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審決分類 審判 査定不服 発明同一 特許、登録しない。 G03B
管理番号 1028330
審判番号 審判1998-4785  
総通号数 16 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 実用新案審決公報 
発行日 2001-04-27 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 1998-03-27 
確定日 2000-10-25 
事件の表示 昭和62年実用新案登録願第5697号「レンズ付きフイルムユニツト」拒絶査定に対する審判事件(平成7年5月15日出願公告、実公平7-20667)について、次のとおり審決する。   
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1,手続の経緯と本願考案
本願は、昭和62年1月19日の出願であって、その考案の要旨は、出願公告後の平成10年4月27日付けの手続補正書によって補正された明細書及び図面の記載からみて、その実用新案登録請求の範囲に記載された次のとおりのものと認める。「撮影レンズ及びシャッタ等の撮影機構を光密ケース内に備えるとともに、光密ケース組立て前に裏紙のないロール状フイルムが装填されており、撮影終了後前記光密ケースを分解又は破損して撮影済みフイルムを取り出すようにしたレンズ付きフイルムユニットにおいて、前記フイルムは、一端が巻取部に配置された光密なフイルムコンテナー中のフイルム巻芯に固定されており、他端は前記フイルムコンテナーから引き出されロール状にしてフイルム供給部に配置され、撮影される毎にフイルム巻芯が回転され、前記光密なフイルムコンテナー内に巻き込まれていくように構成され、前記光密フイルムコンテナーは、撮影用露光開口よりシャッタボタンの存在する側に配置され、該コンテナーのフイルム巻芯に、外部操作のためにその一部を前記光密ケースの外に露呈させた巻上部材の回動軸を直接係合させたことを特徴とするレンズ付きフイルムユニット。」
2,原査定の理由
これに対して、原査定の拒絶の理由となった実用新案登録異議の決定に記載した理由の概要は、本願考案は、本願の出願の日前の他の出願であって、その出願後に出願公開された実願昭61-185230号(実開昭63-90217号)の願書に最初に添付した明細書及び図面(以下、「先願明細書」という。)に記載された考案(以下、「先願考案」という。)と同一であるから、実用新案法第3条の2の規定により実用新案登録を受けることができない、というにある。
3,先願明細書に記載された先願考案
先願明細書には、
「本考案は、撮影機能を備えたユニット本体に予めフイルムを内蔵させたレンズ付きフイルムユニットに関するものである。」(第2頁第1?3行)、「このようにして用いられるレンズ付きフイルムユニットには、操作が簡単であることとともに低価格であることが要求される。このため、撮影機構を内蔵したユニット本体部については、従来のカメラに設けられているような裏蓋開閉機構や、複雑な露出制御機構などは省略されており、これをローコストで提供することができるようにしている。このような従来のレンズ付きフイルムユニットに対し、画質を高めるために画面サイズの大きいフイルム、例えば最も普及しているパトローネ入り135フイルムをレンズ付きフイルムユニットに内蔵させようとする試みがなされている。この場合には、予めパトローネからフイルムを引き出してロール状にまとめ、これをユニット本体に収容しておき、撮影ごとに露光済みのフイルムをパトローネに巻き込んでゆくようにするのが好都合である。このようにすることによって、使用後には露光済みのフイルムが全てパトローネに巻き込まれるようになるから、巻き戻し操作をすることなく、ユニット本体を明室で分解してパトローネを取り出すことができるようになる。」(第2頁19行?第3頁20行)、「本考案を用いたレンズ付きフイルムユニットの外観を示す第4図において、ユニット本体1はプラスチックの成形によって作成された本体基部2と、本体基部2の背面側の開口を光密に閉鎖する背板3とからなる。本体基部2には撮影レンズ4,フアインダ窓5、レリーズボタン6が設けられている他、内部にはシャッタ、フイルム巻き上げ機構などの撮影機構を内蔵している。前記背板3は、本体基部に超音波溶着や嵌合などによって固着され、ユーザーはこれを取り外すことができないようになっている。ユニット本体1には、詳しくは後述するように、パトローネから引き出されてロール状にされた135タイプのフイルムロールと、これを巻き込むためのパトローネとが装填されており、これを購入したユーザーはそのままレリーズボタン6を操作して写真撮影を行うことができる。撮影を行うごとに巻き上げノブ8(第1図参照)を操作することによって、露光済みのフイルムはパトローネに巻き込まれる。そして、全コマの撮影を終えた後には、そのままの状態で現像取扱店に提出する。現像所ではユニット本体1からパトローネを取り出し、従来通りの現像、焼き付け処理を行って、ネガ及びプリント写真がユーザーに戻される。したがって、このレンズ付きフイルムユニットの本体1は使い捨て式となり、ユーザーに返却されることがない。前記本体部2に背板3を取り付ける前の状態を示す第1図において、本体基部2には背面から底面にわたる開口2aが形成され、この開口2aを光密に遮蔽するように背板3の形状が決められている。前記本体基部2には、露光枠10を挟むように、フイルムロール室11及びパトローネ室12が設けられている。パトローネ室12の上壁には、巻き上げノブ8の操作に連動し図中反時計方向に回動するフイルム巻き上げ用のフオーク14が突出している。」(第5頁第1行?第7頁17行)、「装填治具によって保持されたパトローネ20及びフイルムロール23は、装填治具をパトローネ20の軸方向に移動させることによって、フイルムロール室11,パトローネ室12の底面開口11a、12aから本体基部2の所定位置に装填される。これにより、パトローネ20に回動自在に設けられ、フイルム21の一端が係着されたパトローネ軸28(第3図参照)はフオーク14に係合する。」(第8頁第20行?第9頁第8行)と記載されており、これらの記載及び図面から、先願明細書には、「撮影機能を備えたユニット本体に予めフイルムを内蔵させたレンズ付きフイルムユニットに関し、パトローネ入り135フイルムをレンズ付きフイルムユニットに内蔵させる場合に予めパトローネからフイルムを引き出してロール状にまとめ、これをユニット本体に収容しておき、撮影ごとに露光済みのフイルムをパトローネに巻き込んでゆくようにし、使用後には露光済みのフイルムが全てパトローネに巻き込まれ、巻き戻し操作をすることなく、ユニット本体を明室で分解してパトローネを取り出すことができるようにしたものにおいて、ユニット本体1はプラスチック製の本体基部2と本体基部2の背面側の開口を光密に閉鎖する背板3とからなり、本体基部にには撮影レンズ4,フアインダ窓5,レリーズボタン6が設けられている他、内部にはシャッタ、フイルム巻き上げ機構などの撮影機構を内蔵し、露光枠10を挟んでパトローネ室12がレリーズボタン6側に位置するようにフイルムロール室11及びパトローネ室12が設けられ、また、パトローネ室12の上壁に外部操作のためにその一部が本体基部2の外に露呈させた巻き上げノブ8の操作に連動して回動するフイルム巻き上げ用のフオーク14が突出し、パトローネ20に回動自在に設けられ、フイルム21の一端が係着されたパトローネ軸28がフオーク14に係合してなる、レンズ付きフイルムユニット」の考案が記載されている。
4,対比・判断
本願考案と先願考案とを対比すると、先願考案の「撮影レンズ4」「シャッタ」「ユニット本体」「135フイルム」「パトローネ」「フイルムロール室」「露光枠」「レリーズボタン6」「巻き上げノブ」「パトローネ軸」はそれぞれ本願考案の「撮影レンズ」「シャッタ」「光密ケース」「裏紙のないロール状フイルム」「光密なフイルムコンテナー」「フイルム供給部」「撮影用露光開口」「シャッタボタン」「巻上部材」フイルムコンテナーのフイルム巻芯」に相当するものと認められるから、両者は、「撮影レンズ及びシャッタ等の撮影機構を光密ケース内に備えるとともに、光密ケース組立て前に裏紙のないロール状フイルムが装填されており、撮影終了後前記光密ケースを分解又は破損して撮影済みフイルムを取り出すようにしたレンズ付きフイルムユニットにおいて、前記フイルムは、一端が巻取部に配置された光密なフイルムコンテナー中のフイルム巻芯に固定されており、他端は前記フイルムコンテナーから引き出されロール状にしてフイルム供給部に配置され、撮影される毎にフイルム巻芯が回転され、前記光密なフイルムコンテナー内に巻き込まれていくように構成され、前記光密フイルムコンテナーは、撮影用露光開口よりシャッタボタンの存在する側に配置され、該コンテナーのフイルム巻芯に、外部操作のためにその一部を前記光密ケースの外に露呈させた巻上部材の回動軸を係合させたレンズ付きフイルムユニット」で一致し、
本願考案では、巻上部材の回動軸をフイルムコンテナーのフイルム巻芯に直接係合させているのに対し、先願考案では、巻上部材の操作に連動して回動するフイルム巻き上げ用フオークをフイルムコンテナーのフイルム巻芯に係合させているものの、巻上部材の回動軸がフイルム巻芯に直接係合しているか否か明確でない点で、一応相違している。
そこで、相違点について検討するに、レンズ付きフイルムユニットを含むカメラにおいて、構造を簡単にするという課題は周知のものであるから、格別の事情がない限り、巻上部材の回動軸をフイルム巻芯に直接係合させることの方が普通に行われる手段であり(例えば、特開昭48-7734号公報参照)、また、本願考案と同種の外部操作のためにその一部を光密ケースの外に露呈させた巻上部材においても、フイルムコンテナーのフイルム巻芯に巻上部材の回動軸を直接係合させることは本願出願前に周知である(例えば、実願昭58-86637号(実開昭59-192129号)のマイクロフイルム参照)。
してみると、本願考案の「巻上部材の回動軸をフイルムコンテナーのフイルム巻芯に直接係合させる」点は、周知技術の転換に相当するものであり、新たな効果を奏するものではないから、上記相違点は、課題解決のための具体化手段における微差に過ぎず、本願考案と先願考案とは実質同一である。
5,むすび
したがって、本願考案は先願明細書に記載された考案と同一であると認められ、しかも、本願考案の考案者が上記先願明細書に記載された考案の考案者と同一であるとも、また本願の出願の時に、その出願人が上記他の出願の出願人と同一であるとも認められないので、本願考案は、実用新案法第3条の2第1項の規定により実用新案登録を受けることができない。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 1998-10-21 
結審通知日 1998-11-06 
審決日 1998-11-16 
出願番号 実願昭62-5697 
審決分類 U 1 8・ 161- Z (G03B)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 篁 悟大元 修二  
特許庁審判長 櫻井 義宏
特許庁審判官 綿貫 章
横林 秀治郎
考案の名称 レンズ付きフィルムユニット  
代理人 小林 和憲  
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