯後に自動調光位置では一定の光量を出力するが、中央近傍では自動調光位置との温度差により光量変動が生ずる。この不具合はファクシミリ等で原稿照明用光源に蛍光灯を用いた場合にも同様に生ずる。」(2頁8行?同18行)
(ニ)「本考案は上記不具合を解消し、蛍光灯をその管壁温度を蛍光灯全体で一様になるように加熱して蛍光灯の光量変動を減少させることができる蛍光灯加熱装置を提供することを目的とする。」(2頁19行?3頁2行)
(ホ)「上記目的を達成するため、本考案は光源に蛍光灯を用いた装置において、第1図に示すように前記蛍光灯1の各部分をそれぞれ外部より加熱する複数のヒータ2と、この複数のヒータ1を個別に制御することにより前記蛍光灯1の各部分の温度を個別に制御する制御部3とを備えるようにしたものである。」(3頁4行?同10行)
(ヘ)「蛍光灯1の各部分がそれぞれ外部より複数のヒータ2で加熱され、この複数のヒータ2が制御部3で個別に制御されることにより蛍光灯1の各部分の温度が個別に制御される。」(3頁12行?同15行)
(ト)「第3図は上記蛍光灯15とヒータ16,温度検知器27,28との関係を示す。ヒータ16は蛍光灯15の全体を加熱できるものであるが、蛍光灯15における左側のフィラメント24の近傍Aを加熱するヒータ16a、蛍光灯15の中央部Bを加熱するヒータ16b、蛍光灯15における右側のフィラメント25の近傍Cを加熱するヒータ16cに分割され、これらのヒータ16a、16b、16cが個別に蛍光灯15の左側端部A、中央部B、右側端部Cを加熱する。」(5頁12行?6頁1行)
(チ)「蛍光灯15において自動調光装置23がある自動調光位置と中央部に温度検知器27,
28が取り付けられ、(中略)蛍光灯15の温度を検知する。」(6頁4行?同8行)
(リ)「第4図はヒータ16a、16b、16cを制御する回路を示す。蛍光灯15の自動調光位置における管壁温度がサーミスタ27により検知されてこのサーミスタ27の検知信号がCPU26のANポートに入力され、CPU26はその検知信号により蛍光灯15の管壁温度が最適温度かどうかを判断してこの判断結果に応じてヒータオン/オフ信号を出力ポートに送る。(中略)SSR30がそのヒータオン/オフ信号によりオン/オフして電源34からヒューズ32を介してヒータ16a、16cに供給される電流がオン/オフされることによって蛍光灯15の両端部の管壁温度が最適温度に制御される。また、蛍光灯15の中央部における管壁温度がサーミスタ28により検知されて(中略)SSR31がそのヒータオン/オフ信号によりオン/オフして電源35からヒューズ33を介してヒータ16bに供給される電流がオン/オフされることによって蛍光灯15の中央部の管壁温度が最適温度に制御される。」(6頁11行?7頁17行)
また、同じく、原査定の拒絶の理由で引用された特開昭60-124168号公報(昭和60年7月3日出願公開。以下「引用例2」という。)には、図面とともに次の各記載がある。
(ヌ)「本発明は(中略)光源温度を発光効率のよい所定温度となる様制御することにより環境温度影響されることのない原稿読み取り装置を提供することを目的とする。」(3頁右上欄17行?同左下欄1行)
(ル)「本発明の機能ブロック図を第2図に示す。図中100は原稿面を光走査するための光源、200は光源100を加熱する加熱手段、300は光源100を冷却する冷却手段、400は加熱手段200の温度を検知する第1の検知手段、500は原稿読み取り装置の内部温度を検知する第2の検知手段、600は第1の検知手段400及び第2の検知手段500の検知温度に従い光源100を所定温度に保つ様加熱手段200及び冷却手段300を制御する制御手段である。」(3頁左下欄9行?同右上欄2行)

[対比]
そこで、本願第1考案と引用例1に記載された考案とを対比すると、
(あ)引用例1に記載された考案は、原稿照明用光源としてファクシミリに適用される場合も想定されており(上記(ハ)の記載参照。)、その場合には原稿の画像の読み取り手段を備えることは明らかである。また、「蛍光灯15」は、「照明手段」といえるから、引用例1に記載された考案は、「照明手段からの照明を原稿に投射し、読取り手段により前記原稿を読み取る画像処理装置」である点で、本願第1考案と差異がない。
(い)引用例1に記載された考案の「蛍光灯の各部分をそれぞれ外部より加熱する複数のヒータ」(16a、16b、16c)、蛍光灯15の自動調光位置(端部)と中央部に取り付けられる「温度検知器27,28」は、本願第1考案の「照明手段の所定の箇所をそれぞれ加熱する複数の加熱手段」、「照明手段の温度分布を検出する温度検出手段」にそれぞれ相当する。
(う)引用例1に記載された考案のCPU26は、蛍光灯15の自動調光位置(端部)の管壁温度を検知するサーミスタ27の検知信号に基づいてヒータ16a、16cをオン/オフ制御してその管壁温度を最適温度に制御し、また、蛍光灯15の中央部の管壁温度を検知するサーミスタ28の検知信号に基づいてヒータ16bをオン/オフ制御してその管壁温度を最適温度に制御するものであり、その実施例においては、CPU26がヒータ16aと16cを個別に制御しているとはいえないが、引用例1に記載された考案の目的や実用新案登録請求の範囲に記載から明らかなように、引用例1に記載された発明は、管壁温度が蛍光灯全体で一様になるように蛍光灯の各部分の温度を個別に制御しようとするものであるから、引用例1に記載された考案は、「温度検出手段の検出結果に基づいて、前記加熱手段を個別に制御する制御手段」を有する点で、本願第1考案と差異がない。
以上の(あ)?(う)を踏まえると、両者は、
「照明手段からの照明を原稿に投射し、読取り手段により前記原稿の画像を読み取る画像読取装置において、
前記照明手段の所定の箇所をそれぞれ加熱する複数の加熱手段と、
前記照明手段の温度分布を検出する温度検出手段と、
前記温度検出手段の検出結果に基づいて、前記加熱手段を個別に制御する制御手段と、
を有することを特徴とする画像読取り装置。」
である点で一致し、次の点で相違する。
本願第1考案は、「前記照明手段の所定の箇所をそれぞれ冷却する複数の冷却手段」を有し、制御手段がそれら冷却手段をも個別に制御する、すなわち、制御手段が「前記冷却手段及び/または前記加熱手段を個別に制御する」ものであるのに対して、引用例1に記載された考案は、そのような冷却手段を有しておらず、制御手段は、単に「前記加熱手段を個別に制御する」ものである点。

[当審の判断]
上記相違点について検討する。
温度制御に加熱手段と冷却手段を併用することは、引用例2に原稿読み取り装置の光源100の温度を加熱手段200及び冷却手段300で制御することが記載されているように、慣用されていることであるから、引用例1に記載された考案において冷却手段をも設けるようにすることに何ら困難性はない。そして、加熱手段と冷却手段とを併用する場合、それらによる加熱と冷却とが対になって各部分の温度を制御することは明らかであり、引用例1に記載された考案は、蛍光灯の各部分の温度を個別に制御しようとするものであるから、冷却手段を「前記照明手段の所定の箇所をそれぞれ冷却する」複数の冷却手段とし、制御手段が「前記冷却手段及び/または前記加熱手段を個別に制御する」ようにすることは、当業者がきわめて容易に想到し得ることである。

[むすび]
したがって、本願請求項1に係る考案は、引用例1及び引用例2に記載された考案に基いて、当業者がきわめて容易に考案をすることができたものであるから、実用新案法第3条第2項の規定により実用新案登録を受けることができない。
以上のとおりであるから、本願は、実用新案登録請求の範囲の他の請求項に係る考案について審理するまでもなく拒絶すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 2000-06-20 
結審通知日 2000-06-30 
審決日 2000-07-11 
出願番号 実願平4-39057 
審決分類 U 1 8・ 121- Z (H04N)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 宮島 潤清水 正一  
特許庁審判長 田辺 寿二
特許庁審判官 江頭 信彦
関川 正志
考案の名称 画像読取り装置  
代理人 鎌田 久男  
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