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審決分類 審判 全部無効 2項進歩性 無効としない F16L
管理番号 1028332
審判番号 審判1998-35142  
総通号数 16 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 実用新案審決公報 
発行日 2001-04-27 
種別 無効の審決 
審判請求日 1998-04-03 
確定日 1999-10-27 
事件の表示 上記当事者間の登録第2148574号実用新案「固定機構」の登録無効審判事件について、次のとおり審決する。   
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。
理由 1.出願の経緯・本件考案
本件実用新案登録第2148574号は、平成1年2月27日に出願され、平成5年3月2日に出願公告され、平成9年6月13日に設定登録されたものである。
本件実用新案登録にかかる考案は、その実用新案登録請求の範囲に記載された次のとおりのものと認める。
「1.垂壁部(3)に一対の係止片(2、2a)を対向配置してなる保持体(1)をアンカーボルト(6)の所定位置に固定する機構であって、
前記係止片(2、2a)には前記アンカーボルトのための挿通孔(4、4a)を設けるとともに、該挿通孔の内縁部の前記アンカーボルトの外側には押しつぶしまたは切削によって前記アンカーボルトのねじ部に係着する薄肉係合部(5、5a)を設けて固定部(7、7a)を形成し、
前記垂壁部(3)には前記アンカーボルトの内側に配置されて前記アンカーボルト挿通孔の薄肉係合部を前記アンカーボルトのねじ部側に付勢押圧する板バネ(8)を設けた
ことを特徴とする固定機構。
2.垂壁部(3)に一対の係止片(2、2a)を対向配置してなる保持体(1)をアンカーボルト(6)の所定位置に固定する機構であって、
前記係止片(2、2a)には前記アンカーボルトのための挿通孔(4、4a)を設けるとともに、該挿通孔の内縁部の前記アンカーボルトの内側には押しつぶしまたは切削によって前記アンカーボルトのねじ部に係着する薄肉係合部(5、5a)を設けて固定部(7、7a)を形成し、
前記垂壁部(3)には前記アンカーボルトの外側に配置されて前記アンカーボルト挿通孔の薄肉係合部を前記アンカーボルトのねじ部側に付勢押圧する板バネ(8)を設けた
ことを特徴とする固定機構。」
2.請求人の主張の概要
これに対し、請求人は、平成11年4月20日に行われた口頭審理においてその主張が整理され、本件考案は、下記のとおりの無効事由により、その実用新案登録は実用新案法第37条の規定に該当し、無効とさるべきである、と主張している。
(1)本件請求項1にかかる考案は、甲第1、2、4号証に記載された考案に基づいて当業者がきわめて容易に考案をすることができたものであって実用新案法第3条第2項に該当し、その実用新案登録は特許法第37条第1項第1号の規定により無効とさるべきである。
(2)本件請求項2に係る考案は、甲第1、4、7号証に記載された考案に基づいて当業者がきわめて容易に考案をすることができたものであって実用新案法第3条第2項に該当し、その実用新案登録は特許法第37条第1項第1号の規定により無効とさるべきである。
3、被請求人の答弁の概要
甲第1、2、4、7号証を総合勘案しても、本件請求項1、2に係る考案は、甲第1、2、4、7号証に記載された考案から当業者がきわめて容易に推考できるものではなく、本件実用新案登録が実用新案法第3条第2項の規定に違反して実用新案登録されたものであるとする請求人の主張は、失当である。
4.甲各号証
(1)甲第1号証(実願昭59-127947号(実開昭61-43306号)のマイクロフィルム)
甲第1号証には、「天井スラブより垂下するボルトに取付けられ、下方に延長する腕片と、この腕片の下端に一体化されたU字状の受け部とを有する野縁受けハンガーの取付け構造において、上記腕片の上部に2個の対向片が水平方向に延長する如くU字状に成形して成る固定部を設け、この固定部の上記対向片に上下に貫通し周縁部の一部が上記固定部の底壁と一致するとともに上記ボルトより大径の孔を設け、上記底壁のボルト対向面にボルトのねじ部が嵌入する条溝を設け、上記孔に上記ボルトを貫入し、上記ボルトと上記底壁側と反対側の孔の周縁部との間に長軸が底壁方向を向く楕円状の棒体を圧挿したことを特徴とする野縁受けハンガーの取付け構造。」(実用新案登録請求の範囲)、「建物の天井は、第4図に示すように、天井スラブ1より垂下するボルト2に下方に延長する腕片3とこの腕片3の下端に一体化されたU字状の受け部4とを有する野縁受けハンガー5を固定し、前記U字状の受け部4に野縁受け6を挿入し取付け、さらに第4図には示してない野縁(この野縁に天井板を取付ける)を前記野縁受け6に固定し、天井スラブ1と天井板との間に所定の間隔を設けた構成である。そして前記野縁受けハンガー(以下、単にハンガーという)5のボルト2への取付け位置を変えることによって、前記天井スラブと天井板との間隔を所定の間隔にしている。
而してボルト2へのハンガー5の取付けは、従来は、第4?8図に示す如く、先づ天井スラブ1から垂下するボルト2に断面形状が半円形の中空キャップ7を挿入し、次にハンガー5の腕片3の上部傾斜部分8に設けたボルト貫入孔9(第8図)にボルト2を貫入し、前記受け部4が所定高さになったところで、ハンガー5の前記傾斜部分8の上部に設けてありボルト2のねじ10が嵌入可能な多数の条溝11を半円形状の底部12の内面に刻設してある溝形状の螺着片13をボルト2に当接してボルト2のねじ10を螺着片13の前記条溝11に嵌入した後、前記中空筒キャップ7を引き下してこのキャップ7でボルト2と螺着片13とを一緒に包囲し、ねじ10が条溝11に嵌入している状態を維持する構造によってなされていた。
上記従来のハンガー取付け構造は、先づキャップ7にボルト2を挿入しておかねばならない構造であるから、該キャップの挿入を忘れた場合には一旦ボルトを挿入したハンガーをボルトから抜き取り、キャップ挿入からやり直さなければならず、取付けが面倒であるという欠点があった。」(第2頁第5行?第3頁第17行、第4?8図)、「第1図はこの考案の1実施例を示す斜視図、第2図は第1図の上面部分図である。これらの図において、2、3、4、6、10は第4図の同符号と同じもの、即ち2はボルト、3はハンガーの腕片、4はU字状の受け部、6は野縁受け、10はボルト2のねじを示す。この実施例のハンガー15は、腕片3の上部に2個の対向片16、17が水平方向に延長する如くU字状に成形して成る固定部18を設け、この固定部18の上記対抗片16、17に上下に貫通し周縁部19a、19bの一部20a、20b(・・・)が上記固定部18の底壁21と一致するとともに天井スラブより垂下するボルト2より大径の孔22a、22bを設けた構成である。而して、上記ボルト2をこれらの孔22a、22bに貫入し、ハンガーの受け部4が所定の高さになったところで上記ボルト2を上記底壁21側と反対側の孔22a、22bの周縁部23a、23bとの間に楕円形状断面の棒体24の当該楕円形状の短軸が底壁21方向を向くように挿入し(第2図)、次いで矢印Pの方向に回動して楕円形状の長軸が底壁21方向を向くようにして、棒体24を圧挿し、ボルト2を底壁21に押付けハンガー15をボルト2に取付け固定する。
前記孔22a、22bの周縁部23a、23bにボルト2のねじ10と嵌合する凸条又は凹溝を形成すると、ハンガーのボルトに対する取付け固定がより確実になる。
さらに固定部18の底壁21のボルト2と当接する個所にボルト2のねじ10が嵌入可能な条溝25を刻設し、この条溝25にボルトのねじ10が嵌入する構成とするときには、ハンガーの位置維持力がより強力になる。」(第4頁第12行?第6頁第4行、第1?3図)、「この考案は、腕片の上部に2個の対向片が水平方向に延長する如くU字状に成形して成る固定部を設け、この固定部の上記対向片に上下に貫通し周縁部の一部が上記固定部の底壁と一致するとともに天井スラブより垂下するボルトより大径の孔を設け、上記底壁内面に条溝を設け、上記孔に上記ボルトを貫入し、上記ボルトと上記底壁側と反対側の孔の周縁部との間に長軸が底壁方向を向く楕円状の棒体を圧挿した構造であるから、従来の構造におけるキャップのようにボルトをハンガーに挿入するに先立ちボルトに挿入しておかねばならないものを具備してないので、一旦挿入したハンガーを抜き出すことがなく、取付けが簡単であるという効果を奏する。」(第8頁第2?15行)と記載されている。
(2)甲第2号証(実公昭44-5223号公報)
甲第2号証には、「したがって棒体1の円環状の溝は金具3の板厚より若干大きく、金具3に形成した垂直部4の切込み5の幅よりも若干小さく形成したものである。」(第1頁右欄第10?13行、第1、2図)、「棒体の嵌着がきわめて容易で自然に離脱することなく、また簡単に棒体を取外すこともでき、構造簡単にして安価に構成することができるなどの実用的効果のきわめて大なるものである。」(第1頁右欄第20?24行)、「棒体に円環状の溝を形成し、略T字状の金具の水平片の両側を垂直に折曲して2個の垂直部を形成し、この垂直部に略L字状の切込みを設けると共に、前記略T字状の金具の垂直片に一端を固定した板ばねを各垂直部間に延出し、前記棒体の円環状溝を略L字状の切込みに嵌挿させ、前記板ばねにより棒体を弾着してなる止め金具。」(実用新案登録請求の範囲)と記載されている。
(3)甲第4号証(実願昭61-172838号(実開昭63-78616号)のマイクロフィルム)
甲4号証の昭和62年1月9日付け全文訂正明細書には、「建築物の梁等の吊り基盤に上端部を取付け固定する長ボルト部材と、前記長ボルト部材の下端に取付けて、バーその他の被吊り部材を固定する吊り支持部材とからなる建築物用吊具であって、前記吊り支持部材が被吊り部材側固定片と該被吊り部材側固定片に中央垂直部分の背面が係合された長ボルト側固定片とから構成され、該長ボルト側固定片が前記中央垂直部分と該中央垂直部分に夫々上下で斜め前方に互いに拡開するように弾性を有して連なる上部側片と下部側片とから形成され、該上部側片と下部側片にボルト挿入係止孔を形成して前記長ボルト部材を該ボルト挿入係止孔に挿入し、前記上部側片と下部側片の拡開方向への附勢により前記ボルト挿入係止孔における各前後の孔縁を前記長ボルト部材のネジ溝に係入係止すべくして前記被吊り部材を前記吊り基盤に吊設することを特徴とする建築物用吊具。」(実用新案登録請求の範囲)、「工場、倉庫その他の架構式にかかる(軽量)鉄骨構造の建築物においては、通常屋内に棚、内天井、通路用の床、小室等の各種建築物が懸吊状態として設置されるのであるが、このような内部建築物を支持させる吊具は、通例第8図に示すように、建築物の梁等の吊り基盤aに、内部にねじ孔を有する基部材bを埋設し、該基部材bのねじ孔に長ボルト部材cの上端部を螺入して、該長ボルト部材cの下端部に、上下のナット部材d、eの間に吊り支持部材fを挟着すべくして該上下のナット部材d、eを螺合して取付け、該吊り支持部材fの吊り用凹所gにバーその他の被吊り部材hを固定して、該被吊り部材hを前記吊り基盤a下方に吊設状態として支持しているのである。」(第2頁第10行?第3頁第3行、第8図)、「前記被吊り部材hの上下位置を変更する場合には、前記上下のナット部材d、eの内下方又は上方のナット部材を弛めてから前記吊り支持部材fの上下位置を移動させ、その後に上方又は下方のナット部材を締め付けなくてはならないといった面倒な作業を必要とするのである。
本考案は、上記問題点に鑑みなされたものであって、簡単な構造であって、しかも容易な操作で被吊り部材の上下位置を上方あるいは下方へ迅速に変更できる建築物用吊り具を提供することを主な目的としている。」(第3頁第6?17行)、「前記被吊り部材の上下位置を上方あるいは下方に変える場合には、前記長ボルト側固定片の前記上部側片と下部側片を指で対接側の内側、即ち拡開方向とは逆方向に前記弾性による付勢に抗して押し狭めると前記ボルト挿入係止孔と長ボルト部材のネジ溝との係止が解除されるので前記吊り支持部材を前記被吊り部材と一体に上方あるいは下方に移動しうるのである。
また、上記のようにして吊り支持部材を上下に移動できるので前記被吊り部材を吊設する以前の吊り支持部材の上下の位置決めを容易にすることができる。
また、被吊り部材を固定する以前の前記吊り支持部材の上下位置の微調整は、前記吊り支持部材を前記長ボルト部材に対して何れかの方向に回転させると、前記長ボルト側固定片におけるボルト挿入係止孔の前後の孔縁が前記長ボルト部材のネジ溝に案内されて上方あるいは下方に移動するので、これにより前記吊り支持部材の上下位置の微調整ができる。」(第4頁第18行?第5頁第18行」と記載されている。
(4)甲第7号証(実公昭44-5221号公報)
甲第7号証には、「6は前記係止片3、3’のU字状の切欠部2、2’に嵌合する二本の溝8、8’を有する中空棒材であり、・・・。」(第1頁右欄第1?3行、第1?5図)、「ワンタッチ操作によって安定した状態に取り付けることができるもので、組立時の作業能率は極めて向上すると共に、前記棒材の外力が加わっても取り付けが外れることがほとんどない等の実用的効果の大なるものである。」(第1頁右欄第24?28行)、「切欠部を有する一対の係止片の間に前記切欠部の内方に向けて弾性力を有し、かつ、前記係止片より前方に突出する発条板を設け、係止させる棒材に前記一対の係止片の切欠部に対応して嵌合する溝を設けて成る棒材止め装置。」(実用新案登録請求の範囲)と記載されている。
5.当審の判断
(1)本件実用新案登録の請求項1に係る考案(以下「本件第1考案」という。)に関して;
本件第1考案と上記甲第1号証に記載された考案(以下「引用考案」という。)とを比較すると、引用考案における「腕片3」、「2個の対向片16、17」、「(野縁受け)ハンガー15」、「天井スラブより垂下するボルト2」、「孔22a、22b」、「取付け構造」が、本件第1考案における「垂壁部(3)」、「一対の係止片(2、2a)」、「保持対(1)」、「挿通孔(4、4a)」、「固定機構」に相当することは明白である。また、引用考案における「前記孔22a、22bの周縁部23a、23bにボルト2のねじ10と嵌合する凸条又は凹溝を形成すると、ハンガーのボルトに対する取付け固定がより確実になる。」との記載(なお、23a、23bは20a、20bの誤記と認められる。)から見て、「ボルト2のねじ10と嵌合する凸条」は、本件第1考案における「アンカーボルトに係着する薄肉係合部(5、5a)」に相当することも明白である。してみれば、両者は、垂壁部に一対の係止片を対向配置してなる保持体をアンカーボルトの所定位置に固定する機構であって、前記係止片には前記アンカーボルトのための挿通孔を設けるとともに、外挿通孔の内縁部の前記アンカーボルトの外側には前記アンカーボルトのねじ部に係着する薄肉係合部を設けて固定部を形成し、前記アンカーボルト挿通孔の薄肉係合部を前記アンカーボルトのねじ部側に押圧する手段を備えた固定機構である点で一致し、(1)薄肉係合部の形成に関し、本件第1考案は、押しつぶしまたは切削により形成しているのに対して、引用考案は、この構成について何等記載されていない点、(2)薄肉係合部をアンカーボルトに押圧する手段に関し、本件第1考案は、垂壁部には、アンカーボルトの内側に配置されて、アンカーボルト挿通孔の薄肉係合部を、アンカーボルトのねじ部側に付勢押圧する構造であるのに対して、引用考案は、ボルトと底壁側と反対側の孔の周縁部との間に長軸が底壁方向を向く楕円状の棒体を圧挿した構造である点、(3)前記押圧する手段が介在する(配置される)位置に関し、本件第1考案は、垂壁部とアンカーボルトとの間に介在しているのに対して、引用考案は、周縁部23a、23bとボルトとの間に介在している点で相違する。
上記相違点について検討する。相違点(1)については、本件第1考案は、その製造方法を限定したにすぎず、その製造方法はいずれも本件出願前周知の技術であり、これを限定したことに格別の意義も認められないから、本件第1考案のように限定することは、当業者が適宜なし得る程度の単なる設計事項と認められる。
しかしながら、相違点(2)(3)については、本件第1考案のように構成することに、当業者がきわめて容易に想到し得るものとは認められない。まず、本件第1考案における「板バネを設けた」構成については、「垂壁部には板バネを設けた」ものであり、これは、例えば「係止片には挿通孔を設ける」と同様に、垂壁部に板バネを設けることを意味するものと認められる。そうであるとすると、垂壁部に板バネを単に置いておく(非固定状態ある)と解することは、当業者にとって不自然な解釈であり、垂壁部に板バネを固定しておくと解するのが相当である。すなわち、板バネは、垂壁部と一体となっているものであり、その結果明細書に記載のとおりのワンタッチでしかも確実に保持体をアンカーボルトに固定することができるものと認められる。次ぎに、甲第2号証には、棒体1(本件第1考案における「アンカーボルト」に相当する。以下同様)を止め金具3(「保持体」)に固定する手段として、止め金具3の垂直片7(「垂壁部」)に板バネ6を利用してなる固定機構が開示されている。甲第2号証に開示される固定機構は、本件第1考案が、板バネを設けた保持体が、アンカーボルトに固定される点で、上記甲第2号証に開示される固定機構と異なる。請求人は、止め金具3と棒体1との関係は、相対的なものであって、当業者であれば、どちらを固定あるいは可動とするかは格別のものではなく、固定機構としては同じものであり、引用考案に適用することに格別の困難性はないと主張する。仮にそうであるとしても、甲第2号証に開示される固定機構を適用しても、本件第1考案のようにはならない。すなわち、引用考案は、孔22a、22bの周縁部23a、23bとボルトとの間に押圧する手段(固定機構)が設けられているのであるから、引用考案に甲第2号証に開示される固定機構を適用すると、上記周縁部23a、23bに板バネが設けられることになり、さらには、腕片(「垂壁部」)に上記固定機構を適用しても、ハンガーは、周縁部の一部20bを支点として回転してしまい、固定機構として機能しないこととなる。したがって、引用考案に甲第2号証に開示される考案を適用して、本件第1考案のように構成することは、当業者がきわめて容易に想到し得るものとは認められない。次ぎに、甲第4号証には、本件第1考案と同様の目的で、構成された固定機構が開示されている。しかし、甲第4号証に開示される固定機構は、本件第1考案と比べて、その具体的構造が異なるものであり、これを引用考案に適用しても、別の固定機構が形成されるだけであり、本件第1考案のような固定機構とはなり得ない。甲第7号証は、実質的に、甲第2号証に相当するものであり、上記甲第2号証に関して述べたと同様の理由により、これを引用考案に適用しても、本件第1考案のように構成することは、当業者がきわめて容易に想到し得るものとは認められない。
そして、本件第1考案は、この構成により明細書記載の通りの格別の作用効果を奏するものと認められる。
よって、本件第1考案は、甲第1、2、4、7号証に記載される考案から当業者がきわめて容易に考案をすることができたものとは言えない。
(2)本件実用新案登録の請求項2に係る考案(以下「本件第2考案」という。)に関して;
本件第2考案は、本件第1考案と比較して、板バネの配置位置が異なるのみで、その余の構成は一致するものと認められる。してみれば、本件第2考案も、本件第1考案と同様の理由から、甲第1、2、4、7号証に記載される考案から当業者がきわめて容易に考案をすることができたものとは認められない。
6.むすび
以上のとおりであるから、請求人の主張および証拠方法によっては、本件実用新案登録を無効とすることはできない。
よって結論のとおり審決する。
審理終結日 1999-07-09 
結審通知日 1999-08-03 
審決日 1999-08-23 
出願番号 実願平1-22287 
審決分類 U 1 112・ 121- Y (F16L)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 大橋 康史熊倉 強  
特許庁審判長 佐藤 久容
特許庁審判官 村本 佳史
船越 巧子
登録日 1997-06-13 
登録番号 実用登録第2148574号(U2148574) 
考案の名称 固定機構  
代理人 後藤 憲秋  
代理人 竹内 浩史  
代理人 吉田 吏規夫  
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