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審決分類 審判 査定不服 発明同一 取り消して特許、登録 A47B
管理番号 1028299
審判番号 審判1998-14308  
総通号数 16 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 実用新案審決公報 
発行日 2001-04-27 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 1998-09-17 
確定日 2000-11-20 
事件の表示 平成 5年実用新案登録願第 16181号「名札差し付き把手」拒絶査定に対する審判事件〔平成 6年10月25日出願公開、実開平 6- 75241、平成 8年 3月13日出願公告、実公平 8- 8669、請求項の数(5)〕について、次のとおり審決する。   
結論 原査定を取り消す。 本願の請求項1?5に係る考案は、実用新案登録すべきものとする。
理由 1.手続の経緯・本願の請求項1?5に係る考案
本願は、平成5年4月1日の出願であって、その請求項1?5に係る考案は、出願公告後の平成10年10月19日付けの手続補正書により全文補正された明細書及び図面の記載からみて、本願の実用新案登録請求の範囲の請求項1?5に記載された次のとおりのものである。
「【請求項1】把手本体の前面における前方へ凸曲する部分に、名札を収容するための凹部を形成し、この凹部と同一の形状を有するとともに、全面を、把手本体の前記前方へ凸曲する部分と同一面となる曲面に形成した、透明硬質樹脂から成る名札カバーを、前記凹部に開閉自在に設けたことを特徴とする名札差し付き把手。
【請求項2】前記名札カバーの裏面を平面とすることにより、これを平凸レンズとしてなる請求項1記載の名札差し付き把手。
【請求項3】前記名札カバーは、一端部にて把手本体に枢着されている請求項1又は2記載の名札差し付き把手。
【請求項4】上記枢着端部は、上方端部である請求項3記載の名札差し付き把手。
【請求項5】前記名札カバーと本体凹部とをスナップ係合するためのスナップ手段が設けられている請求項1?4のいずれかに記載の名札差し付き把手。」

2.先願明細書記載の考案
原査定の拒絶の理由となった実用新案登録異議の決定の理由において引用された、本願の出願日前の他の出願であって、その出願後に出願公開された、実願平4-7446号(登録異議申立人が甲第2号証として提出した実公平7-17090号公報参照)の願書に最初に添付した明細書及び図面(以下、「先願明細書」という。)には、下記の事項が記載されている。
(なお、実願平4-7446号は、その公告前に明細書及び図面に対する補正がなく、実公平7-17090号公報として出願公告されたものであるから、実公平7-17090号公報の明細書及び図面の内容は、実願平4-7446号の願書に最初に添付した明細書及び図面のものと認められる。)
「本考案は、ロッカー、キャビネット等の家具における見出し具及び見出し具付引き手の改良に関するものである。」(段落【0001】)、「従来、家具等における見出し具は、見出しを取り付ける枠部材を設け、その枠部材の周囲に形成した溝に見出し並びにセルロイド等の透明保護部材を挿し込むようにしたものが知られている。」(段落【0002】)、「前記の従来技術においては、見出し用紙、透明保護部材を枠部材の周囲に形成した溝に挿入することが厄介であり、・・・挿入できても、たるんだ状態になって突出してしまう。このため近くを通ると服等が触れる恐れがあり、触れるとすぐにはずれてしまことが、頻繁に起こる問題点があった。本考案は、この点に鑑み、簡単な構成で見出し用支持体を取付具で開閉自在に設けているので、枠部材の溝に挿入するという面倒な操作が必要なく、簡単に見出しを挿入保持することができる家具等における見出し具及び見出し具付引き手を提供することを目的とするものである。」(段落【0003】)、「引き手3に設けた見出し具Aの具体的な一実施例を図2?図4に基づいて詳細に説明すると、ロッカー、キャビネット等の家具の扉、抽斗等の表面部に設ける引き手3に形成した見出し具Aの実施例で、合成樹脂製の引き手3、これは従来の引き手3で種々の形状のものがあるが、一例として家具本体に取り付けるための取付凸部4、手の挿入用凹部5、この挿入用凹部5を挟むようにして両側に、できれば不透明な平板部6を形成し、この平板部6を覆うように透明な見出し用支持体7を設けたものである。この透明な見出し用支持体7は、一端を取付具10で平板部6に対して開閉自在に取付け、他端部は係止部8を形成し、この係止部8は引き手3本体の適宜の部分に形成した係合部9に着脱自在に係止できるように設けてある。」(段落【0006】)、「透明な見出し用支持体7の見出し具への装着は、見出し具の裏面側から、透明な見出し用支持体7の先端部、すなわち係止部を前記切り欠き孔11に挿入して、見出し用支持体7の後端側に設けた小突起10aを取付具係合部12に収納するだけでよい。」(段落【0007】)、「このような構成を採用しているので、見出し用紙に見出し内容を記載し、透明な見出し用支持体7の係止部8を係合部9から離脱し、透明な見出し用支持体7を取付具10を介して開放し、見出し用紙を挿入し、透明な見出し用支持体7を取付具10を介して回動して閉じることによって、簡単に見出し用紙を挿入支持することができる。そして、本考案の実施例においては、見出し具Aは、手の挿入用凹部5を中央に形成した引き手3の両側に設け、この挿入用凹部5側から開閉できるように透明な見出し用支持体7を設けたので、引き手3と見出し具Aとが兼用できる上、挿入用凹部5に手指を入れることができるから、係止部8と係合部9との脱着をきわめて容易に行うことができる。・・・また、実施例では、引き手3の挿入用凹部5の左右に見出し具Aを設けたものを説明したが、どちらか一方だけでも良いことはいうまでもない。」(段落【0008】)の記載がある。
そして、図5には、平板部6に見出し用支持体7を嵌合できる凹部を示す輪郭線の記載があると認められるところ、見出し用紙は前記凹部において平板部6と見出し用支持体7間に挿入支持されるのであるから、前記凹部は、見出し用紙を挿入するための凹部であるとも認められ、また、図7の透明な見出し用支持体7の取付具10が取付けられている部分の引き手3の断面図及び図3における引き手3の一部断面図によれば、前記凹部に透明な見出し用支持体7を閉じた部分の引き手3は、前記透明な見出し用支持体7と平板部6が面一(断面矩形状)をなしていることも明らかである。
これらの明細書及び図面の記載によると、先願明細書には、
「引き手3本体の前面における部分に、手の挿入用凹部5の両側或いは一側に見出し用紙を収容するための凹部を平板部6に形成し、前記凹部と同一の形状を有するとともに、全面を、閉じた状態において平板部6の前面と同一面となる平面に形成した、透明材料から成る見出し用支持体7を、前記凹部に開閉自在に設けた見出し具付引き手3。」という考案が記載されていると認める。

3.対比・判断
本願の請求項1に係る考案と先願明細書記載の考案とを比較すると、先願明細書記載の考案の「平板部6」、「見出し用紙」、「見出し用支持体7」、「見出し具付引き手3」は、本願の請求項1に係る考案の「把手本体」、「名札」、「名札カバー」、「名札差し付き把手」に相当しているから、
本願の請求項1に係る考案と先願明細書記載の考案とは、
「把手本体の前面における部分に、名札を収容するための凹部を形成し、この凹部と同一の形状を有するとともに、全面を、把手本体の前方部分と同一面に形成した、透明材料から成る名札カバーを、前記凹部に開閉自在に設けた名札差し付き把手。」である点で一致している。
しかし、本願の請求項1に係る考案は、把手本体の前面における前方へ凸曲する部分に、名札を収容するための凹部を形成し、この凹部と同一の形状を有するとともに、全面を、把手本体の前記前方へ凸曲する部分と同一面となる曲面に形成した点に対して、先願明細書記載の考案は、透明な見出し用支持体7を具備する部分の引き手3の前面は、透明な見出し用支持体7と平板部6が面一をなしている点で、両者は相違していると認められる。
そして、本願の請求項1に係る考案は、相違点における上記事項を構成要件とすることにより、明細書記載の「名札カバーの表面を、前方へやや凸曲する把手の前面と同一面となるように形成してあるので、把手全体としての表面は連続面となり、把手の美観が良好となる。」(段落【0014】)、「把手の一部並びに名札カバーは、前方へ向かって凸曲しているので、ロッカーの扉等、本来平面的な把手取付部は、立体感のあるものとなる。」(段落【0015】)という特有の効果を奏するものと認める。
したがって、本願の請求項1に係る考案は、先願明細書記載の考案と同一であると言うことはできない。
また、本願の請求項2?5に係る考案は、請求項1を引用して本願の請求項1に係る考案の構成を限定するものであるから、本願の請求項1に係る考案において検討したのと同様の理由により先願明細書記載の考案と同一であるとすることはできない。

4.むすび
以上、本願の請求項1?5に係る考案は、先願明細書に記載された考案と同一であるとすることはできない。
また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
審決日 2000-10-31 
出願番号 実願平5-16181 
審決分類 U 1 8・ 161- WY (A47B)
最終処分 成立  
前審関与審査官 和泉 等阿部 寛  
特許庁審判長 樋口 靖志
特許庁審判官 鈴木 憲子
宮崎 恭
考案の名称 名札差し付き把手  
代理人 倉持 裕  
代理人 竹沢 荘一  
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